表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
15/19

少しだけ平和な日

戦いの中にも。


休息は必要だった。


崩壊した第四世界。


それでも人々は生きている。


笑うことも。


食事をすることも。


諦めてはいなかった。

ナイトアサシンの襲撃から一日。


地下施設は慌ただしかった。


しかし今日は珍しく警報が鳴っていない。


ジンは食堂でパンをかじる。


「平和だな」


イロン。


「昨日戦場だったとは思えないな」


カイトも苦笑する。


食堂には子ども達もいた。


第四世界で生まれた子ども達。


その一人がカイトに近付く。


「お兄ちゃん」


「第三世界って海ある?」


カイト。


「あるよ」


少女。


「いいなぁ」


「見てみたい」


カイトは返事に困る。


第四世界には海が存在しない。


GLITCHに飲み込まれたからだ。


一方。


ミラは第四世界のミラと資料室にいた。


机の上には観測ノート。


第四世界のミラ。


「そういえば」


「あなた温泉好きだったわね」


現在のミラ。


「好きだけど?」


第四世界のミラ。


「第四世界にはもうない」


少しだけ寂しそうに笑う。


ミラは言葉を失う。


当たり前だったもの。


それが無くなる。


それが世界崩壊だった。


夕方。


カイト達は施設の屋上へ上がる。


人工的な空。


その向こう。


崩壊した世界。


ジン。


「なぁ」


「絶対助けようぜ」


カイト。


「ああ」


イロン。


「まだ方法はあるはずだ」


三人は空を見る。


その頃。


観測室。


第四世界のミラが一枚のデータを見つめていた。


そこには。


【世界均衡理論】


という文字。


現在のミラ。


「それは何?」


第四世界のミラ。


表情が曇る。


「知らない方が幸せかもしれない」


沈黙。


「第四世界が不幸になるほど」


「第三世界は幸福になる」


ミラ。


「……え?」


「逆も同じ」


観測室が静まり返る。


「だから私達は救われなかった」


ミラは資料を見る。


世界は。


二つで一つだった。


第16話 END

今回は久しぶりの日常回でした。


第四世界の人々の暮らし。


失われた日常。


そして新たに判明した「世界均衡理論」。


第四世界を救うことは本当に正しいのか。


物語は新たなテーマへ進みます。


次回。


第17話「失われた海」


第四世界の過去を知る旅が始まります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ