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魔石に纏わるエトセトラ? ①

魔石の属性とか出てきますが、ゆるっとでお願いします。

 魔力有無測定用のシャーレに森で採取した結晶をぱらぱら。少量でも魔力があれば、シャーレ自体が光る。分かりやすく見る為には暗がりを推奨する。なので、箱と布を被せて暗くして光ってるのかを確かめた。

 よし! 光ってる。

 これでちまちま集めた結晶が、魔力のある物だと立証出来た。五ヶ所で採取した五個のシャーレ全部が光ってるので、たとえ砂粒の大きさであっても全部が魔力有りの魔石だよ。

 次は属性試薬を垂らして、溶けだした色で属性を見る。



 赤色【火属性】

 青色【水属性】

 黄色【土属性】

 白乳色【風属性】

 魔力が有っても無色なら【無属性】


 【無属性】と言っても、この試薬では、ここまでしか分からないってだけ。それに、色付きでも違う属性に転ずる物もあるから、あくまでも目安。簡易とつくだけの試薬では、この五色しか判別出来ないってだけで、私の知りたい事には十分なので問題無い。



 黄色が三個。これはもちろん【土属性】。【無属性】が二個だ。

 採取場所のメモに、それぞれ付け足して書いてもらう。誰に? ジークに。


「本当に、色が変わった…。こんな小さな結晶でも、魔力があるんだな」


 ソファに足を組んで座ってたルー様が、ここに来て、ようやく喋った。その膝の上には、ディ様から借りた絵本がのっている。ぱらぱらとページをめくりながら、私のしている事を見ていたのだ。ページをめくっても絵本を見ずに、「それは何だ?」や「どうするんだ?」の言葉を飲み込んで目で喋ってたのを、私が見ないふりをしてました。一々手を止めて問に答えるのも面倒に思えたので。

 ただ私がルー様から感じるのは、森の中と同様で、何となく観察されている感が強いです。

 今までのルー様も、ルー様の周りの人もこういう事をしてこなかったから、珍しいだけだと思われます。

 お勉強の方向性として、一貴族と王族じゃ、学ぶ事がそんなに違うのかしら? 


「それで? そんな物まで持ち出して、調べて、どうするんだ?」

「それは、ほら、あれです。保険です!」


 新たに書き込まれた紙を受け取る。

 ジーク。ありがとうございます。

 そしてルー様は、訳が分からないと首を傾げてますよ。

 

「まず、山繭ですけど、蛾ですよ、昆虫ですよ。繭を取るのに、食べる葉の木を調べに森に行ったんですけど?」

「ああ、卵も見付けてたな」

「そうです。それでね、ご飯(葉っぱ)だけじゃなくて、魔石が土中に含まれてる所で沢山見付けられるんです」


 簡単に書いてもらった地図の二箇所に丸をした。

 候補は、この二箇所。

 繭を作る頃に、またお邪魔しないといけません。


「それだけなら、魔石かどうかだけで、属性まで調べる必要無いんじゃないか?」

「はぃ? それだけじゃ無いから調べたんですよ?」


 丸をつけた二箇所は、【土属性】と【無属性】。

 魔石の有無だけで決めた訳じゃ無いですよ。日当たりが良さそうとか色々考えてです。手当たり次第に探したって、木の葉に隠れた親指大の繭を、ぱっと見て、見付けられる訳は無いのです。今からだと、この領地で取れるのは、刺繍分くらいが精々かもしれません。

 家の領地だって献上分を取り置いて、どれくらい用意出来るか分からないんだし。私(子供)の判断で「任せて下さい!」って言うのは、難しいと思うのね。

 奥方様やロアナ様は、お土産の刺繍糸やレース糸を喜んでくれて、ベールだったりドレスだったりの使用糸の変更なんかで盛り上がってたのだけど…。

 この夏に大量繭ゲット出来たとしても、糸にして布が織り上がる頃は秋の中盤かもう冬で、仕立てるのが間に合う筈が無いと私でも思うの。

 だからディ様の夢は、叶えられそうも無いのです。

 花嫁様の衣装が簡単に、短期間で、出来る訳無いのですから。

 ならばどうするか。私なりに考えました。

 取り敢えずお部屋に居る侍女さんに、魔力量を測るのを使わせて下さいって言伝を頼んだ。

 測定器は持ち運びに不便。なので、私の荷物にはありません。


「ディ様の…ドレスに関しては、何処まで出来るかは何とも言えないのです。でも、自領の何かを贈る事は出来るんじゃと思いました!」


 先日、ロアナ様とドルレンさんに使ってもらった保温ポットの出番です。


「そもそも、意味が無ければ集めませんよ。何してると思ってたんですか?」

「…そういう物を、集めるのが好き、なのかと?」


 キラキラしたものって好きだろみたいに見ないで下さい。

 まあ、気を取り直します。

 こちらをご覧下さい。

 で、ぽんぽんぽんって、ルー様の前に並べた。

 保護の為の外側はクルミ材。お花畑の兎ちゃんがモチーフになっております。緩衝材と保温の為のキルト(細かいステッチで踊る兎ちゃんズです)を挟んで、魔石入りのガラス瓶がお目見えです。


「ガラスと魔石を合わせると、強度が上がるんですよ!」


 どやっと胸を張る。


「魔法強化じゃ無くて、魔石で? それもこんな小さな…」


 にゃっ! 微かに「クズ」と口が動き出したね!

 確かに、砂粒程度、それ以下の魔石は魔石とは呼べないよね。だって石じゃ無いもん。でもそんな小粒だって、自然に出来るって事は、その場所が力のある豊かな恵のある場所だって証明でもある。

 あのですねって私は喋り出す。

 【水属性】があれば、どんなに小さくても(量は必要)水の浄化が出来る事は立証されてる。小袋に入れられたそれは、旅の必須アイテムなのよ。後は畑の作物。通常肥料に【土属性】も混ぜ込むと収穫アップ。沢山の事例は無いけど、使える事は知られているの。

 などなど、など…。


 (途中経過は飛ばします)


 三十分後。


「あの、説明、いらなかったです…ね…」

「知らなかったのは確かだから、問題無い」

「いいえ、私…知ったかぶりでした。ごめんなさい」


 調子に乗った恥ずかし私がいました。

 この場合のルー様の「知らなかった」は、それ程小さい物が利用されてるって知らなかった事。

 ルー様は、最低でも小石と言える大きさからでないと価値が無い。利用出来ないと思っていたんですって。

 だから、私が集めてるのはキラキラ好きって思ったって事ね。

 そして話していて気が付いた。私のお馬鹿。

 ルー様は王子様。属性の勉強をしてない理由が無い。それに、身の回りの物だって魔獣から取れた魔石で溢れてた筈なんだもの。

 このお部屋の明かりだって魔石使用なんだもん。

 大きい魔石が普通の生活なら、小さいのなんて目にしないよね。

 シャーレや簡易試薬を知らないみたいだったから、知らないんだと思っちゃってたよ。

 ぐっすん…。

お読み頂きありがとうございました。

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