14話 とりあえず自転車は作れました
街の南西側のエリアに来た。ここは、職人が多くいるらしく鍛冶屋もちらほらある。
この町は薬師や錬金術師御用達の街のため、調合のための道具を作る職人も多い。
ただし鍛冶師は基本的に武器しか作らないので、話を聞いてくれるかは不明だ。
「ごめんくださーい」
「はーい!・・・・え?子供?」
「ちょっとご相談があるんですけどー」
「ん?依頼?お客さんもしかして良いとこの坊ちゃんだったりします?」
「一応領主の息子です。」
「・・・・・失礼しましたー!!!」
見事な土下座を見た。この人はドリーさん、鍛冶屋の従業員?弟子?的な存在の人のようだ。
とりあえず、話は聞いてくれるみたいだ。よかった。
おれはとりあえず、作りたいものの概要を話した。
「すごい面白そうですね!」
どうやらのこのドリーさん、鍛治はそこそこ好きだが、武器防具作り以外のことをしたかったらしい。
「若旦那に許可とってきます!」
そう言って彼女が連れて来たのは
「クレイル坊ちゃん!なぜここに?また屋敷を抜け出して来たんですか?ああでもメイドさん一緒だからいいのか・・?」
この人はメルトさん、たまーに屋敷に出入りしている鍛冶師で、この鍛冶屋の経営者である。
実は領の騎士団の装備はほぼこの人が卸したものを使用している。
良く屋敷に来るので、顔を売って、ついでに鍛冶屋の場所を聞いておいた。
ただ、メルトさんも領主の息子が一人で訪ねてくるとは思わなかったのだろう
とりあえず、メルトさんにも自転車の概要を話した。
「これはあれですかい?坊ちゃんがいつも乗り回している板の派生形ですかい?」
「板?」
「なんだドリーは知らないのか?最近、領主の息子が変な板に乗って街中を走り回る奇行を繰り返しているって結構有名な話だぞ」
そーなんか、
奇行じゃねーよ
そこから、細かい話をしていき自転車の試作が始まった。
「まぁ、いい機会だ。今は受注も少ないし、、、
ドリー、この件お前と坊っちゃんでやってみたらどうだ?」
「いいんですかい?」
そこからはメルトさんの工房に通ってドリーと一緒に自転車製作の毎日が始まった。
◇
そんなある
「失礼するぞ」
ある日、鍛冶屋でいつものように自転車をいじくっているといかついおっさんが来た。
「坊主、なんだそれは?」
「これですか?これは試作中の乗り物で自転車と言います。
ここのペダルを回すと車輪が回って前に進むんですよ?今試作中ですが」
「、、、ほう?」
ガッシャーン
あ、材料を取りに行っていたドリーが帰って来た
けど、そんなに物、落として大丈夫か
「ドリー?今すごい音したけど、大丈夫か、、、
あれ?
、、、、、、
ガルシア師匠!!」
どうやらこの方、メルトさんの師匠らしい。ついでにこの鍛冶屋の先代の経営者だそうだ。
たまーに、様子を見に来ているらしい。
そして、ガルシアさんとは自転車について語り合った。非常に有意義な時間だった。完成も近そうだ。
「すげー、あんな楽しそうな師匠見たことない気がするな」
「私もあんなにガルシア様とお話したのは始めてでした。」
◇
ついに、自転車が完成した。
初期ロット10台
「「出来たー!!!!」」
おれはドリーと喜びあった
「ほう、坊主らよーやったの。わしも久々に楽しかったわ」
ガルシア師匠にもかなり助けられた。
そして、ドリーと2人で自転車で街を爆走した。
またたく間に街にはその噂が広がり、
そして、、、、、
完成した自転車、次いでにスケートボードはめっちゃ流行った。すごく売れて、領内の流通量がすごい。
ただ、一つ誤算があった。この乗り物で街の外に出ることは禁止された。理由は危ないから。
おれの作戦はまた失敗したようだ。
そして、工房はスケートボードと自転車の受注が建て込み乗り物開発どころではなくなった。
メルトには工房の経営にも助けになったとお礼を言われた。
そーいうことじゃないんだよ、おれのやりたかったことは
とりあえず自動車を作って脱出するという作戦は保留とするしかないようだ。
早くブーム過ぎ去れ




