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晴れた日の話し  作者: ゆかわ どり
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受け入れたくない真実


 母の運転する車が到着したのは、私が生きていた時のかかり付けの病院だった。


 どうして病院に来たんだろう。緊張しながら母と一緒に病院の自動扉を通った。母の持っている大きなバッグを覗くとタオルが入っていた。きっと誰かが入院しているんだ。


 エレベーターを降りてからは、母から少し離れて歩いた。


 ある病室の前で母は立ち止りため息をついてから病室に入った。私も扉の前までいくとすぐには入らず、扉の前でしばらく立っていた。


 名札を見ず、ただ扉を見つめる。ずっと続いているこの嫌な予感は何だろう。意を決して病室の扉を通り抜けた。


 病室にはベッドが四つあるがそのうちの三つは使われていない様だった。入院している人は窓際のベッドにいて、ベッドの向こう側には椅子座っている父の姿もあった。


 ゆっくり、ベッドに近付く。頭や体が包帯だらけで、沢山の管に繋がれている誰かが横になっていた。顔の右頬には、かさぶたが見える。誰だろう。意識はあるのかどうかもわからなくらいだったが、心電図のモニターは一定の動きを示している。


 この光景、どこかで見た事がある。


 母が横になっている人の頭を撫でて「はぁー」と、またため息をついた。


 それを見た瞬間、夢で見た光景と全く一緒な事に気が付いた。緊張しながらベッドの近くにある名札を見ると、そこに書かれていたのは『船仂いゆ』自分の名前だった。一瞬、息が止まったような感覚になる。


やだ。どういう事?私まだ死んでなかったの?生きてるの?何が何だか分からない。


 生国の自分に近づき、つま先から頭のてっぺんまでゆっくりと見た。右頬のかさぶたに触れようと、手を伸ばしたが通り抜けて触る事が出来ない。


 看護師に呼ばれ、席を立ち病室を出て行く父。私はこの状況を知りたく、後を追って病室を出た。


 父は病室を出てすぐの、スタッフステーションにいる医師と話をしていた。


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