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デスとGランク冒険者

 ギルドランクFの依頼は、量も増えて本当に多種多様だった。

 まなは掲示板を見て目を見開きながら、どうしようか頭を巡らせているようだった。

「ふ。」

 なぜか、一生懸命なまなを見ていると和む。


「デスはどういった依頼を受けるといいか、とか、何か思ってる?」

「む。そうだな、とりあえず受けられそうなものから。」

「そうだよね。」


 再び掲示板に視線を戻して、うーんうーんと悩んでいる。

 今のうちに済ませておくか。


「まな、少し外の空気を吸ってくる。受けたい依頼をチェックしておいてくれ。」

 まなは不思議そうな顔をしていたけど、すぐに分かったと頷くのを確認して外に出た。


 ギルド本部から少し脇に逸れた道の奥へ向かう。

 そこに、良からぬ気配をまなに向けている存在がいるのを、先程から感じていた。


 そこには、ギルドで騒いでいた先程の冒険者二人が、身を隠しながらこちらを見ていた。そのうち一人が私に気づき、相方に肘をつき、おいと合図する。

 相方もこちらに視線を向けるが、友好的ではない表情にフンとため息をつく。


 子供だと思って気が大きくなったのか、ニヤニヤしながらこちらへ向かいながらクソつまらないセリフを吐く。

「やあ、クソチビ。君がランクFだって? お笑いだよね。」

「辞退したらどうだ? 子供はママのところでも帰んな。」

「「アハハハハ。」」


 ここでこいつらを始末してしまうと、まなのためにはならぬかも知れないが……害虫は排除する。


「自分の不甲斐なさを人のせいにするな。」

 安い挑発に顔を赤くして怒り出す。簡単だな。

「こ、このクソチビ、口の利き方がなってないねえ?」

「ちょっと痛い目みるか、あ!」

「ふん。」

 二人が怒り心頭で殺気を向けてくる。

 その前に武器を召喚する。

 死神の大ガマのスキルはカタログで買わなければいけないけど、これくらいの輩、武器だけで十分だ。


 ブゥンと振動音が響いて、すぐに左手に武器が出現する。

 一振りして、長い棒状になっているそれに魔力を込めると、先端から鎌状の刃がニュッと生える。


 二人は、ギョッとしたように一旦立ち止まったが、再度向かってきた。


 刈る。


 魂だけを抜き取ることはできないけど、命を取るくらいわけない。

 鎌の軌道を見定めて、鎌を振るだけ。

 二人がスローモーションのように、次にどう動くか丸わかりだ。そのままこっちに来い。


 もうすぐだ。

 二人の顔に死相が見えてくる。


 武器に込める魔力が黒く黒く高まる。


 鎌を振り上げて……。


「デス!!!」

「!?」


 思わず振り向くと、まなが必死の形相で叫んでいる。

「デス、ダメ!!!」

 そして駆けてきて膝をつきながらギュッとしがみついてきた。

「なっ……!」

 まずい、奴らが。

 視線を戻すと、二人のうち一人が拳を振り上げていて、このままではまなに降りかかる。

 まながしがみついているから、武器を振り上げられない。

「くっ……!」

 足に力を入れて、体でまなをかばう。


「ぐっ」

 背中を強い衝撃が走る。

 慌ててまなを庇ったから、魔力で防御強化するのを忘れた。

「こんな子供に何するの!!」

 ハッとしたように二人が慌てて立ち去る。

 いつの間にか人だかりもできていた。

「デス!しっかりして、デス!」


 ヘマしたな……。私らしくもない……。

 これだけ人目があれば大丈夫だろう。

 まなの安全を確認して、意識を手放した。


『あーあ。同じ過ちを犯すところだったね、デス。』

 神の声が聞こえたような気がした。


 同じ過ち……?


読んでくださって、ありがとうございます。

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