夢で来た人
振り返ると、後ろに立っていたのは女の人。骨が浮き上がって見えるほど痩せており、髪の毛はぼさぼさで、泥遊びでもしたかのような見た目だ。
夢でこの世界に来た人かなと思ったが、お店に向かう途中であった人とは何か違う。
この感じどこかで見た事がある。女の人から漂う臭いのせいで体がぞわぞわする。そして、強い力でつかまれている肩がものすごく痛い。
「す、すみませんっ。わ、わ、わたし、あのっ」
女の人は声を震わせて、何かに怯える様にきょろきょろしながらしどろもどろに話す。
「いゆ!」
チヒョンがいきなり大きい声を出し、私の腕をつかんで自分の方に寄せた。
「走れ!はやくっ!」
チヒョンが私の腕をつかんだまま走り出した。いきなり走り出したせいで、私の足はもつれ転びそうになる。
「あいつは地獄の住人だ!いゆの魂を狙ってるんだ!」
「え!?」
振り帰って見ると、地獄の住人が私達を追いかけて来ていた。
「振り向くな!絶対に目を合わせるな!魂は目から取られる!」
私はチヒョンに引きずられる様に走った。どんなに走っても地獄の住人はスピードを変えずに追いかけてくる。
近くのお店に逃げ込みたいがどこも閉まっている。二十四時間開いている学校省か学食まで行けば何とか助かるはず。しかし、私達の息がそれまで続くか分からない。
必死に走るが、私の体力が限界に近付き足も回らなくなってきた。チヒョンに引っ張って貰っているが、チヒョンも限界が来ている様だ。
迫ってくる地獄の住人に追いつかれてしまい、私は髪の毛を掴まれた。
「ぎゃあっ!」
そのまま髪の毛を引っ張られ、チヒョンの手が私の腕からするりと抜けた。
「いゆっ!うっ!」
駆け寄ろうとしたチヒョンは地獄の住人に蹴り飛ばされ、遠くの木に叩きつけられた。
「チヒョン!」
地獄の住人は私の髪の毛を掴んだまま地面に強く叩きつけた。倒されてすぐに起き上がろうとするが、恐怖で体がうまく動かない。動け、私の体!動け!!!




