キーテ少年の冒険④ 稲刈り
アパートメントを出ると町の中は暗くなっていました。
キーテ少年が私の手を引っ張って、魔法学院へ向かっていました。しかし、魔法学院にはたくさんの生徒たちが集まっていました。
すぐに、バレット師団長が対応をしています。
「夜分、申し訳ございません。急ぎの用なのです。すぐにキルケ大魔導士にお目にかかりたいのです。どうか、お時間を頂けないでしょうか?」
「ダメだ!! 既に大魔導士様はお休みになられている!!!」
生徒の声が聞こえました。
校舎にたくさんの生徒がいるようでした。
生徒たちは私たちを拒んでいるようでした。
2階と3階から声がしていました。
それを聞いても、バレット師団長が諦めることはありませんでした。
必死になり、生徒たちと話をしていました。
その時、ガツン、と私の頭に何かがぶつかりました。
投げた石がにぶつかったようです。
次々と、生徒たちが石を投げています。
熱いものが額から流れてくるのを感じていました。
その時、村のことを思い出しました。
秋になると、南方から吹く風と共に、暖かい雨が降ってくるのです。
その雨を思い出し、稲を刈らなくてはならないと思いました。
毎年、稲を刈り大地に感謝をするのでした。
ずっと、私の額から暖かい血が流れていました。
それは雨のようでした。
その時、キーテ少年の声がします。
少年の小さな手が生徒たちの方を指さしていました。
「ねえ、勇者様、こんなところに魔王の手先がたくさんいるみたいです!! 勇者様、全員倒してください!!!!」
キーテ少年は私に命令していました。
私は前に歩いていきます。
ポタポタと、真っ赤な血が流れていました。
暖かい雨の日に、稲を刈っていたことを思い出しました。すぐにバレット師団長の剣を掴みました。水たまりのある、ぬかるんだ土の中に入りました。大地に感謝をして、これから稲を刈ることにしました。
次々と、稲を刈りました。
パツン、パツン、と私は稲を刈っていました。
暖かい雨が降っていました。
頭の中には雨の音しか聞こえませんでした。
私は雨が好きです。
泣いていることにすら気が付かないからです。
キーテ少年の声が聞こえてきました。
「勇者様、すごいです!! みんな、倒してください!!!!!」
私は村での生活のことを考えていました。
ずっと、止むことなく、雨が降っていたからです。
次第に、雨の音が止んできました。
私は魔法学院の中を歩いていました。
キーテ少年の小さな手が私の手を引っ張っていました。
少年は嬉しそうな顔をしています。
「勇者様はすごいや!! 魔王の手下を全員倒しちゃった……。ぼくのお願いを叶えてくれてありがとう!!!!」
廊下を歩いていると、私たちの前に2人の女性が立っていました。
それは鬼人の女でした。
戦闘体制になると、2つの角が生えてきました。
「先に行かせませんよ!!」
2人が私を睨みつけていました。
その間、後ろにいる少年の祖母が不安そうな顔をしていました。
ありがとうございます!!




