表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/70

モグラの森⑩ 崩壊

 アスレスの声がしました。


「待って、あんた、勇者じゃないか!!」


「ああ、まあ、そうなりますかね……」



 それを聞いて、私は笑っていました。

 アスレスは呆れています。



 既に、私は人間の姿に戻っていました。




「そりゃ、強いわけだわ。勝てるわけがない……。ただ、地龍様がいる。いまは、そんな話をしている暇はないわ……」



 アスレスはパチリと指を鳴らしました。

 すると、数百のスケルトンの騎士が地面から現れました。


 こちらに向かってきます。

 骨が擦れる音が聞こえてきました。



 ずっと、アスレスは苦しそうな顔をしていました。

 彼はクロエに助けを求めます。



「クロエちゃん、腕を治してくれ。頼むわ………」


「もう……、仕方ないわね…!!!」


 クロエが腕の治療をしています。

 アスレスは治療を受け、身動きができなくなっていました。



 その時、子供たちの歓喜の声が聞こえてきました。

 人間に戻れたことを喜んでいます。

 


 その横で、アスレスの部下が大きなモグラに祈りを捧げていました。

 大きなモグラの救済を願っているようです。



 ただ、大きなモグラは怒っているようでした。



 ダンダンッ


 ダンダンダンッ

 ダンダンダンッ

 

 大きなモグラが地団太を踏みました。

 途端、大地が崩れていきます。



 地面が崩落していきました。大きな空洞ができているようで、近くにあるほこらが暗い闇の中に落ちていきました。


 アティーナが子供たちを安全な場所に連れて行こうとしていました。子供たちの走っていく姿が見えます。しかし、祠の近くでキーテ少年が倒れていました。



 私はキーテ少年の体をつかみました。

 

 


 その時、妻の姿を見たのです。

 



「どうして、あなた、ここにいるの…………」



 妻は驚いた顔をしていました。

 

 地面が崩落すると、私はほこらの下に落下していきました。

 落下しながら、妻の顔を見つめていました。




 気が付くと、ほこらの下にある洞窟にいるようでした。

 地下の空間は炎で埋め尽くされています。



 頭を打ち付けたのか、流れる血が鼻の頭から落ちてきました。

 



 近くで、キーテ少年が倒れていました。

 少年の声が聞こえてきます。



 この世界が嫌い……

 学校に行くこともできないし……


 ああ、ぼくは勇者になりたいんだ……



 悔しい……悔しい……ああ、悔しい……………



 少年の独り言が聞こえます。

 途端、キーテ少年が魔族のような姿に変わっていきました。

 


 この場所は魔力で満ちているようです。

 負の感情によって、少年は魔力を取り込んでしまったようでした。


 悪魔のような姿に変わっていました。

 すぐに、私は自分の顔に手を触れてみました。

 まだ人間のようです。


 近くにほこらに飾られていた鏡がありました。

 手に取ると、自分の顔を見ようとしました。


 しかし、顔が映りませんでした。

 その鏡にはモグラの森の映像が映されていたのでした。


 モグラの森が鏡に映っていました。

 

 アスレス、部下の兵士たちがいます。

 その奥には、大きなモグラと妻の姿がありました。

 


 

 私は妻の顔を見つめます。

 すると、いつの間にか、悲しくなっていました。

 泣いていたのかもしれません。


 

 その時、誰かの声が聞こえてきます……



「心を乱さないようにしなさい……。そうしないとあなたの心が奪われてしまうわよ……ここはモグラの作り出した異空間なのですから……」

 

 聞いたことのある声でした。

 私は視線を向けます。

 

 すると、女性がいました。

 十字架に張り付けられた女性がいました。



 夢で見た存在でした。

 村の祭壇で会った女性がそこにはいたのです。


ありがとうございます!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ