呪い
「待ってください! ぼくには呪いにかかっているんです。人間に戻るとその呪いが家族に向かうと聞きました。どうか、ぼくを人間に戻さないでください!!」
ゴブリンの少年が必死になっていました。
その姿を見ると、どうして人間に戻りたくないのか、と問いました。
ゴブリンの少年が話をしていました。
それは呪いのせいです。
呪いを解くと、代わりに親近者が呪われると言うのでした。
「だから、呪いを解いてほしくないんです!!」
ゴブリンの少年が言いました。
その話を聞いて、私は少女の姿を思い出していました。
ゴブリンの呪いを解いたばかりでした。
ただ、もう一人、呪いを解いた人物がいました。
それはスチュアート少年のことです。
彼の呪いも解いたのです。
事実であったら、スチュアート少年の呪いはどうなったのかと思いました。
親近者に影響があったのかもしれないのです。
ただ、スチュアート少年は呪いのことを知らないはずです。
知っていたら、パニック状態になっていたはずです。
そう思うと、アティーナに声を掛けました。
「アティーナさんにお願いがあります。スチュアート少年にはこの話をしないでほしいのです」
スチュアート少年に呪いの話をしないようにと依頼をしました。
黙っておこうと思いました。
すると、ゴブリンの少年が話しかけてきました。
「ステュアートって、あの、その、フランソワーズ・ド・ステュアートのことですか!?」
ゴブリンの少年が問いかけてきました。
それを聞いて、私はゴブリンの少年の顔を見つめました。
何故か、少年の顔は強張っていました。
「彼の友達なの?」
と、私は言いました。
「いえ、全然、違います。あんなやつ、友達なんかじゃないですよ。だって、あいつがイジメなんてしなかったら、こんなことにはならなかったんだから……」
「いじめ……?」
と、私は問いかけました。
「え!? 知らないんですか!?」
ゴブリンの少年は驚いた顔をしていました。
「スチュアート少年は誰かをイジメていたの?」
「そうです。ただ、知らないんですね。なら、大丈夫です。これはぼくたちの話なので、きっと、大したことではないと思います。それに、自分も詳しい話は知らないんです。ただ、あいつは友達をイジメてたってことだけで、ただ、それが許せなくって……」
そう言うと、ゴブリンは悲しそうな顔をしていました。
段々、何かを思い出したように、ゴブリンの少年が泣きだしてしまいました。
「いったい何があったの?」
そう尋ねましたが、ゴブリンの少年は黙ってしまいました。
ずっと、ゴブリンの少年は泣いていました。
少年が泣き止むのを待ってから、私たちは兵士たちの待機所に戻ることにしました。
待機所に着くと、アティーナの大きな声が聞こえてきました。
「ゴブリンたちは殺さないで、ちゃんと、捕獲しておきなさい!」
アティーナは兵士たちに指示を出していました。
その対応を終えると、私たちはザイールと共に村に戻ることにしました。
村に向かう途中で、ゴブリンの少年に問いかけました。
「北の魔法都市へ行ったら、君たちをゴブリンに変えた犯人はいるのかな?」
「わかりません…」
グスグスと泣きながら、ゴブリンの少年が返事をしました。
ずっと、私は呪いについて考えていました。
スチュアート少年に呪いのことを話すべきなのかと考えていました。
村に着くと、ザイールが少女をサイモンの家に運んでいきます。
私はスチュアート少年を探しました。
しかし、いくら探してもスチュアート少年の姿はなくなっていました。
その後、少女の父親であるサイモンが異質な形になって死んでいることを確認しました。
もしかしたら、スチュアート少年は呪いに気が付いたのかもしれません。
そう思うと、私は北の魔法都市へ向かうことにしました。
スチュアート少年を探すためです。
ありがとうございます!!




