日本語
「駄目駄目!アムリの話はほんっとうに長いんだから」
「いゆ、他に気になる事があれば聞いてよ。俺達が知っている事なら何でも教えてあげるから」
スワンもホラールもはやく話を終わらせたいのか、アムリにも聞こえるようにはっきりと言った。
「僕の話はまだ終わってないのに」
アムリが肩を落として頬を膨らませ、漫画のように口を尖らせている。
「だって、私達は何度も聞いてるからつまらないんだもの。何回聞いたかしら」
スワンがホラールに言った。
「三カ月に一回の割合で聞いてるから十回以上は聞いてると思う」
「でもいゆは気になるよね?」
アムリが目をキラキラさせて聞いてきた。けれど、スワンとホラールは私に向けて何度も小さく首を横に振る。
「アムリの話は気になるけど、また今度にしようかな」
二人はほっとした顔をして、アムリは残念そうな顔をして「分かった」と言った。ちょっとかわいそうな事をしちゃったかな。と思ったの束の間、肉を一切れ食べると気分が良くなったのか「あ~、幸せ!」と、またご飯を食べ始めた。
話すのに夢中で全く食べていなかったアムリを残し、私達は食べ終えた食器を片付けてからドリンクエリアに向かった。
席に戻ると、アムリは皿に残ったカスまで綺麗に食べてから、次のおかずを食べている。私も生きている時はご飯粒を一粒も残さないように食べていたが、外ではがっついている様にみられるのが恥ずかしくて出来なかった。
「アムリはカスまで残さず綺麗に食べて偉いね」
アムリはびっくりした顔をしている。
「ご飯を食べてるだけなのに褒められるなんて、初めて。えへへっ」
照れ笑いをするアムリ。
「ところで、2人はどうして日本に住んでいたの?」
「2人ってどの2人?」
ホラールが不思議そうに聞く。
「どのって、ホラールとアムリだよ。2人とも外国人だよね?」
「俺達からしたらいゆも外国人だけど、いゆは生国で日本にいたんだね。日本人なの?」
ホラールの質問の意味がわからない。日本語で会話をしていたんだから日本人だって分かってたはず。どういう事だろう。




