表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/70

モグラの森③ 過去の呪い

 古い、とても古い、過去の映像が私の視界に入ってきていました。

 その光景を見つめました。 


 それは過ぎし日のモグラの森のようでした。


 人々が集まり、森の中で祭りをしている姿がありました。

 楽しそうな声が聞こえていました。



――さあ、聖なる水を飲む時間です。この水を飲み、あなたはほこらに行くことになりますよ……



 と、老人の声が聞こえてきました。


 瘦せ細った男性は頷きました。


 水を飲むと、男性はほこらの後ろにある階段を下りていきます。一度、石のほこらの前で立ち止まり、近くにいる男性に声をかけていました。



――これから私は儀式に行くことにします。ただ、どうか、家族のことはよろしくお願いいたします…………



 

 そう言い、瘦せ細った男性はほこらの中を歩いていきました。

 水滴が落ちてくる音が聞こえてきました。


 寒いのか、男性の体は震えていました。

 しばらくして階段が終わると、崖のような場所を下っていきました。深い闇が続いています。ふいに、男性は手を滑らせ、落下していき地面に叩きつけられました。



 しばらく男性は起き上がることができませんでした。

 彼は泣いていたようです。

 すると、大きな塊がこちらに歩いてきました。


 大きな塊の声が聞こえました。


――何だっていうんだ。久しぶりに眠ろうとしたのに、地上がうるさくて眠れやしねえ。ほう、ほう、人間の匂いがするな、もう貢ぎ物の時期か……。ただ、オレは眠りたいんだ。食事を取るなんて気分じゃねえしな。今回は見逃してやる……


 大きな塊の顔が男性を見つめていました。

 大きな塊はモグラのようでした。



――そうだ!! お前に人間では手に入らないほどの魔力をやろう。その代わり、騒がしい人間たちの首をはねてこい!! それをしなかったらお前は呪いを受けることになるからな!!!

 


 モグラの声が聞こえると、視界は元の世界に戻っていました。


 さっきの祭りの映像は何だったのか……。呪いとは何だろうか、いや、ゴブリンの呪いに違いないと思いました。ただ、詳しいことはわかりませんでした。


 戦いに視線を向けると、ユウマは騎馬兵の相手をしていました。

 馬車から逃げだしたゴブリンたちの姿が遠くなって、アティーナがゴブリンたちを追いかけていきました。



 ユウマの声が聞こえてきました。


「俺はこの戦いを止めに来た!! 勇者、お前も俺たちを手伝ってくれないか!! 情けない顔をしてないでさ!!!」




 魔法使いの老人が魔法詠唱をしていました。

 ユウマは大剣を構えています。



 その時、私はユウマに言いました。

 モグラの森に連れて行ってもらいたかったのです。


「お願いです。あの森まで連れて行ってくれませんか?……」

「え、森だって? あそこに何かがあるのか?」

「わかりません……。ただ、行かなくてはならないのです。きっと、何かを変えることができると思うんです……」



 何の根拠もない話でした。

 ただ、どうしてもモグラの森に行きたいと思いました。


「わかったよ。じゃあ、オレが連れて行ってやるさ!」


 ユウマは私と少年の祖母を担ぐとモグラの森に走っていきました。

 たくさんのゴブリンの後を追いかけていきます。


 きっと、あの場所に何かがあると思いました。

 それを確かめたかったのです。



 私たちは荒野を走っていました。

 荒野では戦争が起きていました。魔法攻撃が飛び交って、空には戦闘用に訓練された魔物たちが炎の息を吐き、地面で騎馬兵が走り回っていました。ゾウのような大きな動物がいて、その上で兵士たちが弓矢を放っていました。その腹の下をくぐり、森の方へと走っていきました。


 その時、破裂音が聞こえました。

 衝撃波により、私は空高く吹き飛ばされていました。


ありがとうございます!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ