眠っている異世界人、仲間になる
「かかってきやがれ、オレのとっておきのソードで倒してやる!」
そう言うと、少年は魔法陣から大剣を取り出します。
「出でよ! 超でかい真っ二つにするソーーーーード!!」
少年は大剣を担いでいました。
大剣を持つと、異世界人の少年は妻に飛びかかっていきます。
そうして戦いが……いや、これは戦いと呼べるのでしょうか……
戦いのようなものが始まりました。
異世界人の少年は大剣をブンブンと振るっています。
ただ、少年の剣の使い方は力任せに振っているようにしか見えませんでした。
妻はため息をついていました。
「あのさ……、あなた、ずっと前から思っているけど、剣のスキルを持ってないでしょ……。素手で戦えば強いんだから、そんな大きな剣は使わない方が良いと思うけど……これじゃ、子供とケンカをしても勝てないわよ……」
「う…、うるさい!! そんな話聞くものか!! じゃあ、オレに武闘家にでもなれっていうのか!? 嫌だね。オレらの世界だとな……レベルが上がったら武闘家なんて魔法は覚えないし、スピードと物理特化した無能でしかないのだ。パーティーにすら入れないんだよ!!!」
「また、レベル……。あなた、いつも何を言っているの!?」
「こ、この世界にレベルがないのは知っているさ。ただ、オレらの世界で武闘家なんてパーティーにすら入れないって言ってるんだよ!!!」
異世界人の少年は剣を振り回しています。
しかし、どうしても少年の攻撃は当たりませんでした。
一方的に、妻の攻撃を受けると少年はその場で倒れてしまいました。
少年は大の字で倒れています。
「くそっ、どうしてオレには剣のスキルがねーんだよ……ただ、オレは魔法剣士になりたいのにさ……」
少年は泣いていました。
「もう、剣を使うのは諦めたら……」
「いや、オレは10パーセントも力を使っちゃいねーー。ただ、認めてやるよ……お前の力は衰えてないってことをな……いつかオレもなってやるさ……最強の剣士って奴にな…………」
少年は悔しそうな顔をしていました。
大剣を上空にかざします。
「………………」
それを見て、妻は呆れているようでした。
「ただ、負けちまったんだから、知っていることは話そう……。オレは魔族の王女様のことはまったく知らねぇ!!」
キリっ
異世界人の少年が言いました。
何も知らないようです。
「なんで、自信満々でそんなことが言えるのかな~」
妻が困った顔をしていました。
もちろん、異世界人の少年はそんなことは気にしていませんでした。
続けて、少年は妻に尋ねていました。
「ところで、お前は勇者が何処にいるのかは知っているか?」
「勇者ならそこにいるわよ……」
妻が私の方を指さしていました。
少年は驚いていました。
「ちょ……ちょっと待て……こいつか……」少年は私の近くまで来ました。「確かに、こいつの中に勇者みたいなものを感じるな!! し…、仕方がねーなーー。オレはお前らに付いていってやるよ。オレの名前はサカグチ・ユウマと言うんだ。年齢は19歳。よろしくな!」
私は少年と握手をしました。ユウマ、聞いたことがない、変な名前です。
私の中に勇者みたいなものがある、とは何だろうかと思いました。しかし、話が通じる気がしなかったので黙っていることにしました。
ユウマは自分よりも年上なのかと思っていると、こちらに気が付くと彼はニッコリと笑っていました。
妻が困った顔をしています。
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