学校
「着いたわよ。早く下りてちょうだい」
起こされて目を開けると、大きくて立派なレンガ造りの建物の前に着いていた。
今、私寝ていたんだよね。これは夢の続きかもしれない。腕の皮膚を思いっきりつねる。普通に痛みがある。私は車から降り、ジンさんの横に立った。
「ここがあなたの通う学校よ」
「え、学校?学校に通うんですか?義務ですか?」
死んでるのに学校って、何を学ぶんだろう。
「ええ、義務で学校に通うのよ。あなたが住むのは隣の建物の寮。それから棺桶に一緒に入れられたお金あるでしょ?」
「いいえ。ないです」
「そんなはずないわよ。無くしたの?」
「無くしてないですよ。棺桶に入った記憶もないし」
「棺桶には自分から入るんじゃなくて入れられるのよ」
何を言っているの?という顔をされた。
「お金も持たずに来るなんて信じられない。今は、三途川は無料になったんだけど、その三途川の渡り賃として持たされたお金は、この建物の中にある換金所でこの国のお金に換金するの。でも、無いならその必要はないわね」
「でも、ここで生活するのにお金は必要ですよね?」
お金がないと寮には住めないだろうし、食べ物も買えない。それは困る。死国にもバイトはあるのかな。あーあ。死んでも仕事を探さないといけないだなんて。
「大丈夫よ。ご飯は学生食堂で食べれば学生は無料だし、あなたが住む寮のお金もかからない。学費もかからないわ。ただ、プライベートな買い為には必要よ」
それなら心配しなさそう。だけど、良い生活すをる為には、生きてても死んでてもお金が必要なんだな。
「はい、何の用?」
電話の着信音が鳴り、ジンさんが電話に出て誰かと話しはじめた。私はジンさんから少し離れて立派な建物を見上げた。
学校、緊張するな。友達出来ると良いな。
「いゆ、次の人が来ちゃったみたいだから私はもう戻るわね。その建物の中に入ったら、受付があるから、今日来ましたって言ってね。必要な手続きはそこで教えてもらえるから」
「はい」と返事をする前に、ジンさんは車に乗り込み行ってしまった。私は、車が見えなくなってから、建物へ向かって歩き出した。




