朝が来た
「前にチヒョンが、死国へ来て幸せだと思うなんてって言ってた時あったでしょ?その時には言えなかったんだけど、僕はね、色々な事が学べるから生きている時よりは、死国にいる今の方が楽しいよ。生まれ変わったら、みんな平等に好きな事を学べる国を作りたいんだ。それが死国に来て出来た僕のもう一つの夢なの」
「立派な夢。かっこいいね」
チヒョンがそう言うと、アムリの目がきらりと揺れた。
「…二人とも、もう遅いし寝ないとねっ」
恥ずかしさを隠す為か、アムリは元気よく立ちあがった。
「僕、先に戻るね。二人ともおやすみっ」
アムリは小走りで寮に戻って行った。
「チヒョンって人を慰めるの上手だね」
「今まで色んな経験をして来たからね。いゆも歳を取ればこんな風になるよ」
「でも私とチヒョンはそんなに歳が変わらないじゃん」
「見た目に騙されちゃ駄目だよ。俺達も戻ろう」
立ち上がりチヒョンは歩きだした。
「ね、アムリが死国に来た本当の理由、何で知ってるの?チヒョンが来る前に、夜さん達と三人でいた時に話してた内容だったのに」
「朝の四時まで話を聞かされた時に聞いたんだよ。それより、いゆ」
チヒョンが急に立ち止まり、私に顔を近づけてきた。
「今日は窓からじゃなくて、ちゃんと扉から出て来たの?」
チヒョンがフフッといたずらに笑った。
「その話はもういいじゃん!」
「しー。また草木を起こすと怒られちゃうから、静かにしようね」
夜が死国から去り、朝が死国に来た。
お腹を空かせた私達は、学食へ向かう為同時に部屋から出てきた。
「おはようチヒョン!」
アムリはいつもの様に笑って挨拶をした。




