3匹のゴブリンの冒険小説
ゴブリンに変わった日のことです。
その日の夜、スチュアート少年は3匹のゴブリンの冒険小説を読んでいました。
ゴブリンの冒険譚が描かれているそうです。
ゴブリンたちの友情、試練を乗り越えていく姿が描かれ、北の魔法都市の子供たちの人気になっているとのことでした。
見たこともないゴブリンに子供たちは憧れを抱いていたのです。
スチュアート少年もその1人でした。
その日、ベッドでその本を読んでいると、熱中していたせいか、そのまま少年は眠ってしまいました。
どのくらい眠っていたのか、少年は眩しい光で目を覚ましました。
眩しい光は朝日のようにあたたかい光ではなく、何かしらの魔法の光のようなものであったとのことです。
一瞬にして、その光が部屋を覆いつくしていました。
すると、スチュアート少年はゴブリンに変わっていたというのです。
スチュアート少年の話は続きました。
すぐに、少年は鏡の前に立ちました。
そこにはゴブリンの姿が映っていたそうです。
物語に出てくるゴブリンにそっくりな姿になっていました。
最初は夢かなと思いましたが、頬をつねってみると痛みを感じて、そうではないことに気が付きました。
顔は緑色の皮膚、とがった鼻、大きな口のゴブリンに変わっていました。
着ている服は皮の腰巻きを履いているだけでした。
ドンドンドン!!
突然、ドアを叩く音が聞こえてきました。
外から声が聞こえてきました。
「ステュアート様、何かあったのですか!?」と、家政婦の声が聞こえてきました。
理由はわかりませんが、部屋の外に家政婦が来たようでした。
少年は慌てていました。
ゴブリンの姿を見られるわけにはいかないと思いました。
部屋の中で隠れる場所を探しましたが、何処にも隠れる場所はありませんでした。
家政婦が部屋の中に入ってくるはずです。
机の引き出しにある銀のナイフを取り出していました。
自分の身を守るためです。
それから、ステュアート少年は少しだけドアを開けてみました。
事情を説明しようとしました。しかし、姿を見ると、家政婦の叫び声が聞こえてきました。
「きゃあぁああ~~、魔物がいる~~~!!」
慌てて、少年は部屋を出て走りだしました。
自分の家を出ると、ゴブリンの姿に町の中は騒ぎになっていきました。
町の人の悲鳴のような声が聞こえてきます。
警備兵が彼を追いかけてきました。
気が付くと、右足に弓矢が刺さっていました。
痛みを感じていましたが、それでもステュアート少年は走り続けていました。
絶対、捕まるわけにはいかないと思いました。
町を出ると、数日が過ぎて、彼は草原まで辿り着いたとのことでした。
その場所で少年は力尽きて倒れてしまいました。
その話を終えると、ステュアート少年が泣き出していました。
どうしてゴブリンに変身してしまったのか……
呪いのような気がしました。
もしかしたら読んでいた本に秘密があるのかもしれないと思い、
「その本には、どんな内容が書かれているの?」
と尋ねてみました。
それを聞いて、少年は戸惑っていました。
「え、あの、3匹のゴブリンが冒険をする話が書かれていいます……」
「君はゴブリンなんて見たことないでしょ? どうして、そんな小説が人気になったのかな……」
「ぼくはゴブリンを見たことはありません。でも、この小説は本当に面白いんです。魔女の依頼を受けて、神々の森の探検するの話を読んでから、僕も一緒に冒険をしてみたいと思っていました」
もう一つ、少年に質問をしました。
「その本を読んでいる時、君は呪いのようなものを感じた?」
「わかりません。ずっと、ぼくは眠っていました。急に光を感じて、気が付いたらゴブリンの姿になってたみたいなんです。だから詳しいことがわかりません。ごめんなさい……」
3匹のゴブリンの小説の内容を確認してみたいと思いましたが、その本は自分の部屋にあるとのことでした。
全ての本に呪いが掛けられていたら大変なことになるはずです。
北の魔法都市は騒ぎになっているのではないか、と私は思いました。
私は青い石の欠片を握りしめていました。
ありがとうございます!!




