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晴れた日の話し  作者: ゆかわ どり
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準備



 スワンの準備が終わり、四人で学食へ向かう。学食に近付くにつれ、色んな匂いが鼻と胃を刺激してくる。胃もご飯の存在に気付いたようで音を鳴らして空腹を訴えて来る。

 私は焼き魚に、納豆、ご飯、みそ汁、緑茶。スワンは豆乳に揚げパン。ホラールはソバの実を水と牛乳で煮たもの。アムリはお皿に盛られたご飯と、目玉焼きと、牛肉の何かだった。ホラール以外のみんなの朝ご飯は美味しそうに見える。

「ホラールのそれ、不味そうだね」

「いや。日本の納豆の方が不味いよ」

 ホラールがスプーンで一口すくい、私を見ながらパクリと食べて大げさに美味しい顔をした。

「毎週日曜日は何かする決まりがあるの?」

 私もホラールを見ながら納豆を食べた。

「特に予定はないよ。どうして?」

「アムリが毎週起きるの遅いって起こしに来たから何か用事があるのかと思った」

「スワンが休日もご飯だけは必ずみんな一緒に食べようって言ったからなの。三人の用事がない日は朝昼晩。僕達、いつも一緒にいるけど、ご飯を一緒に食べないと一日中会わない日もあるんだよ」

 家族でもないのに必ず一緒にご飯を食べるなんて。面倒だと思う時はないのかな。

「あ、そうだ」

 ホラールが不味そうなそれをスプーンで口に運ぶ前にをお皿に置いた。

「アムリ。スワンの部屋に今はいゆもいるから、返事を待たずに、いきなり扉を開けたら駄目だよ」

「そっか。いゆごめんね。気を付けるね」

 眉毛を八の字にさせて謝るアムリ。

「ちょっと!私しかいない時も気を使いなさいよ」

「昔はきちんと返事を待ってたよ?けど、いつも寝てるから返事が無いんだもの。いゆ。スワンってね、意外と寂しがり屋なんだよ。かまってあげないと拗ねるし、僕の事悪く言うけどなんだかんだ言って好きだしね?」

 アムリはスワンを見ながらニヤニヤしてご飯を口に入れた。スワンは顎を上げ、アムリを睨みつけながら揚げパンをゆっくりと食べた。しかし、いつもの事でアムリは慣れているのか気にせずに話を続ける。

「明日は月曜日だね。あ、いゆも明日学校だよね?」

「うん。学校なんて久しぶりだし少し緊張するな」

 味噌汁の入った椀を持ち、箸でくるりと混ぜると色んな具が浮かんで見えた。友達一人くらいは出来ると良いな。沈んでいく具を見ながらそう思った。

「そういえば、学校が始まるタイミングっていつなの?私は月曜日からだけど、月曜日に死国へ来た人も月曜から学校が始まるの?火曜日に来た人は?」

 世界の規模で見たら毎日沢山の人が死国に来ているはず。きっと今だって。その全員があの校舎にも寮にも入れるとは思えない。それに毎回入学式するのも大変そう。日本の学校の入学式は『ご入学おめでとうございます』っていう看板があるけど、死国ではどうなんだろう。死んだのにおめでとうなんてするわけないよね。

「そういうのはわからないけど、私達は十二月の中旬に死国に来たの。来た日が近いから同じクラスになったのかもしれないわね」

 私も同じ時期に亡くなった世界の人と同じクラスなのかな。日本人はいるかな。緊張もするけど想像したら留学してるみたいでわくわくして来た。

「学校では何を学ぶの?」

「死国の社会についてや、次に生まれ変わった時の為の準備の授業だよ」


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