責任
「日本って夢を比べて、僕の夢はカッコ悪いですって言うモノなの?」
本気で聞いてくるので私の方が驚きだ。日本ではへりくだって生きるのが普通だった。そう生きれば楽だと高校生の時に学んだのだ。
「そうじゃないよ。アムリの夢がカッコ良過ぎて、恥ずかしくなっただけ」
アムリの夢がかっこいいと言うのは本当。
「何が恥ずかしいの?いゆの夢も素敵なのに。そんな事言ったらダメ。自分の夢が可哀想だよ」
アムリは純粋だな。まだ10代だもんね。そんな純粋な心を生まれ変わっても持っていて欲しい。
なんて上から目線かな。と思いながら、素敵な夢と言われたので「ありがとう」と言うと「なんのお礼なの?」と口いっぱいにご飯を食べながら不思議がられた。
食器を片づけてから、チヒョンを起こして教室へ向かった。三人の授業が学食から遠い所にあるとのことで同じタイミングで学食を出たが、自分達の教室にはまだ誰もおらず、私達は昨日と同じ一番後ろの席に座った。
「チヒョンは何の授業を取るか決まってるの?」
「俺?ふぁ~。ねむ」
チヒョンのあくびに私もつられてあくびをした。
「俺は医者になりたかったからそっち系の授業と、それからサッカーが好きだからサッカーの授業取るかな。いゆは?」
チヒョンがまた眠ろうとしている。
「私はスワン達に相談したら、小さい頃になりたかった職業の授業をとったら?って。だから製菓の授業をとるつもり。でも、アムリがね、試食品を貰えたら僕にもちょうだいねって言ったの。食べ物を貰うために私に授業を取らせようとしているんだよ」
何となく面白くて笑えてくる。
「何それ」
チヒョンがまた一つ大きなあくびをして、涙を指でぬぐった。
「いゆさ、生きてる時も、自分の事を自分で決めずに他人に決めてもらってたでしょ」
「え、うん」
私は何かを決める時、人に相談をしてからじゃないと決める事が出来なかった。でも、最終決断は自分でしてるのであって、他人に決めてもらった事は無いと思っている。
「そうして何か不満があったら自分のせいじゃないって言えるし、楽でいいよね。でも、自分の事は自分で考えろよ。他人の意見を聞くなってわけじゃないけど、自分の人生は自分の物で、他人に決めてもらう必要なんてないんだから」
「そんな理由じゃないよ!私がみんなにアドバイスをもらうのは」
一旦口を閉じる。こんなことを言ったらチヒョンにまたうるさく言われそう。




