酔い覚まし
「二人は学食に行かないの?」
スワンがカバンを置いて戻って来た。
「僕ベッドでもうちょっと寝たい」
「俺もふかふかのベッドで寝たい」
「そ。なら二人はほっといて行きましょ。チヒョンはまだ寝てるの?」
「朝早くからどこかに出かけたみたい」
なるべくホラールには聞こえない様に声を控えめにして言った。が、きっと聞こえてるはず。
ホラールは何も言わず部屋に入り、それに続いてアムリも部屋に入った。
学食で朝ごはんを食べていると、スワンのスマートフォンが鳴った。
「二日酔いが酷いから薬屋に行くけど、スワンも酔い覚まし欲しい?何か買うのあれば買ってくるけど」
さっきよりも力の無いアムリの声。
「私は大丈夫。いゆ何か欲しいのある?」
「ないけど、私も薬屋に行ってみたい」
「私達も一緒に行くわ」
「分かった」というアムリの声が聞こえると電話は切れた。
少し急いでご飯を食べ、片づけをすると丁度ホラール達がやってきた。
「アムリ大丈夫?」
「ううん、駄目。気持ち悪い。スワンは何で平気なの?ほとんど同じ量を飲んでたのに。ホラールも」
学食を出て学校前の横断歩道を渡り、向かいある薬屋へ向かった。お店近付くにつれて、段々と漢方の様なにおいがして来た。扉を開けるとギーと軋む音と共にカランカランという鈴の音。
「いらっしゃい。二日酔いね。あとの三人はー・・・何でもないようね」
お店の女の人は私達を一目見ると、直ぐにアムリが二日酔いだと言う事を見抜いた。
「ルーマニア人なら・・これと」
出身地まで分かっている。
「なんで分かったの?」
私はスワン小声で聞いた。
「魔女だから?私も良く分からない」
「魔女?魔法が使えるの?」
「薬草の知識がある人を昔はそう呼んでいたそうよ」
「物を浮かせたりする力があるわけじゃないんだね。びっくりした」
「そういった魔法を使える人はおとぎ区にいるわよ。おとぎ話しに出てくる人達が住む町なの。その区外では魔法を使ってはいけないっていう死国の法律があるのよ」
「はい。ルーマニア人できたわよ」
魔女は蜂蜜色の液体が入った試験管をアムリに渡した。
「ありがとうございます」
アムリは学生証を出して会計をした。
「五分経てば、気分がよくなるわよ」
アムリが一気に薬を口の中にいれた。
「苦くないの?」
「ううん。甘くて美味しいよ」
アムリが試験管を魔女に渡すとき、魔女とバッチリ目が合った。
「ねぇ、さっきから気になってたんだけど、もしかしてあなた」
魔女がカウンターから出てきて私に近づき、下から上まで見ると「やっぱり」と言った。




