表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/70

国王との謁見④

 ギリギリ…ギリギリ…と、骨が砕けるような音が聞こえていました。


 ひつぎの穴から真っ赤な血が流れていました。

 地面は真っ赤に変わっています。


 戦いが終わったと赤鬼のひつぎが開いていきました。すると、妻の笑い声が聞こえてきます。


 千切れてしまいそうな足や腕を見ると、それは人間の姿であるとは思えませんでした。

 頬にある大きな穴から笑い声が漏れていました。





「待て! お前、人間じゃないのか!?」


 

 兵士長ジャン・リュック・ブランドの声が聞こえてきました。

 腰にある剣を抜こうとしていましたが、その右手はずっと震えているようでした。




「さあ〜、どうなんでしょうね~~」



 妻は鬼人の方に両手を伸ばしていました。

 真っ黒な刃が具現化されました。

 次の瞬間、その刃が鬼人に向けて放たれていきました。



 ボウリッグ・スターレンは妹を庇うように前に飛び出しました。

 彼女は全ての刃を受け、姉である彼女の体には無数の黒い刃が刺さっていました。

 既に絶命しているはずです。

 倒れると、だらりとした手は動いていませんでした。


 妹の鬼人が怒りの声を上げました。

 しかし、声が出ていませんでした。背後からきた刃が彼女の胸を貫いていたのです。

 

 

「あら、一人仕留めそこなっちゃったみたい……」



 妻の声が聞こえてきました。

 既に、妻の傷は回復しているようでした。


 胸に黒い刃が刺さり、鬼人の口から真っ赤な血を吐き出していました。

 虫の息であり、すぐに死んでしまいそうでした。

 

 鬼人の姿から人間に戻っていきます。

 意識はないようで、ピクリとも動こうとはしませんでした。

 すると、アティーナは倒れている彼女の前に立ち塞がっていました。



 アティーナは兵士長に話しかけています。

 

 

 

「兵士長……、この子、医療班の所へ運んでもらえないかしら? 後は私が対応をするから……」

「わかりました……。後は頼みます!!」



 そう言い、兵士長は鬼の子を抱き抱えていました。

 兵士長が飛び出していきました。


 兵士長リュック・ブランドが部屋から出ると、すぐにギルド長が来て妻に語りかけてきました。

 ただ、ギルド長は戦う意志がないようでした。

 

「いったい、あなたたちは何をしているのです……たくさんの兵士たちが怪我をしてしまい、町の防衛体制が正常に動かなくなると思います。この状態がどういうことかわかりますよね? たくさんの魔物たちが襲ってきたら対応ができるかどうか……。もうこのぐらいで止めてもらえないでしょうか?……」



「そうですよね。気持ちはわかります。それに、私たちは王様との謁見のために来ただけですから、まったく争うつもりなんてなかったんですよ……。早く、王様に合わせてもらえないかしら?」



「この状態では王様に会うことは難しいでしょうね……」


 ギルド長は困ったような顔をしていました。


「ホント、勇者というのも嫌になっちゃうわね~、冒険の旅に出るための軍資金だって必要だからね……」


「お金ですか…、なら、ここに100枚の金貨があります。これで終わりにしてもらえないでしょうか?」



 ギルド長は金貨の入っている袋を取り出しました。

 袋を妻の前に放り投げています。

 


「まあ、そんなことを求めていたわけじゃないけど、でも、一応、もらっておくね……ただ、あっちにいる子は納得いってないみたいよ」


 そう言うと、妻はその袋を受け取りました。

 アティーナの姿を見つめています。



 アティーナは怒りに満ちた顔をしていました。

 ドンドンと足音を鳴らしながら、こちらの方に歩いてきました。

 右手には背負っていた大きな斧を持っています。



 アティーナの声が聞こえてきました。


「お前は魔族なのか!?」

「ええ、そうよ」


 妻は笑っていました。


「簡単に言うな……。何故、魔族が生きている……。まあ、いいさ……私がお前を倒してやる!!!」 


読んでくれてありがとうございます!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ