モグラの森⑧ パワー
スチュアート少年の魔力が暴走をしていました。
その時、青い石の欠片が光っていました。
ポケットにある青い石がスチュアート少年の魔力を吸い取っているようでした。
自分の内部に力が漲ってくるのを感じていました。
以前、これと似たようなことがありました。
異世界人を目覚めた時、
ゴブリンの呪いを解いた時、
青い石の欠片が力を吸収していました。
今回は圧倒的なエネルギーの量なのです。
体の内部に炎が宿ったかのように強い力を感じました。スチュアート少年の力が地龍の力らしいので、きっと、青い石は地龍の力を吸収しているのだと思います。
いったい、地龍の力とは何だろうか……
妻の顔が浮かんできます。
何かは知っているに違いないと思いました。
彼女はこの森にいるはずです。
確認したいと思いましたが、その前にアスレスを倒さなくてはなりませんでした。まあ、簡単に倒せると思いました。
顔を上げると、アティーナは2人の兵士と向き合っていました。
2対1です。
男の兵士がゴーレムに変わります。
ゴーレムの兵士はアティーナに攻撃を仕掛けていました。
彼女はパンチを剣で受け止めていました。
ぐわっはっはと、
ゴーレムの兵士が笑っていました。
「よく、わしのパンチを受け止めたな。私はアスレス様の右腕のカリマーである。なかなか骨がありそうだ。ぐわっはっは」
次に、女性の兵士が飛び上がりました。
右手の人差し指から弾を飛ばしてアティーナを攻撃していました。が、アティーナは剣を振り下ろして、弾を真っ二つにしていました。
「へえ、あれを避けるんだ……。思ったより強いんじゃん。ただ、私には勝てないわ。結末は既に決まっているんですから。だって私はクロエなんですから……」
クロエは冷たい視線を向けていました。
アティーナは剣を構えていました。
そして、もう1つの戦いです。
私はアスレスと向き合っていました。
既に、ゴブリンパンチを放っています。
私の攻撃を受けて、アスレスは腕から出血していました。
彼は驚いた顔をしました。
想像より、ダメージが大きかったようでした。
「あんたは誰だ!? いや、ゴブリンってそんなに強いのか。いや、そんなことがあるはずがない……」
もう一度、私はゴブリンパンチを放ちました。
慌てて、アスレスは逃げました。
「まったく、どうなっているんだ。ゴブリンの身体能力が高いせいなのか、いや、これはやばい戦いになりそうじゃないか……」
もう一度、ゴブリンパンチの姿勢に入りました。
私は攻撃を仕掛けます。
アスレスは頭を抱えて、困ったような顔をしていました。
「面倒だわ。ああ、やっぱり、クロエのタロット占いで今日の運勢悪かったからな~。本気を出すしかないのか~」
そう言うと、アスレスが私の方へ歩いてきました。その時、私はニヤニヤと笑いながら、アスレスに返事をしました。
私が返事をします。
「じゃあ、私も力を出してみますね。5割ぐらいの力を出してみましょうか……」
ゴブリンの私が言いました。
すると、アスレスが驚いていました。
「え、嘘だろ!! 待って、5割!? 5割ってなんですか!?」
アスレスは後ずさりをしていました。
再度、私に問いかけました。
「いったい、5割って何の話ですか!? 冗談やろ!?」
私は笑っていました。
彼に返事をします。
「嘘じゃないです。ちゃんと受けてくださいね……」
「え……いやいや……、ちょ、ちょっと待ってもらえますか……」
アスレスは両手を前に出しました。
止まれというジェスチャーをしていました。
ゴブリンパンチは止まりません。
ゴブリンパンチが放たれると、空間が切り裂かれて、世界に亀裂が入っていきました。
歪な音が聞こえてきます。
前方、直線距離100メートルほどの空間が切り裂かれていきました。
空間が赤く変わっていきます。
真っ赤な夕焼けの空を見ているようです。
段々、切り裂かれた空間が広がっていきました。
数秒が経過すると、切り裂かれた空間の隙間から、見たこともない別の世界の景色が見えてきました。
世界は地獄のように炎が燃え盛っていました。
黒い羽が生えた女性が立っています。
気が付くと、その女性が大きなモグラに形を変えていきました。
大きなモグラがこちらに視線を向けました。
ありがとうございます!!




