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ギルド長の計画① 潜入

 アティーナの姿を見ると、兵士たちはびっくりした顔をしました。

 南の国が友好国ではなく、敵対する国と判断されているからのようでした。


 兵士たちは戸惑いの顔を隠せずにいました。


 何故、私たちが北の国に入ることができたのか。

 勇者であることが原因の一つのようでした。


 アティーナとギルド長は平和のために北の国に来たということでした。

 平和の会談という名目があるようでした。


 3人のゴブリンの姿を見ると兵士たちは不快な顔をしていました。

 ただ、私たちを地下室へと案内しました。


 地下室へ行くと、そこには約30匹のゴブリンが集まっていました。

 ここにもゴブリンになった子供がいるようです。



 地下室に向かう途中、町の中を歩いていました。

 人々は3人のゴブリンに対して奇異の目を向けていました。 

 城の周りは騒々しい声がしました。

 兵士たちが走っている姿があり、戦争の準備をしているかのようでした。


 

 アティーナが案内役の兵士に質問をしました。

 それはスチュアート少年のことです。

 

「ねえ、私たちが来る前、1人の少年が来なかった?」


 案内役の兵士は立ち止まりました。

 一瞬、表情が変わったような気がしました。


「そちらは、どのようなお方でしょうか?」

「スチュアートって名前の少年なんだけど、あなたは知ってたりするのかしら?」


「それはフランソワーズ伯爵のご子息のことでしょうか?」

「そう。そんな名前だったと思う……」


「なら、知っております。昨日、戻ってきていました。きっと、いまはご自宅で休んでいると思いますよ」


「そこに連れてってもらえない? 私たちは会う約束があるのよ」


「そうですね。私の立場では判断することができません。1度、バレット師団長に確認をしていただければと考えております……」


「そう……。じゃあ、その人に頼んでみるわ……」



 そうして、私たちはゴブリンがいる地下室へ案内されました。

 まるで牢屋のような場所でした。



 長方形の石で覆われた壁には窓がなく、冷たい空気が地面の穴から吹いてきました。

 そこに30匹ほどのゴブリンの姿が集まっています。檻に閉じ込められて、ゴブリンたちは悲しそうな顔をしていました。



 複数の兵士たちが監視をしていました。 

 その光景を見て、アティーナは兵士に問いかけました。



「あなたたちは何をしているの?」

「私たちはゴブリンたちを監視しております」

「元は人間なのよ。そのことはわかっているの?」


 兵士たちは困った顔をしていました。

 すると、ドアが開いて1人の男性が入ってきました。

 

 その男性の声が聞こえてきました。


「安心してください。そのことはわかっております」

「ふーん……、あなたは誰?」

「私は近衛このえ師団長、バレットと申します。お見知りおきを……」


 

 聖騎士の格好の青年が立っていました。

 ブロンドの髪、端正な顔立ちをした男性がこちらを見つめていました。

 



 即座に、兵士たちが敬礼をしていました。

 バレットの胸には大きな勲章が着けられていました。

 師団長は私と握手をしました。



「勇者様! お会いできて光栄です!」 



 アティーナがバレット師団長に声をかけました。 


 

「バレットさん、あなたはここの管理者なの?」

「ええ、そうです」

「ゴブリンをどうしてこんなところに集めているの?」

「というと?」

「まだ彼らは子供じゃない!!」


「なるほど、おっしゃる通りです。ただ、現在、町の不安を無くすため、こうするしかなかったのです……」

「本当に、こんなことをする必要があるのかしら……」


 アティーナは不満げな顔をしていました。

 すると、バレット師団長が彼女に問いかけました。


「あなたは、アティーナさんでよろしいでしょうか?」

「そうよ。あなた、私のことを知っているのね」

「もちろんです。よく知っております。そして、あなたにお聞きしたいことがあるんですよ……」

「私に聞きたいこと?」


 アティーナが驚いた顔をしました。

 バレットは表情を変えません。


「そうです。私たちは問題を抱えております。それについてご質問をさせていただきたいのです」

「わかった、でも、先に、私たちの質問をさせてもらえるかしら?」

「いえいえ、そうもいかないのです。これは急用なのですから。悠長に話をしている時間がありません。何故なら、とても大きな問題を抱えているのですから……」


 バレット師団長はアティーナの言葉を遮ると強い口調で話をしていました。

 その時、隣にいるギルド長が師団長に尋ねました。


「大きな問題とは何ですかな?」

「簡単に説明しますと、あなたたちが住んでいる南の国の軍隊がこちらに向かっているのではないかという話があるのです。そのことに、とても困っているのですよ……」



 それを聞いて、ギルド長は首を左右に振りました。

 馬鹿な話だという顔をしていました。

 


「そんなことがあるのなら、私たちが来ることはないと思いますがね」


「なら、いいのですがね……、しかし、密使から連絡がきています。こちらとしては対応をしなければならないのです。1度、確認のため、私たちと一緒に来ていただけませんか?」

「そうですね。わかりました。行きましょう」

「ありがとうございます。では、こちらへ…」


 そう言うと、アティーナとギルド長はバレットに連れられて、隣の部屋を出ていきました。

 最後に、アティーナの声が聞こえてきました。


「ねえ、勇者、ゴブリンのことをお願いするわね」



 部屋を出る時、ギルド長が天上の方に視線を向けていました。

 天上には、鬼人の2人の女性が貼り付いていました。



 1人の鬼人はアティーナとギルド長は入った部屋に向かっていきました。

 鬼人の1人は私のことを見つめていました。

ありがとうございます!!

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