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078⚫️懐かしんでどうする!
公国は、今日も穏やかな空気に包まれていた。
アリスたちは、訓練場脇の休憩所で、陽光を浴びながら軽い昼食をとっている。
「そういえば、あのファルマの兵たち、よく統率されていたよね。」
「アリス様、わたしもそう思います。末端の兵が市民に手をあげようとしたとき、軍団長が自ら前に出て謝罪したのですから。」
ガイの言葉に、王虎が肉を頬張りながら頷いた。
「そうだな。ああいう筋の通った奴はあっぱれだ。ま、褒めるわけにはいかんがな。」
「王虎、あなた、あの時、亜空間からブッ放す寸前だったでしょう?」
アリスに図星を突かれ、王虎は苦笑いした。
「お見通しだな。あの時は、確かにトリガーに指がかかっておったよ。」
「あの人たち、いまごろどうしてるんでしょうね・・・。」
レオがふと遠くを見るような目をすると、マギが呆れたように肩をすくめた。
「いや、レオ、あいつらを懐かしんでどうすんだよ・・・。」
ガイは’いつものことだ’と笑っている。
公国は今、輝くような夏の中にある。
だが、その遥か南・・・冬の足音が近づくヤット・ラレンでは、全く別の風が吹き荒れようとしていた。




