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キーテ少年の冒険③ 柿の実

 勇者様……どうか力を貸してください……


 バレット師団長の声が聞こえてきました。

 近くにいる3人が私の方に視線を向けていました。私は食事の手を止めると、右手に持っていたフォークを握りしめていました。頭が混乱していました。勇者、勇者と言われていることが耐えられなくなっていました。

 



「ふざけるな……」



 小さな声を出しました。


 そう言うと、とっさに我に返っていました。そんな言葉を使ったことに驚きましたが、小さい声であったため、誰にもその言葉は聞こえていなかったようでした。

 その時、青い石の欠片かけらが光っていることに気が付きました。


 私は青い石の欠片かけらを見つめていました。

 バレット師団長の声が聞こえてきました。しかし、私には意味がわかりません。視点を合わせることもできず、ただただ、私は目の前の光景を見つめていました。私は混乱していました。まったく、彼の言葉の内容を理解できなくなっていました。

 

 

 青い石の欠片かけらいざなわれているように感じていました。



 その時、私は思ったのです。

 村に帰らなくてはならない、と……


 こんなバカげている話を受け入れることなどできないと思いました。

 すると、霧が晴れたような気分がしたのです。



 ずっと、おかしいと思っていました。

 クーデターが起きる前日、公園であんなに楽しそうに生活をするはずがないのです。

 

 これは幻想なのです。



 きっと、夢を見ているのです。

 

 

 私は村の近くにある森の中を歩いていて、深い霧の中をさ迷っているだけだと思いました。早く森から抜け出して、自分の村に帰るべきだったのです。

 


 

 すると、キーテ少年の声が聞こえました。

 少年は笑っていました。


「話があるんでしょ!? 勇者の弟子である僕が話を聞いてあげるよ!!!」

 

 


 少年は飛び跳ねていました。

 バレット師団長の手を引っ張っていました。

 


「さあさあ、中に入って!!!」

 

 

 そう言うと、バレット師団長を部屋の中に連れてきました。

 私は冷静に見つめていました。

 

 

 ずっと、村の近くにある森の光景を思い出そうとしていました。どうにかして幻想から抜け出す方法を探さなくてはならないからです。

 


 キーテ少年を見つめながら、バレット師団長は困った顔をしていました。

 しかし、少年の声が聞こえました。


「兵士さん、あなたの願いを教えてください!! ぼくが、どんな願いもかなえてあげます!!!!」



 諦めたように、バレット師団長が話をしていました。

 それは、この国で起きていることです。



「いま、この国でクーデターを起こそうとしています……」



 キーテ少年は「お絵かき帳」を取り出し、その紙にメモを書いていました。

 青いクレヨンを使っていました。



「なるほど、なるほど……」



 バレット師団長が話を続けます。

 ただ、師団長は私の方に視線を向けていました。



「クーデターには南の国も関わっているようです。南の国のギルド長は魔法学院の信者だったのです。先ほど、キルケ大魔導士の指示で勇者をこの国に連れてきたと自白をしたところです……」



「なるほど、なるほど……」



 キーテ少年がメモを書いていました。

 ただ、文字が汚すぎて、いったい何を書いているのか、判断することができませんでした。

 

 

「勇者様、どうか、どうか、あなたの力を貸してほしいのです。魔法学院の信者は異世界人に異常なほどの執着を持っています。勇者様は異世界人を目覚めさせたと聞きました。この国で眠る異世界人を目覚めさせ、魔法学院でのクーデターを止めてほしいのです……」

 

 

 バレット師団長は私を見つめていました。

 きっと、幻想ではなかったらクーデターを止めるべきだと思いました。しかし、私の口は動こうとしていませんでした。



 だまされてはいけない、と思っていました。




 そう言えば、森で「柿の実」を取るつもりだったと思いました。こんな幻想の相手をする必要はないのです。私は椅子から立ち上がって「柿の実」を探しに行くことにしました。 



 すると、キーテ少年も立ち上がります。

 私の横に立っていました。



「では、悪い魔王の退治に出発しましょう!!!」



 住んでいる部屋から出ると、キーテ少年が私の手を引っ張っていました。

 後ろからは少年の祖母が付いてきます。


ありがとうございます!!

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