26章 贈り物
余計な情報を排除する為に殊更場面転換を明示する事は致しません。会話の間の表現を重視し、詰まりの無い会話はそれに応じて発言が連続します。発話者が分かりにくい事も多々ありますがご容赦下さい。その代わりに「」の鍵括弧を一纏めとして同一人物の発話が描写を挟まずに連続する事はほぼ排除しております。
また、多少前後している事もありますが描写は時間順となっております。
1節 切実な自粛
「リュッサさん、ありがとうございます。テーファさんも申し訳無い」
「気にしなくて良いよ」
「ソヨッハ、お願い」
「はい、分かりました」
「はあ、そのままで良いのに。そもそも今、家には女性がたくさんいるしユッミルが少々積極的になってもそれでも余るわよ」
「そんな事をして手当たり次第に子供を作ったら大変な事になりますよ」
「一回なら大丈夫よ」
「そもそもネメッカ様は独占を少しは考えて良いのですよ?」
「ユッミルを虜にしないと独占はできません」
「虜にしたければ側室は減らすべきでしょうね」
「そうですね。ユッミルの満足を優先したいのですよ」
「それにしては多すぎます」
「それは他の団の思惑もありますから」
「分かっていますよ」
「ただ、私は子育て優先のユッミルさんの言い分分かりますし子供を少し開けるのも賛成ですね」
「リュッサさん、ありがとうございます」
「私も反対ではないけど三人目もいるから他の人にまでは口出しできないかな」
「イーサさんはどうなのです?」
「私ですか?」
「私自身は正妻であり、上司でもあるネメッカ様に先んじるつもりはありませんしネメッカ様やユッミル様の意向に従いますよ。ただ、業務への支障を考えると本当はユッミル様のご意見が正しいとは思いますがユッミル様は放置すると放置されてしまうので誘わざる得ないですね」
「でしたら例えばの話ですが子供の数をネメッカ様8名、五人程度の側室が五名、十人程度が四名、他は数名と制限をかけるとしたらどうします?」
「四名の枠に入ってれば大人しくしますがそうでなければ誘っていきますね」
「子供の人数制限自体はどう思います?」
「反対はしませんが女性側が納得しますかね?」
「常に五人の子供を引き連れる位多数の子供の姿を見れば納得でしょう」
「自分の子供の世話に余裕があるかも大きいですよ」
「えっと、ダメなんですね?」
「私は賛成も反対もしませんよ」
「今、ここに集まってる人数に問題を感じませんか?」
「そうですね。そこは対応策を考えます。せめて光術師は塔に」
「それは対策になっていない。余裕ができたら油断する。こういう危険な状況を見た時の判断を重視した方が良い」
「ユッミル、危険は言い過ぎですよ」
「ネメッカ様、そこは良いです。そう言えばネメッカ様の子供を増やさなければ自然と制限を掛ける口実ができますね」
「ユッミル、それは脅しですよね。そうですね、ユッミルに相手にされないのは困るので従います」
「そういうつもりではないですよ。困りましたね」
「ユッミル、結局は従ってますけど私はしたいのですよ」
「分かりましたよ」
ユッミルはシャーユ、ファッリーユ、ユンルク、ノウォック等の年齢が上の用事を中心に会話をしていく。夕食前には当然の様に湯気が沸いている。
「ふろ、ふろ。パパ、入ろ」
「トキホはまだ良いよね?」
「パパと一緒が良い」
「じゃあ後にしようね」
ファッリーユは脱いでいく。
「ふろ、いく」
「パパも一緒に入るの」
「ん?シャーネ、君は一人で入れるでしょ」
「カッサ、パパに入れてもらいなさい」
「シャーユ、入ろうか」
「うん」
水深は浅めである。ネメッカやテーファもいる。シャーネにベーニュもいる。遅れてフーニャ母子も入って来る。
「フーニャさんの子供は良い子に育ってますね。ママとは違って素直です」
「つまり、君を熱烈に口説けという事だな」
「冗談ですよ。大人の女としてはフーニャさんの方が良いですね。体はネメッカ様の方が良いですけど。風呂の水深が浅いと良く見えていいですね」
「確かに私がどう振る舞っても勝てないね」
「ただ、ああやってわざとらしいとダメですね。今はネメッカ様にはママで居て欲しいので作戦成功です」
「ユッミル、馬鹿にしてますけど馬鹿にするなら利用して使って下さい」
「ママとして子供の世話をさせて使ってますよ。それで十分です」
「しかし、ユッミルは私みたいな女であってもたっぷり愛されて鬱陶しがるなんて良い身分ですね」
「風呂の中で子供から目を離せませんよ。子供を押しのけてはいけません」
「なるほど、子供を口実にして水深を浅くしてユッミルに見てもらう事はできるけど子供がいるから甘えられない」
「ネメッカ様、ユッミルさんの子供の世話を免除しては如何でしょう?」
「イーサ、それだと水深が浅い状態でユッミルが風呂に入りません」
「じゃあ上がろうね」
ユッミルは夕食後、子供の世話をテーファやリュッサに任せてネメッカとベーニュを呼ぶ。
「ネメッカ様、脱がされるのが嫌なふりをして下さい。こちらはそれでも要求しますから」
「はあ、嘘っぽくないですか?普段はユッミルを必死に誘ってるのに今更ですよ」
「ネメッカ様は嘘で誘われるのは嫌ですか?嘘でもないのですが」
「ユッミルからですよね?嘘でもユッミルを拒むのは嫌ですけどやりますよ」
「ネメッカ様、今日は気が乗らないってどういう事ですか?」
「あっ、子供の世話で忙しいのですよ」
「今、いませんよ?」
「ユッミルに呼ばれたから子供はおいて来ましたが」
「まあまあ、ネメッカ。そんな薄い服しか着てなくてほぼ見えてるのにお預けは酷いよ」
「ユッミル、明日は好きにして良いですから」
「明日は忙しい。今が良い」
「どうしようかしら?」
「ネメッカ様が悪いのです。そういう魅惑的な体を見せておいて。誘われたくないならもっと寒季らしい厚着をお願いします」
「私の魅力は体だけですか?」
「ネメッカ様の魅力はこうやって熱心に頼んだら許してくれる所ですね」
「ユッミル、それはもう私が許す前提ですね。もう脱いでいいですか?」
「優しいという事ですよ」
「じゃあ他には?」
「子育ても仕事もやってくれてますし働き者ですよね」
「女としての魅力はどうですか?」
「本当はどうでも良いのに夫婦関係の為に触れ合いを主導してくれる所ですね」
「ユッミル、私も求めてます。今日は少し乗り気ではなかったのですけど少し迷ってきましたね」
「良いだろ?子供は君の頭が良い側近に任せれば。何を思っててもやってくれるさ」
「ユッミル様、お任せします」
ユッミルはネメッカの服を脱がせて触れ合う。
「次はベーニュさんですね」
「やっとですか。早くしましょうよ」
「でしたら一言だけ面倒そうな言い分を願いますね。今日はお前の番か、相手してもらうぞ」
「少ししんどいですが仕事ですから、どうぞ。服は自分で脱ぎますよ」
「それ位は好きにしろ。って楽しそうですね」
「まあもう始めたのですから良いですよね?」
「それは良いですよ」
「ユッミル様の触り方は程よい刺激で良いです」
「それは良かったです」
翌朝、ターヒョ母子とネメッカは店と塔にそれぞれ向かう。
「ネメッカ様、今回は戻ってきませんよね?」
「側室との触れ合いは良いですけど外ではやめて下さいね」
ネメッカは帰っていく。
「ユッホは大丈夫ですか?」
「私はまだね」
「私は午後から戻ります。必要ならレーティスを連れ帰りますが」
「クグーウは?」
「二人は基本的にこちらで願います。人手が多い時は特にこちらでお願いします」
「レーティスもしばらく世話しますよ。塔にはこちらで連れて行きます」
昼前、また風呂を沸かし始める。
「コッテさんはいつまでいるのですか?」
「ユッミル様が望むならしばらく居ますよ。時折、ミューレさんに自慢と報告には向かいますが」
「エコさんとナーレさんは居て欲しいですがここの人の多さを考えると最優先でお帰り頂きたい」
「酷いですね」
「それは違います。子供がお腹の中にすらいない方は私が頼んでお手伝い頂いています。居てくれたら有難いのです。もちろん、用事があるならお帰り頂くことを引き留める事はできませんが。次に狩りに協力して頂ける方は現状は子供がお腹の中に居て参加できなくても貴重な存在です。そのどちらにも当てはまらないのはあなただけですよ」
「分かりましたよ。予定通り明日の昼前に帰ります。もちろん、酷い言われ方をしてもお腹の中にいる子はきちんと育てますのでご安心を」
「あの、今から断っておきますが子供ができたら自然と近づきますので気を付けて下さいね。ミューレさんの計算通りですがこればかりは仕方ない」
良く見ると風呂にはやはり何人か入っている。良く見ると少し浅い。ユッミルは何人かの子供と昼食を食べていく。ユッミルは子供を抱いていく。ソヨッハとチェーハは出かける。イーサも塔に帰る。夕方、チェーハが帰宅するとユッミルに抱きつく。体は冷たい。外はかなり寒いらしい。
「私は暖かいわよ」
「マッラさん、エコさん」
「私は風呂ね。それに今日位はいる機会が少ない人に譲るわ」
ユッミルはスウェッオとマッラに抱かれる。チェーハとベーニュやニーフェにクグーウやレーティス等の多数の子供も寄って来る。シウはため息を付きながらレヒーハと寄り切れない子供を世話していく。フーニャ母子も手伝う。ユッミルは遮音して寝てる母子にも余熱が行くよう近くで子供と話す。一部の女子を除いて夕食をさっと済ませると子供をゆっくり風呂に入れる。今日は普通の深さまで水を張ったので大人二人に対して子供一人で三、四人ずつ子供を風呂に入れていく。そうしているとソヨッハが寒そうに帰って来て早速風呂に入って来る。
「相当に寒そうですね」
「はい、今日からが本当の寒季の盛りみたいですね。いつもより早いですね」
「指揮所はどうでした?」
「今日は下でしたが火の人が大活躍ですね」
「火を四人も抱える私は怒られそうですね」
「でも独占はしてませんよ?」
「それもそうですね。ユッホさんは高級幹部だから本当に寒い時期は行かないのですね」
「私は基本的に昼間。それに指揮所にはこの時期に限らずあまり行かない。君目当て位だな」
「そんな理由で良いのですか?」
「シウさんもだよね」
「否定しないわ。でもその理屈だとずっとここに居座るフーニャさんは最早名誉幹部ではないかしら?」
「何を言っている?私は指揮所から拒まれている末端だ。かと言って狩りはできるので草原で稼ぐ必要も無い」
「まあシャーネには負けますけどね」
「そうよ、私はユッミルの配下だし」
「そういう割には勝手に脱ぐのでそこまでですけど実力的には止め置きたいですからね」
「ああ、そういう事にしておくわ。私の体が魅力的と認めたら私が身勝手になるとの警戒は分かるわ」
「安易に脱がずにもう少し年を取れば魅力的になるでしょうね」
ユッミルが風呂から出た頃にはケーシャやスーリにオーネ等の夜組が起きてくる。ユッミルの長風呂中にコッテやマティッセにフーニャ母子やユッホ母子は眠っていく。ユッミルはモティアを抱き込む。レーティスはユッミルの傍に居ようと抵抗するがネメッカが連れて行く。ニーフェやクグーウにルドーハがくっついている。
「ユッミル、体拭いて」
「自分でできるでしょう」
「眠いの。してくれないなら濡れたまま抱きつく」
ユッミルはシャーネを軽く拭く。シャーネはそのままユッミルに寄り掛かって眠る。ユッミルがシャーネを無造作に抱いて寝床に向かっているとオーネがやって来る。
「今日は寒いよ」
「なのでしっかり抱いて下さいね」
「シウさん、お願いできますか?」
「ユッミルがお前はどうせ脱いで奉仕したいだろうしさっさと脱げよと言って布団の中でちゃんと体を触ってくれれば触る度に暖かくしてあげるわ」
「シウ、どうせ脱いで奉仕、したいだろうし、脱げ」
「お見通しなのね。今すぐ脱ぐから待ってね」
シウは脱ぐとユッミルにそっと寄り添う。ただ、温めてはくれないのでユッミルが触っていく。シウが術を使ったのでシャーネを抱きつつもシウを触りながら布団に入る。シャーネとシウを両脇にその外では子供を片手で撫でて寝かしつける。
「シウさん、手が塞がってるので関係なく温めて下さい」
「じゃあ手を動かすのは面倒だな。お前が動いて奉仕しろよって言って」
「お前が、奉仕、しろよ。シウさん、私の横暴を訴えて側室をやめる気ですか?」
「ユッミルは女に服を脱ぐのを禁じる横暴ね。ユッミルと居たいから訴えたりはしないけど」
「シウさん、気持ちはわかりますけど私も子供も寝れません」
「オーネさんはユッミルを襲う権利があるわよね?」
「私はユッミルさんが優しく抱いてくれればそれで良いです」
「シウさん、子供はもう寝かせましたので遊びましょうか」
「ユッミ、何を?ましゃ」
翌朝、ユッミルが目を覚ますとオーネ母子とルドーハとシウ以外は起きてしまっているらしい。オーネとシウも目は覚めているらしい。
「シウさん、昨日はありがとうございました。暖かかったですよ」
「ユッミルさん、昨日の事覚えてますよね?」
「ええ、可愛かったですよ」
「今から一緒に風呂にお願いできますか?」
「そうですね」
ユッミルは体を起こすとシウを抱き寄せて風呂へ向かう。
「ユッミルさん、早く」
「分かってますよ」
シウはユッミルにくっつきながら湯に入る。湯から出て服を着るとシウの服を取ってきて着せていく。
「きつけしますか?」
「大丈夫だよ」
ユッミルはシウを一度軽く抱くと子供達との朝食に向かう。朝食後もユッミルはルドーハやクグーウにニーフェとコトマ、セーキュの世話をしていく。いつも通りレヒーハやリュッサにフーニャが自子を伴って手伝う。シャーネは自子を放置気味である。ヤーチェやフューリケは自子はいないがきちんと手伝っていく。昼食後はネメッカ母子やテーファ母子と一緒になる。
「パパ、あそぼ」
「そうだね。じゃあ色々写すから知ってたら何か教えてね」
「肉」
「これは?じゃあネメッカ様」
「ユッミル専用の杖」
「ネメッカ様。剣ですよ、剣」
「私はそれで魔法を使えません」
「あなたも無くても使えるでしょう。基本は武器です」
「早く次ですよ」
「じゃあシャーちゃん」
「ぶどう」
「そうだね」
「次はファーちゃん」
「おさら」
ユッミルは幻術で色々な物を見せていく。
「少し疲れましたね。それにこの遊びはネメッカ様か僕がいないと無理ですね。今も本とか少しはおもちゃがありますけどこのままだとママ達の杖が遊び道具になってしまいますね」
「あくまでここはユッミルの家ですからユッミルの遊び相手ばかりなのは仕方ないですよ」
「もちろん、遊びばかりになるのは良くないので多すぎるのは良くないですね」
「捨てないで下さい、言う通りにしますから」
「ネメッカ様、あまり教育に悪い言葉はやめて下さい。嘘はいけません。私を操って団に入れたという現実から逃げないで下さい」
「そうですよ。面倒な事を引き受けたのですから私の事は好きにして下さい」
「ずるいですね。とにかくおもちゃでも置きますか。シャーユちゃんが退屈でしょうし」
「ユッミル、あなたの持ってるおもちゃは遊ばないと自分からやってきますよ」
「分かりましたけど多いと全て相手にするのは無理ですね」
「ユッミル、私は服を着るのが好きでないだけです。そのまま抱いて下さい。ユッミルがどこを触ろうが好きにして下さい。触られたくないなら脱ぎません」
「シャーネは大人しくしてくれてるし良いよ」
「何処がですか?」
「ネメッカ様とシャーネは子供を催促しませんし」
ベーニュは風呂に退散していく。
「まあテーファちゃんの腹が膨れて来たし代わりね」
「ネメッカ様、あなたは自分から魅力下げてるだけでしょう」
「そう思うならもう少し優しくしてくれても良いですよね?」
「塔ではそうします」
「じゃあ私はチェーハの代わりかしら?」
「シャーネ、私は子供の増えすぎで困ってます。母親となる側室は増やしたくありません。ですから子供に近い女性を断っているだけです。好みであまり断りたくないのです」
「私は最初に会った時は子供だったけど成長した。けどそれは無い事になるのかしら?」
「そうは言ってませんが急には成長しませんよ。まだ子供に近い」
「けど子供できましたよ?」
「だからしないとは言ってません。今もそういう扱いですし」
ユッミルは夕食前から夕食中もネメッカに甘えていく。ユッミルには相変わらずクグーウとレーティスがくっついて甘えていく。トキホとファッリーユもちょっかいを出すが反応が薄く諦める。見かねたレヒーハが呼び戻そうとするがユッミルはレヒーハにも甘えて取り込んでいく。リュッサも子供を引き連れて入っていく。シウやフーニャも手伝って子供を風呂に入れる。ベーニュはその横で娘を世話しつつユッミルの様子を伺う。子供達はフーニャが読む本に興味を持って群がる。小さな子はテーファとメシャーナにシャーユにイーサが世話していく。
「ユッミルさん、私もお願いします」
「イーサさんですか。そんな事をしても何の利益もありませんよ」
「待てません」
「ずるいですね。ですがただ脱ぐだけではない工夫があるので嘘でも引っかかりますよ。場所を変えましょうか」
翌朝、ユッミルが目を覚ますがイーサは服を着ていない。
「ユッミル様、服を洗ってしまったのですが塔に用事があるので姿を隠して運んでくれますか?」
「はい?替えの服、ネメッカ様に借りればいい」
「ユッミル様は私を信用していませんし裸で通りに放り出せば私を失脚させられます」
「何を言って」
「私はユッミル様を信用してますので無防備に機会を与えてしまうのですよ」
「そう言われても実際にはできませんよ」
「その言い方は少し悲しいですが信じてますから躊躇なくできます。気に食わないならやめさせて下さい」
「はあ、あなたが気に食わないなら私がやめますよ」
「ユッミル様、私はネメッカ様よりあなたの必要性を理解しています。その上に男性としてもです。ユッミル様に好かれたいと思ってしまうのは仕方ないと思いませんか?」
「何か分かりませんが連れて行けばいいのですね」
「では行きましょう」
ユッミルはイーサを塔に運ぶ。塔は慌ただしい。子供達はユッミルに群がる。
「あの、何かありましたっけ?」
「ネミーク、今度何があるかパパに教えてあげて」
「ネメッカの息子なのに」
「たんじょーかい」
「えっと、確かにネミークはそろそろちょうど2才ですね」
「ええ、それに同じ日にその子も産まれています。ユッミル様の名付けはまだですが」
「そう言えばそんな事も言ってましたね」
「そういう訳なので五日後に誕生会をします。会場と準備は進んでいます」
「えっと、会場?」
「ユッミル様の子供は全員出席ですし料理や来客を考えるとあなたの家では小さすぎます」
「まさか」
「はい、野外ですよ。ほとんどの主導や主宰も出席しますし子供向けの離乳食を用意しますし催しもありますから他の団の家族も参加予定です。もちろん、ユッミル様の家族の規模に及ぶ人はいそうにありませんが」
「まあ私の許可なんてなくても母親が言えば子供達は行きますしね」
「ユッミル様が嫌なら中止で構いませんよ?」
「中止はしませんよ。許可はしますけど隠さないで下さい」
「準備が大して無駄にならない段階だとネメッカ様を丸め込んで中止にする恐れがありますので。それで今回ばかりは段取りもありますので当日に知らせる訳にもいかずという訳です。私の体を苛めながらでも構わないので聞いて下さい」
「はあ、何をすればいいのですか?」
「はい、ネミークと誕生日のこの子に祝いの言葉を述べて欲しいのとレーティスちゃんを大人しくさせて欲しいのです」
「レーティスですか?大人しいですけどね」
「あなたの前だけです」
「そうですか、構いませんよ」
「用事は済んだので私に服だけ着せて帰ってくれて良いですよ。後はネミーク君とその子と仲良くなる為に一緒に居て下さい」
ユッミルはネミークともう一人の男児を連れて家に向かう。
「フートね。もう名前を付けた気になってた気がするけどごめんね」
「ふー?めーね?」
「フートだよ」
「ふーと?」
「うん」
ユッミルは帰宅する。
「まだ増えるのね。けど私は明日から店に戻るしそろそろ人は減りそうね」
「ええ、それよりネメッカ様は凄いですね。上手に隠し事をして。ネメッカ様が浮気しても見抜けそうにありません」
「ユッミル、私はあなたが命じれば十日間ずっと抱けと言っても従いますよ」
「分かりましたから。抜き打ちで調べればいいですしね。ですが実際にはしませんから浮気し放題ですよ」
「余裕の冗談ですね。やっと私を手中に収めた自信を持ってくれて嬉しいです」
「何処がですか?」
「ああ、そう思ってても認められませんよね。良いですよ」
「しつこくは言いませんがそんな事は無いですからね」
「浮気に関してはユッミルが子供に食事を食べさせてる時に私が体で勝手にご奉仕している事にすればそんな他の男に惚れ込んだ女に興味が無いでしょうし心配しなくて良いですよ。それより私とあなたの長男の誕生会ですがネミークもよく分かっていません。私は色々するのでネミークはお願いします」
「あの、そんな噂は駄目ですからね。ああ、ネミークの件は元よりそのつもりです。誕生日の主役以外の子を世話というのも変な話ですし」
「分かりました。私が二日に一回布団に入ってきて催促してやめるように言ってもやめないという噂を流してくれて結構ですよ。嘘をつくのが嫌なら実際にやっても良いです」
「ごめんなさい。そこまで浮気を疑ってはいません」
「私も悪いです。ユッミルに遠慮させてますし」
「その、少し遠慮をやめますから」
「その、ユッミルの遠慮して優しいのはやはりやらしいですね」
「だから嫌なんですよ。それにどう…」
「はい、それ以上は痛いかもなので構いませんよ。やらしいユッミルは好きですし」
「何ですか、それは」
「あれ?ユッミルは私がやらしくない方が良かったですか?」
「そうは言いませんが」
「同じですよ」
「そう言えばターヒョは参加しないの?」
「するわよ。会場には直接行く。店にはユッミルの側室ではない普通の従業員も多いし半日位開けても問題は無い」
「こちらはフェノさんやマティッセさんに留守番を頼みます。私やイーサも出席なので塔も手薄なのですが木と月の何人かに声を掛けているので心配はいりません。もちろん、聞いていると思いますが他の団の子持ちの人も来るのでシェヒユス君も来ますよ」
「別に僕は困りませんよ。嫌なのは向こうでしょうし」
「ネミークにどんなパパが好きか聞いてみましょうか。ネミ、パパに何して欲しい?」
「おはなし」
「あの子はどうか分かりませんよ」
「ネミ、パパがママにくっついたらどう?」
「僕もくっつく」
「ネメッカ様、シェヒユス君は怒りますし色々と大問題ですよ」
「ファーはパパとママが一緒にお風呂するのが好き」
「ファーちゃ…いえ、悪い事は言ってませんが」
「遅い時間に塔に転がり込めば自然とシェヒユス君と入れますよ」
「ネメッカ様、息子だけでは済まなくても良いのですか?」
「そうですね。シェヒユス君とトキホを一日交換とかが妥当かもしれません」
ユッミルはネミークを抱えながらクグーウを抱きつつネメッカの手を繋いでいる。
「ユッミル、あなたは私だけのものではないのですよ」
「嫌なら離しますよ。しつこいですかね?」
「そんな事は無いですけど子供が悪事をしないよう手を握っておくみたいな感じですから少し嫌ですね」
「悪い事、するんですか?」
「ユッミルが喜ぶ事はしますよ」
「まさか」
「今回止めても次するだけですよ」
「やはりですか」
「今日の昼は熱めの料理にして服をきっちり着てもらいます」
「良いですよ、だったらそれでも脱いだ私達にこぼせば良いです。シャーネさん、ベーニュさん」
「分かりました。ごめんなさい。熱い料理ばかりにもしませんし好きに脱いでいいですから仲間を呼ぶのはやめて下さい」
「じゃあ食べさせても?」
「あの、それって夫婦じゃなくてそういう仕事、になっちゃいますよ。主従関係でネメッカ様が下ですけど」
「そうですね。まさに今の関係通り」
「そんな事は無いです。困ります。というか認めないで下さい」
「もちろん、基本的には冗談ですがユッミルが上は上ですよ」
「上下関係のある夫婦は嫌ですね」
「では深い意味は無く脱ぎますね。そもそも食べさせる事も脱ぐ事も初めてではないですし」
「もう遅いです。ファーちゃん、パパと食べよっか」
「いいよ」
「塞いだのは片方ですね。レーティスやクグーウ達を連れてると尚ご飯食べれませんよ」
「チェーハさん」
「寝てますよ。諦めて下さい」
「じゃあシャーネにします。ネメッカ様は立ったままで良ければどうぞ」
「良いですよ」
「私も立とうっと。もう1人行けるし」
「そしたら子供の食事がとれないでしょ」
「シャーネさんは座ってて横からするから」
ユッミルは目のやり場に困りつつ三人に体を預けられながら子供の昼食の世話をする。
「ネメッカ様、そんな事をしなくてもいずれは再開しますよ。それに嫌でも誘いますし」
「ユッミルと遊んでいないと退屈なのでこうしてるだけですよ」
「困りましたね」
「それにこれで私に手を出しそうな男にネメッカは俺の事が好きすぎて服を脱いでは体を擦り付けながら誘ってくるおかしな女と紹介すれば良いですね」
「ネメッカ様の評判をあまり落とす事はできませんよ」
「もちろん、ユッミルがそういう男を見つければですけどね」
「見つけてもできませんよ」
「いませんけどユッミルが心配そうなので一応手を打っただけですよ。もちろん、これは今日だけではないですけど」
「えっ。いや、あのこの食事は悪くは無いのですがあまり頻度が高いと慣れてしまうので程々で願います」
「ああ、そういう事ですか。構いませんよ」
ユッミルは昼食を終えるとネメッカに服を着せる。ソヨッハが寝ていたのでテーファに抱いてもらい少し落ち着く。
「昼寝に付き合ってくれませんか?」
「そうだね。子供も寝かそうか」
ユッミルはクグーウやレーティスと寝床に向かう。子供達がすんなり寝るとチェーハが抱きついて来る。
「チェーハ、まさか」
「私が直接ユッミルさんに甘えたいだけなのでユッミルさんは脱がなくて良いですよ」
「寒くないの?」
「昼間は大丈夫ですし寒いから抱き合いたいです」
「分かりましたよ」
しばらくして夕食には早い時間帯だが湯気が出始める。四人程の女性が既に服を脱ぎ始め、他にも数人が風呂に向かっている。一人はレヒーハで数名の子供を連れている。ユッミルはチェーハを一度抱擁してから布団を出る。服を着ているシャーネを抱く。
「あっ」
「ただ、ずっと抱いて置かないと防げないのであまり意味は無いのですが。ナキャーロは?」
シャーネの娘のナキャーロはミルク以外は母親に放置されている時も多い。ユッミルも手が回っていない。他の母親が世話する時間も長い。いよいよ生まれたての乳児達にユッミルは関われていない。ユッミルが世話するのは会話ができつつあるユンルクやシャーユにネミークにファッリーユ等の年長組と這ったり、歩いて寄って来るトキホ、コトマ、モティア、カッサ等の一歳児前後の世代が多く、クグーウやレーティス等の例外を除いて一歳未満の乳児は女性陣に任せている。
ユッミルはシャーネをナキャーロの方に連れて行く。シャーネにナキャーロを抱かせてその後ろからシャーネを抱く。
「たまにはこれも良いけど」
ナキャーロはユッミルの手を握りながらシャーネに甘える。シャーネ母子が寝るとヤーチェとフューリケを呼んで子供を風呂に入れる事にする。メシャーナとリュッサが外から入れ替えを手伝う。エコやソヨッハも入って来る。
「あの、次は少し待って頂けますか?」
「分かりました」
「さて、ヤーチェさん。ようやく慣れてきたと思いますが側室になるなら私の相手も含みますので少し体験してもらいましょうか」
「やっとですか」
「軽いものですのでこの程度が無理と言うなら完全に手伝いという事にしますのでさっさと言って下さい。フューリケさんもですね。まずは私の膝に座って下さい」
「はっ」
「ヤーチェさん、言い方が悪かったですね。一人ずつですよ。でもまあこういう事もありますよ」
「大丈夫ですよ」
「であれば続けましょう」
ユッミルはヤーチェを後ろから抱く。
「ああ、こういう事ですか」
「はい、軽くと言ったでしょ。でもこれでダメな人もいるかもしれませんし。次はフューリケさんですね。えっと、そこまで深く座らなくても。少し抱きにくい気も」
「大丈夫ですよ」
ユッミルは仕方なく肩に顔を乗せてフューリケの腰を抱く。
「あっ」
「どうしました?」
「いや、その何でもないよ」
「そろそろ次の子供、どうします?」
「そうだね。そろそろ入れようか」
最後の順になるとリュッサも入って来る。リュッサはヤーチェとフューリケに子供の世話を任せてユッミルを抱き寄せる。二人はユンルクを横目で見ている。
「どうでした?」
「何の話ですか?」
「伝音で話しますね。あの二人、迎えます?」
「少なくともここ数日でどうするかは決めない」
「形の上ではですか?」
「少なくとも良い面を見たばかりの今に決めるのは良くないだろう」
「それはそうですけど悪い面はそんなに無さそうですけどね」
「分かってると思いますが側室は将来の二人もしくはそれ以上の子供も付いて来ますからね。かと言って今の側室を減らすをこちらからするのは気が引けます」
「セチューカさんも向こうからでしたしね。問題はそこだけですね」
「分かりませんよ」
ユッミルは母親が寝ているモティアやファッリーユにニーフェに加えてレーティスとクグーウの夕食を世話していく。クグーウはシャーユの膝に乗せている。ユッミルはニーフェとレーティスを膝に乗せてミルクを飲ませている。そのユッミルは下の娘を抱いたレヒーハに食事をさせてもらっている。もちろん、今回は服を着ているが距離は近いのでミルクを取る際に体は触れるし無造作に屈むと色々と崩れるので上半身と尻に関しては脱がなくても差は低いとも感じなくはない。子供に忙しくミルクを与えていれば脱いでようが脱いでなかろうがあまり気にしている間が無い事も含めてである。レーティスはユッミルが一瞬女性に気を取られても、むしろそういう時に声を出したり、甘えたりするのでレーティスがいるとネメッカがいても注意がそちらに長く行く事は少ない。
夕食後は一度レーティスを寝かせてネメッカに任せてからネミークやファッリーユにフーニャ母子ともう一度風呂に入る。珍しくフートを抱いている。フートは塔に母親がいるが特に気にする事は無く専ら眠っている。むしろユッミルが父親との認識も強く近くにいると普通にユッミルを見ながら声を出していく。生まれて日の浅いナキャーロやツグミ等はユッミルが父という認識は今は薄そうだ。日がそこまで浅くないリーシキ等もテーファの教育にも関わらず母にばかりくっついている。もちろん、彼の姉のファッリーユやレーティスにトキホの姉妹にカッサ等はパパと呼んで甘えるし長男のネミークやヌーグにユンルクは普通に接しているし必要な時にはパパと呼んでおり、普通に父として扱っている。こうしてユッミルに対する認識は様々だがフートやレーティスにクグーウにニーフェにモティア等は幼い割にユッミルに積極的に突っ込むのでユッミルは若干甘くなっている。今はフートに積極的に話しかける。ネミークやヌーグにフーニャを交えて話をしていく。風呂から出てもフートとネミークと話す。ファッリーユは横でくっついている。
翌日、エコがゼフロを連れて店に向かう。ケーシャも下の子を連れて塔に戻る。
「コッテさん、店に戻って良いのですよ」
「いえいえ、風呂焚き係ですしエコさんも帰るのですから尚帰れませんよ」
「そこですよ。あなたに恨みは無いがあなたが頑張って風呂を焚くから風呂が長引きます。それが無くなれば皆は寒くて服を脱がなくなる」
「仕事は無いのでいますね」
「せめて子供の世話もして下さい」
「してますよ」
「なら良いですけど」
「ユッミル、観念して今日も昼間から風呂を焚きましょうよ」
「寒さは少し収まりましたが?」
「まだまだ寒いですよ」
「では最後ですね。もっとも僕は昼前にフートとユンルクと散歩として塔に行って昼間は不在ですが」
「ああ、明日朝から指揮所なので今日の夜は家にはいません。ユッミルは私から逃げる様に夕方に塔から帰るのですね」
「結果的にはそうなりますね。この子供にあふれた家を長時間人任せにはできませんし」
「私は塔に戻って誕生会の準備を手伝うのですが」
「構いませんが」
「はあお互い良い誕生会の為に頑張りましょうね」
「ええ、ネミークと僕は何があるかよく分かってませんけど」
「そんな変な行事ではないですよ」
2節 誕生会
ユッミルは誕生会の中身を探る為にフートを抱えつつもイーサに誕生会の手伝いを申し出る。ユッミルは誕生会の概略的な食事の計画と実際の契約書の数字に決定的な違いが無いかを確認する作業を手伝う。他にも色々手伝った結果、誕生会の規模はやはり小さくないことが判明した。ユッミルは夕方には家に帰ることにした。同行したユンルクはため息をつくユッミルを慰める。ユッミルはユンルクの成長で憂鬱を忘れつつも呆れていた。帰宅すると入れ違いなのかトキホとネメッカは帰っている。一通り部屋を眺めるが人が減った感じはあまり無いが何かが変わったのか珍しい子供が寄って来る。
「ゴータム、しばらく相手できなくてごめんね」
「良いよ。撫でて」
「良い子、良い子」
「ユッミルさん、私も騒音阻止に頑張ってますよ」
「えっと、エルネさんは当面は家に居てもらうつもりなのでコッテさん達が帰ってからじっくり仲を深めようと思っていただけですよ」
「分かりましたけど今も少しは」
「ユッミルさん、側室への褒美は頭ナデナデではなく軽く抱いて下さい」
「ああ、そうですね」
「誕生会は三日後でしたか。今年はどうもそれが新年会の代わりみたいになりそうでその後はどうせコッテさん達店の面々は帰るでしょうしその後に仲良くしましょう。ソヨッハやチェーハが頻繁に出かけてしまうしユッホさんも団に戻るでしょうし人は減ります」
「ユッミルさん、帰る前に私としないのかしら?」
「しませんよ。今回ばかりは全員一度停止です」
「頑固ね」
「この家の状況…」
「そうだったわね」
「もっとも子供が一人しかいないナーレさんやシャーネさんに強引に来られたら可能性はあるのですけどあの二人はシウさんみたいに逃げ道を塞ぐずるいやり口を知らない可愛らしい子達ですし基本的には全員停止ですね。再開はネメッカ様からになると思います」
「私にもうそんな気は無いわよ」
「今は言い訳がありますので無駄ですよ」
ユッミルはフートやクグーウにレーティスとの夕食後にエルネ母子と風呂に入る。ロキュームもいる。ナーレも手伝うらしい。後からユッホ母子も入って来る。
「ユッホさん、あなたが入ると気を取られて子供の世話がしにくくなるのですけど」
「お互い我慢しましょうね。今回はノウォックと話してもらう為ですし」
「分かりましたよ」
ユッミルはフートとノウォックにゴータムと話をする。ユッミルは三人の男児と話しつつロキュームやツーヤを母親と交代で抱く。ユッミルはこの面々のまま風呂から出て風呂の近くで別の子達の女性陣との入浴を軽く手伝ってネミークやニーフェにファッリーユにユンルクも合流してエルネとナーレとリュッサと並んで小さめの声で話しつつ子供達を寝かせつつ大人も眠っていく。
「ユッミルさん」
ユッミルは誰かに手を握られている。ユッミルはファッリーユの頭が顎に当たっていたり、ロキュームの尻が耳元に合ったり、フートが腹に乗っていたり、脇の下にはレーティスが陣取っていたり、ニーフェに頭に抱きつかれていたりと子供に包囲される中でとりあえずネミークを手から離してフートを抱いて横に置いてニーフェを頭に乗せて起きる。起きる前から少し騒がしいとは思っていたがリーシキが部屋に隅に突進していたり、ナキャーロが訳のわからない部屋の真ん中で寝ながら転がっている。他にもルドーハが適当に這っていたりする。オーネ母子は起きているが寝転がって大人しく平和である。ゴータムも大人しいがいるのは台所付近である。シャーユとメシャーナがゴータムとナキャーロを見守っている。そんな状況でユッミルを呼んだのはスーリらしい。マティッセはユッミルがすっかり忘れ去っていたリュッサの次男のヨータ、運悪くぐずって起きたレヒーハの次女等の乳児の世話で手一杯である。スウェッオは風呂の見回りをしている。本来ならテーファが起きてくれている時間だが妊娠のせいか体調が少し悪く今も寝ている。そして、ユッミルはすぐに思い当たる。ケーシャを帰らせたのは失敗だったらしい。ユッミルはとりあえずルドーハを回収する。そして、そもそもスーリがユッミルを起こした原因らしきリーシキに近づく。ユッミルが声を掛ける前に振り向く。ユッミルをじっと見る。ユッミルは何か声が出しづらくなる。リーシキはゆっくり近づいたかと思えば這い始める。落ち着いたらしいので見守っているが振り返って不満そうな声を出すので駆け寄る。そうするとまた這ってテーファの元に向かう。どうやら母親の看病をしろと言いたいらしい。とは言え何もできないので添い寝する。リーシキはユッミルの背中に陣取る。テーファは気づいて目が覚めたのかユッミルを抱いてまた眠っていく。ユッミルも不意に起こされただけなので眠っていく。もっともそもそもテーファの位置はニーフェを挟んで裏だったので夜中のうちにロキューム、ニーフェ、レーティス、ファッリーユが嗅ぎつけて再度寄って来る。近くで寝ていたヌーグや妹も寄ってきてリーシキには姉やロキュームにフーニャの長女の三女児に囲まれる。
翌朝、テーファはリーシキとユッミルの頭を抱いている。
「テーファ…」
「まだ寝てる子もいますよ」
ユッミルはレーティスを起こしてニーフェを抱きながら人のいない方に誘導する。テーファもリーシキを抱きながらファッリーユを誘導する。そのままリーシキも起きてニーフェとテーファ母子と朝食を取る。少ししてコトマやメシャーナにシャーユ等も参加してネミークも起きたので伝音で呼び寄せる。
ユッミルはセーキュとヨータとユンルクと散歩に出かける。水の塔に着くと明日の誕生会に子供を連れ出す手が足りない事を説明してセーキュを預ける。そうするとラーハはミーハの手伝いを提案するのでユッミルは受け入れる。一人で歩けるとの事でサーナも付いてくる。ユッミルはミーハ母子を家に戻すとユンルクとシャーユを交代して光の塔に向かう。
「ユッミルさん、誕生会の朝を私と迎えたいのは分かりますが子供の人数配分を考えれば今回ばかりは家に居てもらわないと」
「いえいえ、家に子供が多すぎるのでこの子を引き渡しに来ました」
「ですがユンルクは歩けますしこの子である必要は無いのでは?手が掛かるのはレーティスちゃんとクグーウ、ロキュームちゃん位でしょう」
「リュッサさんは他の団の子を抱えつつユンルクの隣に居るでしょうね」
「ユッミルさん、こちらも手に余裕はありません」
「カノール、預かりましょうか?」
「それも困ります。今やカノールは小さな子の世話を少しできます」
「でしたらヨータさんは連れ帰るのでケーシャさんと下の子を呼んで来て下さい」
「仕方ないですね」
ユッミルは昼食を塔で食べてケーシャ母子とシャーユとヨータと帰宅する。家に帰るとネメッカとトキホが居る。
「出てこないと思ったらこんな所に居たのですか」
「ユッミル、何ですか?もしや私には何処に居ても呼んでも呼ばなくても現れて欲しいのですか?」
「いえいえ、塔にずっといて欲しいと思ってるだけですよ」
「ああ、塔に閉じ込めてユッミルが来たら服を脱いでユッミルの世話をすれば良いのですね」
「とにかく明日はここから向かうのですね」
「当たり前でしょう。母親代表ですよ」
「母親代表はレヒーハさんだと思いますが」
「誕生会は主にネミークですが」
「そうですね」
ユッミルはメシャーナとシャーユを連れて店に向かい、ターヒョと合流する。ターヒョにシャーユを預けつつユッミルとメシャーナで狩りをする。やはり寒季だけあって少し捜索は手間取ったが一体確保する。ユッミルはゆっくり狩りつつターヒョを呼んで仕留める辺りでターヒョが駆けつけたので生血は最大限ターヒョに引き渡す。ちなみにシャーユにはユッミルの場所を歪曲視野で探す役目をさせており、上手くできた様だ。ユッミルは肉を持ち帰る。ただ、焼け石に水で数日後には尽きそうである。ただ、誕生会の後は家の渋滞は解消する予定であり、辛うじて持ちそうではある。
帰宅すると最早当然の様に風呂は沸いている。ユッミルはニーフェ、レーティス、クグーウ、ファッリーユ、ユンルク、カッサ、フートを世話している。ネミークとモティアとコトマも近くに居る。そして、夕方になると風呂と夕食の区別のつかない時間となり、ナキャーロの世話に追われ始めたシャーネ以外は無法地帯と化し、ネメッカやベーニュを筆頭にシウやコッテにヤーチェ、ナーレ等も服を脱いで夕食を食べる。ユッミルはとりあえずナーレをおどかす為に触るがナーレはそのまま甘えてくる。懲りずにシウにもやるがシウもくっついてくる。二人の長女と次女の加わった子供達はそのまま風呂に同行する。ユッミル同行組は行儀が良いのか風呂の順番待ちを覚えて湯気を浴びながら待っている。レヒーハとヤーチェにフーニャも加わって子供達を風呂に入れる。外からはリュッサにミーハが手伝う。
「シャーネ、一緒に寝ますか?たくさんの子供に埋もれながらで良ければ」
「子供のせいにして服を脱がせても良いわよ」
「まあ一度体験すればいいですね」
ユッミルはシャーネを抱き込んで寝る。ナキャーロを含めて一体には子供の塔ができている。左右はリュッサとレヒーハが押さえている。ユッミルの頭はミーハと迎え合っている。その横にはテーファが寝ており、反対側はフーニャがいて子供を見ている。ネメッカは夜中にユッミルの足元に陣取る。ユッミルが寝静まった間にネメッカ、シウ、ベーニュは服を脱いで足元に待機する。
ユッミルが目を覚ますと両足に女体を感じる上に足も開いている。ただ、服は着ている。ユッミルはゆっくりタワーを崩して枕元にレーティス等を移動させる。ユッミルはシャーネ母子を抱きながら上半身を起こすと股の間ではネメッカが堂々と丸出しで寝ている。
「流石にこの結婚は失敗…」
「ユッミル、ごめんなさい。我慢できずに」
気づくとシャーネ母子は後ろに置かれており、ネメッカが胸元で顔を伏せている。
「冗談ですよ、離婚したいと言った訳では無いです。ただ、あまり脱いだままだらしなく寝ないで欲しいです」
「違います。昨日の夜、約束を破ってユッミルを襲ってしまいました。二人は共犯ですから気にせず起こして下さい」
「そんな感じは無いですけどね。二人は起きて下さい」
ユッミルは手で頭を揺らす。
「ああ、ユッミル。昨日襲ったわよ。まあ無反応だから子供はできてないと思うけど罰は受けるわ」
「はい、私も参加しました。三人で罰を受けます。ユッミルさんが望むのであれば目と耳を塞いでくれて構いません」
「ふん。ネメッカ様は私を舐めてますね。良いでしょう、罰ゲームは一人ずつです。膝に来てもらいます。服を着るのも逃げるのも許さないですよ。どんな事をされても駄目です」
「ええ、構いません」
ネメッカはユッミルの膝に座る。ユッミルはネメッカを抱き込む。すると二人の目の前には映像が映る。
「ユッミル様、団にお入りください。そうすれば私はあなたの言いなりになります」
「は?そんな面倒な、だが言いなり?その言葉、忘れるなよ」
「ユッミル、自分を悪者にして何がしたいのですか?」
「帰りました。疲れましたね」
「はあ?そんなのが言い訳になるか。今日も相手してもらうぞ」
「そんな、しんどいです。あなたは私の体を手酷く扱うだけ」
「ユッミル」
「約束だろう。良いのか、やめて?」
「それは困ります」
「お前は口うるさいが体だけは悪くないからな。今日も使わせてもらうぞ」
「私、泣いてますが喜びの涙ですね」
「痛い、優しく」
「うるさい、大人しくしてろ」
「ネメッカはこのままユッミルに毎晩の様に嫌々使われる一生を捧げたが子供は二人しか生まれずその子も問題児に育ってしまい、ネメッカは団を追い出され、ユッミルはネメッカを放って何処かへ消えてしまいましたとさ」
「何ですか?捏造どころか真実が微塵も無いです」
「怒ったので罰成功ですね。あんな男にネメッカ様は体を捕まえられて触られて逃げられません」
「ユッミル、そちらは失敗です。まあむしろユッミルを襲いたくて仕方なくなってますが」
「それで襲ったというのは三人共々嘘ですよね?」
「二人が望むなら罰を与えると言うなら認めますが」
「分かりました。遮音に遮光もしていたので二人は知りませんけどね」
ユッミルはシウとベーニュにも罰を与えるがネメッカ程の手ごたえは無くシウもベーニュもその設定が良いならたまになら付き合うと言い出してユッミルは完敗した。同時に二人共嘘である事を認めた。ユッミルは朝から疲れてしまいミーハとユッホを両脇に子供を少なめにして朝食を食べる。
「そう言えば昨日は誰ともしてなかったけどそんな事でこの人数を回せるの?シウとベーニュは機嫌が良かったけどした訳では無いわよね?あなたは着てたし」
「最近は子供を止めてて女性側だけが脱ぐって条件でも良い人とだけ相手してます。子供は作らないのでそれ目的の人とは疎遠ですね」
「ユッミルさん、それはどういう意味ですか?」
「レヒーハさん?」
「はあそんな風に思ってたのですか?私は子供の世話で忙しいですしユッミルさんが誘ってもくれないからってだけで子供目的だけでは無いです。やはり私から誘えという事ですか?」
「ごめんなさい。そういう意味では無いですよ」
ユッミルは昼前に予行演習も兼ねて子供達を外に連れ出す。歪曲視野で会場を遠くから見てみる。案の定広い。ユッミルは昼食を挟んで数回に分けて半数位の子供を連れ出す。特に問題は無さそうだ。明らかに夕食には早すぎる夕方に帰宅するがやはり湯気が漂っている。早めの夕食の支度が始まろうとしていた時間帯に来客がある。エッヒネ母子である。
「えっと」
「あら?やはり正妻さんがいるのね。いなければ出し抜こうと思ったのに」
「エッヒネさん、どうしました?」
「誕生会当日にもまだあるのだけど前夜祭という感じでお祝いしようと思って。シェヒユスも」
「ネミック、おめでとー」
「ありがと」
シェヒユスは普通に部屋の奥に入っていく。
「まさか」
「ええ、泊まりますよ。ですが目的は前夜祭の料理ですね。食材もあります。ただ、遅いですね」
エッヒネは重そうな紙袋を抱えている。紙袋は膨れていてその膨らみから肉っぽい感じがする。
「肉ですか。確かに減ってて助かりますがよく分かりましたね」
「いえ、この肉は狩った後に塩等をまぶしてから表面を炙って寝かせた熟成肉ですから後は麦の類も買ってきました。後は野菜なのですが」
「えっと、どういう?」
また来客がある。今度はパータナとシーリュノである。しかも男性も数人いるが野菜を一杯に抱えている。
「この家は余程でない限り、男性はダメなそうなので男は帰りますから野菜を運び入れる人を連れて来て下さい。どっちにしろ、この人達はこの後も塔での仕事があるので同席はしませんが」
「分かりましたよ」
ユッミルはメシャーナやレヒーハにシャーユ、ユッホ等で野菜を運び入れる。男性陣は帰っていく。
「パータナさんも帰らないと側室にされるかもですよ」
「私は構いませんがユッミルさんが渋ってるのは幹部陣では有名なので無駄ですよ。逆にシーリュノ様は油断してるので狙い目ですよ」
「それでエッヒネ様が待っていたのはこれですね。使い切れますかね?」
「まさか。これは今日も使うけど大半は後から使ってね。後でレヒーハと相談して保存の効く加工調理もするけどとりあえず夕食にしましょう。夕食はエッヒネさんに任せます。私はレヒーハと保存の効く加工の試食用の調理をするわ」
「それにしてもかなりの量ですね」
「でも少し物品は偏ってるでしょ?木の団の場合は引退組の農家から仕入れてるけどその年に多めに出来た野菜の余分なのを結構引き取るのよ。余ったからって処分したくないしかと言って見知らぬ客にサービスしたらそれより値段を下げろって言われてしまうし事情を知ってるうちが余分にもらってるだけだから心配しないで。でも半分位はちゃんと買ってるけどね。これでも団の倉庫に比べれば大した事は無いわ」
「実質半額と言う訳ですか?」
「いえいえ、収穫量が少ないのは流石に高めに買いますからたくさんもらえるのは選べませんしね」
エッヒネが酒を持ち込んでしまい、風呂から出た女性陣は服を着なくなってしまう。パータナはどうもシーリュノの世話の為かありがたい事にカッサ等を巻き込んでさっさと眠る。リュッサ、コッテも寝るがやはり大半は酒を飲んでユッミルに絡む。ユッミルはネメッカとシャーネを抱き込んで子供達と食事をして風呂も入る。良い機会なのでシェヒユスの機嫌を取ろうとするが適当な受け答えしか返ってこない。同時にサーナにも適当に扱われていると発覚してしまいシャーユとユンルクとネミークの相手を熱心にする。フーニャやベーニュも酒には興味が無いらしく子供毎引き込む。そうしているとシウとエッヒネにユッホが強引に割って入る。
「ユッミル、側室と認めた人は止められません」
「ネメッカ様、エッヒネさんは違いますよ」
「大事な同盟相手ですね」
ユッミルは三人にすり寄られる。気分は悪くないが後々の事が心配で複雑な気分であった。ユッミルは女と子供に複雑に絡まれながら眠っていく。
翌朝、パータナ、メシャーナ、リュッサ、スーリ、ケーシャ、等に早い時間に起こされる。ネメッカとマティッセと共に子供の朝食の世話をする。ただ、朝食は質素な残り物である。
「会場では料理がありますから少なめですよ」
「そうでしたね」
「とは言え子供達はゆっくり食べれないのである程度は朝も食べさせましょう」
朝食が一段落した頃合いにイーサが残り三名の光の側室とその子供達等を連れてやって来る。家からはぞろぞろと子供達や母親が出てくる。シーリュノもカッサを抱く。エッヒネもシェヒユスは歩けるのでユーシを抱く。シーリュノとエッヒネは子供を連れ出す手伝い扱いで会場まで同行するらしい。そもそも子供のいないフェノやマティッセにスーリにヤーチェ、フューリケは留守番である。他にも光の団から一人留守番に加わる。誕生会の話は前回の結婚式と違いそこまで有名ではないので出くわした少数の人達は面をくらっていく。そもそも出くわした一般人は少なく水の団の一行に途中で合流し会場に向かう。会場にはターヒョ母子とキッシャノ母子がいる。これでエコ母子以外はほぼ揃っている。会場の一角には大きな椅子の両脇に小さな椅子が並ぶ異質な区画があり、母親達はさっさと子供を座らせる。ユッミルは母親のいないクグーウやルドーハ、今回の主役のネミークとフート、レーティスにファッリーユを連れているがクグーウとレーティスは歩けないので動けない。結局、レーティスはネメッカに預けつつネメッカと回る事にする。会場にはすでにシェンハがいるらしいが寄っては来ないので後に回す。何組か子連れの家族がいる。もちろん、年齢はどう見てもシャーユより上の子が多い。早めに来ている他の団の幹部に声を掛けていく。ポッフェ、クッミネ、イーナと女性率が高い。下の子を抱いたリュッサとフーニャがやって来る。ヌーグとユンルクもいる。更に最早歩ける様になっているコトマとシャーユもやって来る。
「ユッミルさん、お久しぶりです」
「ええ、ウメック共々元気そうですね」
「はい、元気ですね」
「パパ、仕事忙しいんだよね?」
「ん?まあそうだね」
「誰?その子?」
「妹だね。クグーウって言うの」
「一緒に暮らせないの?」
「ママと相談しないとね」
「ユッミルさん、少しで良いので手を繋いであげて下さい」
「えっと、今日の主役はネミークなので本当に少しですけどね」
ユッミルは子供達を適度に見ていく。しばらくするとユッミルの目に4人の子供がいる家族らしき集団が目に入る。
「気になりますか?」
「ん?シーリュノさん?」
「はい、あちらの家族の父親の方はうちの団所属なのですよ」
「木の団ですか」
「ダーム」
「ああ、シーリュノ様」
「ダーム、こちらは噂の子沢山主宰ユッミルさんよ」
「シーリュノさん、事実とは言え誇張しないで下さい」
「はは、私としてはそれよりもユッホちゃんが認めてしまうってので気になってましたけどね」
「いえいえ、それに今日の主役は子供ですしシーリュノさんの紹介は不適切でも無いのですが」
「ですが注目すべきは側室の数ですよね。それはそれとして一番上の子はいくつですか?」
「14ですがここにはいません。無性の街で働いています。この中で一番上は11ですね」
「ならママさんは大先輩ですね。うちの子は今日でやっと2歳なので」
「そうでしたね。しっかりしてるので忘れてました」
「ネメッカ様、幸せそうですね。まだ数年でしたかうちの場合は一年半で揉める様になって今も事あるごとにね」
「うちももめる事はありますけど忙しいのでネメッカ様は誤魔化されてくれます」
「あら?褒め上手ね。うちは口下手だから。私は良いけど子供は苦労してるわ」
「僕の場合は適当なので子供には好評ですがネメッカ様には苦労を掛けてますよ」
「ユッミル、私を褒めて油断させて大人しくさせようとしてませんか?」
「ネメッカ様にはあなたの側近の進言とは言えしんどい役回りなので不安にさせない様には考えてますね」
「余計な気遣いですよ」
「それよりも学校とかは行くんですか?」
「ああ、気になるわよね。長男は行ったし次男も通っているけど女の子は行かせてないし一番下の三男はまだ決めていないわ。女の子二人は親戚の所を手伝いつつ貰い手待ちね」
「女の子は学校行かないか」
「ユッミル」
「ああ、うちは学費面で折り合わないだけで学校には女の子もいるわよ。兄弟は三人位までなら女の子も行かせるわね。もちろん、男の子でも行かせてないと言う人もいると思うし」
「まあうちの場合は女性陣が稼ぎますし」
「ユッミル、私達が稼いでいると思ってる割には言う事を聞きませんが」
「ネメッカ様は無理矢理はしないだけです」
「そもそも給与知ってますし他でも稼いでますよね」
「そうですね。ネメッカ様は雇い主でした」
「ユッミル、やはり主導をやりますか?」
「その、冗談ですよ」
「あらあら思ったより良い関係ね」
「すいません。長話もあれですし時間が取れればまた話しましょう」
「ええ、ところでうちの娘はどうです?」
「へ?ああ、可愛らしいですね」
「ああ、そっちですか」
「ちょっと、待って下さい。どういう意味ですか」
「もちろん、側室にと言う意味ですよ」
「あの、可愛らしいという以前に側室は優秀な術者優先でそれにただでさえ人数が増えてて」
「ああ、ダメなのね」
「えっと、そういう訳じゃなくてうちは基本森での狩りで暮らしてるんです。術が使えないと厳しい。それに側室は10歳以下は困りますしあまり若いのは」
「私、11だよ」
「それはさっき聞いたけど基本は13以上位じゃないと」
「でもその子、私と同じ位でしょ」
「ユッミル、胸揉んで」
「何言って」
「良いから。根元を掴んで大きさが分かる様に。後ろからね」
「はあ、深い意味は無いからね」
「うわっ、本当だ。負けてる。幼いなら胸が大きくないとダメなのね」
「いや、この子15だから」
「ちいさいけど無くは無いか。じゃあ2年後ね」
「同世代の良い男が運悪く見つからなければね」
ダームの一行は娘に押される様に会場に入っていく。
「ユッミル、どういう事ですか」
「食い下がって断れと?」
「そうじゃないけど」
そうしているとイーサに促され着席する。ネメッカも挨拶をするらしく壇上に近い場所で待機する。司会のイーサが挨拶や謝辞を述べる。
「光の主導ネメッカです。重ね重ねになりますが私とユッミルさんの長男の誕生会にご参加下さりありがとうございます」
「ネメッカ様、ネミーク君とフート君の誕生会ですよ」
「分かってますよ。私達の長男のネミークとフート君の生誕を祝する会という事で早速ネミークとフート君は着て下さい。任せましたよ、ユッミル」
ユッミルはフートを抱いてネミークの手を引いて出てくる。予想通りなのでさっさと出ていく。
「さて、主役はこちらに座ってて下さい」
ユッミルはネミークとフートを膝に乗せる。
「それでは本当はユッミルとネミークの自慢話を披露したい所ですが退屈でしょうし音の魔石は他の団の代表に譲るとしましょう」
「ネミークと言ったか、おめでとうじゃな。だがあまり知らぬが故、夫妻への激励の様になるが子供が多いが一人一人を大切にしてやるのだぞ」
「バッソーさん、ありがとうございます。では次はラーハ様」
「うちの団の子の誕生会は別の機会に譲るとしてユッミルさんの長男として頼もしい成長を祈っているわ。今回はその二人の誕生会だけど他の子も立派に育つ事を期待しています」
「ありがとうございました。では次はツーシュン様」
「僕の所はもう一人は巣立ってしまったが寂しくもあるが頼もしい。ユッミル君の所の子供達にも皆から期待される様な成長を待っている。ユッミル君、大変だろうけど頑張って」
「はい、というか隣に居るのってもしや」
「ユッミル様、そういうのは後でお願いします。ツーシュン様ありがとうございました」
「次は俺だな。俺は独身で大した事は言えないが子育ては大変だろうが頑張れ。あいつの時代と変わらず新主宰でも土の子の世話は遠慮なく頼んでくれ」
「ん?新主宰?」
「はい、私はこの度、土の主宰に就任したティフェケと申します。宜しくお願いします」
「ああ、幹部として見た気はします」
後で聞いた所によると先日の魔族襲来で一波目の対処で前のめりになって市街地を開けて第二波の浸透による被害への対処を遅らせた責任を取る形で前主宰は退任する事になったらしい。もっとも実態としてはかねてから後継者を探していたが決めかねていたもののこの一件で決断する事にしたらしい。
「私の番ね。ユッミルが次々と実力のある女性を側室に取り込んでいくものだから次は私に来ると思ってたけど来なかったのでユッミルの中では私は弱いのだと思うけど実際には役に立つと思うのであなたと子供達共々協力しましょうね。健やかな成長とやらを待っているわ」
「深く返答ができないのを良い事に好き放題ってくれますね」
「さて、何の事かしら?」
「さあ、最後はリッネ様ですね」
「ネミーク君と、フート君だったか。二人共誕生日おめでとう。君の父親には世話になっているしこれからも深く協力するつもりなので君達も丁重に扱うので塔へも気軽に来てくれ。ユッミル君の言う事を聞いて良い子に育つ事を期待している」
「ありがとうございました。引き続きまして各団等からユッミルさんのお子様たちへ贈り物が届いている様なのでまずはリッネさん、月の団からお願いします」
「では月の団としては狩りに使える靴を贈呈したい。ただ、傾斜地を上る程のものでは無い。しかし、子供の間はこれで十分だろう」
リッネはネミークに靴を履かせる。フートにはユッミルが履かせるが少し大きい。
「すまないな。少し大きめと少し小さめのは用意したが流石に乳児用は無い」
「いえ、それで正しいですよ。足が小さい内は抱きますし」
「ああ、今回はこういう形で贈り物にしたがユッミルの子供達なら大きいのも計ってから作っても良い。さしあたり8足だけ用意した」
「ありがとうございます」
「次は私ね。一週間母親をするとか狩りの指導とかも考えたけど父親の反対も考えてやめて防具を送る事にしたわ。父親が横取りして使っても良い様に大きめのも作った上で数も揃えたわ。ただ、今回は子供に付けるわね」
先程と同様、シェンハがネミークに付け、フートにはユッミルが付ける。
「随分と良い金属を使ってて重いですね。いや、そこまで?メッキ?」
「大事な相手の息子にメッキなんて送る訳ないでしょ。軽くする為に中は空洞よ」
「体にくっつける為にそういう形をしてますけど空洞?そんな防具ありましたっけ?」
「無いと思うわ。私が鍛冶する際に立ち会って中に空洞の形の氷を維持して成形したわ」
「馬鹿ですか。どれだけの力を」
「ちょっと疲れたけどある程度の数を用意したわ。団で最低限の耐久実験はしたから簡単には壊れないと思うけど気を付けてね」
「ありがとうございます。大切にさせます。むしろ大した関係でも無いのにここまでして頂いて申し訳ない位です」
「もちろん、私はあなたとの関係を重視してはいるけどその贈り物自体は何を贈るか迷った挙句に決めてしまって引っ込みがつかなくなっただけだから気にしなくて良いわ」
「分かりました」
「次は土の団ですね」
「私達は腕輪ですね。術を形成しやすくなる機能があります。各団の取り決めとして八人分ですが土の子を預けてくれれば別で付けますよ?」
「ティフェケ様、私よりも母親を口説いた方が良いですよ」
「土の幹部や実働部隊の子が居ないのですよ」
「それはそうでしょう。土の団の上層は男所帯なのですから」
「ですが女性がいない訳では無いですよ」
「ですが自分で狩れます」
「ユッミルさん、時間が」
「ティフェケ様、司会はああ言ってますが」
「仕方ないですね」
「ありがとうございます。次は火の団ですね」
「火の団は堂々とユッミルさんにも贈りますね。結婚式では物を贈る事は出来なかったので」
「えっと、ありがとうございます」
「もちろん、子供向けの贈り物もあります。火の団が贈るのは武器ですね。ユッミル様には剣を贈ります。製作者曰くユッミルさんが注文しないだろうけど合うと思う武器を勝手に贈りつけるわとの事ですね。もう一つは子供用の三本の短剣ですね。ただ、出来は良いので当面はユッミル様が使う方が良いかと。使い込んだ上で将来子供さんに引き継ぐという形を想定しています」
「そういう事ですか。ありがとうございます。まあ剣の使用頻度は落ちてるのですけどね」
その後、ラーハはよく分からない果肉入り飲み物を試飲させ、後日纏まった量が贈られてくる様だ。木の団は普通の杖を八本贈るらしく、二本を二人に渡す。こうして少し冒険者風になった二人の幼児を立たせてイーサが場を繋いでいる。
「それではこの後は食事を楽しみながら演目をご覧下さい」
いつの間にか料理が脇に置かれている。各団の幹部は椅子を持ってテーブルの近くに座る。ユッミルの側室集団も光の団員の指示で椅子を動かす。ユッミルの近くには子供用の柔らかそうな料理も用意されている。
しばらくすると光の団の子供と女性が劇を始める。子供向けの分かりやすい内容だ。ユッミルや息子は席の向きを変えただけでイーサが司会をする低めの壇上の後ろの垂れ幕を下ろして現れた壇上で披露されていく。しかもユンルクやズードが短い時間ながら出演している。それ以降は外部の芸人が数組演目を披露する。今回の主催者はあくまで光の団らしい。もっともご祝儀名目で費用をもらっているしお手伝いもしてもらってる様だが。
「ありがとうございました。では少しの間休憩とします。休憩が終わる頃には料理は寄せますのでできる限り、片付けて頂けると幸いです。ユッミル様は子供を連れて適当に話しに行くのですよ」
「はあ、ネメッカ様は放置すればいいのですね」
ユッミルはネミークとフートと手を繋ぐ。ネメッカはネミークと手を繋ぐ。
「ツーシュンさん、こんにちは」
「ご無沙汰ですね。こちらが娘のガシュールです」
「ガシュールです。今年で14になります」
「うちにも娘がいますけどこういう風に育ってくれると良いですね」
「あなたは17と聞きましたが?」
「あっ、失礼しました。そうでしたね、もう2年なので19ですけどね。ネメッカ様も22ですか」
「そうですが文句があるなら脱がせてから直接言って下さい」
「ネメッカ様、今はそんな話をしていません。ただ、昔話を聞く空気では無いですね」
「申し訳ないです。男性との経験が無いので話せる事が無い」
「あの、聞きたいのは3歳とか6歳辺りまでの話ですけど覚えてないですよね?」
「どうしてですか?」
「ツーシュン様、うちの子と同じ年とか少し上位の時、子供とはどうだったのですか?」
「上の子の時代は幹部候補みたいな感じで深夜の指揮所も多かったですね。午後から帰る日もありましたから交流は気まぐれでしたけど疲れてたので少し相手ができない日もありましたね。ちょうどその頃に術師としてどうなのかが分かって来て学校に通う頻度が増えていきましたね」
「そういうものですか」
「ええ、私はユッミルさん程では無いですし何よりネメッカ様達の様な優秀な術師と結婚した訳では無いので。ですので本日妻は欠席でして申し訳ない」
「いえいえ、問題は無いですよ」
「その点では私はある程度使えますよ」
「えっと、それは凄いね」
「ユッミル、そろそろ次に」
「あっと、そうですか」
「ユッミル様、後でという事ですね」
「ガシュールさん、どうしました?」
「その、ユッミルさんは側室を術の技量で選んでて技量があれば基本は入れるとか」
「ツーシュンさん?」
「違うとは言ったのですが」
「うーんと。そんな事は無いのだけど。もちろん、強い人は多いですよ。それはそれとしてうちの側室になってもそこまで良い事はある訳ではないと思いますよ」
「何かあるのですか?」
「まず、狩りに行くので危険ですから技量が無いと困るので基本的には団に所属する人と考えています」
「あの、お父さんが嫁に行けと言うから団に所属してないだけで弱くは無いです」
「お父さんは団に所属してはいけないとは言っていない。一人で入れないならお父さんに優遇する権限は無いから無理と言うだけ」
「じゃあ入団出来たらユッミル様の所に行って良いのね?」
「反対はできないが…」
「その、当てにされても困りますし側室ですよ?他人の子も含めた数人の子の世話とかも日常茶飯事ですししんどいですよ」
「大丈夫ですよ」
「ネメッカ様、任せて良いですか?」
「はい。ガシュールさん、私は主宰です」
「主導ですよ」
「実力では主宰でしょう。話の邪魔をしないで下さい。ユッミルの側室は半分近くが幹部ですし大半は幹部予備軍ですね。あなたが木の団でも強い方になってシーリュノさんに信用されないと木の団の側室にはなれません。ですがそれには時間が掛かります。その頃には各団の人数制限で側室にはなれなくなっている可能性もあるので諦めた方が良いですよ」
「分かりました。ダメですか。残念です」
「良かった。ではまた」
ユッミルはネミークを連れて歩いていく。
「しかし、人数が増えすぎてユッミルの側室の噂がおかしな事になってますね」
「そうですよね。ユッミルが気軽に入った側室を次々魅了してるだけですよね」
「ネメッカ様はともかく他の方は狩りができて良いとかなだけですよ。フーニャさんとかベーニュさんはそうでしょうし」
「ユッミル、本人の前で言ったらどうです?」
「とにかくそんな事は無いですし噂には困ります」
3節 土の主宰の思惑
一行は一周する事にしてゆっくり歩く。
「ティフェケ様、主宰就任おめでとうございます」
「どうもこれから宜しくお願いします」
「こちらこそ」
「それで先程の話ですけど土の団は幹部級の実力者が多くて予備軍の一部を主宰や主導が側近として近くを同行させたりもするのだけど他にもユッミル様の側室候補も側近や幹部扱いをしていまして前任から続いているのだけど。もちろん、それ以外の子からでも構わないけど」
「マティッセさん、受け入れましたよ?」
「それは家事の枠でしょう」
「申し訳ない。子供を作ってしまったかもしれません」
「いえ、それは構わないのですが他にもですね。それでポッフェはどうです?ユッミルさんはテーファさんも好みと聞いてそれに近い女性は彼女だと思いますよ。その、団としては二人がそういう感じになるのであれば歓迎ですし子供を産むのも育てるのも土の団で引き受けますよ」
「ポッフェさんを迎え入れてもどうするかは母親に言って下さい」
「ならポッフェをお薦めします」
「急に言われても困りますから急ぐなら今いる方をお薦めします」
「マティッセさんはこちらで産んでも良いが家事があるので育てるのは向こうと言う意向でしてフーニャさんも今まで通りですので難しいのです」
「フーニャさん」
ユッミルが呼ぶとフーニャがやって来る。
「ユッミル殿、遂に私を売るのだな。相手をするからそれはやめてくれ」
「フーニャさん、そもそも土の団の近くに家はあるのですか?」
「いや、半ば倉庫に近い狭い家を荷物置き場代わりに借りている」
「あの、フーニャさんには宿舎を使う権利ありますよ?もちろんですが」
「あまり価値は無い。あそこに居るのは好きではないからな」
「それ以前に宿舎毎日は幹部待遇では無いでしょう」
「もちろん、必要なら家は用意しますが」
「良かったですね。側室をやめても子供はあなたの子供ですから家は確保ですね」
「ユッミル殿がそういう事を言うなら尚更勘違いされない為に家から出ないぞ」
「ティフェケさん、フーニャさんは子供や側室に関係無く幹部待遇ですよね?」
「そうですね。技量が大きく落ちていなければ十分です」
「ユッミル殿、側室が増えすぎたから整理するのか、答えてくれ」
「フーニャさんが土の団で居心地が悪そうなのは知ってましたけどその理由の核心には自信がありませんでした。別に子供に義理立てしなくて良いと思っていますがそういう事では無くあの女性と子供で溢れる家が良いのですか?」
「ユッミル殿と居る方が居心地がいいに決まっているだろう。それと土の団は術師の団と言うより闘士の団だ、あまり付き合いたくは無い」
「そういう事ですか。むしろそこもフーニャさんを幹部に引き上げたい理由なのですけどね。それと幹部就任に関してはユッミル様の側室とは無関係の話ですし十日程度に一度ユッミル様とかち合う日を中心に指揮所に願う位の条件なのですが断られてしまいました」
「そうですか。別にテーファさんも行ってますし指揮所位で評価は下げませんよ」
「それは無い。とにかく土の団で地位を持つのは遠慮したい」
「そうなると逃げられませんよ」
「構わない、好きに使ってくれ」
「仕方ないですね。ティフェケさん、諦めて下さい」
「はい、フーニャさんの件は諦めますがですからポッフェをですね」
「ずっと黙ってますけどポッフェさんはどうなのですか?」
「そうですね。私は狩りもできますし家事も大丈夫だと思います」
「ねえ、一人でもそれなりに狩れますよね?」
「はい、大丈夫です」
「ポッフェ、ユッミル様は口が上手いので気を付けて下さい」
「そういう事ですので」
「えっと、どういう事ですか?」
「あなたは別に僕と組む必要は無いでしょう」
ポッフェは一瞬呆然とした表情を浮かべる。
「一人でも狩る事は出来ますけど安全な状況に持ち込めないので丁寧には捌けません。それに魔族との対峙を考えればあなたと組みたくない人は居ないですよ」
「そうですか。ただ、側室の人数はかなり膨れ上がっているので安易には増やしたくないのですが」
「そう言えば多いですね。そうですね、よく分かりませんが不安なのはそうなのでしょう。どうしましょう」
「ユッミル様の言い分は分かりますが土の団の扱いがかなり悪い気がしますが困りましたね」
「マティッセさんは土の団扱いには…」
「それにしても一人ですよ。もちろん、強制はできませんが」
「とは言えそちらとしてもある程度の実力者でないと貴重な枠を無駄遣いする事になりますが」
「それはもしかして私の指名かしら?」
「いえいえ、あなたを指名してしまうとシェンハ様を断われなくなりますのでそう簡単にはできませんね」
「つまり、ポッフェは力不足と?」
「そうは言いませんがポッフェさんの場合、術の使い方がかなり実戦的でして実力はありますが才能と言う面では厳しいかと。やはりそういう事が関係してしまうので」
「ただ、実力は問題無いと?」
「それはそうですね。相応に実戦経験を積んでる様ですし」
「でしたら構いませんよ。そこまでの実力は求めていませんので」
「あの、才能で言えばデュセテさんの方が優秀ですよ」
「そういう事ですか。確かにあの子は優秀ですが戦いには向いていません。ですが両方でも構わないのですよ?」
「話を聞いてました?そういう訳にはいきません」
「こちらの希望はお伝えしましたのでできればお願いしますね」
ティフェケはゆっくり別のテーブルに向かう。
「ネメッカ様?」
「ええ、土の新主宰は変な人ですね」
「それよりポッフェさん?」
「ご一緒したら駄目ですか?」
ポッフェはユッミルの真横に立っている。
「駄目とは言いませんがティフェケ様の要望に応えるとは言っていないのですが」
「ユッミル様、少しお話しませんか?深い意味はありませんよ」
ポッフェはユッミルと術の話をする。そうしていると料理が整理され、何も置かれてないテーブルが多数となる。そうしていると甘い匂いが漂ってくる。イーサは席に戻る様に促す。
「次は誕生日の祝いの料理としてお菓子ですね。とろみミルクをリョクというものと混ぜて固めてあります。中身は甘い味付けのパンですね。無性の側では食べる人もいるそうですよ」
出て来たのは茶色い厚みのある円盤状の何かである。
「珍しいですね」
「はい、そもそも子供の誕生日を祝う事は庶民はやりません。このお菓子も上流階級の文化ですね。しかもごく一部の道楽貴族だけらしいですよ」
「イーサさんは私を道楽貴族にしたいのですか?」
「いえいえ、このリョクは安物です。それでも安くは無いですが高いリョクは一季以上掛けて混ぜるそうですよ。今回のは半季以下らしいですし」
ネメッカがいつの間にか切り分けていて食べてみる。確かに味は少しむらを感じる。子供達はおいしそうだ。ただ、ユッミルの子供は乳児が多く食べられないのでミルクが持ち込まれる。ユッミルはネミークとフートを連れて子連れ参加者と言葉を交わす。一通り挨拶を終えるとネメッカの提案で主に家に帰らない子供を中心に抱っこやお話をしていく。
その後、暗くなる前に誕生会は終了して帰宅する。キッシャノはもちろん、ユッホにターヒョにエコも子供達と塔や店に戻る。家ではユッミルと多数の子供が一緒に寝てしまう。
ユッミルは夜中に目を覚ます。どうやらお腹が減ってしまっているらしい。台所に向かう。
「ユッミル、どうしました?」
「ああ、ネメッカ様居たのですね」
「家に一緒に来た事は覚えてます?」
「ええ、トキホを抱いてましたね」
「なのに帰るとでも?」
「それもそうですね」
「ユッミルはあまり食べれなかったですかね?」
「いえ、それなりには食べましたよ。ですが少し欲しいですね」
ネメッカはスープを作る。
「ユッミル、誕生日会はどうでした?」
「それはネミークに聞くべきでは?」
「ユッミルの元気がネミークを笑顔にしますよ」
「それはネメッカ様でも同じですしそれ以上ですよ」
「ユッミル、あの誕生日会の意味は何だと思います?」
「どういう事ですか?」
「分かりませんか。ネミークにユッミルを独占させるのが誕生日の贈り物ですよ。レーティスはともかく1歳未満の子達は寂しがりませんが長男のネミークはそろそろですよ。」
「しかし、子供が多いですしそういう訳にも」
「今なら寂しがりは十人程度で済みます。今のうちにお願いします」
「そうですね。半端に構うのもどうかと思いますがやってみます」
「そう言ったばかりなのですが明日の夜は私がユッミルを独占して良いですか?」
「特に予定は決めていませんでしたし良いですよ」
「独占する代わりに過ごし方はユッミルにお任せしますね」
「ええ、分かりました」
「では私は寝ます。明日夜は独占ですので昼間は譲りますよ」
翌朝、ソヨッハとチェーハは出かけている。ナーレ母子にスウェッオやコッテは店に戻り、ムヒューエ母子は帰るらしい。スーリも一時的に戻るらしい。ケーシャとネメッカにイーサも末子だけ連れて塔に戻る。
ユッミルはレーティスとネミークとフート、クグーウ、ルドーハと適当に触れ合っている。
「人は減りましたね」
「多すぎたし良かったわね」
「少し寂しい気もします」
「ユッミル、五人の子供が昼寝しているけど寂しいなら世話をしても良いしミリットも貸すわよ?」
「いえいえ、大人は大人ですよ。まあシウさんやフーニャさんにレヒーハはいつも居ますしね。それはそれなのですがあまり賑やかだとどうしてもですね」
「寂しいなら朝だけど相手になりましょうか?」
「シウさんはいい女ですね。ですがもう少し待って下さい」
「ふーん、良いわよ」
「ユッミル、私もいつも居るわよ」
「シャーネ、君は後からだからね。時間が掛かるだけだよ」
「ユッミル、それで言うと私は?」
「メシャは最近遠慮してくれてるしね」
「そんな事言うと遠慮したくなくなるよ」
「前にネメッカ様には言ったけどネメッカ様やシウさんは体が大きすぎて僕に甘えられない。シャーネでも無理。静かに甘えられるのはメシャだけだよ。抱きやすい」
「その点で言うと私はどうだ?」
「フーニャさん、話の腰を折らないで下さい。あなたは黙っていられないでしょう。子供と一緒どころかファッリーユやユンルクにレーティスにあなたの息子のヌーグよりもうるさい」
「静かにするなら私を抱くのかね?」
「遠慮します。静かなあなたは違和感がありますし」
「まあいい。とにかく私ともたまには寝てくれ」
「分かってますよ」
ユッミルは母親達と子供の世話をして昼食後にレーティスとクグーウを抱いてネミークとルドーハと塔に向かう。メシャーナとシャーユも塔の近くまで付いて来てレーティスを支える。塔に着くとネミークやフート等の子供達の世話をする。ユッミルはネメッカの言い分を参考にネミークやズード等の年長組と積極的に話す。夕食後は主導部屋に行く。子供達はクグーウやレーティスも含めて主宰部屋で世話している。
「どうします?任せますよ」
「そう言われると困りますね」
「まずはいつも通りお風呂にでも入ります?」
「そうですね」
二人は風呂に入るが短時間で出る。
「ネメッカ様は先に上がっていて下さい」
「そうですか」
ユッミルは服を着てネメッカを抱く。しばらく触れ合う。
「ユッミル?良いのですか」
「本来はネメッカ様以外を抑える為の言い分である事を忘れていました」
「ユッミル、ちゃんと脱がないとダメですよ」
「ネメッカ様?」
「ユッミル、我慢してたのでたまには私から行きますね。今更隠す必要も無いですし」
ネメッカはユッミルの右手を抱き込む。
「えっと、その」
「ユッミル、嫌ならさっさと言って下さいね」
「任せるってのは嘘だったのですね」
「ユッミルがやる気なので我慢できなくなっただけですよ。ユッミルに色々触られたら恥ずかしい顔を見せてしまいそうですがやめられませんね」
「ネメッカ様は何を見られても嫌ではないのですね」
「ユッミルが私を整って隙が無い女に仕立てて近づかない言い訳にしますし」
「そう言われると今の顔は演技に見えてきますね」
「ええ、演技ですよ」
「ネメッカさ、何を」
「ユッミル、今日の私は大人しくないですよ。反撃しないと好き放題してしまいます。本当は私もユッミルの体を好き放題したいですし」
ユッミルとネメッカはしばらく激しく触れ合うと寝てしまう。
「ユッミル様、その姿は体調を崩しますよ」
「イーサさん、それにレーティスとカノール?ってかどうして全員脱いで?」
「物足りなければ私が相手をしますが基本はお風呂ですね。もちろん、ネメッカ様の寝込みを襲うならお待ちしますが」
「あなたはネメッカ様の側近でしょう」
「ええ、ネメッカ様は喜びますよ」
「分からないというかそもそも気づかないなら喜びようがないでしょう」
「ユッミル様が確認を怠って寝てると思い込んで襲えば嬉しいと思いますよ」
「とにかく子供を脱がせたなら入りますよ」
ユッミルはレーティスを抱えながらカノールと話をしていく。
「ママはパパに抱かれたいけど抱いてくれないの。どうすればいいと思う?」
「ママは抱かないの?」
「パパに抱き返して欲しいの」
「パパはママにたくさんの子供を預けられているから忙しいの」
「世話はママに任せていいのにね」
「ママ、パパである以上ある程度は世話します」
「はあパパはネメッカ様の弱点でも触って起こしてきて下さい」
ユッミルはネメッカに添い寝して体に手を伸ばす。
「ユッミル、そんな所は駄目ですよ。いつまで、触るのですか」
「ネメッカ様、先程みたいに手を奪うのはやめて下さい」
「ユッミルと一緒にやらしくなれるので今後もやりますよ。ですが今は子供優先ですね」
ネメッカはユッミルに自分の着替えさせてから抱いて眠っていく。朝起きると体を洗うと称してユッミルに体を触らせて脱ぎ着もユッミルにさせる。ユッミルはネメッカにくっつきつつ子供の世話をする。ネメッカもくっつき返しつつ子供の世話をする。執務室で形式上短時間業務をするが昼前にはくっつき合っている。
「残念なのですが家に帰ります」
「仕方ないですね」
「ああ、ユッミル様。明後日は術師協会で会議ですね。ティフェケ様の件だと思います」
「分かりました」
ユッミルはクグーウとルドーハと帰宅する。夕食後はいつも通り女性陣と子供を風呂に入れる。ユッミルは子供達を四人程引き連れている。ユッミルはチェーハを連れて子供達を寝かしつける。しばらくしてチェーハと子供達が寝るとフーニャやシウを交えて子供と話す。
「ミリットも大分話せる様になってきましたね」
「あなたが相手してくれないから暇で話す機会が増えたわね」
「そう言われるとこの状況を続けたくなりますね」
「私の体は用済みって事?」
「まさか。ですが子育てはちゃんとしてくれないと困りますし期間を空けた方が飽きなくて良いと思いますよ」
「ふーん、遂に私とするのは飽きかけてるのね」
「飽きるのはシウさんの方という意味ですよ」
「私が誘ってる事を無視する気かしら?」
「シウさんに飽きられない為に焦らしてるのかもしれませんよ」
「まあ良いわ。子供の世話も大事だし今は大人しくしてるわ」
翌朝、ユッミルは朝遅くまで寝ている。そうしているとレヒーハとシャーネが両脇に寄って来る。
「ユッミルが寝たいならそれも良いわね」
「私も付き合うわ」
「シャーネは脱がないの?」
「流石にまだ寝たいユッミルに合わせる位はするわよ」
「私も付き合いますよ」
ユッミルも流石に昼前には起きる。
「少し暖かくなってきましたね」
「そうね」
「子供達にせっかく貰った杖と靴、使わせますか。流石に防具とかは使わせられませんが」
ユッミルはチェーハに店のターヒョを呼びに行かせつつネミークを拾いに行く。ユーカ母子とケーシャ母子にネメッカとトキホまで付いてくる。
「ネメッカ様、あなたは呼んでないのですが」
「子供達の保護には役立ちますよ」
「まあ良いですけど」
家に付くとターヒョとナーレ母子がいる。
「ナーレさん、流石にナーレさんの子は杖を持たせるのは早い」
子供はシャーユ、ネミーク、ミリット、ヌーグ、ズード、ノシャフス、トキホがいる。エルネとユーカとケーシャも訓練をする予定である。メシャーナとベーニュにシャーネ、フーニャ、チェーハも連れて行く。森に着くとまずは子供達に術を使わせる。
「シャーユは光ですか。ネミークは普通に使えますね。流石、ネメッカ様の子供ですね」
「ユッミルの子という方が大きいと思いますよ」
「ですがここの子は皆私の子ですけどミリット君やノシャフス君は使えませんよ。ズード君も弱弱しいですし」
「気が早いのですよ」
「それは分かっていますがやっておかないと先に進めません」
「ええ、そうですね」
「ただ、ミリット君はシウさんの息子だけあって素養は強いらしいのですが」
「私ですら少しそれは感じますね。ですけど使い方が分からなければ使えません。その点、トキホは私が熱心に教えた訳でも無いのに優秀ですね」
「おっと、少し獣が来ましたね。メシャ、今日は子供達の保護を任せる。危なければ肉の状態は気にせず狩って良いよ」
ユッミルは勝手についてくるネメッカと共にターヒョとナーレと三人の光の女性陣と訓練の為に少し前に出る。フーニャとシャーネも少し後方から準備している。ターヒョとユッミルは連携して獣を足止めして三人に攻撃に参加させる。ただ、三人よりも子供を抱えたままのナーレが活躍する。三匹の獣を実に綺麗に狩って生血を確保できたターヒョは満足気に帰っていく。ユッミル達は無事に帰宅する。ネメッカはネミークと塔に帰るがトキホはユッミルが預かる。ケーシャ母子も家に来る。食品の保管が限界に近くなったのでその日はかなりの量が振る舞われ、ついでに保存食も作っていく。
翌日、ユッミルは術師協会に向かう。途中でシーリュノと合流する。協会の建物に着くとエッヒネとネメッカがいる。
「ユッミル、迎えに行こうとは思ったのですが行き違いを考慮してやめておきました」
「別に構いませんよ。エッヒネ様もおはようございます」
「ユッミルさん、おはようございます」
「しかし、主宰の交代ですか。うちも夫婦でってのを長期化させていいのでしょうかね?」
「ああ、ユッミルは私を解雇するのね。私は離婚されないならそれでも良いわよ」
「変わるのは主宰ですよ」
「ユッミルさん、面倒なのは分かりますがそう簡単にやめられると困ります」
「幹部に降りるならどうですか?」
「まだ良いですができれば…」
「冗談ですよ。ですが後継者の準備は必要でしょう」
「ユッミルさんの場合は子供の成長を待てばいいですしね」
「主宰の世襲って大丈夫なのですか?」
「実力があれば問題無いでしょう。私も次の後継者はともかくその次辺りではシェヒユスが継ぐ可能性はありますし」
「火という事なのですね」
「そうですね。私に光の子を産ませられるのはユッミルさん位ですよ」
「そんな事は無いですよ。あくまで低いだけですね」
しばらくしてシェンハが入ってくる。クルードとティフェケも入ってくる。ティフェケは全員に挨拶する。
「で、主宰交代で思ったのだけど私が主導をやめたら側室の可能性はある訳?」
「ネメッカ様の許可もいりますね」
「ユッミルは目立つ女性と付き合いたくないだけですよね」
「ネメッカ様、それは」
「そういう事」
しばらくして残りもやって来る。但し、バッソーは欠席らしい。
「さて、始めましょうか」
「早速だが土は主宰にこちらのティフェケを据える事にした。特に異論が無いなら正式に就任させます」
「それは構わないけど主宰は絶対に据えないといけない訳では無いわ。適正な選任に時間を要するというなら待つけれどそれでも選任するのね?」
「そうなるな」
「まあ任せるわ」
「私も異論はありません。他の方も無いですね」
「大丈夫そうなので次の話ですが」
「次?」
「ええ、重要な話ですね。療養所を一本化します」
「一本化?」
「はい、重度の負傷者のみを一か所に集中させて残して他は解散します」
「えっ、いつですか?」
「早ければ二日後、基本は五日後ですね」
「聞いてませんよ」
「すいません。入所者には伝えましたがユッミルさんには言ってませんでしたね。ユッミルさんの所は最大十日延長しますよ」
「入所者には言ってあるのですよね?であれば出て行くでしょう。それを止めるのはおかしな話です」
「お怒りは分かりますがいつでもお相手しますので私に向けて下さい。それに入所者の行先の相談にも乗って下さいね」
「ん?まさか。水と火以外、ネメッカ様に言いつけますよ」
「ユッミル、構いませんよ。費用負担は各団が受けるそうなので」
「ネメッカ様、金ですか?」
「それは無いとは言いませんがユッミルが世話しつつ子供と接する事で立ち直るきっかけになれば良いですし」
「つまり、手出しは無用という事ですね」
「土の団として口を出すつもりは無いですしまして本人の意向を団が止めるという事は無いですね」
「シェンハ様」
「私は今回の件は横並びで参加しただけ。本人に任せるわ。もちろん、私に求婚して成功すればいう事を聞いてあげるけどね」
「後は本人と話します」
会議を終えるとネメッカはユッミルにくっつく。
「リッネさん、少し良いですか?」
「どうしました?」
「リッネさん、もしあなたが女なら側室は何人まで許しますか?」
「夫が無茶をしていれば止めるよ」
「良い答えですね、ネメッカ様」
「でも現実に上手くやっているユッミルには必要の無い配慮ですね」
「あなた方二人はどちらも僕には勿体ない心根をお持ちですね」
「けどユッミルは男としては十分よ。さあ帰るわよ」
「ネメッカ様、私は家に帰りますが」
「でしたら家に送ってから塔に帰ります」
ユッミルは帰宅する。ネメッカは一度家に入ってユッミルをしっかり抱いてから塔に帰る。
「ヤーチェさん、フューリケさん、療養所が閉所するのは知っていますか?」
「その、雨季に入る前にはいずれとは聞いていたけど」
「その様子だと正確に決まったみたいですね」
「ええ、五日程度で未だに負傷が癒えていない人に絞るそうです」
「そうですか。あの、側室という形でも家事手伝いでも構わないのでお願いできますか」
「いつまでですか?」
「分かりません。こちらから辞退する事は基本的に考えていません。ユッミルさんが不要と判断した場合は出ますが多少の猶予はお願いします」
「分かりましたが家事手伝いか側室かに関しては何か要望はありますか」
「私は側室希望ですが家事手伝いでも構いません」
「こんな渋滞した状況の側室の何が良いかは分かりませんがシーリュノ様の配慮もありましたので良いですよ。それでフューリケさんはどうなのです?」
「ユッミル様にはお子様が多すぎるという懸念がある様なのでしてくれなくて構いませんが気が変わればそれも受け入れます」
「フューリケさんが望まないならしませんよ。沿えるとは限りませんが要望をとりあえず聞いているだけです」
「お任せします」
「ではどちらかに…いえ、家事手伝いはいずれにしてもやってもらうのでお相手頂け…その、抱かれたいかを教えて下さい」
「私は抱かれたいわね」
「シウさん、邪魔しないで下さい」
「でも困ってるわよ」
「ですがそうなると暗に抱かれたくないという事になりませんか?」
「ユッミル、私達を基準にしない方が良いわよ」
「それはそうですが多数の側室となると結果的にはそれも基準の一つにせざる得ませんよ」
「その、本当に分からないのです。私はこれまで団での仕事をこなすばかりで男性にそういう興味がありませんでした。ごめんなさい」
「ですが今は抱き付いてますよね」
「いえ、これはユッミル様が決めて欲しいからやっています。そもそもユッミル様にお世話頂くのに下手に要望をお聞きいただくのが心苦しいというのもあるのですよ。希望すればあなたが望まない方を選んでしまう事もある。それは正しくない」
「ですが金銭面では団が世話してくれますよ」
「ユッミル、諦めなさい。この家に住める時点でまあまあよ。何より安全だし魔族に襲われたその子にはこれ以上ない好待遇よ。あなたが寝ててもほぼ常に幹部級が複数いるのよ」
「それだとまるで好環境で女子を吸収してるみたいですが現状は人が増えて快適性は落ちてますよ」
「その子には関係ないわね」
「分かりましたよ。当面は結論は保留です。確かにこちらにとってもその方が良い」
「ユッミル、まさか」
「いずれは元に戻しますよ。ネメッカ様の第四子が先である事を確定させてからですが」
「ユッミル、あまりに遅いとそこの脱ぎ女と挟撃してでもやるから覚悟しなさい」
「ですからそれは脅しになってませんよ」
「でもネメッカに先行されると困るのよね?」
「そうですけどね」
「とりあえず今は抱いてくれれば我慢するわ」
「それ位なら…そう単純でも無いですが基本は問題無いですね」
4節 区切り
ユッミルは昼から療養所に向かう。
「お迎えですか?」
「状況は知ってたのですね」
「少し前に近いうちに閉所が決まる事と三日前には十日余りで基本的には決まった事を聞きましたよ」
「もし次の場所が決まっているならそれで良いでしょう。どうですか?」
「ユッミルさん、私達もお世話になりたいです」
「スーヒャさんもなのですね?」
「はい、そうですね」
「そう言ってますが今の家の状況を理解していないでしょう。そういう訳なので子供の世話を体感してもらいます」
ユッミルがそういうと子供が姿を現す。シャーネの娘、ナキャーロが眠っている。
「この子ですか、可愛らしい」
「ええ、この子もですがまだ外に待たせてますので連れてきます。もちろん、全員だと20人を超えますので一部ですね」
ユッミルはナキャーロをスーヒャに預けると一度外に出る。外にはチェーハ母子とヤーチェに抱かれたベーニュの娘、ラファッソや歩ける様になったルドーハにコトマ、カッサもいて全員入ってくる。カッサはさっさとユッミルに甘えようとする。コトマやルドーハもゆっくりやって来る。
「カッサ、ごめんね。今日は他の子の世話をしないといけないから初めてのお姉さんと遊んでてくれる?」
「パパが良いけど分かった」
ユッミルはカッサを撫でてあげるとチェーハと共にルドーハとニーフェの世話をする。スーヒャとデュテセに生まれたばかりの乳児であるナキャーロとラファッソを抱かせながらコトマやカッサとの話相手をさせる。ヤーチェはミルクを持ってきていて二人の乳児に適宜飲ませていく。
「どうです?私は全員の親なので十人位の世話を同時…まあ囲まれて遊ばれてるだけですが。母親だと同時に五人位の世話もありますよ。全員が母親と一緒に寝る訳では無いですし出かける人もいます。部屋に居てもずっと世話する母親ばかりではありません」
「確かに大変そうですけど単に限られた団の仕事だけよりはこっちの方が良いですね。指揮所に戻れないと厳しい」
「スーヒャさんは分かりやすいですね」
「私はユッミルさんと獣の狩りをして戦線復帰を目指します。ですがユッミルさんの元には優秀な女性術師も多く居るので場合によっては側室の末席に加わる事も構いません」
「そうですか。戦線復帰の目標は良い事だと思います。スーヒャさんも含めて構いません。しかし、最終決定は明後日です。明後日に迎えに来ますので準備しておいて下さい。気が変わっても何も問題はありませんよ」
ユッミルは子供達を連れて帰宅する。ユッミルは早めの夕食を食べるとクグーウを連れてテーファの家に向かう。
「突然で申し訳ないです。様子が気になったので」
「大丈夫ですよ」
「夕食は食べて来たので気遣いは無用ですよ。そもそも心配で見に来たので」
ファッリーユが突進してくる。
「それよりその子は?」
「クグーウですか。この子は母親がいないのでどうしても気にかかってしまいます」
「デーリャさんの…その子だったのですね」
「母親が居ればそっちに行きますしね。それよりそろそろですしこちらの家に来てくれて構いませんよ。幸い、今は他に妊婦は居ません」
「そうですね。ですがもう少しいます」
「せめてファーちゃんの世話をしておきますね」
「ファーもパパの世話する」
「ありがと、ファーちゃん」
しばらくしてテーファはユッミルが気づくと風呂の用意を始める。
「ファーちゃん、そろそろママと遊ぼうか」
ユッミルは風呂の準備を引き受ける。クグーウはユッミルを見て黙って見ている。リーシキもユッミルを気にしている。
「テーファさんはどうします?子供は順番に僕が入れますから外から子供を受渡しだけお願いします」
ユッミルは三人を順に入れていく。リーシキがごねたのでテーファと三人で入るが程なく娘二人に急かされてユッミルだけ先に上がる。
「それでね、おじさんに頭を触られた。よく分からなかった」
「パパも触らない方が良い?」
「やだ。手繋いでくれないとやだ」
「そっか、そっか。頭触って良い?」
「ファーはユッミルに頭を触らせてるよ?」
「そうだね。手で触って良い?」
「良いよ。あっ。パパ、ついてきて」
「外は駄目だよ」
「違う、あそこ」
「えっと」
「行くの」
ユッミルはファッリーユに部屋の隅の窪みまで引き連れられる。ファッリーユは服の裾を上げる。
「持って。こっちも」
「分かったから」
ファッリーユはその後もしっかりくっつく。ユッミルはクグーウと二人を抱いてテーファ母子と五人で話をしていく。
翌朝、ユッミルはクグーウとリーシキを順に店に連れて行く。店の裏の宿舎ではミューレが休んでいる。お腹は明らかに膨れている。
「他の側室なら家に招待しますがミューレさんは無理ですね。店が回りませんし。今日は手伝いますがやはりあなたに高頻度で子供を産ませるのは間違ってますね」
「私は数人で満足なので数年の間隔を空けても不満はありません」
「それは有難いですね」
子供の世話と店の手伝いをして三食ターヒョに作ってもらいテーファにリーシキを返してクグーウと帰宅する。
「ユッミルさん、まだですか?」
「多分、まだだと思いますよ。乾季までは無さそうなのであれでしたら塔に仕事に出ても良いと思いますよ。泊まりでも良い」
「確かに何日かはそうしますがそんな長期間はしませんよ」
「ユッミル、私も脱がせて触るだけで良いよ」
「シャーネ、言われるとやりにくくなりますし今は子供の世話で忙しいです」
「子供の世話はかなり先まで忙しいと思うけど」
「大丈夫だよ。少なくともシウさんやレヒーハとかベーニュと内緒で抜け駆けはしないよ」
「テーファは?」
「だから今もう生まれそうなの」
「そうだったわね」
「分かったわ」
ユッミルはベーニュやエルネと子供を風呂に入れる。
翌日、昼食後に療養所に向かう。デュテセとスーヒャと少し話すと一緒に家に向かう。家に着くとリュッサが子供の世話について説明していく。
「ベーニュさん?」
「気にしないで下さい。少し暑いだけなので」
「暑いなら人の膝に乗るのはおかしいですよ」
「ああ、椅子かと思いました」
「こ、子供の世話でもしてて下さい」
「ユッミルさん、椅子が勝手に動いたら座りにくいですよね?」
「それはそう…しませんよ?」
「ですがこのままだと居座りますよ?」
「そういう事ですか」
「来ないなら私から行きますね。ユッミルさん、もう我慢しなくて良いのですよ。とりあえず私の体で遊んでしたくなったらそのまましちゃいましょ」
「さっきも言いましたがあと少しだけ待って下さい」
「なら遊ぶだけで良いですよ」
「本当にだけですけど良いですか?」
「良いですけど本当には余計ですしいずれしてくれるならうまくやって下さい」
「それができれば苦労しません」
ユッミルとベーニュは寝床で寝ながら遊ぶ。ただ、子供達が近づきそうで姿を隠して少し移動もするが嗅ぎつけて寄って来る。子供達を少し幻影で相手をするが程なく断念して子供の世話に戻る。ベーニュは脱いだまままだ甘えてくる。
「ベーニュさん、子供が真似るのでやめて下さい」
「なら攻めて大人しくさせればいいですよ」
「ベーニュさんがその調子だと今日は光の塔で寝るかもしれません」
「分かったから子育ての他に何かして欲しい事はある?」
「まずは服を着て下さい」
「それ以外で何か言ってくれたら着るわね」
「明日は少し別の用事ですがまた狩りは頼みますよ」
「それ以外、初めてのお願いを一つして下さい」
「何ですか、その困る質問は」
「じゃあ着ません」
「うーん、動かないで下さい。これは初めてですよね」
「そうですね。やっとしたい事が分かりましたね」
「しかし、汚くなって服が着れなくなりましたね」
「気にしてませんよ。そもそも本来求めている事に比べれば大した事はありません」
「そうですか。ベーニュさんが汚いと言えば慌てて拭いてしまう所でした」
「不快ではないですけど少し汚いですね」
「じっとしてて下さい」
「ユッミルさん、かなり我慢してるのですが」
「そうですか。服を着れば収まりますよ」
「抱いて下さい。それ以外は我慢できません」
「馬鹿ですね。ベーニュさんは」
ユッミルはベーニュを抱く。
「そうは思いませんよ」
その日の夕方、ヤーチェとフューリケは療養所の片づけを明日からするらしく泊まりに行く。ユッミルは夕食をデュテセと子供の世話をしながら食べ、スーヒャとシャーネと子供達を風呂に入れる。
翌朝、ユッミルはクグーウを抱いてルドーハを連れてナキャーロとシャーネ、メシャーナとコトマ、フーニャとヌーグ、エルネとロキュームにシャーユと出かける。ネメッカとトキホにイーサとカノールと合流して無性の町に向かう。
ネメッカの先導でまずは人形店に向かう。ユッミル達はおもちゃを買いに来た訳だ。
「よく分からないのでお任せします。カノールと待ってます」
「はい、そう言いつつも様子を密かに伺ってくれて良いですよ」
「外でそういう事は言わないで下さい」
ちなみにネメッカとユッミルにエルネは姿を変えている。ただ、この女性多めの大所帯は深く考えればばれそうだがメシャーナとシャーネにフーニャが子供に見られたからか店員が何も考えていないからか、子沢山の複数家族と解釈されたのか普通に相手される。他の店でも順調に積み木等を買っていく。今回はお試しという建前で人数より少し少なめで買っていく。良かったおもちゃはエルネにリュッサとお遣いで買って来させる予定だ。
一度、店で昼食を取ったので帰宅は昼を大分過ぎたが夕方でもない半端な時間になる。
「イーサさん、塔に戻らなくて良いのですか?」
「どうして私だけ?」
「ネメッカ様には指図できないからですね」
「ユッミル様はネメッカ様から私を側近として引き抜くのですか?」
「いえいえ、主宰として塔を空けない様に指導しています」
「大丈夫ですよ」
「なら良いのですが」
子供達は目新しいおもちゃに食いつく子も多いが乳児は母親から離れない。クグーウもユッミルの傍のままだ。カノールとシャーユはユッミルの近くに人が少ないと分かるとやって来る。トキホもユッミルを気にしている。一方でミリットやユンルクにルドーハ、カッサとコトマにラファッソは強い興味を示す等反応はバラバラである。ユッミルはほっとする。無意識にシャーユを抱き込んで撫でる。ただ、トキホとカッサにユンルクやヌーグはしばらくするとユッミルを遊びに巻き込もうとして忙しさは少しましになった程度であった。ユッミルはシャーユとカノールにユンルクを連れて散歩に逃げる。散歩にはメシャーナがついて来る。
翌日は療養所の様子を見てからターヒョとフーニャにフェノを連れて光の女性陣の演習に付き合いつつ獣を一匹仕留める。いつも通り生き血をターヒョに渡して肉を持ち帰る。ユッミルは塔に泊まると宣言してクグーウとルドーハにエルネ母子を連れて行く。ネメッカは慌ててトキホを連れて付いてくる。ユッミルは塔に着くとレーティスとゴータムにズードとネミークを世話する。ユッミルはロキュームを膝に乗せてネメッカとレーティスとエルネを両脇に夕食を食べる。ユッミルはエルネを子供と共に主宰部屋に呼んで子供に積極的に話しかける。
「あの、どうしたのですか?」
「ええ、理由はあるにはあるのですがまだ迷っていまして。それに程度の差はあれ、エルネさんとの関係の重要度は高めるつもりですし」
「術ですか」
「それはそうですが光の側室の中の関係性はそれ位しか差がつく要素が無い。性格に難がある方はいませんし」
「そうですね…」
「正直に言いますというか当たり前の話ですが性格が好ましくなければ一緒にいる頻度は落ちます。その上で次の要素はやはり実力も考慮してしまっています。例外はやはりネメッカ様やテーファさん位です。後付けみたいで申し訳ないですがエルネさんも十分一緒に居たい人ですよ」
「ありがとうございます」
「いずれお互い気にならなくなる様に頑張りましょう」
ユッミルはエルネ母子とクグーウとルドーハで寝る。翌日、イーサ母子といつものデーリャ遺児、エルネ母子、フェノと家に向かう。クグーウとカノール以外を家に置いてイーサ、リュッサ、エルネ、フェノ、チェーハ母子で療養所に向かう。療養所では片付けをしており、各々で手伝う。チェーハは掃除をしていく。リュッサやエルネは軽いものを運ぶ。イーサは子供達に手伝いを指導している。重い荷物はそこまで無いようなのでユッミルは掃除を手伝う。そもそもベッドは置いたままで良いらしく持ち出したのはインテリアの類の様だ。ヤーチェとフューリケはもう一泊するらしい。ユッミル達は程なく療養所を後にする。夕食を両脇にベーニュ母子とシャーユ、クグーウを膝に乗せて食べる。風呂はスーヒャ、デュテセ、レヒーハ、エルネと子供達を風呂に入れる。ユッミルはエルネの体を触っていく。レヒーハは子供の世話をしつつユッミルに自然にくっつく。そうしているとユッミルは間違ってスーヒャに触る。しかし、スーヒャは反応が薄い。思わずユッミルは下半身を確認してしまう。気を紛らわす様にエルネとユンルクと触れ合う。デュテセは肘が脇に当たっただけでも少し気にしており、スーヒャの体を大胆に触ろうかとも考えるが思いとどまる。
翌朝は指揮所であり、特に問題は無く昼過ぎに帰宅するとヤーチェとフューリケが戻っている。閉所自体は明日と正式に決まったらしいが。
ユッミルはフューリケを抱きかかえて座る。
「フューリケさん、体の品定めがしたいので服を脱いだまま半日ほど過ごしてくれませんか?」
「ユッミルさん、そうしていると脱げません」
「冗談ですよ。そんな事を言うなら側室をやめますと言ってくれても良かったのですよ」
「寒いので昼間でお願いします」
「ユッミル、私の品定めもまだよね?」
「あなたはもう子供までいるので関係ありません。あなたは服を着るのが面倒なだけでしょう」
「フューリケさん、ああいう冗談を言っておいてあれですが当面は子供の世話の手伝いをお願いします。シャーネもですよ。ですがシャーネは永遠ではないですよ。いずれは必ず相手してもらいます」
「そんな事を言っても大人しくならないし無理強いもしないわよ」
ユッミルは子供の遊びに付き合う。遊びがおもちゃで分散したので頭数が必要になり、女性の参加が増えている。ただ、子供達の中にユッミルの真似をする一派が現れたのでユッミルは昼寝をする。起きるとユッミルは庭で遊ぶ。チェーハとリュッサに余計な所へ行かない様に監視させる。ユッミルは一派を連れて夕食作りを大人しく見てもらう。結果的にユッミルは夕食を丁寧に食べる事を強いられる。
「ユッミル、今日も相手してくれないの?」
「シウさん、困ります。子供達が聞いてます」
「こまりまふー」
「こまー」
「あら?遂に子供達が正しい事をし始めたわね」
「言いたい事は色々ありますがとにかくそういう事は子供の前ではやめて下さい」
「いたい?」
「とにかー」
「やめてーくーさー」
「でもこうやってママ側の真似をされるよりは良いでしょ」
「ベーニュさん」
「人の名前は真似ないのね」
「ええ、もう知ってる場合も真似ないと思います」
「まねな?」
「おもいまふ」
「パパ、困る事はやめてもらった方が良いよ」
「ああ、シャーちゃん。ありがとう。だそうですよ、ベーニュさん、食べにくいです」
「お詫びに食べさせてあげるわ。何が食べたい?」
「任せますよ。僕は子供にミルクをあげます」
ユッミルは当面服を脱ぐ姿を隠す事にした。風呂にいつも通り子供達を入れる。やはり多数の子供を伴って寝る。今日はスーヒャも近くで寝させて子供を引き寄せさせる。
翌日は昼前にこっそり抜け出して塔に向かう。エルネには後から来る様に言っておいた。ユッミルが昼食を終えた頃にエルネもやって来る。ユッミルはネメッカと仕事をしていく。夕方、部屋に戻るとレーティスがくっついて来る。トキホもいたが正面に陣取って譲る気配は無い。ユッミルはトキホと会話するがレーティスも割り込もうとする。
夕食でネメッカとネミークと合流する。ユーカ母子と主導部屋で子供達の入浴を手伝うとユーカ母子は宿舎に撤収する。しばらくして子供達は眠っていく。
「ネメッカ様とのこういう機会はしばらくしたら無くなるのでできればお願いしたいのですが」
「ユッミルはどうしてあたかも私が渋々許可する女みたいな聞き方をするのですか。大歓迎ですよ。さ、脱がせて下さい」
「良かったです」
ユッミルはネメッカと夜中まで触れ合ってから疲れて眠っていく。
翌日は朝から光の団を仕事しながら見回る。ミューレの膨れ上がった腹を見て溜息を付きながら店を手伝う。家に寄って子供と触れ合ってから仕事に出ると言って塔に戻る。この日は多数の子供の世話をしてそのまま夕食と風呂の世話をして一緒に眠っていく。
「ネメッカ様、今日は言ってた通りですのでお願いしますね」
「邪魔はしませんよ。実力のある側近に対する扱いで何故、フェノさんだけが側室にならないのかが分かりませんが」
「エルネさんはそうなる前に先に側室でしたしチェーハは流れですよ。そもそもあなたも人の事は言えないでしょう」
「そうですね。だから好きにして良いって言ってるのですけど分かってますか?」
「その話は今は良いのです」
ユッミルはロキュームを膝に乗せて夕食を食べる。夕食後はイーサの手伝いでエルネとロキュームにゴータムとゆっくり風呂に入る。風呂から出るとイーサは部屋から去る。
「パパ、イーサがパパの使う術を教えてくれたよ。でもパパにしか使えないから手本は見せられないんだって」
「でも君は将来使えるかもしれないね」
「ゴータムは上手に話すね」
「うん、イーサが色々教えてくれるよ。パパが良く言う相手ってのは抱き合うって意味なんだね」
「抱き合うってのの意味は知らないよね?」
「体を近づけて手をこうしてる事だと思うけど手が届かない」
「うん、子供では無理だね」
「ママともしたいの」
「そうだね。でもママはゴータムとロキュームの方が好きだよ」
「でもパパといる方が多いよ」
「うん、一緒に居てもゴータムよりは好きになってもらえないんだ」
「そうなの、ママ?」
「そうね、ユッミ…パパがそう思うならそうだと思う。ゴータムの事は愛してるわよ」
「ありがとう」
途中でロキュームは寝てしまい、ゴータムはユッミルを独占できたのでここぞとばかりに話をしていく。夜中にゴータムはようやく眠っていく。
「お待たせして申し訳ないです。お疲れかとも思いますがお相手を…あっ、私もさっさと脱ぎますね」
「大丈夫ですよ。ゴータムに焦らされて待てなくなっただけです」
「それでも嬉しいですよ」
ユッミルはエルネを抱いて口を重ねる。エルネはユッミルの背中を抱き寄せる。
「久々なので少しせかせかしてるかもしれませんけど申し訳ないです」
「大丈夫ですよ。もう少し積極的に来てくれて構いません」
「でしたらそうさせてもらいます」
エルネはユッミルに合わせていく。
「どうです?」
「気持ち良かったですよ」
「なら良かった」
しばらく触れ合うと二人は眠っていく。
「昨日はお相手ありがとうございました」
「こちらこそ」
「それでその、念の為というか明日辺り、もう一度お願いします。面倒かもしれませんがしようとしたのに子供ができなかったとかは子供が絶対欲しかった訳でなくても気分が良くないと思いますし少なくとも私は気が晴れないと思いますしエルネさんとの関係は重視してますし」
「ありがとうございます。私もそれで構いません」
「ではよろしくお願いします。流石に連夜は色々良くないと思いますので明日という事で。もしかしたら間をおいてその後ももう一度か数度お願いするかもしれません」
「是非、お願いしますね」
ユッミルはエルネの体を少し触ってから布団を出て服を着る。その日は塔の仕事を適度にこなすとゴータムを連れて帰宅する。家で風呂等の子供の世話をしながらその日は泊まるが朝にはゴータムを連れて塔に向かう。
読了ありがとうございました。次は諸般の事情から少し空いて7月中旬前後を見込んでおります。その次は8月中にできれば良いですが9月上旬にずれ込む可能性もあります。




