三十五話 庭
書き足した文を、紗季は初めから読み直した。
箱をもらったことばかりで半分ほど埋まっている。その後へ、槙とお梅は変わりなく勤めていること、佐和に助けてもらっていることを添えた。小見がまず知りたいのは、自分がここでどう暮らしているかだろう。
最後に、また書きますと記して、帰蝶と名を置く。
「こちらの母上、というところは、これで分かるかな」
槙に読んでもらうと、そこではなく、庭の話のところで目が止まった。
「お許しが出ましたら、次の文にお書きになれますね」
「出なかったら?」
「その時は、また、ほかに書くこともございましょう」
紗季は紙へ目を戻した。
もう稽古を始めたような文にしなくてよかった。明日どうなるかは分からない。それでも、今日のうちに伝えられることは、これだけある。
墨が乾いてから畳み、佐和へ、母宛ての文が一通できたと知らせてもらった。今すぐ誰かを出してほしいという頼みにはせず、美濃へ行く便が決まった時に託したいと伝える。
その夜、庭へ出るための衣を用意しているお梅に、紗季は、袖の紐も持っていってよいだろうかと尋ねた。
「まだ振ってよいとは、仰っておられませんよ」
「持つだけ」
答えると、お梅がこちらを見る。
先に笑ったのは紗季の方だった。お梅も少し笑い、畳んだ衣の上へ紐を載せてくれた。
*
翌朝の庭には、柱の影がはっきり落ちていた。
信長からの使いが来たのは、朝の支度を終えて間もなくのこと。佐和に案内されて廊下を進む間、紗季は、庭戸の内側から眺めていた地面を何度も見た。
あちらまで行けば、部屋はどんなふうに見えるのだろう。
まだ近くにあるはずの自室が、廊下を曲がるたびに、建物の陰へ隠れていく。紗季の後ろには槙がつき、お梅は部屋へ残った。佐和は途中の戸口まで送り、あとは呼ばれた時に来ると告げて戻る。
信長は、庭へ下りるところで待っていた。
その隣に、髭へ白いものの交じる男が立っている。濃い色の衣に袴をつけ、片手には細く畳んだ紙を持っていた。
「平手政秀にございます」
男は紗季へ向き直り、礼をした。
名は知っていた。けれど、顔を前にすると、どう声を返せばよいかは、やはり初めての相手だった。
「帰蝶にございます。これから、お世話になります」
「こちらこそ。何かございましたら、お申しつけください」
落ち着いた声を聞き、紗季は、その紙が自分の文ではないことを確かめた。書いたばかりの文の行方を気にしていたせいかもしれない。
政秀は紙を懐へ収めると、信長の方へ体を向けた。
「では、先ほどの所を御覧になりますか」
信長が先に下り、紗季も槙の差し出した履物へ足を入れた。
廊下から見た時より、地面は低い。片足ずつ確かめて立つと、軒に遮られない風が頬へ触れてきた。
「こちらだ」
振り向かずに歩き出した信長を追う。
庭の真ん中は、見通しがよいから使えそうに思えた。ところが近づけば、小さな石が多く、木の根の盛り上がったところもある。紗季が足元へ目を落としたためか、信長は枝の張り出す手前で歩みを緩めた。
「そこで振るつもりであったか」
「部屋からは、広く見えました」
「下りてみれば、違うであろう」
信長は、そのまま建物の脇へ回る。
後ろを歩く槙の衣が、枝の先へ触れそうになった。紗季が声を掛けると、槙は袖を寄せ、少し外へ避ける。庭に自分ひとりで出るわけではないのだと、足元以外にも目が向いた。
軒の端を過ぎた先に、踏み固められた土の一角があった。
壁沿いに縄で括った竹が積まれ、反対側には、空になった籠が伏せてある。その間は人が何度も通ったらしく、細い筋が重なっていた。
紗季が立ち止まると、政秀が籠の方を指した。
「朝はこちらへ荷が参ります。今は片付きましたが、日によっては昼までかかることもございます」
「籠と竹を寄せれば、足りるか」
信長に聞かれ、紗季は少し進んだ。
足を出し、引いて戻す。真ん中は固いが、軒から雨の落ちるところには浅い溝がある。振る向きを変えれば、後ろへ退く時にそこへ足が入るかもしれない。
「こちらの溝を避ければ。けれど、毎日、荷を動かしていただくのは」
「荷は、どこへ抜ける」
信長の問いに、政秀は建物の間の道を示す。
「あちらへ。こちらを使う間は、回さねばなりませぬ」
紗季は、今歩いてきた道を振り返った。
場所を空ければ済むと思っていたが、その先へ荷を運ぶ人がいる。自分が剣を持つ間、通れずに待つ人も出るのだろう。
「荷が済んでからなら、使わせていただけますか」
自分から尋ねると、政秀は信長を見る前に、土の面へ目をやった。
「昼の後であれば、多くは。ただ、用のある日は先にお伝えせねばなりません」
「ならば、荷を別へ動かすな。こちらが済んだ後にせよ」
信長は言い、軒の陰と地面を見比べる。
「雨の後は使わせぬ。乾いて見えても、端は緩む」
紗季は頷いた。
美濃にも、足を置く前に見なければならない地面はあった。こちらへ来たから、それまで覚えてきたことがなくなったわけではない。
溝の手前まで戻り、使いたい広さを、歩いて示した。
「ここから、あちらの籠の手前まで。向こうへ剣先を向けるようにすれば、通り道へは出ませぬ」
「木剣だぞ」
「はい。真剣をお願いしたのではありません」
返事が、思ったより早く出た。
信長の目がこちらへ向き、紗季は、つい手を握り直す。言い返したように聞こえただろうか。けれど彼は、分かっておるならよい、と返しただけだった。
*
政秀は、二人の足元から、建物の間の道へ目を移した。
庭で刀を振りたいと聞いた時には、まず、どこの手を空けるかを考えた。若い御台の望みが増えれば、供も道具も必要になる。それを引き受ける者が、いつまでもここに留まるわけにはいかない。
だが、帰蝶は荷を片付けさせるのではなく、済むまで待つと言った。
人を使うことに慣れているのか、遠慮しているのかは、まだ分からぬ。何でもこちらで整えてやれば、それさえ見えなくなってしまう。
「濃姫様」
呼ぶと、帰蝶は少し遅れて顔を上げた。
「私が毎日、ついておりますわけには参りませぬ。こちらの用の者には、私から話しておきます。始める前に、荷が済んだかをお確かめください」
「どなたに、伺えばよろしいでしょう」
当然の問いだった。
名も顔も知らぬ者へ確かめよと言ったことに気づき、政秀は、今日のうちに取り次ぐ者へ会わせると答えた。
信長が、側にいた若い男を呼ぶ。
「木剣を一本、持ってこい。手に合うかも見ねばならぬ」
帰蝶の顔が変わった。
まだ使ってよいとは言うておらぬと、信長が付け加える。それを聞いた娘は、知っております、という顔になりかけ、口元を引き締めた。
政秀は、二人に聞こえぬよう、鼻から静かに息を抜く。
信長が何を見ようとしているかは、分かる。美濃でどこまで教えられた娘なのか、言葉だけでは知れまい。
ただ、そのために、娘の顔へこれほど何度も釘を刺さずともよい。
口にすれば、今度は自分へ言葉が返ってくるだろう。政秀は、木剣が来るまでに、足元の籠を一つ、男へ寄せさせた。
*
持ってこられた木剣は、美濃で借りていたものより、握るところが少し太かった。
紗季は両手で受け取り、まず木の肌を確かめる。掌へ馴染ませようとして指を開くと、信長の声がした。
「重いか」
「持ってみただけでは、まだ」
言ってから、目を上げる。
曖昧な返事を嫌がるかと思ったのに、信長は木剣を見て、そうか、と頷いた。
「三度、振ってみよ」
紗季の足が、先に半歩動いた。
だが、袖が手元へ落ちてくる。構えようとした腕を下ろすと、槙が、用意してきた紐を差し出した。
持ってきてよかった。
そう口にしそうになり、槙を見る。槙は笑わず、紗季が袖を留めるのを手伝う。結び目を確かめてもらってから、もう一度、木剣を持ち直した。
前へ出した足の下で、土がわずかに沈む。
美濃で覚えている広さのまま振れば、踏み込みが深くなりすぎる。まず、その場で足の位置を変え、肩へ入っていた力を落とした。
視界の端に、信長の足が見える。
見られている。上手に見せたいと思った途端に、握る指へ力が入った。
違う、と胸の内で言い、息を吐く。
一度目は、腕が先へ出た。
木剣を戻す時、少しだけ肩が重い。そこで急いで次を振らず、手元を戻してから足を置き直す。
二度目には、剣先の下りるところと、踏み出した足が揃った。
そうだ。この感じを、体は忘れていなかった。
三度目を終え、紗季は木剣を下げた。
「終わりか」
「三度と、仰いましたので」
もう少し振りたい。
その気持ちまで声へ出たのか、信長が、こちらの顔を見た。紗季は呼吸を整え、木剣の先が地面へ触れぬよう持ち直す。
「ひとりで始めるな。槙か、お梅をつけよ。人が通る時は止める」
「はい」
「荷の済んだ日は、ここで振ればよい。相手を立てて打ち合う話は、別だぞ」
紗季は、今聞いた言葉を、もう一度頭の中で辿った。
ここで、また振ってよい。
「こちらで、続けてもよろしいのですか」
「そのために、場所を見たのであろう」
頷くと、政秀が、取り次ぐ者を呼びに男を行かせた。
紗季は木剣へ目を落とした。美濃で最後にこれを返した時は、次にどこで握れるかも決まっていなかった。今、掌の下にあるのは、違う木剣だ。
それでも、指の置き方を、一から教わらなくても持てた。
「ありがとうございます」
頭を下げると、紐で留めた袖が、肘のところで小さく揺れた。
*
稽古場の出入りを取り次ぐ男は、吉助と名乗った。
日に焼けた額に、細い皺が何本か寄る。荷を受け取り、どの棟へ運ぶかを伝える仕事もしているという。政秀が呼ぶと、腰を落としかけたが、手にしていた縄をまず男へ預け、それから紗季の前へ出た。
「用の済まぬ日は、済まぬと申せ。こちらへ無理に場所を作らずともよい」
政秀の言葉を聞き、吉助は、はい、と返した。
その目が一度だけ、紗季へ向く。
断ってよいと言われても、御台を待たせて叱られるのは自分だと思っているのかもしれない。紗季は、許されたばかりの木剣を体の脇へ寄せた。
「空いたかどうかは、槙から伺ってもらいます。使えない時は、そのように教えてください。分からぬまま待っておりますと、またお尋ねしてしまいそうですから」
吉助は少し顔を上げた。
「では、用が延びそうな時も、先に、お伝えいたします」
「お願いします」
政秀から、木剣はその都度こちらへ返すよう言われた。置き場所へは吉助が案内し、槙も一緒に確かめる。紗季の部屋へ運ぶものにはならなかった。
使ってよい場所は、この土の一角まで。その向こうへ抜ける道は、荷を運ぶ者のための道だという。
紗季は、足を止める位置を、もう一度歩いて確かめた。
「昼の後ならと言っていたが、今朝は済んだのであろう」
信長が政秀へ尋ねた。
「はい。今日は」
「では、少し振らせておけ。槙、ついておれ」
槙の返事を聞くと、信長は廊下の方へ歩き出した。
紗季が呼び止めるより先に、彼が振り返る。
「返す時は、吉助に言え。こちらで決めたことを、奥の者にも知らせよ」
政秀は、自分から伝えると答えた。
見送った後、紗季は、槙がこちらへ向き直るのを待った。ひとりで先に振り始めずにいるのが、もう、少しもどかしい。
「少しでございますよ」
言われ、紗季は笑った。
*
信長は、渡りの廊下へ上がってから庭を振り返った。
帰蝶は、今までより広く足を開き、木剣を上げている。振り下ろした後、一度首を傾げ、足を戻してやり直した。
できぬところを、誰かに見つけられる前に隠そうとはしないらしい。
部屋では、一つ返事をするにも、自分の顔を見ていた。今は、こちらがまだ見ていることにも気づかず、足元へ目を落としている。
「初めてのものでは、ございませんな」
政秀が隣で言った。
信長は頷いた。三度振る間にも、最初と後で違っていた。うまく振ることより先に、あの娘は、地面と自分の足を確かめていた。
美濃でも稽古をしていたという言葉に、偽りはなさそうだ。
だからといって、ほかの話まで、これで分かるわけでもない。
それは別にしておき、信長は、次の用を聞いた。
「美濃への御台様の文ですが、次の便へお預かりいたしてよろしゅうございますか」
「誰宛てだ」
「お母上へと、佐和から。文はまだ奥にございます」
信長は庭の方を見た。
帰蝶の文を、すべて自分へ向けさせたいわけではない。だが、美濃へ何を届け、誰が運ぶかを知らずにいるわけにもいかなかった。
「そなたが預かれ。便が決まったら、誰に持たせるか知らせよ」
「承知いたしました」
政秀は、懐の紙へ手を添えた。
「それから、お父上がお二人のお越しをお待ちにございます。日取りを、お返しせねば」
信長は、短く息を吐いた。
こちらへ来たばかりの娘を、今度は父の前へ座らせる。挨拶の言葉を考えている間に、次の問いが来ると、昨日は母に話していたそうだ。
父の問いも、楽なものではあるまい。
「三日後なら、こちらはよい。帰蝶にも伝える」
政秀が頷く。
信長は、廊下の柱へ置いていた手を離し、奥へ向かった。
*
何度か振るうち、握った木が温かくなってきた。
指へ力を入れ直す時、美濃で木剣を受け渡した手を思い出しかける。紗季は剣先を下げ、息を整えた。
清十郎が見ていたら、最初の足の置き方を何と言っただろう。
答えまで考えるのはやめた。今、ここにいるのは、槙だ。
「あと一度で、終わりにします」
そう伝え、自分で決めた一度を振る。
ひと息前より腕が重く、先を急ぎそうになるのを抑えた。終えた後は続きを足さず、木剣を下げる。槙が少し近づき、紐を解くかと尋ねた。
「手が、温かい」
答えにならぬことを言うと、槙は掌を覗き込んだ。
「痛むところは」
「ありません。久しぶりに、こうなったから」
掌を開き、握ってみる。衣の中でじっと揃えていた指が、今は、自分で使った後の形へ戻っていた。
吉助を呼んで木剣を返し、借りていた場所を出る。籠は壁際に寄せたままでよいと聞き、槙とともに廊下へ戻った。
少し離れたところから振り返ると、庭の向こうに、自分の部屋の戸が見えた。
初めて外側から見るその戸の前で、お梅が待っている。
こちらを見つけ、立ち上がりかけた姿へ、紗季は手を上げた。
*
政秀が奥へ文を受け取りに来ると、帰蝶は、既に畳んであった一通を持って待っていた。
袖は元へ戻してあり、傍らでは槙が紐を収めている。
「お預けいたします」
差し出された文を、政秀は両手で受け取った。
「美濃のお母上へ、こちらを一通。次の便が決まりましたら、持たせる者も、先にお知らせいたします」
帰蝶は頷いたが、文からすぐには目を離さなかった。
「今、ここで、お読みになりますか」
政秀は顔を上げる。
確かめているのであって、怒っている様子ではなかった。誰の手を通り、どこまで見られるかも、この娘には分からないのだろう。
「ここでは、開きませぬ。お預かりした後で、確かめねばならぬことがございましたら、お尋ねいたします」
内容を知りたい気持ちはあった。
美濃の母へ何を書くかは、この娘が尾張をどう受け止めているかでもある。だが、初めの文を預かった途端に広げれば、その次から、読まれるための言葉ばかりになるかもしれない。
政秀は紙を開かず、自分の用の書付とは分けて収めた。
「父上へも、母上へも、どう申し上げればよいか迷います」
帰蝶が言った。
政秀は、何のことかと待つ。
「困っていることばかり書けば、心配をさせます。何もないと書けば、次に何かあった時、違うと思われるでしょうし」
言い終えて、こちらを見た。
ものの分からぬ幼い娘だと思って答えれば、それをそのまま書いてしまうのかもしれない。政秀は少し考え、文を入れた懐へ手を添えた。
「私にどう見せるかは、お気になさらず。お母上に、何を聞いていただきたいかを、お書きになればよろしいかと存じます」
「平手様に、よく思っていただきたくて書いたのでは、ありません」
すぐ返った言葉に、政秀は帰蝶を見た。
本人も、返事が強くなったと気づいたらしい。けれど、詫びるより先に、続きを言った。
「でも、お預けする時には、気になります」
政秀は、思わず目元を緩めた。
母へ書く気持ちと、家臣に預ける気持ちは違う。その二つを、片方だけにして答えてしまったようだ。
「それは、そうでございましょう。私も、お預かりしてよいものかと、気にして参りました」
帰蝶の顔から、少し力が抜けた。
政秀は、自分が年長だからと、何でも心得ている顔で済ませぬようにしようと思った。初めから遠慮をなくすことはできぬが、何に遠慮しているかくらいは、聞き違えずにおきたい。
*
政秀が去った後、紗季は机へ戻った。
文箱を開けても、今預けた文は入っていない。当然のことなのに、まだ手元へ引き寄せて読み直せる気がした。
箱の中には、土田御前の返書がある。
こちらへ書く文なら、今日の庭のことを知らせられる。けれど、今すぐもう一通書き始める前に、紗季は硯の水を確かめ、筆を片付けた。
廊下から、信長の声がする。
「文は、平手へ渡したか」
槙が戸を開け、紗季は立ち上がりかけた膝を戻した。信長は入口にいて、部屋へ入るつもりではないらしい。
「はい。便が決まったら、教えてくださると」
「そうか。三日後、父上のもとへ行く。そなたも一緒だ」
信秀に会う。
その名より先に、先ほど庭で会った政秀の顔が浮かんだ。あの人も、初めは名しか知らない相手だった。
「御挨拶に、伺うのですね」
「うむ。支度のことは、佐和へ聞け」
紗季は頷いてから、戸口の外へ目を向けた。
明日の庭は、使えるだろうか。朝の荷が済むまで待つことを、今度は自分が覚えておかなくてはならない。
「三郎様」
向きを変えかけた信長が止まった。
「今日、少し振らせていただけて、嬉しゅうございました」
信長は、紗季の手を見た。
「もう終えたのか」
「はい。吉助へ、お返しいたしました」
「ならば、よい」
去っていく足音を聞きながら、紗季は、袖の内で掌を開いた。
木剣は手元にない。それでも、二度目に振った時の足の位置は、まだ思い出せる。
お梅が部屋へ戻り、しまいかけていた紐を持ち上げた。
「こちらは、明日もお持ちになりますか」
「うん。明日も」
紗季は受け取り、畳んだ衣の上へ、自分で置いた。




