出会い2
ぱたぱたと軽い足音が声につられて近付いて来る。
「念のため医務室で氷嚢もらってきたわ」
息を切らした女の人の声。
「この子?」
「そう。あんまり話さないんだ」
男の人は少しため息交じりで言った。ため息をつくならほっといてくれればよかったのに。
「こんにちは。私はスワンっていうの。これでぶつけたところを冷やしてね」
親切はさすがに無視できないと思い、女の人に「ありがとう」と言ってビニールに入った氷嚢を受け取り、頭を冷した。冷たい。
「俺の名前はホラール。よろしく」
先程から話しかけていた男の人が手を出し握手を求めてきた。私も手を出し握手をしながら顔を見ると、日本人だと思っていた相手はぶつかったおじいさん同様、外国人だった。ホラールは全体的に色素が薄く、眼の色が鮮やかで髪の毛は濃い茶色。そして背が高いしスタイルもいい。所謂イケメン。とてつもなく私のタイプだった。スワンの顔も確認すると、黒髪ストレートのセミロングで前髪は眉毛が見えるくらい短い。アジアンノットの付いたワンピースを着ている。私より背が高そう。すらりとしていて可愛い。二人とも私と同年代のようで安心をして、私は「ふぅ」と小さく息を吐いた(これは、イケメンを目の間前にして自分の心を整える為でもあった)。
「名前はなんていうの?」
ホラールが言った。
「いゆです。あの、二人ともありがとう」
私は小さく頭を下げた。
「大丈夫よ」
「ここの扉は、小さい子でも簡単に開けられるように軽く作られているんだって。でも、強い風が吹いたとしてもびくともしないんだ。不思議だよね」
今思ったが、スミェールは声もイケメンだ。しかし、きっと性格まで良いはずはない。この世の中、何もかも完璧な人間はいないのだ。この世の中というか、生きている時の話だけど。
「ここの扉の開け方を知らないって事は、いゆは死国に初めて来たのよね?今から手続きをするの?」
「そうだよね?にきて、転んだだけだし」
ホラールが顔をかしげて私の顔を覗いき微笑んだ。ひい。イケメン。私が照れて顔を赤くしたのを見ると、スワンはホラールに軽く肘打ちして注意をした。
「それなら、手伝ってあげる。ホラールも行くわよ」




