表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
晴れた日の話し  作者: ゆかわ どり
42/137

予定変更

「三番テーブルのお客様。間もなくが到着いたしますのでテーブルの上にお気をつけください」


 アナウンスが流れ、テーブルの真ん中に光の線が四角く点滅した。点滅が終わり線が点灯すると、その光のラインの内側が少し下にさがり、左右に開いた。それとともにいい匂いが鼻に届く。


「お待たせいたしました。料理をお取り下さい」


 再び同じ声が聞こえ、テーブルの開いた所から、コンサートでアイドルが下から出てくる時の様に大きなお皿に入ったチキンと黄色いソースがゆっくりと上がってきた。


「うわー!美味しそう」


 チヒョンがチキンの入ったお皿を取ると、台が下にさがり、開いていた扉が閉じて普通のテーブルに戻った。


「何もかかっていないフライドチキンは、このハニーマスタードを付けると美味しいからこれつけながら食べてね。こっちのオレンジ色の甘辛チキンは味付きだからそのまま食べて、骨はここに入れて」


 チヒョンが説明をしながら、さっきお姉さんが持ってきた透明なビニールの手袋、ステンレスの小さいゴミ箱のようなものや、手を拭くためのウェットティッシュを手際よく準備してくれる。


「いただきまーす!」


 私は両手を会わせて元気に言った。

 

 学食を出たばかりの時はチキンを食べたい気分ではなかったのに、まるで食欲の魔法にかけられたかのように美味しそうに感じる。

 ビニールの手袋をはめ、きらきらと輝いているオレンジ色のタレがかかった甘辛チキンを手で取るが、熱くて一度お皿に置く。手袋を外し、箸でチキンを掴み口に運ぶ。

 タレがチキンを全部包み込んでいるのに、一口かじると衣がサクっと言う音を出した。


「凄い。衣がべちゃべちゃしてない。こんなにカリカリしてるチキン初めて食べた」


「美味いでしょ」


「うん!すごく美味しい!」


 量が多いのに全然飽きない。


 私はお腹がはちきれそうになるまでチキンを食べた。 



 そのせいで夕飯の時間になっても私は満腹で、何も食べず飲み物だけにした。チヒョンは他の三人と一緒にエネルギー補給をしている。


「チヒョンよく食べるね。私、まだお腹いっぱいなのに」


「逆に空腹にならないほうが不思議だけど。いゆの体は食べ物の消費率低いね」

 

「チヒョンの体は燃費が悪いね」


「かっこいいクラシックカーって燃費が悪いもんじゃん」


「スポーツカーじゃなくてクラシックカーに例えるなんて変な人ね」


「僕は、人間なのに車に例える方が変だと思うよ」


 たまにアムリはもっともな事を言う。


 スマートフォンの震える音がしてチヒョンが胸ポケットから取り出した。


「あ、みんなごめん。俺土曜日無理だ。用事あったの忘れてた」


「えー。予定変更できないの?」


「こっちの用事が先だったから。俺抜きで行ってきてよ」


「チヒョンがいけないなら予定変更する。来週の土曜日に変更する」


 アムリの可愛いわがまま。チヒョンは「気にしないで」と言ったが、私は今すぐにでもスマートフォンが欲しいわけではないし、ホラールも急ぎで本屋に行きたいわけではないので予定は来週に変更になった。


「まいったなあ」


 チヒョンが小さい声でそう言ったのが聞こえた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ