holiday 第四十六話 地蔵と希望
遂にフレックサーの禁じ手が解禁される。再びトノが直進する。するとフレックサーは非常にゆっくりな手刀を見せる。トノは空中なのにも関わらず急旋回しフレックサーのサイドを取る。確かに避けたはず。
はずだった。
トノの背中には正面から出た手刀が迫る。慌ててトノは急降下しエビのような後退で逃げる。
だがそれでと彼の手刀が今度は奴の死角からそれでもトノは彼の攻撃をバク宙で空を切らす。その後トノはより速く部屋中を縦横無尽に周りそしてどこからともなく彼の前に現れる。
その度フレックサーの誘導ミサイルともいえる手刀を躱す。これが千を超えた時、それをしながら両者全く精度を落とさずにフレックサーが話す。
「わしはな、家の事情で10歳から地蔵様に念仏を1時間唱えとったんじゃ。そして同時に武術も習った」。
手刀が飛び躱される。
「だからなのか中坊らへんですでにプロの格闘家を余裕ではなかったがねじ伏せることに成功した。それから20代半ばである極地に達したんじゃ。」
部屋の家具は砕け光と光が交差する。
「自分の蓄えた力は自分の希望じゃなくて他のものの希望のために使う」と。
落ちるカーテンから眩いものが見える。
「そこからホープファミリーの創設にいたったのじゃ。しかし絶望の最中救い出した者はそこから這い上がったからなのか、とんでもない成長速度じゃった」。
何度も何度も繰り返される舞い。
「同時にわしもまだまだ未熟。その成長ぶりに内心焦りを感じてしまった。そこでもうすでにやっていなかった地蔵様への祈りを再びすることにした。それで地蔵様はその千手を使いどうやって自他を落ち着かせるのかを五体を使い想像した。」
そしてある時の一つの手刀。彼はそれが何百にも見えるような感覚に陥った。
それからフレックサーは自覚した。地蔵様の力を借りればいいと。そこから一日16時間。寝ている時間以外全てを祈りにささげた。そして50代。遂に彼は至ったのだ。
フレックサー「わしの手はもはや千にも等しい。そしてやはり何か一つのものに全てを注ぐのも悪くわないと思ったわけじゃ」。
さて、お喋りもこの辺にしてまさかここで終わるわけじゃないだろうな?」トノはそれに応えるかのように攻撃がより一層激しくなった。




