番外編・風早日和のおねーさんらじお!(第3回)
日「へい、お嬢さん。しょげた顔してどうしたんだい? おねーさん、相談に乗るぜ?」
香「しょげてるんじゃなくて、批難の視線を向けてるんです。あなたに」
日「おやおや? 公明正大なわたしは何も批難を浴びる覚えはないよ」
香「あなたのせいで収録がやり直しになったと言ってるのです。ラジオ収録やり直しって今までありませんでしたよ。初です」
日「香純ちゃんの初めて、もらっちゃった☆」
香「あのですね、同じラジオを二回もやることになる身にもなってください。こんな理不尽なことをさせられる覚えがありませんよ」
日「でも、腕に覚えがあるんでしょ?」
香「ありません。不愉快に上手いことを言わないでください」
日「それにしても、どうして録り直しになっちゃったんだろう? そんなにまずいことあったっけ?」
香「あなたが放送するのに不適切な表現を使い倒していたからですよ」
日「『貴方のハートをおっぱいのように鷲掴み!』とか?」
香「口に出さないでください。今回もボツにする気ですか? いい加減にしないと、出るとこ出ますよ」
日「まあまあ、残りのコーナーも一つだし、心機一転パパッとやっちゃおう。最後のコーナーはこちら! 『ゆる〜いお悩み相談室』。このコーナーでは、リスナーからのお悩みメールにゆる〜くわたしたちがお答えするコーナーでーす」
香「では最初のメールを読みますね。ラジオネーム、骨つき肉さんからです。
『つまようじさん、こんにちは!』。って、誰がつまようじやねん! ……あの、このやり取りは他所の素晴らしいラジオでやってくださいね。続けますよ。『わたしにはずっと悩み、疑問に思っていたことがあります。『天空の城ラピュタ』でムスカが「三分間待ってやる」と言っていますが、明らかに三分間待ってませんよね? ならば、何故三分間待つと言ったのでしょうか? わたし、気になります!』とのことですが、本当にゆるい悩みですね。でも、確かに不思議ですよね。日和さん、どうしてか知ってます?」
日「うん、知ってるよ。何かで読んだから覚えてる。じゃあ、そのまま答えちゃうね。ムスカは本来なら別に三分間待たずに飛行石をぶんどっちゃっても良かったのですが、実は銃が弾切れでした。なので、リロードする時間を取るために、適当に三分間と言ったのです。または、シータがパズーに滅びの呪文を教える瞬間がカットされているので、三分間を忠実に描写していないだけで作中ではちゃんとムスカは三分間待っていたのかもしれません」
香「なるほど、そうだったんですか。詳しいですね、日和さん」
日「当たり前だよ。ジャパニメーションを語る上でジブリ作品は欠かせないからね」
香「このラジオって、そういう番組でしたっけ?」
日「アニ雑だからね」
香「アニ雑じゃありませんよ」
日「それじゃあ、次のメール読むよ。ラジオネーム、ヒグマ推しさんからいただきました。
『パーソナリティーのおふたり、こんにちは〜』。はい、こんにちは〜。『夏の〜とか秋の〜とかかこつけて、割と一年中金曜ロードショーでジブリ映画が流れていますよね。多少ローテーションされていながらも、セリフを覚えてしまえるくらいに何度も同じ映画がテレビで流れています。別段映画好きと言うわけではないのですが、内容もセリフも脳内で再生できるくらいなのに、ジブリ映画はついつい何度も何度も観てしまいます。そんな懲りない自分を叱ってください』だってよ」
香「だってよ、と言われましても。これ悩み相談なんでしょうか? あと皆さんジブリ好き過ぎるでしょう。どうして、こうも話題が偏るのでしょうか?」
日「金曜ロードショーでラピュタを観ながら書いているからね」
香「二〇一七年九月二十八日に書いていることをバラさないでください」
日「ただ、香純ちゃん。ちゃんと一応は悩んでるみたいだからさ、叱ってあげてよ」
香「え、私がやるんですか」
日「わたしが叱っても良いけど、香純ちゃんがやった方が面白くなりそうだから。ほら、やっちゃおうやっちゃおう。三、二、一、キュー」
香「やれやれ、えー、コホン。ハッ。何も学ばず、何を得ることもなく同じことを繰り返すなんて、理性ある人間の行動とは思えませんよ。救いがありませんねえ、この愚か者は」
日「はい、いただきましたー、ご馳走さまでしたー。ドM感激のお叱りをありがとう!」
香「なんで、あなたが興奮しているんですか? というか、興奮させるような要素ありました?」
日「音声、じゃなくて活字だから見られないだろうけど、あのセリフを言いながらゴミを見るような目つきしてたよ、香純ちゃん。Mっ気ないわたしでも、ゾクゾクしちゃったよ」
香「ゴミはあなたなんじゃないですか」
日「ん、あれ? ああ、もうエンディングの時間です。早いね」
香「本当は全二回の放送予定でしたからね」
日「パロディー元もエンディングは駆け足だったからかな?」
香「それは知りません。……はあ、我ながらよくもまあここまで続けられたものだと思いますよ。本編ではほぼ面識のない人と三回もラジオをやることになろうとは」
日「わたしの可愛い妹分が香純ちゃんにご執心だった理由がわかったよ。よくぞ、わたし相手に丁々発止渡り合ってくれた」
香「自分で言わないでくださいよ。……優雨ちゃんと似ていますが、あの子は将来あなたみたいになるんでしょうかね?」
日「良いや、あの子はわたしよりも数段良い大人になれるよ。そうでなくっちゃあ、わたしというキャラクターがわざわざセカンドシーズンに出張った意味がない」
香「メタネタですか」
日「ううん、これはわたしの本心。香純ちゃん、本編ではもう言えないからこの場で言っておくけど、あの子たちのことをよろしくね」
香「私の方が救われてばかりですが、まあ、私にできることなら何なりと」
日「キミ自身も頑張りなさい」
香「…………何のことでしょう?」
日「弟くんによろしく、って言えば良いのかな?」
香「………………ネタが過ぎますよ。領分を外れている」
日「セカンドシーズンからサードシーズンへのバトンパスだよ。渡し終わったからには、本編よりも一足早くお別れの挨拶をしようかな。お送りしましたラジオパーソナリティーは、わたし、風早日和とー……」
香「ゲストの雲居香純でした。全三回お疲れ様でした」
日「それではリスナーのみなさん、おやすみ〜〜」
おねーさんラジオ、お付き合いいただきありがとうございました。
ボツ版を公開する予定はありません。




