水面に映る影
観測。
それは見ること。
記録すること。
そして。
見てしまったものを忘れないこと。
校外学習の夜。
境界は崩れた。
GLITCHは広がった。
ナイトアサシンは姿を現した。
でも。
本当に変わり始めたのは世界じゃない。
きっと。
カイトたち自身だった。
夜。
研修施設。
崩れた温泉エリア。
紫色のノイズ。
まだ消えていない。
カイト:
「終わった……のか?」
ミラ。
首を振る。
「まだ反応が残ってる」
イロン。
端末確認。
「GLITCH濃度、減少中。でも消えてない」
ジン。
座り込む。
「校外学習って普通こうじゃないよな……」
誰も笑えない。
施設側の判断。
安全確認。
生徒は全員館内待機。
深夜。
ミラ。
一人。
大浴場へ向かう。
静かな湯気。
誰もいない。
ミラ:
「……疲れた」
湯へ手を入れる。
水面。
揺れる。
そこに。
黒い影。
ナイトアサシン。
ミラ。
固まる。
頭痛。
強くなる。
脳裏。
高校時代。
海。
夏。
シャワー。
突然の激痛。
病院。
隣のベッド。
重傷の少年。
カイト。
事故直後。
意識だけ残る。
そして。
見た。
世界が歪む瞬間。
転生。
影。
ナイトアサシン。
記憶終了。
現在。
温泉。
ミラ:
「また……映った……」
後ろ。
声。
カイト。
「先生?」
ミラ。
振り向く。
少し笑う。
「眠れなくてね」
カイト。
水面を見る。
何も無い。
「……先生、なんか隠してる?」
沈黙。
数秒。
「そのうち話す」
館内放送。
突然。
ノイズ。
ザザッ——
『観測者』
『転生者』
『三度目でも』
『結果は同じ』
全館停電。
紫の光。
窓の外。
空間が裂ける。
ナイトアサシンの声。
「次は、お前達自身を観測する番だ」
世界の歪み。
さらに拡大。
第5話 終
第5話を読んでくれてありがとうございます。
今回は戦いよりも。
記憶。
過去。
そして観測について描きました。
ミラがなぜ転生者を追うのか。
なぜ温泉や水面を気にするのか。
その理由が少しずつ見え始めました。
そして。
ナイトアサシンの言葉。
「三度目でも結果は同じ」
三回転生とは何なのか。
誰が何回繰り返しているのか。
まだ答えはありません。
でも。
世界の歪みは確実に広がっています。
次回は少しだけ平和な日常。
だからこそ。
その静けさが長く続く保証はありません。
— worldGLITCH 作者より




