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晴れた日の話し  作者: ゆかわ どり
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日本休暇一日目


 日本休暇が始まる今日、私は生国へ向かう為に死国管理局へ向かっている。一生の別れではないのに、みんなも見送りで一緒に来てくれている。が、チヒョンは用事があるそうで来ていない。だけど、本当は死国管理局には地獄探知犬が多いので、それを警戒して来ないのだと思う。


 チヒョンが地獄の住人だと分かってから少し時間が経ち、スワンは以前と同じ様にチヒョンに接するようになった。アムリに関しては、夜さんに会ったあの日からチヒョンにべったりしている。しかし、ホラールだけは相変らずの態度。何も変わっていない。


「いゆは何に乗って帰るの?」


 アムリが駅構内のコンビニで買ったプレッツェルを食べながら聞いた。


「三時間かかるけど新幹線にした。飛行機は一時間で着くけど高いし、馬は無料だけど乗れないから」


「馬?さすがサムライの国だね」


 死国管理局に着くと、『混雑緩和の為、不要な入館禁止』と書かれている看板が門の前に出ていた。


「今日は人が多いから僕達は中に入れないんだね」


 わざわざ一緒に来てくれたのに申し訳ない。


「みんなお見送りありがとう。お土産買ってくるね」


「お土産を買うなんて無理だよ。生国では僕達が買い物できるお店なんてないもん。それに、生国の物を死国に持ち込もうとしたら出国審査で没収されちゃうよ」


 日本の物をお土産であげたかったのに残念。まあ、死国には日本町もあるしいらないか。


「じゃあお土産話を沢山持って来るね!」


 みんなと別れて、死国管理局の中に入った。


 日本課の出国手続きカウンターに向かうと、少し列ができていた。その列には人間だけではなく動物達も並んでいる。私もその列に並んで順番を待つ。空港の出国審査そのものだ。


 生国での休暇とは違い、家族や友達へのお土産もないので荷物は少なくリュックが一つ。列に並んでいる人達も、みんな大きな荷物を持っておらず、近所へ買い物でも行くような装い。


 前の人がいなくなり、自分の番になった。職員にパスポートと書類を渡す。

 職員が受け取ったパスポートを機械に差し込んでから「足跡のマークの所に立って下さい」と言った。マークの上に自分の足を乗せると、赤く細い線のライトが上から私をスキャンし始めた。キドキしながら終わるのを待つ。当たり前だが何も問題がなく、パスポートに死国管理門・死国出国と書かれた日付入りの丸いスタンプが押された。


「学生さんですよね?学生証をお願いします」


 学生証を渡し、旅費の支払をする。機械から「支払い完了」という声が聞こえると、学生書と一緒にプラスチックのカードを二枚渡された。


「これは電車に乗る為の乗車カードです。改札を通る時と乗り換えの時はタッチ部分にこのカードをかざして下さい。最後、目的の駅について改札を出る時はカードを挿入口に入れて下さい。帰りも同じ様にしてくださいね。では、いってらっしゃい」


 説明が終わると、目の前の曇りがかったガラスの扉が自動で開いた。


 いよいよだ!


 私は不安とわくわくした気分で扉の向こう側に入った。



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