表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
晴れた日の話し  作者: ゆかわ どり
88/137

地獄の掃除屋


「チヒョンって優しい人なのに、何で地獄に行っちゃったんだろうね。自殺しただけなのに地獄行きだなんて酷いと思う」

 

 天井にゆらりと反射するろうそくの光を目で追う。

 

「何度も言うけど、自殺は対象が他人じゃなくて自分になっただけで、殺人と同じだからね。命を大切にしないやつは命の大切さを学ぶ必要があるんだよ。いゆがこの世界の裁き人になったとしたら、きっと生国は殺人者だらけになっちゃうね」

 

 チヒョンは相変わらずキーボードをカチカチさせている。


「でも、死にたいと思ったのは自分のせいじゃなくて、自殺に追い込んだ人が原因でしょ?だったらその人が地獄に行くべきだと思う」


「うん、そうだね」


「あ。ねぇ。ペトラちゃんの時は目を見ても平気だったのに、なんでさっきの人は目から魂を吸い取られるって言ったの?」


 いつもとは逆で私の方がお喋りになっている。


「ペトラはただの地獄の住人だからだよ。暗くてよくわからなかったかもしれないけど、さっきのは目が少し赤かっただろ?血眼になって魂を探す地獄の住人の目は赤いんだ。目から魂を吸い取るやつは地獄の住人だけじゃないから、もし赤い眼の人に会ったら気をつけろよ」


「うん、わかった。・・・さっきの女の人は食べられちゃったの?」


 文字を打ちながら私の質問に答えていたチヒョンだったが、この質問をすると手を止めた。


 そして、椅子の背もたれに肘を置き私の方を向いた。


「今日いた番犬達は、死国にいる地獄探知犬とは違って、地獄の中でも最も極悪人のいるエリアから来た番犬なんだ。あそこで働いている番犬の処理法は食で、髪の毛一本残さず食べるから、地獄の掃除屋って言われているんだよ」


 はっきり食べたとは言わなかったが、話を聞く限りそう言う事らしい。いつも見かける探知犬を紳士と例えると、さっきのはまるで山賊の様だった。


 私が何も言わずにいると、チヒョンが私の首に目を移した。


「その痣、明日はもっと酷くなっているだろうね」


 地獄でスワンが首を絞められた時、痣が無くなるまでしばらく時間がかかっていた。私の首の痣もそう簡単には消えなさそう。


 心配そうな目で見つめるチヒョン。


「あ、あれがあったはず」


 ピコーンと何か閃いたような顔をして立ち上がった。

 自分の机に向かい、引き出しを上から順番に開けて何かを探している。


「あった」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ