湯煙ノイズ
観測者。
それは世界の歪みを見つめ、記録し、必要なら戦う存在。
カイトたちは少しずつGLITCHに慣れ始めていた。
ミラは相変わらず多くを語らない。
ナイトアサシンも姿を見せない。
だからこそ。
誰も思わなかった。
校外学習の夜。
ただの温泉と笑い声が。
境界の崩壊する瞬間になるなんて。
校外学習。
山奥の研修施設。
昼は自然体験。
夜は自由時間。
それだけのはずだった。
露天風呂。
夜。
山の空気は冷たい。
湯気だけが静かに揺れる。
ジン:
「いやー、校外学習って最高だな!」
カイト:
「静かにしろよ……」
イロン:
「騒ぐと先生来るぞ」
平和。
少なくとも。
その時までは。
温泉の水面。
ゆっくり揺れる。
その中央。
紫色の波紋。
カイト。
眉をひそめる。
「……なんか変じゃないか?」
イロンも見る。
「波がおかしい」
ジン。
「え、なにあれ」
ググググ……
地面。
揺れる。
壁。
ひび。
バキッ——
仕切り壁が崩壊した。
ジン:
「いや待て壁!?!?」
湯煙。
視界が白くなる。
混乱。
叫び。
そして。
紫のノイズ。
ミラ:
「GLITCHが空間を侵食してる……!」
カイト:
「先生!?」
イロン:
「境界が消えたのか」
地面。
さらに歪む。
出口。
消失。
ミラ。
周囲を見る。
即座に判断。
「分断される方が危険」
「ここは合流する」
紫の裂け目。
その奥。
黒い影。
ナイトアサシン。
「領域接続完了」
影が増殖。
湯煙の中。
赤い目だけが浮かぶ。
ジン:
「数、多すぎだろ!」
ミラ。
観測デバイス起動。
「GLITCH反応……制御開始」
イロン。
端末を開く。
「左側に反応集中」
カイト。
前へ出る。
「来るぞ!」
影。
突撃。
三人。
そしてミラ。
並ぶ。
ナイトアサシン:
「観測者……お前はまだ何も知らない」
紫の衝撃。
夜空が歪む。
戦いは。
まだ終わらない。
世界の歪みは。
さらに深く——
第4話 終
第4話の雰囲気なら、あとがきは少し軽め+次回が気になる感じが合いそう。
あとがき
第4話「湯煙ノイズ」を読んでくれてありがとうございます。
今回は校外学習という日常の中で、世界の境界が崩れる瞬間を書きました。
いつも通り笑っていたはずなのに。
いつも通り帰れるはずだったのに。
worldGLITCHは、そんな“普通”が壊れる瞬間の物語です。
そして今回。
カイト、ジン、イロン、ミラ。
初めて本当の意味で並んで戦い始めました。
でも、ナイトアサシンの言葉。
「観測者——お前はまだ何も知らない」
あれは誰に向けた言葉だったのか。
次回も、世界の歪みを観測してください。
— 作者より




