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魔王城にて③ 混血魔族

「もう一度、結婚式をあげましょうよ!!」



 私は妻の顔を見つめました。


 違和感がありました。

 どことなく妻は魔王城に来てから様子がおかしいのです。

 まるで、現実から逃げたいとでも思っているように思えていました。

 

 すると、ユウマの声がしました。

 

「じゃあ、オレが神父にでもなってやろうか? やめるときも~、すこやかなるときも~~~」と、ユウマは歌っていました。


「ば…、馬鹿にしないでよ!!」と、妻は怒っていました。


「別に、馬鹿になんてしてねーよ。オレは、たくさんの人が幸せになってほしいだけなんだからな」


 しかし、妻は納得していませんでした。

 また、2人の言い争いが始まります。

 しばらくの間、私は口げんかする声を聞いていました。



 その時、下の階から声が聞こえてきたのでした。

 若者たちの声です。


 下の階に視線を向けると、3人の若者がいるようでした。

 アンデットのネズミたちを追いかけていました。


「そっちに行ったぞ、追え追え!」


 アンデットのネズミたちが逃げ回っていました。

 ゾンビ化したせいで、ネズミたちの動きは遅くなっているようでした。すぐに若者たちに捕まってしまいます。ネズミを捕まえると、彼らは大きな石を使ってネズミを潰していきました。


 ネズミの叫び声が聞こえました。

 それから、若者たちの笑い声が聞こえてきました。

 

 何をしているのか判断ができないでいると、隣にいるユウマは怒った顔をして若者たちの方に飛び出していきそうでした。


 しかし、そこに1人の男性が歩ていきました。

 3人の若者が真っ二つにされます。

 若者たちは、その場に倒れていきました。



 近くに、痩せ細った男が立っていました。

 私たちに視線を向けていました。


 階段を上ってくると、教会の壁をノックする音が聞こえてきました。

 さっきの痩せ細った男が立っていました。


 

「申し訳ございません、ちょっと、お話よろしいでしょうか?」


 男性は教会の中に入ってきました。

 男は自己紹介をしました。


「私はアスレスと申します。こう見えて、混血魔族の1人なんですよ。大それたものではありませんけど。実際、使い魔と言った方が良いのかと思います……」

 


 彼の声がしました。

 どうやら戦う気はないようでした。


 

「はじめまして、アスレスさん。あなは何をしにここに来たんです?」 

 

 妻が返事をしました。

 それを聞いて、アスレスは笑っていました。

 

「ああ、それですね。あなたたちを追ってきました。南の国での出来事のことです。話を聞いて、もしかしたらと思って、ここに来てみたんです。そしたらビンゴ、あなたたちを見つけてしまったんです!!」

 

 アスレスが言いました。


「なるほど、あなたが追跡者だったのね……。私に用があるのかしら?」


 妻が言いました。


「いえいえ、違います。私はゆ……」


 と言いかけると、


「じゃあ、オレを追いかけてきたんだろ!! 眠りから覚めたばかりだからな〜。あんたもさ。世界の真実ってやつを知りたくてここに来たんだろ!!」


 と、ユウマの声が聞こえました。



「いえ、そうじゃなくて、私は勇者様に会いに来たんですよ…。ところで、あなたたちは誰ですかね?」



「……………………」



 それを聞いて、2人は黙ってしまいました。

 アスレスは続けて言いました。



「ああ、勇者様、ここにいましたか! 話を聞いていただきたいのです!!」



「そんなこと許されないわよ…」


 妻は不満そうな顔をしていました。

 それを聞いて、アスレスは怒っているようでした。


「おいおい、黙っててもらえるかな。これは魔族の話なんだよ、お前たちが魔族の名前を言うことは許されないことだぞ……」



「魔族……」

 

 また、妻の声がしました。



「あんたさ、私の話、聞こえていますかね? これ以上、話に割り込んでくるなら実力行使をすることになりますよ!」



 妻は笑っていました。


「それは構わないわ……」と妻が言います。

「おうおう、じゃあ、オレもやってやろうじゃねーか!!」とユウマが言いました。



 ユウマはやる気満々のようです。

 2人はアスレスの方に歩いていきました。


ありがとうございます!!

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