表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
晴れた日の話し  作者: ゆかわ どり
23/137

デジャヴ

 次の人生の為の準備?

 生国で就職すらできなかった私。なのに次の人生の為に何を準備したらいいのやら。今だってしたい事はないのに。

「次の人生をどうしたいかなんて、生まれる前から夢を持たなきゃいけないなんて難しいな」

 今の私に生まれ変わる前の私は、ここで何をしていたんだろう。ここにいた時も生きている頃と変わらずに、だらしのない生活をしていたのかな。だから私はニートだったのかも。

「次の人生の夢って言うか、僕は今の僕がやりたかった事を次の僕が叶えてくれたらいいな、くらいの考えで今勉強しているんだよ」

「私もよ。生国でお茶関係の仕事をしたくて元々勉強をしていたの。でも死んでしまったから次の私が叶えてくれたらなと思って」

「俺は特に夢はないんだ。だから今は興味のある事を学んでる」

三人の話を聞いて私が考え込んでいると、アムリがふふふと笑った。

「そんなに考えなくても大丈夫だよ。授業は選択式なんだけど、選んだ授業をずっとしなきゃいけないっていう決まりはないし、人数制限が無いから新しい授業に変更も可能だよ。因みにね、今僕達が学んでいる事がまた生まれた変わった時の自分の役に立つかは分からないんだよ。だから、真剣に悩むことはないよ」

「どうして役に立つかはわからないってわかるの?」

「生まれ変わったらここでの記憶が無くなるからよ」

 アムリの代わりにスワンが答えた。

「無くなっちゃうの?そしたら勉強をする意味ないじゃん」

 ホラールが「俺も同じこと思った」と言った。

「だから先生に質問をしたんだ。生国で同級生に一人くらい、すごく絵が上手い人っていたよね?そういう人は、ここで絵の勉強をしていたからなんだって。よく聞く生まれ持った才能っていうのは、遺伝子の関係もあるけど、前の自分が死国で勉強していた事なんだって。記憶はなくなるけど、勉強していた事は癖みたいに体に染みついているんだって。だから生まれ変わったら色んな事に挑戦しろってさ。先生らしい言葉だよね。その言葉も生まれ変わった忘れちゃうのに」

 二人は人は声をそろえて「確かに」と言って笑った。

「練習をしたり勉強をして得意になる人も、ここでの勉強が役に立ってるんだって、だから死国で色んなことを学ぶといいよって聞いたよ!」

 ホラールとアムリが色々説明をしてくれたが、私はここでの記憶が無くなるという言葉が気になってあまり頭に入ってこない。

「もしかして、生まれ変わったら、私もスワン達もお互いの事を忘れちゃうって事?」

 三人とは出会ったばかりだが、私はすっかり三人の事を好きになっていた。なのに忘れてしまうのは寂しい。

「そんなの当り前だよ。いゆが生国にいた時、死国の記憶無かったでしょ?」

 驚いている様子のアムリ。確かにその通りだ。そもそも死国の存在は死んでから知った。

 生まれ変わったら、寂しい感情なんてものは覚えてないし三人とは永遠の別れなんだ。

「でも、俺この前一人で飲みに行った時、隣の席にいたおじさんに死国で関わった人や生き物とは生まれ変わってもまた関わりを持つって聞いたよ。生まれ変わる時期が一緒なら、生まれる時期も同じ。あと、デジャヴって死国で関わった生き物同士の記憶なんだって。ここでの記憶は蘇らないけど、魂は何かを覚えてるみたい。だから、どの世界にいても人と生き物との付き合いは大事にしなさいって。おじいさんは死国の記憶をもった生国人ではないから迷信かもしれないけどね」

 生きている時、デジャヴを感じた事が何度かあった。テレビで、それは脳信号のバグだって言っていたけれど、それが死国での記憶かもしれないだなんて素敵。そっちの方を信じよう。記憶が無くなっても、みんなの事を感じることができるように思い出を沢山作ろう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ