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初めてぇーの、竜!①

 四日目は、私の癇癪の後ルー様と打ち解けた。

 何で養子? の、ディ様とルー様視点をじっくり。

 次の日から道が悪くなるからって、馬に乗った。馬車に乗ったまま悪路を行くより早く通り抜けられるんだって。

 跳ねる馬車を見た時に、これには乗ってたくないって思ったよ。

 七日目の昨日はキエナ領に入って、そして今日。

 道は良くなったから馬車でもいいのだけど、折角だからとそのまま馬に。何処まで進めば見えるのか分からないけど、城塞都市ってどんなのかきちんと見たいって思ったの。ディ様もルー様も、馬車に乗らないって言うからじゃ無いんだからね!

 太陽もそろそろ真上。


「えっ?!」


 馬上で感じる、前に進む事で受ける風じゃ無い。真上からの風? 何がしかの圧。

 何? と、思ったら周りがぐっと暗くなる。それで、思わず上を見たら、背の高い木のその上を竜が飛んでいた。

 ぽっかりと口を開けてしまったのは、仕方ないけど間違いだった。深い木々の間の一本道を駆け抜ける馬の上では、絶対にしてはいけない。何故か、舌を噛むからだ。痛いと思ったと同時に「ふにゅ」っと口を閉じる。


「ミシェイラ様?」


 私が思わず両手を口にあてたので、私を乗せてくれてる騎士さんが、どうかしましたか的に名前を呼んだ。大丈夫だよって、お腹を抱えた手をぽんぽんする。

 そう言えば、この騎士さん。ドーウェルさんと言うお名前。王宮警護の騎士さんで、あの日の騎士さんだった。どうしてだか分からないけど、ドーウェルさんを含めて(サイラスさん、ビックスさん、キースさん)四人の騎士さんが、私の警護に王宮から派遣されてたの。


「騎竜ですね。キエナ城塞からの迎えでしょう」


 お迎え? って、首を傾げれば、説明をしてくれる。キエナ竜騎士団というのがあるのですって。ご領主様なディ様が、団長なのですって。

 ガチムチじゃ無いけど、腹の硬さに納得した。体幹を鍛えてらっしゃったのね。

 二つの騎影が旋回してから、進行方向へ飛んで行った。

 かっこいい…。

 ルー様が言った養子を決めた理由の一つ。「竜に乗りたい」の竜が、あれなんだ。

 見上げた竜と落とされた影の大きさに、呆気に取られたファーストルックであった。




 道が上り坂になって開けた場所に出た。

 予定していた休憩地。

 そこには岩が二つ並んでると思う程、翼をたたんでも大きな竜が居た。そして竜の間に立つのは、褐色の肌と黒髪のお兄さん。この国の人では無いなと思う。この国には黒を纏う人はいない。見惚れるくらい綺麗な漆黒。

 馬から下ろして貰って、ちょっと離れてお兄さんと竜を見てた。

 ディ様がお兄さんと話し始める。

 竜を見ると、竜と目が合ってる気がする。二頭とも、私を見てる気がする。

 自意識過剰やんって思って、大人しく視線を逸らしながら待つ。

 ディ様はお話し中だけど、他の皆は、休憩の為に馬を休めたりと準備に取り掛かってる。それを邪魔しない様に、私だって気を使う。

 ジークに手を引かれて木陰に移動した。竜からしたら正面から右に。


「お嬢様。どうかなさいましたか?」

「うん。気のせいかもしれないけど、見られて、る?」

「えっ?」


 私は竜を指差す。

 首だけこっちに向けて見てる竜。それも二頭。

 ジークが、私を隠すように前に立つ。


「やっぱり、見てる?」

「お嬢様を見てると限りませんが」


 二人で、ちょっと左に戻る。そして右。私を残してジークだけ。ジークを追いかけて私。


「お嬢様を見てますね」


 やっぱり、そうか…。何で?

 ジークは竜を警戒して、私は首を傾げる。


「ミシェ。さっきから、何をやってるんだ?」


 ルー様合流。


「何をも何も…」


 私は竜を指差す。さっきもやった。

 ルー様の前で、ジークと同じ行動をして見せた。


「竜に、見られているな」


 三人で竜に向かい合う。

 首だけをこっちに向けてる竜。


「なぁ。喜んでないか?」


 何かに気付いたルー様。

 ほらっと指さされたのは竜の後ろ。尾がわんこの尻尾みたいに揺れていた。


「歩くだけじゃ無くて、何か他にやってみてくれ」


 真面目な声のルー様。

 竜観察の餌にする気? と、思えど、気になるので動いてみる事にした。


 座り込むと、竜の頭が下がる。

 ハイハイして移動すると、下げたまま首が動く。

 体の動きだけ追ってるのかと、立ち上がってひらひら手を振る。ぶんっと振り上げても…反応無し。

 ルー様を見ると、持ち上げた腕が怪しい動きをする。

 しっぽの状態の再現。しゅっしゅっしゅっと、左右に揺れる。

 うぅ~ん。と、考え込む。

 竜は、子供好き?


「お嬢様」


 ジークが隣に立っていた。

 ハイハイして汚れた手を拭ってくれる。

 私は、竜だけで無く、皆の視線も集めていた。




 





 

すみません。あるものを出したくて、竜なんて出してしまいました。

想像力も生体設定もあやふやです。出したいものの前座と思ってお付き合い下さい。

今話も、お読み頂きありがとうございました。

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