デスの想い。
まなが思いふけっている。
本人は無意識だろうが、時々こうなる。
元々こういった性分なのだろうな。
きっと日本にいた時も、孤立して色々考えすぎたりしていたのだろう。
群れないところが良いと私は思うのだが。
まなのカップが空になりそうだ。
黙ってテイ茶を新たに作り、カップに注いでやる。
「デス、いつもありがとう。」
「ん?」
「ううん。私、時々自分は何者なのかなって。」
「ああ。」
「私、この世界に転生して、新しく生きろって言われたけど、同じじゃないよね。この世界の人と。」
同じじゃない。
「そうだな。」
「うん。」
「その気持ちは分かる。」
「そっか、デスも一緒にこっち来たからね。」
「いや。……ん、そうだな。」
元いた世界で、死神は馴れ合わないから、私は一人だった。
自分が死神である理由も知らないまま、魂を刈り取っていた。
神に命ぜられるままに。
それが私の仕事だからと。
私はどこから来て、どこへ向かっているのか。
何も知らない。
理由の分からない毎日がどれほど苦痛か。
罰を受けているのだろうと、漠然と感じていた。
だがこちらに来て共に行動するようになってからは、まなを守るという目的ができた。
当てもなく繰り返すだけの日々、ではなくなった。
それだけでなんと心の軽くなることか。
だが、孤独は知っている。
今まなが直面している問題も分かる気がする。
私は私のできるやり方で、まなを守るだけだ。
……だが、不思議だ。
こんな感情、初めてでは無いような、デジャヴを感じる。
知らない記憶でもあるのだろうか?
テイ茶を美味しそうに飲むまなを見て、ふっと嬉しくなる。
眺めていると、まなが驚いたように目を見開いて私を凝視している。
なんだ?
何を驚いている?
そのうち、笑いながらまたテイ茶を飲みだしたから、気にしないことにした。
色々あるだろうが。
「大丈夫だ。」
安心させるように告げる。
まなは嬉しそうに頷くが、本当に救われているのは私の方だ。
……という事を教えるつもりはない。
テイ茶が本当に美味いな。
私はカップのテイ茶を飲み干した。
短いですが、デス視点です。
読んでくださってありがとうございます。




