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晴れた日の話し  作者: ゆかわ どり
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三度のため息

 さっきまでおちゃらけた様子だったチヒョンが急に真面目な顔になった。

「あ、いや。私はただ冗談で言ったというか」

 もう、私達は死んでいるのだから、ジョークでそう言ってもいいと思ったのだけれど。本当は、少し今の方が楽しいと本気で思っている。けれどそれは言わないで心の奥に留める。

 チヒョンはため息をつき、私に近づくと両肩を掴んだ。そして、子どもに話す時の様に少し屈んで、目線を合わせた。

「いゆ。冗談でも、絶対に、そんな事言ったら駄目だよ」

 心の奥を見透かされるんじゃないかと勘違いしてしまうほど、チヒョンは瞬きもせずまっすぐに見つめてくる。

「ごめん」

 この場から抜け出したくとりあえず謝ると、チヒョンは私の肩から手を離し、もう一度ため息をついた。

「謝って欲しいわけじゃないんだ。ただ、そういう考えは絶対に持たないで欲しい。死ぬのも悪くない、なんて絶対に思っちゃいけない。分かった?」

「うん」

 目を見るのが怖くなり、チヒョンの胸の辺りを見て答えた。

「分かってくれたならいいけど。じゃ、行こう」

 屈んでいた姿勢を戻し、チヒョンは先に歩き出した。

「そういや、中国の女の子と会う約束してなかったっけ?」

 普通に話しかけてくるチヒョン。スワンとアムリの喧嘩の時の様に切り替えが早い。私は怒られた気分でまだ気まずいのに。

「でも、何時に会うかも、どこで会うかも聞いてない」

 スワン達どこにいるんだろう。

「夕食の時間だし、学食にいるんじゃない?俺も腹減ったし、学食に行こ」

 そう言うと、チヒョンは私の腕を掴んで歩きだした。この前のホラールの時とは違い、全くときめきがない。さっき怒られたから私の心がふてくされているのかな。というか、一緒に行くの?気まずい気分のまま一緒にご飯を食べたくないのに。

と思っていると、チヒョンが再び立ちどまり振り返る。

「いゆ」

 さっきと同じ真剣な顔。今度は何を言われるんだろう。

「チキン食べに行くのを忘れてた。うわー。もー」

 チヒョンは額に手を当て相当悔しがっている。さっきとのギャップで笑える。

「しょうがない、学食のチキンで我慢するか」

 三度目のため息をついてトボトボと歩き出した。


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