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至上の無名光術師の苦難  作者: 八指犬
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27章 通学用の寮

余計な情報を排除する為に殊更場面転換を明示する事は致しません。会話の間の表現を重視し、詰まりの無い会話はそれに応じて発言が連続します。発話者が分かりにくい事も多々ありますがご容赦下さい。その代わりに「」の鍵括弧を一纏めとして同一人物の発話が描写を挟まずに連続する事はほぼ排除しております。

また、多少前後している事もありますが描写は時間順となっております。

 



 1節 見透かされる拒否


 「おはよう、ユッミル」

 「はい、おはようございます。ネメッカ様、どうしました?」

 「私もユッミルに色々と触って欲しいです」

 「触ってますよ。というか一応、階段は音が響くのでこういう話は困ります」

 ユッミルは執務室に急ぐ。

 「ここでも構いません」

 「あの、本当に心当たりが無いのですが」

 「エルネに聞いたのですが」

 ユッミルはネメッカに詳しく聞いて色々確認していく。

 「それはそうですがそれはネメッカ様の体にそこまでしてしまうと緊張で動きがおかしくなりそうなのでやめておきます」

 「ユッミル、やってみないと分かりません」

 「ネメッカ様、いい加減に男に恥をかかせようとするのはやめて下さい」

 「私も恥ずかしいかもしれませんし」

 「ですが一度は触った気もしますね。やりすぎたと思ってすぐ引きましたが」

 「それではした内に入りません。私もユッミルに恥ずかしい姿を見せるかもしれませんがユッミルに余裕のある女と見られて警戒される位ならその方がましです。ユッミルはましにはなりましたがまだ警戒してます」

 「これ以上は良くないです。時折は馴れ馴れしくなってますしもういいと思います」

 「馴れ馴れしいという割には今は触りませんね」

 「そうですよ。一度我慢をやめたら歯止めが効くか分かりませんし」

 「分かりました。執務室はやめましょう。昼からは主導部屋で過ごしましょう」

 「そんな露骨に促されても困ります」

 「そうしないとしない男なので仕方ありません」

 「それが不満なら離婚しないにしても」

 「もちろん、私から抱きに行くだけでも十分ですけど私はユッミルと付き合って強欲になってしまったのですよ」

 「分かりました。結局、ネメッカ様の機嫌は損ねたくないので付き合います」

 「機嫌を損ねたくない人は離婚なんて言いませんので嘘ですけど騙されておきます」

 ユッミルは服の上から手を突っ込んで誤魔化す事にした。ネメッカはユッミルの反応に満足したらしい。ユッミルにも自覚はあったらしい。

 「だから言いましたよね」

 「分かりました。まあ文句は言えませんね」

 ユッミルは主宰部屋に移って子供の世話をする。

 「まほー教えて」

 「良いけど今度ね」

 「うん」

 「ズード、魔法というか術はそんなに楽しいものじゃないけどね」

 「ん?やってみたい」

 「杖をイーサおばあさんに貰ってからね」

 「つれ?」

 「つ、え」

 「つえ、分かった」

 「ただ、会話ができるようになっただけで色々学ばないといけない事は多そうだし術は気が早い気がするけどね」

 「そうですね。ですが長男のネミークさんですらどうでしょう?」

 「ここでは家事を手伝うは無いですしね。とは言え向こうの子供も特に優秀という訳では無いですしね。長女は体力はあるのですけど」

 「イーサさんもそろそろ手を打ちそうですけどね」

 「そうですか」

 ユッミルはネミークを連れて帰宅すると家にいるシャーユやヌーグ等の年長組に料理を手伝わせてみる。ただ、シャーユとネミーク以外は母親が付きっきりになるので暇な時にすると仄めかされる。ユッミルは仕方なくシャーユとネミークに色々教える事にする。シャーユは簡単な子供の世話や掃除を覚えていく。ルドーハも掃除に参加するが遊びに近く、程々で切り上げさせる。クグーウとニーフェはユッミルの横で突っ立って見ている。夕食後はユッミルはチェーハやベーニュにソヨッハと子供達を風呂に入れる。ベッドではスーリとテーファが寝ており、ユッミルは様子を見る。

 「羨ましいわね」

 「あっ、服を着ないと一方的に責めますよ」

 「それでも良いわ」

 「それにこうなったらしんどくて寝るだけですよ」

 「ああ、そうね。けど子供は可愛いわよ」

 「それは否定しませんが人数が問題です」

 「分かってるけど私には一人しかいない」

 「実質的にはベーニュさん一人に任せる事になってますね」

 「大丈夫よ、任せて」

 「それもですが家の狭さもありますから少し待って下さい」

 「でも体は待たなくて良いわよ」

 ユッミルとベーニュは触れ合う。

 「シウさん、どうしました?」

 「私も参加したいのだけど」

 「困りますね」

 「もう脱いだのに。良いわよね?」

 「邪魔ですか?」

 「許可しなくても襲うわね?」

 「私は脱ぎませんけど構いませんか?」

 「もちろん」

 翌日、ユッミルは食糧が減っているのでシャーネ、フーニャ、ベーニュ、メシャーナ、ソヨッハを呼ぶ。

 「狩りに行くならこの五人辺りが効率的ですけど後はどうしますか」

 「あら、珍しく希望者を募るのね。息子はもう歩けるし娘を抱いて行こうかしら?」

 「ああ、構いませんよ。森林火災を起こさないのであれば。獣を焦がすのも程々でお願いします」

 「それは私は体しか価値が無いと言いたいのかしら?」

 「団との柵が薄いのに一緒に住んでる人にそんな人は居ませんが」

 「じゃあ結婚式に出た私はそれに当てはまるわね」

 「いえいえ、結婚式で初対面だった人以外にはそこまでの柵はありません」

 「私ね。それでも良いけど」

 「ユッミル殿はこういうのが好みなのか」

 「フーニャさんはともかくシウさんの地位は高いのでお伺いを立てないと遊べませんね」

 「そう言って私から誘わせるけど平気で断るでしょうに」

 「肉体的な限度とかあまりにも間隔があいてる子を優先等はありますし子供の増えすぎも問題という事情でお断りする事はありますが基本的には断りませんよ。ただ、三日連続とかはネメッカ様ですら断る事も多いですけど」

 「上手いわね、ユッミルは。もう私は手玉に取られてるわ」

 「そんな男は捨てれば良い。シウさんは別に勝手に暮らせる」

 「それでも一緒に居たいから手玉に取られてるという話よ」

 「と、とにかく行きますか」

 ユッミルはシウ母子とシャーユにネミークにミリットにルドーハに杖を持たせてクグーウを抱いてシャーネやメシャーナ達と狩りに向かう。

 「こんにちは」

 「なっ、ポッフェさん。こんにちは。それではまた今度」

 「ユッミルさん、私何処かの班に入れてもらいたいのですけど」

 「ユッミル殿、私は用済みか?」

 「まさか、狩りでの技量も同居人としても勝ってますよ。負けてるのは体位ですがそんなのはネメッカさんやテーファさんにシウ、シャーネで間に合ってる」

 「ユッミルさん、私は狩りのお手伝いをしたいだけですよ。もちろん、側室にしてくれても良いですけど」

 「側室はこれ以上は増やせませんね。むしろ話し相手をしてくれる若い子の方が良いかなと」

 「ふーん」

 「シウさん、この子を入れたいならそれでも良いですけどね」

 「えー、酷いです。けど今回は狩りを手伝いたいだけですし。それと私は若いですよ。16ですし」

 「ユッミル、私にあの人が勝ってる所は?」

 「シャーネ、僕はあの人の事を良く知らないからそんな事を聞かれても困る」

 「16って言ってたけど?」

 「年齢的には16位は少し下で良いと思うけど適当に言ってるだけかもしれないしね」

 「体を見て16だったら側室で良いですか?」

 「側室の話は今、進めるのは無理だがそもそも狩りというのは獣を綺麗に確保する為であって攻撃して殺す事では無い。火の術で黒焦げにしてはダメですよ」

 「技量が低いと判断されれば出直しますよ」

 「多分、技量は低くないぞ」

 「ですよね。だから困るんですよ」

 「ユッミルさん、欠点を無理に見つけようとするのは酷くないですか」

 「シャーネ、どう思う?」

 「前みたいに裸の私を囮に使ったらいいと思う。ちゃんと杖を持たせずにね」

 「まあシウさんは杖なくても丸腰でも威力あるのが丸わかりだからダメでしょうけど」

 「それはやってみろという事?」

 「そんな事をやらせる勇気があるとでも?」

 「まあ良いわ」

 「なるほど、脱いだら入れてくれるんですね」

 ユッミルはポッフェの上半身を抑える。

 「そんな訳ないでしょう」

 「ユッミルさん、我慢しなくて良いですよ」

 「そういうつもりでは無いです。とにかく少なくとも獣が少なくない時期にそんな事はしません。ましてこんな森の浅い地域でそういう事をすれば問題になります。同行は構いません。技量が高くても間に合ってます。前衛は少し不足ですが死活的では無いですし」

 「ユッミルさん、流石にここでは脱ぎませんよ。では行きましょうか」

 一行は森に入っていく。

 「シャーネ、脱ぐ以外の方法で何とかしてくれない?」

 「ユッミル、とりあえず私だけじゃ足りないわ」

 「この子を抱いてますし大した事は出来ません」

 「その子、代わって」

 「えっ?」

 クグーウは不満そうにシャーネに抱かれる。

 「胸は空いてないし触る場所はそこしかないよね?」

 「ですがポッフェさん見てませんよ」

 「良いからやるわよ。そうそう、こんな所でダメだよー」

 「嬉しそうにしか聞こえませんけどね」

 「私も参加できそうね」

 「嫌ですよ。息子にエロ父と思われたくないですし」

 「もう手遅れでしょ」

 「そんな事は無いです」

 「じゃあ私がエロ母になるわ」

 「えっ、シウさ、あなた、というかやはりエロ父ですよ」

 「なら抜ければ?」

 「いえ、演技をお願いします」

 「ちょっと、ユッミル。外ではダメだよ」

 「何の事かな?嫌なら振り払ってくれて良いよ」

 「手が塞がって…もう、しょうがないわね」

 「まあユッミルだし良いよ。私達はもう慣れたし」

 「ユッミルさん、流石にもうそういう演技は通じませんよ」

 「でも家ではやるわよ。どうでも良い女にはしないけど」

 「シウさん、それだとダメでしょ」

 「そうですか。流石ですね」

 「えっ」

 「ユッミルさん、森なので警戒お願いします」

 「そうだよね。だからポッフェさんを連れて来るのは良くなかったんだよ」

 「そう?私とシャーが組んだら時間は稼げるよ」

 「ちゃんとやるから。少なくともシャーちゃんに攻撃能力は無いから危ないでしょ」

 「シャーはユッミルの方に居れば良い」

 「けどメシャは綺麗に切るのに限界があるしベーニュの足止めも必要だよ。やはりターヒョさんを連れて来るべきだったか」

 「ユッミルさん、索敵しないのですか?」

 「見えてはいますがどうしますかね」

 「どの方向ですか?」

 「いえ、距離が遠すぎるのが多いですね」

 「そうですか。あなたは視程が違いますよね」

 「あっ、正面左側から右へ逃げて…」

 「行きます」

 ポッフェは走り出す。

 「メシャ、ベーニュ、右側警戒」

 しばらくしてポッフェが獣の胴から下を持って戻って来る。

 「やはり一人で狩れる様ですね」

 「ユッミル様を警戒して群がってこないお蔭ですよ」

 「そうかもしれませんね。私がいると狩りにくそうですね」

 「やはり側室しかないと言う訳ですか。ではまた」

 「えっ」

 「まあ私達は暇だけどソヨッハさんも忙しいし」

 「そうですね」

 翌朝、早朝に指揮所に向かう。やはり例の襲撃は魔族側にも大きな負荷だったらしく前線はかなり後退している。ユッミルは任を終えると東の霊族の領域から魔族領を偵察する。ユッミルは密かに魔族領の浅い位置をうろつく。遠くで囮の雷撃を打ち込むとあっさり陽動に引っ掛かり、前線の一部が空く。ユッミルは歪曲視野を使う。中級魔族の群れを見つけたので観察する。魔族が戻り始めたので十数狩って半分程度の魔石を回収して撤収する。下級魔族の追撃は撃退する。帰宅すると相応に遅い時間だったので子供達を程々に相手にすると夕食と風呂をさっさと済ませて眠っていく。

 翌日は昼前に店に向かう。

 「随分、しんどそうですね」

 「少しね。でも嫌じゃないわよ」

 「そろそろですし見守りますよ」

 夕方前の中途半端な時期にミューレは踏ん張り始める。結局、難なく生まれる。

 「嬉しいわね。結局、ユッミルさんも立ち会ってくれましたし」

 「たまたまですよ。ですから夕食後には帰りますよ」

 「それは分かってますよ」

 ユッミルは赤子をしばらく抱いてミューレに返すと他の子と話をする。ユッミルは主にターヒョの息子のボッティケに話しかける。夕食を終えて帰宅するとファッリーユが出迎えに頭をぶつけてくる。レヒーハが次女と寝ているのでカッサも寄って来る。シャーネ母子にフーニャ母子も寄って来る。

 「ユッミル殿、そろそろこの娘の名前をお願いしたいのだが」

 「そろそろ母親が付けるという方針に転換頂きたいのですが。少なくとも私の名付けが手一杯の場合にはそうして欲しいのですが」

 「短期間に十人近くの娘に名前を付けたユッミル殿なら可能だよ」

 「フーニャさんの娘ですしニャーヒュちゃんですか?」

 「まあ良いだろう」

 「えっと、かなりいい加減ですが」

 「ユッミル殿に不満が無いなら構わない」

 「なら良いですが」

 ユッミルはファッリーユ達をマティッセやスーヒャと風呂に入れる。

 「ファーちゃんやユンルクはかなり話せるようになって来ましたね」

 「そうね。将来はどうしましょうね」

 「ああ、その辺りも考えないといけませんね。イーサさんに何か考えでもあるのでしょうかね?」

 「ええ、相談してみると良いと思います」

 「そうですね」

 ユッミルは数人の子供とチェーハやシャーネに囲まれて寝る。

 翌日は朝から塔に向かい、仕事をこなす。

 「その事なのですが無性の学校への通学は塔やユッミルさんの家では遠いので別途家を用意するつもりですよ」

 「そうでしたね。術師の子供もいるのでしょうか?」

 「確かに少数ですがいますよ。ただ、子供が強い術を使えるとは限りませんし幼少期から使える子は少ないのであまり関係ないですね。使えて使いたい子はさっさと団に入りますし」

 「とりあえずネミークに関するネメッカ様の意向はどうなのです?」

 「それはご自分でお願いします」

 「ああ、聞き方を変えます。学校に行かずに団に入れる事についてイーサさんはどう思います?」

 「そうですね。構わないのですがやはり術は年齢を経ないと上手く行かないので当面はいずれにしても学校へ行く方が良いかと。費用面は何とかなりますし」

 「費用ですか。忘れてましたね。毎年最低五人、多ければ年二十人?位ですか、出るのですか?」

 「そうですね。全員に高等教育となると費用面で厳しいですね」

 「ところで女の子と男の子はやはり違いますか」

 「そうですね。女性の場合、嫁入りとの選択を迫られます。高等教育の先は忙しい研修と就職後の仕事がありますので嫁としては中々選ばれません。元々男に好まれない人が行きがちなのでそれが煮詰まります。とは言え男性にとっても決して広い門戸では無いですよ」

 「つまり、術の才能がある子の多いうちの子達は」

 「はい、各団で引き取ります。光の団としても指揮所に行ってくれるなら大きな赤字にはなりません」

 「まあそういう先の話はともかくいずれは家を選ばないといけませんね。今年の入学式は既に終えてるでしょうし来年は気が早い?ですが再来年辺りですかね」

 「その今年の入学式はまだですよ」

 「まさか」

 「流石にそれは無いですがネミークやわが子のカノールを含めた何人かは来年も視野に入れていますよ」

 「えっと、ネミークは来年で三歳ですよ?」

 「初等教育は3歳から5歳での入学が一般的ですよ」

 「そうなのですね。分かりました。母親と相談してからなので全員が通うかは分かりませんけどね」

 「それはお任せします。それでそろそろ言うつもりでしたが近々、通学用の家を買いましたので年長の子供はそちらに住まわせようかと」

 「えっ、何?何をやってるのですか。勝手に」

 「問題ありました?」

 「どうして僕の子供の話なのに無視して進めるのです?」

 「もちろん、ダメなら中止は可能ですが」

 「そうは言いませんが相談はして欲しかったですね」

 「いえ、その女性陣の不満解消もありまして新しい家ではそういう行為を控えるという結論になりました」

 「ああ、それは構いませんよ。年長の子がいるとしにくい…まさか」

 「ユーカさんが子供を理由に断られたと不満そうでしたから喜ぶ人もいるかもしれませんが母親に交代で世話をしてもらうので家の混雑が緩和される事等の方が大きいですよ。ユッミルさんも一度に多数が減ります」

 「まあそういう事にしておきましょう」

 「ですがそもそもユッミルさんの家でそういう行為ができないのはいけませんしいずれ解消するつもりではいましたけど不服な側室は確実に出るでしょうし」

 「やはりじゃないですか」

 「いえいえ、基本的には通学ですよ。それだけが目的ならそれ用の家の用意が第一の選択肢ですし」

 「分かりましたよ。ですがスペースが空いたから子供を産む等という事は無いです。元々そろそろ復帰する予定でした」

 「ええ、分かってます。むしろであればこそ用意したのです」

 「困るならもっと頻度を落としますが」

 「困りませんね。こちらも少し早めた面はありますがいずれ用意する気でしたし」

 「分かりましたよ。ただ、過度な期待は困ります」

 「もちろんです」

 ユッミルは夕方に眠ってしまう。ユッミルが目を覚ますと子供はいつの間にかいなくなっている。代わりにネメッカがいる。

 「ん?ああ、そういう事ですか。ただ、服は着ていて欲しかったですね」

 「ダメですか?」

 「あの、夕食後にお願いしようと思っていたのですよ。だからこの状況でこれは困ります」

 「夕食は後でも食べられますよ」

 「それはそうですが」

 「私はどちらでも構いませんよ」

 「ネメッカ様、先走って脱がれるとこちらは脱ぐ前に抱きたくなるのですが」

 「今回はそれで行きましょうか」

 「えっと、そうですね」

 「静かですね」

 「今更激しいのもおかしな話でしょう。ネメッカ様の表情が痛みで崩れたらこちらがみっともないですし」

 「痛みではない方の急所に案内しましょうか?」

 「もうネメッカ様のを崩す事はしばらく遠慮します」

 「ユッミルは知りませんが私はどんな顔でも恥ずかしくてもユッミルが嫌でなければ良いですよ」

 「ネメッカ様は強いですね」

 「ええ、ユッミルを信頼してますし」

 「ネメッカ様ほどは信頼できていなくて申し訳ない」

 「私は信頼しすぎて」

 「ネメッカ様?」

 「こんなに恥ずかしい顔になってしまう場所に誘ってしまい、ますから真似しなくて良いですよ」

 「それだとこっちにも移りますよ」

 ユッミルはネメッカに口を重ねる。

 「どうしました?少し激しいですね」

 「ダメですか?」

 「良いですけど雑ですね。まあ夢中と思えば」

 しばらく触れ合うとネメッカは夕食に連れ出す。

 「ネメッカ様、せっかくユッミル様が子供の為に我慢してる事を止めたのですね」

 「良いでしょ、ユッミルは中々甘えないし」

 「後で怒られますよ。いや、怒りはしないでしょうけど手控えられますよ。そろそろ側室の方とも解禁でしょうし」

 「イーサも今ならしてもらえるし」

 「私は遠慮します。仕事をして欲しいと思ってるはずですし」

 「チェーハさんが太りだしてて独占できるまたとない機会なの」

 ネメッカは自分の体を嬉々として触らせて夕食を済ませていく。ネミークは呆気にとられている。トキホは無視してユッミルに甘えるが反応が薄くやがて離れる。クグーウは全く無視して寄り掛かり続ける。ユッミルは一瞬クグーウを抱こうとするがネメッカに抱き直される。イーサは仕方なくクグーウを引き離す。当然ながらレーティスやユンルクはこの場にいない。

 その後、ユッミルは言われるがままに主宰部屋でネメッカと風呂に入って寝る。夜中、ユッミルは誰か娘らしき子供に起こされる。服を自分で脱いで風呂に促される。トキホはユッミルに必死に顔を擦り付ける。

 「あっ」

 「パパ、好き。起きて」

 「えっと、起きたよ」

 「よかった」

 トキホは機嫌よく膝に座る。

 「トキホも抱いていいから寝ないで」

 「あっ、えっと、ママにパパを眠らせないでって言っておいて」

 「うーん、ママはむつかしい」

 「そっか」

 「パパじゃないとママは皆おやすみさせちゃう」

 「そう言えば抜け出してきたのか」

 「パパが心配だったし」

 「ありがとう、でもママに怒られるから戻ろうね」

 「怒りませんよ」

 「ネメッカ様、起きましたね。トキホは良い子なのでダメですよ」

 「怒りませんが言う事も聞きませんけど」

 「ネメッカ様、子供のいる前では困ります」

 「はあ、さっきまでは抱きついてくれたのに」

 「聞いてますか?」

 「やりすぎないけどやはりユッミルが素直に触って来るさっきのユッミルは可愛かったのに」

 「子育て中は危ないですよ」

 「分かってますよ」

 「そう言いつつまたやる訳ですね」

 「ただ、ユッミルは太るとどうにもならないから今の内なのよ」

 「太りたくないなら子供を作らなければ良い」

 「正妻ですし」

 「あなたが止めるなら他も止めますし問題ありません」

 「ありますよ。それにそっちもやめたくないです」

 「ただ、三人を超えてくると子供の人数は問題ではない気も…」

 「それはどういう事ですか?」

 「いえ、何でもないです」

 「とにかくこの調子でお願いしますね」

 「分かってますよ。側室が抜かない様に配慮します」

 翌朝、ユッミルは塔を後にするとクグーウを連れて店に向かう。店ではターヒョ母子を夕方まで待って家に連れて帰る。ユッミルはボッティケの世話を優先的にしてターヒョ共々一緒に風呂に入る。

 翌日、ボッティケを抱いてターヒョ、ベーニュ、シャーネ、フーニャ、メシャーナ、エルネを連れて狩りに向かう。基本的には問題は無かったが前衛の少なさから氷の術師のターヒョとベーニュと獣との交戦距離が近くなっており、メシャーナの動きが小さくなっている。フーニャも後衛ではなく中衛と張り出している。

 「前衛欲しいわね」

 「ええ、現状はスーリさんの復帰待ちですね。まあ私が動けば解決ですが」

 「それは最終手段ね」

 「ポッフェさんは前衛よね?」

 「そうですね。ですが土の前衛としてはレミーカさんの方が優秀ですし狩りだけなら男性と組む手もあります」

 「土の前衛自体は今もいるし月の前衛は休んでいるだけ。もちろん、二人ずついれば申し分ない訳だが」

 「もちろん、ユッホさんが居れば全て解決なのですが」

 「狩るだけなら私とユッミルで十分よ」

 「ターヒョさん、基本はそうですが私だけだと問題は無いですがあなたが囲まれたらしんどいでしょう」

 「逃げる位は何とか」

 「確かに私が気づけば確実に問題は無いですが」

 「けど人数が増えたらやりにくくないかしら?」

 「いえ、大人数だと追い込みができるので狩りやすいですよ。フーニャさんやシャーネにベーニュが居れば多数でも狩れます」

 「メシャーナちゃんは囮なの?」

 「前衛は一般的にそういう面もありますけどそういう意図は無いです」

 「ユッミル、私はそんな風に思ってないから」

 「悪かったわね。ユッミルは側室を訓練してるだけよね」

 「否定はしませんがフーニャさんに訓練は不要ですよ。あなたもですが」

 「それだと訓練したい子がいてフーニャさんは優秀で抑えが効くから使ってるに変わるだけだけど」

 「そんな意識は無いですけど結果はそうなるかもしれません。どうしました、ターヒョさん?」

 「いや、ポッフェさんを入れたくない理由が気になったのよね」

 「まず、術師としての技量は基本的に問題ありません。前回は勝手に動いてましたけど言えばこちらに合わせてくれると思います」

 「女性としてあまりに魅力が無いとでも?あなたの好みではない?」

 「まさか、可愛らしい女性だと思いますよ。テーファさんには負けますが魅力的なふるまいをしてくれるでしょうね」

 「そうね、私とかは単なる脱ぎ脱ぎ女だしね」

 「シャーネ、分かってるならやめればいいしそれに君を側室に迎えるのは躊躇はしてない。君はどんな子かちゃんと分かるから」

 「ああ、そういう事ね。でもそこまで裏のある子には見えないわよ?」

 「では裏が無くあれならどんな子なのでしょうね?」

 「ユッミル?」

 「いえ、ターヒョさんと話してたらそんな気がしてきたのですよ。さっきまでは薄々だったのですが」

 「どういう事?何か目的があるならそれはユッミルにとって裏って事よね?」

 「裏ってのは隠れた目的とかですね。それが僕への熱烈な愛とかなら嬉しいですがそんな人は居ません。ポッフェさんは少なくとも私の班に入りたいとかを表明してますしね。それにポッフェさんが僕を嫌という感じもありません」

 「ん?なら問題は無いんじゃ?」

 「問題があるとは言っていません。ただ、感じる…ああ、ターヒョさんは店でしたね」

 「息子、預けてるし一度戻るわ。続きはその時ね」

 ターヒョは生血を持って店に向かう。ユッミル一行は獣を分担して抱えて家に向かう。

 「ユッミル、その土女は何が微妙なの?」

 「じゃあシャーネは僕の事をどう思ってるの?」

 「好き、一緒に居たい」

 「それだとポッフェさんと一緒だよ。むしろ何に不満なの?」

 「中々相手してくれないとか大人扱いしろとかね」

 「シャーネは可愛いね」

 ユッミルはシャーネを片手で抱き寄せる。

 「今、減ったけど」

 「でもポッフェにはそういう可愛さは無い」

 「それはまだユッミルに拒まれて…るわね。けど分からないわよ」

 「そう、だから予感でしかない。でもポッフェは良い子だよ。才能は低いけど正しい努力をしている。少し強引だけど無礼では決してない。だからこちらも雑には扱えない」

 「根負けなのね?」

 「そうですね。昔、ネメッカ様にも根負けしましたがあの人は理由はともあれ僕を求めていましたし可愛らしい情動に基づいていたし条件面でも配慮頂いたのでお受けしましたが今回は理由も不明瞭で少なくとも好意的な情動では無い。こちらの事情への配慮も薄い。ですが諸般の事情から断るのはそろそろ限界という可能性もあります」

 「ああ、ターヒョは聞き逃したのね」

 「ですがシャーネ、聞くべきはあなたですよ。多分、僕も表面上はポッフェさんを良く扱います。あの人はあなたと違ってそこまで困らせません。特にこちらが意に沿っていれば関係は円滑でしょう。ですがそれだけです。可愛らしい方なので一時的には面倒な事を忘れて可愛がるかもしれませんがいずれはあなたやフーニャさんの方に戻りますので心配せずに待って下さいね」

 「待ちたくは無いけど分かったわ。けどターヒョには言わなくて良いの?」

 「シウさんやネメッカ様にテーファさんは居ればポッフェさんでは太刀打ちできませんしターヒョさんは現状ではそこまで求めてませんよ。メシャはシャーちゃんも含めてそういうのとは関係ありませんしリュッサやベーニュにレヒーハは気にしないでしょうし」

 「私も側室から抜けたりはしないわよ」

 「不満で挽回しようとしますよね?けど大丈夫ですよ。頃合いを見て子供の少なさを言い立てながら誘えば大丈夫です」

 「少ないのは今もうそうなのだけど」

 「ですが今はそれとは関係無く触れ合ってるよ?」

 「えっ、そういう事?分かったわよ」

 ユッミルは帰宅するとシャーネ母子とメシャーナ母子とクグーウとファッリーユと触れ合う。

 「で、ポッフェに何を感じているの?」

 「はあ、他の子に話して面倒ですが。繰り返しましょう。逆に聞きますがあなたはどうだったのですか?」

 「もちろん、シェンハ様とくっつけない為に難点を探ろうと。でも騙されてか受け入れ、いえ、騙されてたとも言えなさそうな気もしてきたけど受け入れたわよね?」

 「そうですね。あなたは好きでもないのに入って来て。ですので目的を探って諦めさせる気でいましたよ」

 「そんな気はしてたわね。まあ探ってた結果、そこまで悪い男では無い上にシェンハ様とくっつく気は無い事が分かったし最終的に私の頭越しにシェンハ様が動いたから有耶無耶になったけど」

 「あの時は人数も少なかったですしね。そして、朧気にあなたの目的も見えていたし機を見て話せば何とかなると思いましたし。実際にあなたは白状してくれましたし」

 「分かったけどポッフェはどうなの?」

 「自覚が無い。ティフェケさんや土の団がそうして欲しいから仲良くする。そんな感じですね」

 「けどそれを言い出せばここに居る半分位はそうじゃないの?」

 「あなたは違いますよね?例えば誰がそうですか?マティッセさんはその可能性もありますが」

 「そうね。けどそれはユッミルが丁寧に接してるからよ。最初は皆そうよ」

 「ネメッカ様にシウさん、フーニャにテーファさん、ユッホは違いますけどね。あなたも好意ではありませんでしたが主体的でした」

 「それはそうだけど団経由の関係だし普通はそうなるわよ」

 「私もよ」

 「シャーネとメシャは心配しなくても構うよ。僕から離れたいなら最後まで世話するし嫌いにならないけど君らから言わない限り、出ていけとは言わないよ」

 「ユッミル」

 「そう、ポッフェさんは普通です。そこに居るベーニュさんは普通を装ってしつこくも無くするすると入ってきましたがああいう人でしたし分かって扱いやすくなりましたしレヒーハさんは対話がしっかりできましたので。もちろん、僕が贅沢になって優秀な良い子以上と暮らせているからというのも大きいので向こうに過失が無いから受け入れるという話でもあります」

 「受け入れるのね?」

 「まだ決まってはいませんが成り行き次第ではそれも視野に入れます」

 「分かったわ。じゃあ息子を連れて帰るわ」

 ターヒョは店に戻って行く。

 「ユッミル、まさか私達には禁止してポッフェとはする等という事は無いでしょうね?」

 「そもそもそろそろ解禁しますよ。そうしないとテーファさんともできませんし」

 「知ってたけど露骨に格下宣告、悲しいわね」

 「否定もしませんけど時期的に区切りとして丁度いいという面の方が大きいですね」

 「ああ、そうね。何かきっかけが無いとね。分かったわ。でもテーファが最初なのね」

 「それはそうかもしれませんが」

 「まあ良いわ」

 

 

 

 

 

 

 

 2節 年長組の教育


 ユッミルはシャーネ母子とクグーウと昼食を食べる。

 「ユッミル、息子が遊びたいらしい。ヌーグ」

 「パパ、ママと遊んで」

 「ええ、それは構いませんが」

 シャーネ母子やクグーウにファッリーユが脇で見守る中、ユッミルは人形を持たされる。

 「ヌーグ、行ってらっしゃい」

 「は?まさか息子は退場?」

 「いや、後で帰って来るぞ。何を言ってるんだ?」

 「本当にヌーグは良い子ですね」

 「続きだ。しかし、あなたも私と二人目を作る為に仕事を休むとはしょうがない旦那だ」

 「気が変わりました。仕事に行きます」

 「何を言っているんだ?計画的に仮病を使っただろう。後で行ったらおかしな事になるぞ」

 「はあ、夫婦はとても仲良く遊びました」

 「待て。君に進行側をする権利を与えた覚えは無いぞ。さあ誘うと良い」

 「フーニャさん、さっきの話を聞いていました?」

 「はあ、つまらないぞ。別に深い意味は無く遊ぼうではないか」

 「ではあなたの名前はティフェケで良いですか?」

 「ユッミルこそ良いのか?」

 「ポッフェにしましょうかね?」

 「はあフーファで願おう」

 「それは良いですね。フーファ、やろうか。早速、この程度で息が詰まってフーファは弱いなあ」

 「あなたは強すぎます。私が好きだから大丈夫ですけど」

 「そんな事を言っても手加減はしないぞ。へたれたらゆっくり抱いてやるから」

 「ありがとう、あなた」

 「ヌーグ、ただいまだよ」

 「あっ、ただいま」

 「おかえり。ママは寝てしまっているからパパと遊ぼうか」

 ユッミルはヌーグとしばらく会話する。

 「戻る機会が無いではないか」

 「フーニャさん、流石に息子を巻き込むのはやめましょうね」

 「分かったよ、当面は我慢するよ」

 ユッミルは今度はリュッサ母子とニーフェとクグーウと会話をしていく。ユンルクはユッミルの幼児向けの話し方では物足りない様子だ。

 「ユンルクは言葉を覚えるだけだとダメそうですね」

 「そう見えますか。でもまだ少しだと思いますよ」

 ユッミルはしばらくすると今度はファッリーユとテーファの様子を見ている。他にもスーリが寝ている。

 乾季で気候が穏やかになりつつあるのでユッミルはルドーハやシャーユにフーニャ母子とレヒーハを連れて散歩する。夕方頃に帰宅すると数人の子供達に夕食の手伝いをしてもらう。シャーユに至っては風呂沸かしの当番に組み込まれている。夕食はベーニュの娘のラファッソの世話をしながらシャーネとヤーチェを両脇にして食べる。風呂はフューリケとシウにリュッサにベーニュでかなりの人数の子供を交代で風呂に入れる。

 ちなみに夕食の時間帯はエルネとオーネとケーシャは寝ている。メシャーナとマティッセは入浴後に程なく寝る。シウにフーニャもユッミルと寝れないと分かると子供を寝かせてさっさと寝る。ベーニュとリュッサにデュテセは比較的遅くまで起きている。フューリケとレヒーハにシャーネはユッミルに時間を合わせる事が多い。子供も遅くまで起きてる子がおり、母親と違って起きてしまったモティアや母親が寝て退屈そうなヌーグの相手をして遅くなってしまったのでリュッサとフューリケと寝る。

 翌日、朝食後にユッミルはシャーネやベーニュにレヒーハやシウに呼ばれる。

 「この並びですか」

 「そうね。ユッミルはテーファを待つと言ったけど三人目よね?」

 「そうなりますね」

 「なら二人しかいない私達はそろそろよね?」

 「シウさんを認めるとレヒーハにフーニャも認めざる得なくなります。テーファさんも今回きりの例外ですし」

 「そう、分かったわ」

 「なら良かったです」

 「で、ユッミル。子供が一人しかいない私達はそろそろ良いわよね?」

 「そう来ましたか。ですが何かしらの区切りが必要ですので生まれそうなテーファさんとスーリの子供が出てきてからですね」

 「ダメなのね?」

 「後、十日ですね。ですがまあシャーネさんとベーニュは優先します。ただ、太ったらしませんよ?」

 「そういう事。それも良いけどユッミルはそう言いつつ子供育てないと大人と認めないみたいだし」

 「えっと、産んだからにはちゃんとしようという話だしちゃんと育てるなら人数は関係ないでしょう」

 「子供の事を気にしたら人数が少ないのが気になってきたのよ」

 「そんなつもりではなかったのですがそうなってしまいましたか」

 「それに服を着てるとユッミルが大人しくてつまらない」

 「そんなつもりはないですがとにかく少し待って下さいね。それにシャーネの待遇は悪くないつもりなのですけどね」

 「悪いとは言ってないわ。けど気持ちは言っておく」

 ユッミルは昼から店に向かう。コッテがお腹を膨らせながら寝ている。

 「育てる気も無い子供ができてしまってますね。ミューレさん、あなたの子は最低限接触しますが流石にコッテさんの子にまでは手が回りません。それでも構わないのですね?だから気が進まなかった訳ですが」

 「お任せします。基本は私達で世話しますよ」

 「では聞き方を変えますが父親には他の母親が十人以上いて子供も三十人近くいる。しかも自分はあまり相手されていない、あなたがそんな子供だとすればどう思います?」

 「母親がたくさんいて寂しくないと思うかもしれませんね。大丈夫ですよ、ユッミルさんを悪く言う母親は居ないでしょうし」

 「そうですね。ママ次第ですね。その点ではミューレさんは私に必死に拒まれたから心配ですね。まあそうされても私にはなす術無しですが」

 「ユッミルさんが私の事を嫌いと言ったら別ですけど仕事で頼れるから休まれると困るですし。愛の証として抱き合いますか?」

 「遠慮します。赤子の世話をお願いします」

 「いえいえ、世話はナーレさんに任せてます。ここも交代制ですね」

 「分かってますよ。私は仕事を手伝います」

 ユッミルは塔に向かう。ただ、食事が自立した子が増えており、ミルクだけの子は目に見えて減っている。少ない乳児であるノビュールのミルクの世話をする。ただ、半数はユッミルに隙あらば話し掛けるのでユッミルは積極的に応じる。

 「ネメッカ様、今日は泊まりますけど明日以降はテーファさんが近いのでこちらには来ません」

 「それはお誘いですか?」

 「あの、ネメッカ様は横に居て下さるだけで十分ですよ?」

 「はあ、あなたはそうかもしれませんが私は寂しいですね」

 「私は忙しいからそこまで感じませんけどネメッカ様は暇…な訳ないですよね。そもそもそう言われても困ります」

 「とにかくユッミルは子供と一緒になって私に甘えれば良いのです」

 ユッミルはその日はネメッカ、イーサ、ユーカと大人数の子供の世話をする。ユーカは時折抜けてその頃合いで団運営の話もする。

 「それでユッミルさん、例の件ですが家の建設が本格化しますよ」

 「えっと、もしや通学用の家ですか。早すぎません?」

 「直前まで待つ理由も無いと思いますが」

 「それはそうですがそれで用件は何ですか?」

 「はい、その家には光の団の側室だけでなく他の団の女性も交代で行くのですがどういう形式での派遣にします?サイクル自体は数日以上を想定していますが全員である必要はありません。子供の世話に積極的では無い女性は派遣しても仕方ないですし」

 「それに関しては基本的にそもそも新しい家に住む子の母親で回そうかと。当面は子供の選定もこちらで預かります」

 「人員の選定は元よりあなたに任せるつもりですし事前に聞いておこうと思っただけですよ」

 「それでしたら母親達との相談はまだですね。どうせならイーサさんも参加して話しても良いですよ」

 「明日は仕事なのですが夜は可能ですね」

 「お任せします」

 「ユッミル様、これまで度々断りなく色々決めて申し訳ありませんでした」

 「急にどうしました?」

 「どうすれば今後は信用頂けるでしょうか?」

 「もうしない事ですね」

 「やはり罰して下さい」

 「罰ですか。掃除とか雑用ですかね」

 「でしたら寝てる間に服を脱がせて好きに触って下さい。ユッミル様との触れ合いは歓迎ですけど勝手にやられたらどうかは分かりません。それに寝てる間に好き放題するのはユッミル様が上だと言う話になりますし。もちろん、服を脱いだまま雑用が恥ずかしくはありますがやらせているユッミル様の印象が悪いですし」

 「イーサさん、立って手を肩より下に下ろさないで下さいね」

 ユッミルはイーサの服の中に手を突っ込む。

 「これが罰ですか」

 「違います。側室相手にそういう罰は意味が無いと思いますよ」

 「それは違います。大事なのはあなたの立場が上という実例を体感してもらう事ですね」

 「あなたは私が勝手にやった事に不満なのですからそれは十分に罰になる筈です。ただ、これだけで許されたとはなりませんから」

 「今後やめて欲しいだけなのですが」

 「このままだと難しいでしょうね。罰と言えば私は体に自信が無いのでけなされたら嫌ですよ?」

 「それだと関係が悪化して余計にやるとかもありますし。罰全般そうですね。あなたの弱みを持ってませんし」

 「ユッミル様の退団は困りますよ?後は着替え等をユッミル様がやって子供扱いも十分ですね」

 「退団はネメッカ様や側室が居て無理ですよ。子供もできましたし」

 「それはこちらも同じです。そもそも勝手に決めてますが悪気はありません」

 「分かりましたよ。一応、寝てる間に脱がせますね」

 「ユッミル、私も構いませんよ?」

 「ネメッカ様、あなたが隣で寝てる時に何もしてないとでも?」

 「はあ、そうでしたね。抱いてはくれてますね。ですが勝手に脱がせた事はありません」

 「ネメッカ様が自分で脱いでしまうので脱がせる事にそこまでは」

 「そうですね。この関係を強く望んでるのは私ですし」

 「ただ、こちらにはネメッカ様を惹きつけられるものが無いですけどね」

 「そんな事は無いですよ。ただ、引っ込めて私を突き放す事ができないだけですね」

 「一度嫌われたらどうにもなりませんね」

 「大丈夫ですよ」

 ユッミルが子供を風呂に入れると子供は主導部屋に移る。部屋にはクグーウとレーティスとネメッカとイーサが残る。ユッミルは約束通りイーサを脱がせて体半分を乗せて抱き寄せる。その後に起きたイーサはユッミルの手をしっかり抱き込む。

 「イーサさん、何をやってるのですか?」

 「ユッミル様が手を出したので受け入れました」

 「罰なのですから嫌がるふり位はして下さい」

 「違います。私があなたの意向に沿う事を示したいのです。言う事を聞きます」

 「とりあえず服を着て下さい」

 「執務室で裸で仕事をしろと言えば従います。もちろん、階段では光で隠しますが」

 「もう良いです」

 「ユッミル様、困ります。私に魅力が足りず申し訳ありません。やはりどちらにしても服を着ないという罰を受けるしか。ユッミル様が着せるならば従わざる得ませんが」

 「分かりましたよ、着せますね。ついでに色々としますからね。流石にそういう姿ですし我慢してもらいます」

 「構いませんよ。その手が私にだけ伸びたら良いのですけどそうなるとこの団をやめる事も可能になってしまいますしね。残念です」

 「演技がお上手ですね。お手上げです」

 「そうですね。お互いに認めたら困りますよね」

 「とは言えネメッカ様の方が魅力的なのは間違いないですね」

 「ユッミル、そんな事を言っても騙されません。私にはかなり我慢してます」

 「起きてましたか。ですが先日、あなたが私を操って我慢をやめたらどうなるかは露呈したと思いますが」

 ユッミルはイーサを抱く。

 「そうでしたね。ですけど不満ですね」

 「分かりましたよ」

 ユッミルはネメッカを抱き寄せる。その後、ユッミルはイーサの服を着せ、ネメッカを着替えさせる。朝食後、三人は執務室で仕事をする。昼過ぎにユッミルは家に戻る。夕方、イーサが家にやって来る。イーサも含めてとりあえず夕食の卓に着く

 「シウさん、ネメッカ様は不在ですが少しお話が有りますので後で時間を頂けますか?レヒーハさん、寮の件ですので参加願います。リュッサさんは子供を抱きながら一応聞いていて下さい。他の参加者はユッミル様に任せます。行く人数が少ないならリュッサやケーシャを行かせますし多いならこちらに残します」

 「分かりました。テーファさんはあの状況ですし家に居ますので不参加の方が良い気がしますね」

 「ちなみに今回購入した家は水の塔に近く、水の団からも派遣があるので最低限の人員は確保できますからそこまで心配ありません。もちろん、昼間は火の団や木の団も協力してくれます。氷の団も手伝う可能性があります。とは言え世話自体は母親が望ましいですからお話をしに来ました。夕食後、お願いしますね」

 「えっと、ミーハさんが参加するという事ですか?」

 「はい、上の子を連れてミーハさんもムヒューエさんも参加するそうです。移動の負担は小さいので塔に戻る際は子供も一緒の様ですね。しかも水の団はサーナ様達の子育てを手伝う人員を確保しているのでその人達を回してくれるらしいですから心配ありません」

 「分かりました。とりあえず夕食を食べましょうか」

 ユッミル達は夕食を終える。子供達はメシャーナやマティッセに任せる。

 「皆さん、お時間を頂きありがとうございます。先程の話では全く聞いていない方は要領を得ないでしょうしまずは決まった事をお伝えしておきます。比較的年長の子供を持つ方にはお伝えしましたが昨今、この家は手狭です。しかし、何の意味も無く家を増やしても何の解決策にもなりません。もっとも今回の措置でも根本的な解決になるとはユッミル様は認めないでしょうけど。ところで年長の子供達は決定では無いものの通学を視野に入れる時期に入ります。しかし、ここは学校から遠い。そこで通学する子供を中心に学校に近い新居への移住を計画しています。家は既に確保済みです。そこで皆様には新居においても引き続き子供達の世話をお願いしたい。その相談を今回はしに来ました」

 「そういう事。私以外の古株には伝えたって事ね」

 「いえ、フーニャさんもまだですしユッホさんにも直接は話していません。特に口止めもしては居ませんが」

 「シウさん、私もまた勝手にやられてましたしこういう人ですよ」

 「まあ良いわ。ただ、私は一旦保留ね。ミリ君を預ける事も含めて。」

 「分かりました。確かに基本的にはあそこに子供を預けた親を中心にと考えています」

 「なるほど、私も参加した方が良さそうだな。うちのヌーグは多分、行かせた方が良さそうだし」

 「そうですね、ただ、長女なのですがシャーユちゃんは一旦保留でお願いします」

 「分かりました。メシャーナさんには元々ユッミルさんからお話しいただく予定でしたしね。ユンルク君とネミーク、うちのカノールは参加しますよ。いきなり大勢は困りますしヌーグ君は一度待機ですね」

 「というかほぼ決まっているではないか」

 「ええ、ですがユッミルさんの意向があればある程度変える事は可能です」

 「そうですね。母親ではない人に一人位は行ってもらいましょうか」

 「ユッミルさん、順番なのでできれば三人単位ですね」

 「その辺りは最終的にいつまでに?」

 「いえ、今回は大体の子供の数の把握が優先ですね」

 「でしたらこれで上手く行った感じですか?」

 「そうですね。ファッリーユちゃんやヌーグ君以降はとりあえず対象外なので」

 「それで寮?では何か教育をするのですか?」

 「ええ、そこはお任せ下さい」

 「もちろん、様子は見に行きますが」

 ユッミルはイーサとレヒーハにベーニュと子供達を風呂に入れる。

 「大きい子達は何処に住ませるの?水のに近いって事は氷も近いとか?」

 「ええ、氷にも少し近いですね」

 「私もユッミルさんが相手してくれないなら手伝おうかな?」

 「お任せします。相手はしますがお手伝いとは別問題かと」

 「相手してくれたらこっちに居つくわよ」

 「任せます」

 ユッミルはイーサと早目に寝る。翌朝、早くにユッホがノウォックとテルモを連れてやって来る。

 「ユッミル、おはよう。狩りに行かない?」

 「朝食が先ですが。それにターヒョさんをできれば呼びたいですね」

 ユッホは子供を置いてターヒョを呼びに行く。ユッミルはテルモと話す。ノウォックはユンルクに話し掛けている。ユッホはターヒョを連れて戻って来る。ターヒョにユッホにフーニャ、シャーネ、ベーニュ、エルネ、メシャーナにシャーユとノウォックにゴータムを連れて狩りに向かう。ユッホ母子以外は固定的な顔ぶれになっている。ただ、今回はユッホとターヒョとフーニャで狩ってしまう。メシャーナとベーニュにエルネとシャーネはユッミルと子供達を守る様な態勢を取っただけで三人で二匹狩ってしまう。ただ、ターヒョは不満げである。どうもユッホが派手に切ったので生き血がそこまで採取できなかったらしい。

 「ユッホさん、何かありました?」

 「今日は休みね。やる気だったのに」

 「そういう事ですか」

 「それで学校入れるの?」

 「その準備をするという話ですね」

 「ユッミルが世話してくれるの?」

 「毎日は無理ですしまだ分かりません。家は別なのは知ってます?」

 「聞いているよ。木の塔から少し近くなるそうね」

 「氷の塔からも近いって事?」

 「一番近いのは水の塔らしいですが何処なのでしょうね」

 「私も手伝おうかしら?」

 「それは構いませんが子供はとりあえず年長の子なのでボッティケは最初は対象外ですね」

 「そうね、年齢で切らないとね」

 「はい、そこで子供の世話をする利点は脱がなくて良い事ですね。風呂は入るでしょうけどそういう事はそこではしない事になってますので」

 「ユッミル、いずれは二人目を願いたいのだけど」

 「店に泊まる機会は今後も少ないままですが」

 「そっか、けど乾季は忙しいのよね。雨季にでも…」

 「雨季に作ると乾季後半に休む事になりますね」

 「そうなの?まあたくさんの子供を産ませてきたし私もそんな気はするわね。寒季の前半が良いのかしら?」

 「そうですね。その辺りが仕事面の影響は小さいですね」

 「ユッミル、例えば今日できたら生まれるのは?」

 「寒季の後半ですね。しませんけど」

 「十日間ずるずる伸ばすと寒季終盤なのね。さらに伸びると乾季の真ん中になって来そうね」

 「ベーニュさんが抜けても問題ありません」

 「子育てまだまだよね」

 「レヒーハさん以外は大差無いですよ」

 ユッミルが帰宅すると多数の大人で多数の子供の世話をする流れになる。イーサは帰っていないどころかフェノが居てカノールを連れてきている。

 「ユッミルさん、少し遊びましょう」

 「構いませんが」

 「まず、十個のカードが書かれた板があります。母親がユッミルさんに知られない様に一つ選びます」

 「親子対僕なんですね」

 「ユッミルさんはそれがどんな感じの者か二択で質問して下さい。親子で相談後に子供が答えます、三回以内に当てればユッミルさんの勝ちで母親がユッミルさんに体を触られます。膝から下とか肩より上だと母親を女として見てない判定で失礼なのでおやめ下さい。ではまずは私達から。流石にカッサちゃんより下の子は無理でしょうしやめましょう。選びましたので質問をお願いします」

 ユッミルの前には剣、りんご、獣、家、石、杖、氷、毛皮、お金、塔という言葉が並んでいる。

 「大きい?赤い?」

 イーサはカノールとユッミルに背を向ける。エルネが遮音していく。

 「剣って大きい?赤い?」

 「うーん、分からない」

 「そうね、どちらも少し関係ないわね」

 「大きい剣と赤い剣、どっちが好き?」

 「赤いの」

 「じゃあパパに赤いって言おうか。エルネさん、もう良いわ」

 「赤い」

 「りんご?いや、大きくは無いとしか分からないか。塔は無さそう。氷や獣も赤くないしあれ?家は赤いのもありますね。剣も見ませんね」

 「言い忘れていましたが大事なのは子供のイメージは大人と違います。それにどちらにも当てはまらない場合は適当に質問も変えます」

 「イーサさん、まさか。剣ですか?」

 「はい、正解です。ユッミル様には後で触ってもらって構いません。恥ずかしいですけど仕方ありません」

 「あの、子供の教育ですよね?」

 「それはそうですが私の子が長くという趣旨ではないですね」

 「嫌なら触りませんよ」

 「ダメです。次の方は?」

 「私達かな?けどユッミルって音は大した事ないの?聞けないの?」

 「聞けると思いますよ。ですが嫌なのですか?」

 「相手にされないよりは良いかな」

 「ユッホさん、聞きませんしあなたが来ないだけです。最近は子供の増えすぎが気になるだけです」

 「じゃあ行くよ、触りたかったら聞いて良いからね」

 「聞きません。じゃあ質問ですね。固いですか?輝いて…眩しいですか?」

 「ノウォック、氷って固い?」

 「うーん?こーり?」

 「一度解いて。子供が答えられない場合は?」

 「負けですね」

 「これは負けね。選択を間違えたわ」

 「ではユッミルさんの元に居ましょうか」

 「次は私達」

 「じゃあシャーユには僕からルールを説明する。シャーちゃん、ママから教えられたものがどんなものかパパに教えてね。でも何かは言ったらダメだよ」

 「パパ、何かを教えて欲しいの?」

 「ううん、パパが聞いた事をどっちに思ったか答えて欲しい。どっちだと思うかだけ教えてね」

 「ユッミル、それはどういう事?」

 「ママはシャーユに何かを教えてあげてね」

 「良いわ。シャー、石よ。パパに教えてあげて。良いわよ」

 「シャーちゃん、それは長い?それとも固い?」

 「固い」

 「氷だね」

 「違いますね」

 「じゃあ高い?それとも赤い?」

 「うーん」

 「塔だね」

 「ユッミル。シャーちゃん、言っていいよ」

 「じゃあ固い?それとも丸い?」

 「うーんと丸いのあるよ」

 「りんご」

 「残念ですね」

 「ユッミル」

 「負けだね。残念。けどメシャの事は触ってるしメシャはイーサおばさんと違っていつでも触って良いよね?」

 「もちろん、そっか。こんなゲーム、関係無いよね」

 「ユッミルさん、きちんとやって下さい」

 「いえいえ、万一触る際に脱ぐとかがあった場合を考えただけですよ」

 「私も参加資格はあるの?」

 「シウさんはゲームに勝てないと触らせてくれないのですか?」

 「いえ、いつでもどうぞ。でもユッミルが嫌なら今回は遠慮するわ」

 「だったら私だな」

 「ただ、今回は勝ちに行く。息子の賢さを知らしめる方がユッミル殿の評価は上がるだろう」

 フーニャは家を選ぶ。

 「固い?それとも高い?」

 「ヌーグ、家は高いか固いだとどっち?」

 「高いと思う」

 「じゃあパパにもそう答えよう。ただ、家って言ってはダメだぞ」

 「高いだよ」

 「お金、剣、石、氷は無いね。りんごと無さそうかな。毛皮?」

 「違うがユッミルに有利過ぎるね。これは」

 「そうですね。基本的には触れ合いを面倒がるユッミル様にやらせる為ですし。ただ、ユッミル様の戦法が予想以上に巧妙というか選択ミスですね」

 「柔らかい?それとも多い?」

 フーニャは家の事だと耳打ちする。

 「じゃあ多い」

 「もしかして家ですか?」

 この後、ユッミルはリュッサにも勝つ。

 「ではお楽しみは夕食後ですね」

 夕食後、ユッミルは母親と子供を風呂に入れる。その際に促されて順に胸を撫でる。そうすると全員が判で押した様にユッミルを抱く。

 「リュッサさんもお気遣いありがとうございます。ただ、気遣わせて恥ずかしい」

 「今は遠慮してますけど本当はゆっくり抱き合いたいのですよ」

 「そうですね」

 ユッミルはイーサにリュッサとフーニャと子供達と寝る。

 翌朝、ユッホは既に帰っており、朝食後はテーファ達を見舞いつつも子供の世話をする。昼食後はテーファの落ち着きを見て少しだけユンルクとルドーハを連れて塔に向かう。塔に二人をイーサに預けると事務所に向かう。小規模な案件をこなす。夕方、ユッミルはベーニュにレヒーハ、シウ、フーニャ、ソヨッハ等と庭でトキホ、ユンルク、ミリット、シャーユ。ヌーグに杖を持たせてみる。トキホ、ヌーグ、シャーユは少し術が使えるらしい。ヤーチェにトキホを抱かせてクグーウを膝に座らせる。もう片側はベーニュ母子が座って夕食を食べる。風呂はシャーネ、シウ、フューリケと子供達を風呂に入れる。シャーネとシウが交互にくっついてくるので相手をする。その日は遅くまで起きてケーシャ母子、デュテセ、マティッセ、等の夜起き組と話をする。クグーウとルドーハの兄妹は寝てしまうがカッサとファッリーユはユッミルにくっつく。

 翌日、ユッミルは子供の世話に追われる。レヒーハとリュッサは買い物に向かう。ソヨッハ、フーニャ、シャーネ、メシャーナ、チェーハ、は狩りに向かう。どうもイーサの差し金でフェノが派遣されるらしい。ユッミルはヤーチェ達と留守番して子供の世話をする。ユッミルは早めに昼食の用意を始めて子供達に手伝わせる。シャーユは簡単な作業ならできる様になっている。先に買い物組が帰って来る。ユンルク等をリュッサに任せてユッミルはヌーグとルドーハに見せる方に切り替えて下ごしらえを済ませる。狩り組を待つという名目で子供達の世話に切り替える。程なく狩り組が帰って来て少し肉が加わって昼食ができたので食べる。その後は子供の相手をしてメシャーナとシャーネに誘われて昼寝をする。ただ、寒季の休暇に比べれば子供の頭数は減っている。光の側室の子等が減ったのもあるが何人かは療養所組にも興味を示している為だ。更に大人が減った上にテーファやスーリが長時間寝ている為に家の手狭さも若干改善されている。

 翌日はテーファを見舞っていたがたまたまスーリが起きたので少し話すつもりが長引く。その間、クグーウやニーフェとトキホはユッミルに体を預けて大人しくしていた。スーリが寝ると子供達の相手をしながら昼食も食べる。ネメッカがネミークを連れてやって来るが指揮所について話しに来ただけで夕食前に塔に戻っていく。ユッミルは事務所での夜向きの案件をこなし少し遅めに帰る。子供達は既に風呂を終えていたので帰る時間が合ったソヨッハと夕食や風呂を共にする。夕食はメシャーナやシウ等も待っていて一緒に食べる。

 翌朝、早くにケーシャに起こされてテーファの様子を確認してから指揮所に向かう。辛うじてまだの様だ。魔族の動きは少し纏まりに欠ける。ポッフェはいないが水の幹部であるイーナと情報を交換する。ただ、お互いにそこまでの成果は無かったらしい。要するに見解がほぼ一致した訳だ。

 帰宅すると昼食後にテーファを見舞う。たまたまテーファは起きている。

 「大丈夫ですか?」

 「少ししんどいけどね」

 「ですが三人目、生まれた後も大変そうです」

 「けどファーちゃんはユッミル君に懐いているしそれに新しく立つ家にはファーちゃんも住む予定だから」

 「もちろん、ユッミル君がファーちゃんを手元に置きたいなら連れ回しても良いわよ」

 「時折は連れ回しますよ」

 ユッミルはテーファがしんどそうなので早めに会話を切り上げる。ファッリーユ、ユンルク、シャーユ、ヌーグをリュッサとメシャーナを連れて散歩に出かける。

 「シャーちゃん、向こうには面白いものがたくさんあるよ」

 「パパは向こうに行きたいの?」

 「いや、パパはママと一緒が良い」

 「シャーも」

 「けどママのいう事は聞いた方が良い」

 「じゃあどうしてシャーと手を繋いでママを抱かないの?」

 「寝る時の話だよね?」

 「うん」

 「それは寝る時間が違うからだよ」

 「ママは胸を枕にして一緒に寝たいって言ってた」

 「メシャ?どういう事?」

 「えっと、聞かれてたのね。私は一緒に寝れなくても一緒に居れれば良いと思ったから言っただけで本気じゃないから。ユッミルも了承しないだろうし」

 「そうだね。メシャがしんどいだろうし」

 「えっと、座る感じで寝てくれたらしんどくは無いよ?」

 「それだと腰が落ち着かないし難しそうだね」

 「でしたらメシャさんが寝てる上はどうですか?」

 「メシャが寝れない事に変わりは無い」

 「それとは別ですけどユッミルさん、子供だけじゃなくて女性とも同時にたくさんと一緒に寝た方が良いですよ」

 「三人が限界だろう。流石に敷布団にされたい子はいないだろう」

 「それはそうですけど私も含めて気が向いたら脱がせてくれて良いのですよ?」

 「リュッサさん、外ですよ?」

 「人はそこまでいませんし」

 「分かりましたがこちらはもう少し脱げませんよ?」

 「いえ、その、むしろこちらこそあんなに女性が多数いるのに一人も脱がない日があって申し訳ないです」

 「子供の教育もありますし」

 「ですが声と目は遮れますよね?」

 「それはそうですが」

 ユッミルはその日、子供を寝かせるとリュッサと部屋の端で落ち合ってリュッサを脱がせて触れ合う。ユッミルはリュッサを抱いて眠る。

 「ユッミル、それはどういう事?」

 「シャーネ?朝からどうしたの?」

 「まずは目を開けて」

 「ああ、そうだった」

 「ユッミルさん、そのまま抱いててくれるなら私が何とかしますよ」

 「ならお願いします」

 「あなた、抱くのは良いけど独占は駄目よ」

 「ユッミルさんを誘う方がいれば一緒に抱かれましたけど誰もいませんでしたし」

 「朝になったら離しなさいよ。そもそもユッミルも公平に誘いなさいよ」

 「あなたはユッミルさんに甘えてるだけ。やー、ユッミルさん」

 「ありがとう。リュッサさんを困らせて満足したから起きるよ」

 「そこを攻めるのは良いですけどそれならユッミルさんも脱いで下さい。今度で良いですが」

 「リュッサ、服を着ててね。で、シャーネ。もしかして抱いて欲しいの?じゃあさっさと脱げば?」

 「うん、そうするね」

 「シャーネ、そこは焦らすのが大人の女だよ?」

 「ユッミル、私は知ってるよ。そう言いつつも気持ち良さそうだし」

 「それは否定しないけど。まあこの関係はシャーネが飽きたら終わりだから焦らさないといけないのはこっちだしね」

 「何を言ってるかは分からないけど二人目の子供も欲しいって思う位にユッミルの事は気に入ってるわ」

 その日の午後、テーファは一時的に呻くがしばらくして収まる。ユッミルは夕食や子供を風呂に入れながらもテーファを気にしている。シウとレヒーハが子供達を世話しつつユッミルを抱きながら寝たいと申し出たのでそうする。ケーシャが起きてきて何かあれば起こすと声を掛けてくれたのでユッミルはテーファを気にしながらも眠っていく。

 翌日の昼過ぎ、テーファは踏ん張り始める。ユッミルは時折声を掛けていたがしばらくしてテーファがユッミルの手を握る。ユッミルは少し喜んでしまうが気を取り直して軽く握り返す。

 「ユッミル君、そろそろよ」

 ユッミルは慌てて足元に回る。

 「もう大丈夫ですよ」

 ユッミルは自分の発言を訝しみながらも待つ。

 「じゃあ行くね」

 「分かりました」

 ユッミルは赤子を取り上げる。女の子の様だ。

 「ユッミル君、揺らしてあげて」

 「ああ、はい」

 赤子は産声を上げる。テーファは座っており、ユッミルに隣を促す。

 「ユッミル君、私が抱くから服ね」

 レヒーハに服を渡される。テーファと赤子に服を着せる。ファッリーユがユッミルに突っ込んでくる。

 「あっと、少し待って」

 「ファーちゃん、そうよ。パパの方が優しくしてくれるわ。その調子よ」

 「分かりましたよ」

 ユッミルはファッリーユ等の年長組の世話に戻る。

 

 

 

 

 

 

 

 


3節 新居


 夕方、ファッリーユとクグーウとニーフェがユッミルに張り付いているとトキホもくっつく。会話をしているとユンルクにヌーグも参加してくる。夕食もファッリーユとユンルクを両脇にして辛うじてクグーウを抱いている。ユッミルの世話は年長組が多い都合上、通学予備軍率が高くなっている。風呂もシャーユとユンルクは少し時間が伸び、交代しない様に要求する。

 翌日、イーサがカノールを連れてやって来る。

 「家はほぼ完成ですね。引き渡しまでは数日ありますしその後も準備しますので少し先ですがそろそろですので報告に来ました」

 「そうですか。それでどうしました?」

 「ああ、何人位住むのかなと」

 「えっと、ネミークとカノールはお任せしますが基本的にはユンルク、ヌーグ、ファッリーユ、ノシャフス辺りですので6人ですかね。ユッホさんやミーハさんの意向は未確認なのですが」

 「そうですね。ユッホさんの所のノウォックは来ますし水の長女二人も来ます。ただ、水の子達は学校には行かないそうです」

 「それはそうでしょうね。」

 「大体わかりました。10人位と計算しておきます」

 イーサは女性陣と談笑を始める。しばらくしてカノールが寄って来る。

 「どうしたの?」

 「パパと話したい」

 「良いよ。パパはママの仕事、どう思う?」

 「頑張ってるよ。僕に難しい仕事をさせるけど」

 「ママはね、パパを頼りにしてるって」

 「ちょっとママ…イーサさん、姑息ですよ。子供を使うなんて」

 「両親の仲を取り持とうと自発的にやってるんですよ。私はあなたが私が自分は楽していると難癖を付けて襲ってくれても構いませんよ?」

 「それで子供を使ったんですか?」

 「いえ、私が今の地位にいる理由を問われまして光の団の実質的な統率者を白状させられました」

 「ああ、私だと嘘をついた訳ですね」

 「そんな事はありません。あなたは私を追い出せます」

 「それならこちらが出ますよ」

 「側室達を放置して?しかも団の上層部を脱がせて従わせてるのに?」

 「フェノとルーエは違うでしょう」

 「ネメッカ様と私とあなたが決めた事を誰が覆すのです?」

 「少なくとも子供にはネメッカ様が一番上と言って下さい」

 「ですがネメッカ様のユッミル様への気遣いぶりを見て信じますかね?」

 「そう言えばそうだとしてカノールはどうして光の団の上層部に?」

 「私の後を継ぐ気みたいですね」

 「なんて気が早い」

 「子供ですし。そういう訳なので課題をあげて下さい」

 「そうですか。いきなりは少し困りますね」

 「簡単な事で良いのです。おいで、カノール」

 「じゃあカノール、ママはパパの何が嫌いだと思う?今度探しておいてね」

 「ああ、ユッミル様。直してくれるんですね」

 「そうは言ってません」

 「うーんとね」

 「えっ」

 「ママがパパにお願いしてる時は嫌いそうだよ」

 「ママはパパに悪いお願い事をして僕が断ってるからだよ」

 「ユッミルさん」

 「でもパパ、聞いてあげてる気がするよ」

 「えっと、ママは怒らせたら怖いから聞いてるけどそれは他の人には内緒ね」

 「分かった」

 「ユッミルさん、別の課題をお願いします」

 「分かりましたよ。そうですね。どんなのが良いでしょう?」

 「学校に行く訳ですし他人と上手くやる為の課題ですかね?」

 「相手を知るですかね?でしたら妹の好みを探るのはどうでしょう?」

 「ではお願いします」

 「何を?」

 「ユッミル様がカノールに課題を出して下さい」

 「ああ。カノール、サテーラちゃんは分かる?」

 「ママの妹だよ」

 「ママ」

 「すいません。どうにもここだけは理解されません」

 「妹の好きな事を見つけて教えてくれる?ママと一緒にね」

 「つまり、十日程の期限付きですね」

 「知りませんよ。とにかく頑張ってみて」

 「うん」

 ユッミルはその日、イーサ、ベーニュ、レヒーハと子供達を風呂に入れる。

 「イーサさんは着なくて良いので奥で待ってて下さい」

 「分かりました」

 「私の前で」

 「あなたとは相手してますよ」

 「私は子供の相手が忙しいですけど誘ってくれても良いのですよ?」

 「分かってます」

 ユッミルは子供を寝かせると部屋の奥に向かう。

 「イーサさんも服を着てないと良い具合に弱くなってやっと互角ですね」

 「服を脱げと命じたという事はそういう事ですし普段から甘えると鬱陶しいでしょう」

 「確かに困りますね」

 「それなのにユッミルさんは私が姑息な事を考えてると文句ばかり」

 「やはり弱くなってませんね」

 「本当は、そんな事をしなくても弱い、ですけど。体裁すら無くなって、恥ずかしいですね」

 「そうですか。でしたらそれが私がネメッカ様に遠慮する理由ですので気が向いたら教えてくれても良いですよ」

 「ネメッカ様も余裕は無いですよ」

 「ですが体裁はあります」

 「そうですね。そもそもあの人はユッミル様と絡みたいだけであなたに嫌われなければ自分の見た目なんてどうでも良さそうですし。それより今は私ですからね?」

 「分かってますよ」

 ユッミルはしばらく触れ合うとそのまま眠っていく。ユッミルは目を覚ます。

 「ユッミルさん、まずは服を持って来て下さい。子供の教育に悪いので私の体を隠しながら着せて下さい」

 「ええ、構いませんよ」

 ユッミルはイーサの服を拾って戻って来る。特に誰も不満は無さそうだ。

 「ありがとうございます」

 ユッミルはイーサに服を着せると朝食を食べる。やはり子供達が寄って来る。

 「テーファさん、体調はどうですか?」

 「大丈夫だけどこの子が心配ね。少し大人しいから」

 「ああ。どうですかね?特に病気には見えませんが」

 「うー」

 「ん?飲み回しはできないから。少し待って」

 ユッミルは赤子抱く。

 「あら。ユッミル君、世話してくれてありがとう」

「いえまあ娘ですし」

 朝食後もテーファの次女を世話する。

 「ユッミル君、好かれてるわね」

 「ですけどこうなるとテーファさんに手が出せません」

 「手を出したいの?お腹、まだ少し太いけど」

 「そうですね、そこまで関係ないですね。テーファさんとかネメッカ様とかエコさんとかは少し太っても問題無いですね」

 「ありがと。だったらこの子には寝てもらうわね。ユッミル君、やり方は昨日の夜と同じ」

 「そうですね」

 ユッミルはテーファの次女を含む何人かと一緒に寝転がる。全員が寝るとリュッサに任せてユッミルは抜け出す。

 「じゃあどうぞ」

 「その、今回はこちらは脱がないで良いですか?」

 「うん、最初からそのつもり」

 「ありがとうございます」

 「だから脱がせてくれて良いよ」

 「ではお願いします」

 ユッミルはテーファをゆっくり脱がせてゆっくり甘えて触っていく。

 「ユッミル君、私はママじゃないよ?」

 「えっと、そこまで胸を触ってるつもりはないですけど」

 「撫でてるだけ。甘えてるだけだから」

 「テーファさんのをしつこく触ってますけど子供にしか感じませんか」

 「悪くは無いけどもう少し激しくても良いわよ?」

 「これでも限界なのですが少し頑張ります」

 しばらく触れ合うとユッミルは風呂に入る事にする。

 「シウさん、沸かしてくれません?」

 「じゃあ昼食が終わったらユッミルだけが脱いで遊ぶなら良いわよ」

 「うーん、分かりましたよ」

 ユッミルは体を洗うとテーファ、ファッリーユ、ミリット、シウと風呂に入る。ユッミルは一度服を着て昼食後に部屋の奥で服を脱いでシウを待つ。

 「さて、しましょうか」

 シウは服を脱ぐ。

 「シウさん」

 シウはユッミルの手を取って腰を触らせる。ユッミルが確認すると腰には布切れを付けているらしい。

 「これで良いわよね?」

 「それはそうですが。でしたら」

 結局、ユッミルはいつも通り触っていく。周囲の視界を遮ると布団を剥がす。

 「あら。この服はユッミルが着ろと言ったから着てるだけだから私としては外してくれて良いわよ。まあ期待はしてないけど」

 「外したからと言って子供を作る方に向かないとしても?」

 「もちろんよ」

 ユッミルは布に手を掛ける。シウは反応して表情が歪む。

 「その」

 「ユッミル、ごめんなさいね。前にも言ったけどもう余裕は無いの。君を気に入っちゃったからね」

 「大した男じゃないですよ」

 「良いから早くして」

 「十分可愛らしいのでこのままにします」

 ユッミルはシウの腰を抱きながら口を重ねる。

 「私もあなたを抱き寄せていい?」

 「子供は駄目ですよ?」

 「けど例の新しい家に子供が移り始めたら良いわよね?」

 「そうですけど最初はこの家に来るのが少し遅かった人達ですよ?少し待って下さいね」

 「分かったわ。正直言って布を取って攻められたらもう余裕無いからその方が良いわよ」

 ユッミルはシウの勧め通り取り去るとしばらく攻めていく。ユッミルはやりすぎたと思って了承も得ず服を着せる。

 「シウさん?」

 「ユッミル君、好き」

 シウはユッミルにくっついている。テーファも寄って来る。ファッリーユもクグーウも寄って来る。ユッミルはユンルクやトキホと話すがシウは無視して抱きついている。レヒーハも子供を連れて寄ってきて大人数で子供達と遊ぶがシウは無視している。

 「こういうシウさんは可愛らしいですけどそろそろ戻しますか」

 ユッミルはソヨッハに譲られたきつけ術を魔石で使う。だが特に効果は無い。

 「ユッミル、どうしたの?」

 「シウさんが変な気分になってるみたいなので戻そうと思って」

 「ふーん、ユッミルは私にもそれを使わないの?」

 「シャーネは元からだし何も変わらないよ」

 「そういう事だと思うけど」

 「シウさんはこういう人ではないと思うよ」

 「そうじゃなくてもうユッミルに甘えたくなってきたって事」

「そうだとしたら?」

 「ユッミル、私にはずっとは脱がない様に言い聞かせたわよね?」

 「そうだったね」

 「ユッミル、どうしたの?」

 「シウさん、子育てはして下さい。それにずっとくっつくのは他の方との事があります」

 「ダメかしら?」

 「難しいですね」

 「ユッミルが離れてって言ったら離れるわ」

 「シウさん、元の感じに戻らないと誘えなくなるかもしれませんね」

 「ユッミル、後で寝ましょうよ」

「ですからもう少し待って下さい」

 シウはユッミルの顔を胸元に抱き寄せる。

 「嫌ね。脱ぐのはやめてあげるけど」

 「子供達が見てま…ミリット」

 「パパ、何?ママと仲良くしてて良かったね」

 「ミリットもママと仲良くしたいよね?」

 「うん、なかよし」

 ユッミルはシウを抱き寄せて長女のツグミの所に向かう。

 「この子の世話をしましょうよ。最近、どういう感じなのですか?」

 「仕方ないわね。這う位でそこまで話せないわよ。まだ一年も経ってないし」

 しばらくして疲れ果てたユッミルはメシャーナを呼んで抱いて寝る。背中はシャーネ母子が陣取っている。周りには数人の子供が寄ってきてユッミルが寝た後も増える。ユッミルが目を覚ますとユッミルが抱きしめている相手はシャーユに変わっている。

 「シャーちゃん?」

 シャーユは眠っている。シャーユを抱くとメシャーナの所へ行く。

 「何?」

 「危ないでしょ」

 「何が?」

 「メシャと違って小さいから抱き込みすぎて息苦しいでしょ」

 「シャーユは気持ちよさそうに寝てるけど」

 「それはそうだけど危ないからね」

 ユッミルはコトマとテーファ母子を両脇に夕食を食べる。

 「そろそろこの子の名前、お願いできないかしら?」

 「そうでしたね。ただ、テーファさんが名付けても良いと思いますが」

 「ユッミルがそうしろと言うならそうするけど」

 「女の子の名前も付けすぎてますしね。少し待って下さい」

 「ユッミル、良い名前があれば先に私達に教えてくれても良いわよ?」

 「できたらしてます。そうですね、ロラフィエはどうでしょう?」

 「うん、そうしよう。ロラフィエ、良かったね」

 「ユッミル、私の名前も付けてよ」

 「シャーネはシャーネで良いよ」

 「この名前、親に付けられた名前でも無いし」

 「そもそも名前を考えるのに困ってますしそれにあなたは私に父親になって欲しいのですか?」

 「それなら罰として裸で反省するまで立っておくとか命令できるわよ」

 「シャーネさんは寝てる間に私の顔を蹴るとか娘に私を襲わせるとか言う卑劣な悪事をするのですか?」

 「とにかく名前はユッミルが付けても良いわ。というかユッミルがある日急に呼び名を変えても気にしないから気が向いたら名前を付けてね」

 「父親だと娘と子供は作れませんね」

 「私の体なんて好きにすればいいのに。どうせ振る舞いは可愛くないのでしょ?」

 「すぐに可愛くはならないかもしれないし気にしなくて良い。それにそんな簡単な話ではないよ」

 「そうね、少し焦りすぎたわ。今回は誤魔化されておくわ」

 ユッミルは夕食後、シャーネとレヒーハにテーファと子供を風呂に入れる。三人と少し風呂で触れ合う。

 「で、そろそろ解禁よね?」

 「そうですけど急かさないで下さいね。いずれは相手してもらいます。とは言えしてしまったらいずれは休んでもらう事になるのでもう少しこのままで居たいですかね」

 風呂から出てユッミルが服を着るとシャーネは服を脱いでユッミルを部屋の隅に連れて行く。

 「ユッミル、子供はしばらく良いから一緒に寝よ」

 「どうしたの?」

 「私と触れ合って寝るのは嫌なの?」

 「そうは言ってないけど」

 シャーネはユッミルを頬に胸が当たる程強く抱く。ユッミルも抱き返す。

 「ユッミル、やっと好きに触ってくれたわね」

 「シャーネの体に魅力が無いと言った事は無いけどね」

 「私はユッミルにほぼ警戒してないけど警戒して恥ずかしい反応をした方がユッミルは嬉しいの?」

 「どうだろうね。シャーネこそ僕が飛び上がって喜ぶ方が嬉しいの?」

 「そうね。じゃあ」

 「ん?おい」

 「聞く、前にやれ、って話よね」

 「シャ」

 「ど、どうかしら?恥ずかしいけど子供と思われるよりはましね」

 「シャーネ、分かったけど大人と見たら手加減できないよ」

 「か、構わないわ。ちょっと息苦しいけど悪い気分ではないわ」

 ユッミルとシャーネは激しく触れ合う。シャーネが眠ってしまったのでユッミルは抱いて寝る。

 「シャーネ、離れて」

 「嫌よ。もう少しだけ」

 「大人の女は朝起きたらいつの間にか服を着て昨日の事が忘れられない男を焦らしながら待つんだよ」

 「嫌よ。ユッミルはそう言って次の女に行くし」

 「それはそうだけどそれでもそっちの方が良いよ」

 「それはユッミルの都合でしょ?」

 「シャーネは次もしたいって思われたくないの?」

 「思わなくてもやれば良いでしょ?」

 「流石に朝は困るよ」

 「分かったわ」

 ユッミルは朝食をさっさと食べるとスーリの様子を見る。シャーネに抱かれながらも様子を見ていた時に近そうだったので今度は寄っていくがやはりかなり近そうに感じる。それを見た数人の子供がユッミルに寄って来るがお行儀よく静かにしている。しばらくしてスーリが気づいて話すが気遣わせてると思い、子供達と少しだけ距離を取って遊ぶ。昼食はスーリを気にしつつもゆっくり食べていく。

 「ユッミルさん、ありがとうございます。そろそろですね」

 「そうですか。頑張って下さい。気が散るなら離れ…」

 スーリはユッミルの手を取って腰に添えさせる。その手をスーリが軽く握る。しばらくしてスーリはユッミルの腕を握りながら踏ん張り始める。子供がある程度出てくると表情が緩んで手を離す。やはりユッミルが取り上げる。男の子らしい。

 「特に問題も無さそうで良かったです」

 「かなり元気ね。安心するわね」

 「スーリさん、大丈…寝てる?」

 「そうらしいわね。分かるわ。ユッミル相手に警戒するのは馬鹿らしいしね」

 「どういう事ですか」

 「私が裸で寝たとしてミリットとかに乳を弄られる以外に何か問題あるかしら?」

 「勝手にされても問題無いと?そう言ってても実際にそうなったら分かりませんからしませんけど」

 「はあ、別に寂しそうだからしてやった。感謝しろよと言ったら感謝してあげるのに」

 「私も見劣りしない体なら脱いで寝るのも手なのだが」

 「フーニャさん、服を着てる方が気軽に抱けるんですよ」

 「そう言うなら抱いてもらおうか」

 「ええ、良いですよ」

 「ふーん、でも騙されないわ。今は赤ん坊がいるしどっちにしろ関係ないけど」

 ユッミルはスーリの息子の世話をする。その後はミルクを上げるので母親達が他の乳児と共に連れていく。ただ、しばらくするとユッミルが呼ばれてユンルクとシャーユに乳児へミルクを飲ませる方法を教えさせられる。

 「ユンルクはそろそろ向こうですけどね」

 「そうね。でも悪い事じゃないわ」

 「お任せします」

 早めの夕食後はユッミルは探偵事務所の夜案件をこなす。仕事を終えると指揮所近辺をうろつくソヨッハがいたので少しだけ話す。そして、本来の目的であるチェーハの様子を伺うとやはり眠そうだったので早めに引き上げさせる。ユッミルが抱くとすぐ寝てしまう。

 「ごめんなさい。私達が物足りないから少女を連れてきたのね。返してきなさい」

 「シウさん、そういう冗談はおやめ下さい」

 「それでこの後はその子の服を脱がせて遊ぶのでしょう?」

 「シウさんも疲れてませんか?気を付けないとあなたこそ遊び甲斐があるので気を付けた方がいい」

 ユッミルはたまたま起きてきたカッサとチェーハの食事の世話をする。

 「眠いわね。風呂はまだなのに」

 「適当に洗ってあげるので寝てて良いですよ。体の隅から隅まで洗ってあげます」

 「ふーん、楽しみね」

 ユッミルはチェーハとシウの髪に手足と肩に尻を洗う。シウを持とうとする。

 「面倒だからって腰回りも洗わないと駄目よ。胸に至ってはいつも好き放題触ってるのだから確実に怠慢ね」

 「いえ、ねえ。その態勢だとやりにくいですけど流石にそういうとても恥ずかしい姿勢はね」

 「眠いし早くして欲しいからやって」

 「やらせておいてあれですけどその感じは評価急降下ですよ?」

 「あら?つまり、私の体を深く考えずに使う気になったという事かしら?」

 「では行きますけど大人しくお願いします」

 「膝に乗せてるけどもらっていいの?」

 「シウさんにはたくさんの恥を見られてるのでそんなのは大した事はありません」

 「私の方がだと思うけど」

 ユッミルはシウの残りをしっかり洗うとチェーハのも軽く洗う。シウとチェーハをしっかり抱えて風呂に入る。

 「シウさん、くっついて良いので起きてくれますか?」

 「仕方ないわね」

 シウはユッミルの真横にくっついて両膝で挟む。

 「シウさんは流石ですね。良いって言ったし文句は無いですが」

 「あなたの手を引き込んで服を捲らないように踏ん張る為に色々と掴ませようとするネメッカに比べたら大した事は無いわ」

 「そこまででは無いですよ。腰を掴む位はさせてくれます。狙いはそっちですよ」

 「シウさん、先にチェーハさんの服を着せましょうか」

 「そうね」

 ユッミルはシウと部屋の隅に向かう。一応、姿をぼやかしていく。

 「さて、今回も子供は困るのでこうしましょう」

 「あら?そんな小さな布に」

 「僕がもう少し待ちたいだけなので。シウさんは気にしませんよね?」

 「そうだったわね」

 ユッミルはシウとゆっくり触れ合う。

 「激しいとシウさんのペースですしゆっくりですが困りますか?」

 「少し手慣れてきたわね。少し寂しいわ」

 「ですがそこまで余裕は無いですし」

 「あら?外しても良いの?」

 「少し物足りなくなってきたので」

 「私の意思じゃないけど隠してしまってたのが外されると思うと少し恥ずかしいわね」

 「そう言われると簡単には外したくなくなってきますね」

 「困ったわね。さっさとして欲しいのだけど」

 「今日はゆっくりなので」

 「もう、いい加減に、認めなさいよね。優位なのは、君よ」

 「ただ、そろそろこれの意味がなくなるので終わりましょうか」

 「はあ、やはり余裕ね」

 「あなたがそう仕向けたのでしょ」

 「そうね。その方が良いし」

 ユッミルはシウを抱いて寝る。翌朝もシウと少し触れ合ってから子供の世話に戻る。昼食はファッリーユとヌーグを両脇に食べる。

 「テーファさん、少し良いですか?」

 「どうしたの?」

 ユッミルはヌーグをフーニャ達に預ける。

 「今夜、お相手をお願いしたいのですが」

 「構わないけど向こうでする?」

 「それが良いですね」

 「じゃあ先に行って家の事をしておくからファーちゃんを連れて夕食少し前に来て。少し早目でも良いけど」

 「分かりました。ファーちゃんはお利口ですしね」

 テーファは先に家に帰る。ユッミルはしばらくファッリーユやカッサにユンルクと遊ぶとファッリーユを連れてテーファの家に向かう。家に着くとファッリーユと掃除を手伝う。夕食前にテーファは先に風呂を沸かし始めて夕食も作る。夕食を終えるとファッリーユと三人で風呂に入る。

 「ユッミル君はゆっくりしてて良いよ」

 テーファはファッリーユを寝かせる。ユッミルは頃合いを見て風呂から出る。

 「良いですか」

 「もちろん」

 「それで今回は服を着てきますね」

 「そうだったね。子供ができたら困るんだったね」

 「そうですね。ただ、しばらくしたら一度忙しくなるのでその前には普通にお願いするかもしれません」

 「任せるわ」

 ユッミルは服を着るとテーファを抱く。二人はゆっくり触れ合う。

 「ユッミル君」

 ユッミルは触るのを中断してテーファを抱き直す。

 「もう、そういう意味じゃない」

 「テーファさん?分かりました」

 「それで良いの」

 テーファはユッミルの肩を抱く。

 「テーファさん、胸が近すぎて口に入れそうになります」

 「うん、舐めて攻めても良いよ。そういう時はさっさと押し倒してくれて良いよ」

 「言われるとやりにくいですが」

 「ユッミル君、良いよ、その、調子」

 一頻り終えるとユッミルはテーファを抱いて寝る。ユッミルが寝るとテーファも抱いて寝る。翌朝、ユッミルが起きると朝食ができている。

 「今日はどうするの?」

 「昼から狩りをするので家の人達に伝えておいてくれますか?」

 ユッミルは塔へ向かう。子供達と遊びながらイーサやネメッカと話をする。夕方に塔に戻ると言ったからかネメッカは上機嫌で早めの昼食後に送り出す。家に着くとシャーネは若干不機嫌だがフーニャとベーニュにメシャーナと狩りに向かう。ケーシャにターヒョを呼びに行かせる。子供を連れずに精鋭でさっさと仕留める。獣が多い時期なので早々に三匹分を確保して帰宅する。非効率ながら十分な量の生き血を確保したので家の近くで引き渡す。しばらくするとユッミルは塔に向かう。塔での夕食後にネメッカとイーサの補助で子供達を風呂に入れる。

 「ネメッカ様、今日はその、イーサさんに子供達を任せてですね」

 ユッミルは服を着ようと手に服を持ったネメッカの手を掴む。

 「何を言ったかは聞こえませんでしたけど私を抱き寄せて近くで言えば聞きやすいですね」

 ネメッカは服から手を放す。ユッミルは横からネメッカを抱く。イーサはサテーラに服を急いで着せてユンルクやズードには自力で出る様に促して部屋を出る。

 「ネメッカ様、今夜はお相手願えますか?」

 「もちろん、良いわよ」

 「今日は元から脱がせてこうする予定でした。ネメッカ様は罠に嵌りましたね」

 「その割にはさっさと押し倒さないのですね」

 「危ないですからゆっくりですね。体は支えますよ」

 「今日のユッミルは積極的ですね」

 二人は並んで寝る。ユッミルとネメッカは触れ合う。

 「はあ、積極的なのは最初だけでしたね」

 「ですがこういう形がネメッカ様の望みなのでは?」

 「それはそうですけど期待させておいてというのは違います」

 「ですが側室ではないし例の約束の効力も消えたのですからあなたから仕掛けても問題は無いですよ」

 「はあそうですね。本当はこれも良いです。ユッミルが私の体を遠慮なく触ってるのは確かですし」

 「そう言われると手を放したくなりますね」

 「もう少ししましょう」

 ゆっくり少し長めに触れ合うとネメッカがユッミルを抱いて寝る。ユッミルも抱き返して寝る。

 「ネメッカ様、少し言いにくいのですがこの後は帰ります。それとそろそろ側室の方とも再開します」

 「はい、問題はありません。子供はできたようですので」

 「それはおめでとうございます」

 「ユッミルの子でもありますよ。いつも言っていますが」

 「分かってますよ」

 ユッミルは早めに昼を食べて帰宅する。帰宅後は子供達の昼食に軽く付き合う。昼食後もクグーウやニーフェにモティア、ユンルクと話をしている。シャーネとベーニュは乳児の世話で忙しいらしい。何人かは妹や弟にあたる乳児と触れ合う子も増えたのでユッミルは一時程子供に囲まれる事は減りつつある。

 夕食後、子供達を風呂に入れる。乳児は基本的に母親が入れるのだがこの日はユッミルと同時に入る母子が多い。ユッミルはフューリケとリュッサにヤーチェと幼児を風呂に入れる。

 「これだけ無防備な女性が居ても手を出せないのは困りますね」

 「ユッミルさん、もう少し待って頂ければ子供は上がりますよ」

 「それはそうですけど」

 「それに別にユッミルが子供を抱いてなければ私達がくっつけばいいし」

 しばらくするとクグーウは上がっていき、乳児を外に預けたシャーネとベーニュがくっついて来る。

 「分かりましたよ。ですが今日は一緒に寝ませんけどね」

 「そんな気はしたけどまあ良いわ」

 「ユッミルさんだけが着るでも?」

 「今日は無いですね」

 結局、ベーニュとシャーネはそれぞれユッミルの膝に跨って体を預けるのでユッミルは横から抱く。

 「テーファさん、少し良いですか?」

 ユッミルはテーファを部屋の隅に連れて行く。

 「私に飽きたと思ってたけどどうしたの?」

 「そんな事はありませんがそれで今日はお互い脱ごうかと。その、他の方もそろそろ断るのが問題なのでネメッカ様の次にテーファさんを最初にして元に戻そうかと」

 「ふーん、私が二番っていう事にしたいのね」

 「えっと、不満?流石に建前上ネメッカ様…」

 「そんな事は言ってないわ。ユッミル君、無理に私を優遇しなくて良いよ。ネメッカ様以外で三人目がいる人は少ないでしょ。十分だよ」

 「テーファさん」

 「ユッミル君、その、びっくり」

 「無理して我慢してるだけでテーファさんとはしたいですよ。テーファさんもしたいと思ってくれてるなら脱がせて下さいね」

 「ユ、ユッミル、軽く布団を掛けてるだけで今日は隠さないのね」

 「これで私達とも解禁なのかしらね」

 「そこまでしなくても良いのに」

 「私とも解禁?」

 「シウさん、違います。この後、子供達の移動があるのでユッミルさんは当面こちらに泊まる回数が減ります。テーファさんとの子を急いでるだけで他は違います」

 「リュッサさん、あなたは子供に懐かれてるから産む為に離脱が困るからであってシウさんやベーニュさんを止めてる理由とは違います。ユンルク君が良い子なのが悪いですね」

 「怒ってはいませんよ。私もユッミル様と一緒で単にたくさんを求めてる訳ではありません」

 「ですがそれとは別としてリュッサさんともしたくなったので脱いでて下さい。私は着ますけどね」

 ユッミルはテーファと一頻り触れ合うと寝かせる。リュッサが横で脱ぎ始めるのでユッミルは服を着る。ユッミルはリュッサを一方的に触っていく。ユッミルの勢いが弱まるとリュッサはユッミルをしっかり抱く。ユッミルは最後にリュッサを抱き直すと一緒に寝る。

 翌日、ユッミルが目を覚ますとテーファが上に乗っている。服は脱がされている

 「ユッミル君は控えめだとダメみたいね」

 「テーファさん?」

 「あんなのじゃ子供はできないよ。ふりだったのね」

 「そんな訳ないですよ。ゆっくりが良いかなと思っただけで」

 「知らない。私の体に興味無いのね?」

 「何を言ってるのですか?」

 「今も顔ばかり見てる」

 「というかケーシャさん、隠した方が良くないかしら?」

 「ああ、そうですね」

 「やっとね。ユッミル君」

 「テーファさんも大人しくなってきましたね」

 「ユッミル君が強く来てくれたら満足だし」

 ユッミルはテーファをしばらく攻めていくとその後は抱き合っていく。

 「私も混ぜてもらおうかしら?」

 「ネメッカ様?」

 「脱いでるユッミルがいるしね」

 「分かりましたよ」

 「シウさん、私が服になるからあなたも良いわよ?」

 「私は遠慮します」

 「じゃあ私ね」

 「ネメッカ様?」

 「問題は無いでしょ?」

 「それはそうですが」

 「ユッミル、私も空いてるわよ。手の届く所で脱いでるし触るしかないよね?私が手を取ろうか?」

 「分かりましたよ」

 しばらくしてネメッカは昼前に塔に戻っていく。どうやらトキホを迎えに来ただけらしい。

 

 


 4節 通学寮の完成


 ユッミルは気を取り直して子供達と昼食を食べる。昼食後はリュッサと近くで子供の世話をする。レヒーハにフーニャも近くに居て乳幼児問わず子供に囲まれるもののやはりユッミルのみ目当ての子はクグーウやモティア、ニーフェ位である。ファッリーユとカッサは眠っている。

 翌日、塔に向かうと家が完成したらしくイーサに案内される。現状の家よりは少し小さいがそこそこ大きい家である。家具は既にある程度揃っており、氷の術師らしき女性陣が掃除をしている。

 「準備にはあと数日掛かりますがユッミルさんはもう自由に来てくれて構いません」

 「分かりましたよ。カノール君はどうするのです?」

 「少しだけ後に入ります。初日はネメッカ様が色々と準備するそうなのでネミーク君が先に入ります。光からは他にユンルク君とズード君ですね。ゴータム君はユッミル様に任せます。ユッホ様の所のノウォック君も来る頻度はかなり増える様ですね。キッシャノさんの所のウメック君やシェヒユス君も来るそうですよ」

 「エッヒネさんも?」

 「はい、基本的にはユッミル様の子供の寮の様なものですが交流は普通でしょう」

 「それはそうですが」

 ユッミルは昼前にイーサと帰宅するとテーファやリュッサにフーニャを集める。

 「えっと、別の家に移る事をどう伝えればいいか大丈夫ですかね?」

 「当面は見知った大人が居れば大丈夫だ」

 「で、そこにも男は居ないんでしょうね?」

 「シャーネ」

 「もちろんです」

 「イーサさん、そもそもずっと監視してないですし意味は無いですよ」

 「では側室の誰かが裸で三人の男性と寝泊まりしても大丈夫と?」

 「そうは言いませんが」

 「そんなに心配ならずっと抱けば良いわ」

 「信用してますから過敏にならなくて良いという話です」

 「まあユッミルを安心させたいのは私達ですから勝手にやるんですよ」

 「もう勝手にして下さい。話を戻しますが心配はありませんかね?」

 「無理だったらユッミルの判断で戻すわよ」

 「それはそうですが」

 「下手に言う方が気にするかもしれないわよ」

 「それで学校に行くのは普通なのですか?」

 「女性は少し少ないですが行く人は多いですよ。費用以外に大した問題はありませんし」

 「イーサさんは行ったのですか?」

 「ええ、数年ですが」

 「シャーネは行ってないよね。他の人はどうなのだろう?」

 「私は行ってないわね」

 「ああ、そんな気はします。若くして強かったと言ってましたしね」

 「私は行ったわよ。数年だけど」

 「私は五年程」

 「レヒーハさんはそうなのですね。全く予想できませんでしたけど」

 「どういう意味なのよ。私は」

 「ターヒョさんが学校?無いでしょう」

 「まあ術が使えると早めに分かったからそうだけど腹立つわね。何よ」

 「オーネさんとかは?」

 「あの子は行ってないわよ。家が貧乏でさっさと氷の団に転がり込んだみたいね」

 「色々ですね」

 「その様ですね」

 ユッミルは子供達と夕食の卓に着く。

 「イーサさん、まさか泊まるのですか?」

 「ええ、明日は元々新居へ行きますので」

 「でしたらせっかくですしお相手頂きましょうか。無理にとは言いませんが」

 「もちろん、良いですよ」

 ユッミルはベーニュやヤーチェ、フーニャと子供達を風呂に入れる。

 「ではイーサさん、あちら側で邪魔が入りにくい所でやりますよ」

 「はい、そうしましょう」

 ユッミルはイーサを激しく攻めていく。二人共そのまま眠っていく。

 「おはようございます、ユッミル様」

 「はい、おはよう」

 「少し寝過ごしたようですね。新居に行って経過報告を受けてきて下さい」

 「えっと?」

 「私はユッミル様に体を好きにされてしまったので風呂に入ってから向かいます」

 「怒ってます?」

 「いえ、翌日が塔での仕事の日にすべきだったという反省はありますが。そもそも何に怒るのですか?」

 「やりすぎだったとか」

 「ユッミル様がああも激しく私を求めたのですから不満はありません」

 「それは良かったです」

 「不満そうですね。嫌がって欲しかったのですか?」

 「予想外の反応でしたね」

 「嫌がると思ったのですか?」

 「やりすぎを諌められるかと」

 「求めたのは私ですよ?」

 「それではどうすれば側室を増やすのをやめるのですか?」

 「私だけでは止められません。それはさておきとりあえず新居へお願いできますか?」

 ユッミルは朝食を急いで食べると新居に向かう。イーサが遅刻する事を伝えて状況報告を受ける。昼食を氷の団員と共にしているとイーサがやって来る。

 「ユッミル様、お久しぶりです」

 「フェノか。確かに久しぶりだな」

 「私は指揮所の当番と塔の留守番ですしね。しかも塔の留守番は主にネメッカ様やイーサさんがユッミルさんの家に行く日ですから必然的に会えません。更に主宰部屋も常にユッミル様の子と母親がいるので留守番の役目は消え去っていまして塔や周辺の見回りをしています」

 「そうか、こちらとしては昼間の狩りでまだまだ前衛が足りないのだが」

 「そうですか、では昼間には時折家に行っても?」

 「ああ、そうしてくれ。主宰部屋の留守番が不要になっていたのは忘れていた」

 「分かりました」

 ユッミルは昼過ぎに帰宅する。

 「えっと、少し急ですが新居への移住が明後日からに決まりました。既にネメッカ様の息子のネミークとイーサさんの所のカノール君は決まっています。ユンルク、ファッリーユ、ヌーグ、も連れて行きますので母親も数日はお願いしますね」

 「ユッミル君、リーシキを連れて行くのはダメ?」

 「ダメではないですが。そうですね、住んでない子は母親なしでおいて行くのは禁止です。多分、そうした方が良い」

 「分かったわ。それでユッミル君は私達が滞在中は夜は一緒に泊まって欲しいけどいい?」

 「構いませんよ」

 「ちょっと、待って。何日居るつもりよ」

 「様子を見てからですからね。三日は掛かるとしか」

 「なら私も行くわ」

 「それは構いませんがあちらでは私も女性陣も風呂以外で脱ぐのは駄目ですよ?」

 「ふーん、ユッミルの避難所って訳ね」

 「シャーネちゃん、子供がどんどんできないなら君とは毎日でも寝たいですよ」

 「騙されないわ。で、ユッミルにくっつく位なら良いのよね?風呂も入れるし」

 「ただ、少なくとも二日は我慢して欲しいですし娘を長期間放置するのは困ります」

 「だったらその放置した分、一緒に居るで許すわ」

 「狩りは可能ですが指揮所や塔はどうしましょうね」

 「ネメッカに頼めば何とかなるわよ」

 翌日、朝からフェノにターヒョとユッホが来る。

 「ユッミル、新居良かったわね。私も頻繁に泊まるわ。ノウォックも住む資格あるわよね?」

 「もちろんです。ただ、あの家は側室以外の人も泊まるのでそういう行為はしない事にしています。ですから時折は家にもおいで頂きたい」

 「そういう事ね。子供の教育の場所だしね」

 「はい、お願いします」

 ユッミル達はシャーネやベーニュにフーニャを加えて狩りに向かう。充実した戦力で獣も豊富におり、さっさと五匹狩ってターヒョも生き血を回収して帰っていく。夕食はユッホも参加して新居祝い名目でたくさんの食事が振る舞われる。ユッミルはしばらく家を空けるので乳児の世話をしていく。シャーネの娘、ナキャーロに懐かれる。ユッミルは喜びつつもシャーネの怠慢を疑う。ユッホは帰るがフェノは泊まるらしい。フェノとフューリケにリュッサにスーリで子供達を風呂に入れる。ユッミルは大人しくする様に厳命してシャーネを抱いて寝る。テーファとレヒーハを両脇に多数の子供と寝る。

 翌日、早めの昼食後にファッリーユやテーファ、フーニャ、リュッサ、と出かける。イーサとカノール親子も案内役として来る。ネメッカとネミークは先にいるらしい。テーファとフーニャがくっついている。子供は母親の後ろ等で適当について来る。フェノが後ろを警戒している。

 新居にはネメッカとネミークの他にトキホもいる。トキホはユッミルに寄って来る。もちろん、何処かで見た程度の他の団員もいる。そして、ミーハとサーナにムヒューエとセーキュもいる。

 「ユッミルさん、こんにちは」

 「ええ、久しぶりでしたよね?」

 「はい、それでですね。うちの子は入居対象外らしいのですが何とかなりませんか?」

 「雨季に入る前後で追加に関しては決める事にでもしますのでそれまではお待ち下さい。ただ、母親同伴であれば構いません。とは言え教えるからは外れます。ですが水の方が教育は進んでますし問題は無いでしょう」

 「そうですか。それならそうします」

 「セーキュちゃんは可愛いね。それでサーナはいつパパと呼んで?」

 「えっと、サーナは大人に興味が無いみたいね」

 ファッリーユがやって来る。ユッミルはファッリーユ、トキホ、セーキュと話していく。しばらくすると扉が開く音がする。誰かを呼んでいたらしい。

 「あれ?ああ、ウッダさんですか」

 「久しぶりです」

「どうしてここに?」

 「数について教えに来ました」

 「えっと、そういう事ですか」

 「ファーちゃん、ファーちゃんとお話ししたい人がいるのだけど」

 「パパも一緒」

 「ママじゃダメ?」

 「パパはママと一緒じゃないの?」

 「分かったから」

 ユッミルはファッリーユを気にしながらユンルク、ネミーク、カノール、サーナにも教えるウッダを横目にトキホとセーキュと話をする。今日の授業自体は数字を教える程度で短時間で授業を終える。

 「どうしてパパが教えてくれないの?」

 「えっと、パパはほら、トキホちゃんの世話があるから」

 「でも僕とも遊んでくれる時はあるよ」

 「パパ以外のお話を聞くのも大事だよ」

 「分かった」

 「イーサさん、暇ですね。ママを連れ出して遊べる家はないんですか?」

 「それでしたら」

 「イーサさん、冗談ですよ。冗談に冗談を上塗りするのは面白くないですよ」

 「いえ、あちらに扉が…」

 「なっ」

 「はい、そういう事ですね。私がミューレさんと同類と思ってるのに驚きすぎですよ。ただ、台所などは無いですよ。後は外を経由するので風呂から出た後は一度服を着て下さいね」

 「基本的にはしない様にという事ですね」

 「そうしたいのであれば任せます」

 「パパ、誘わないのですか?」

 「ママは塔で遊べるでしょ」

 「一応、名目上は子供の世話を一時的に休む為の休憩所となってますよ」

 「お気遣いありがとうございます」

 「ちなみに火の術師が複数常駐するので夜間は風呂が常時稼働します」

 「あれ?まあ術師が多いとそうなるか」

 ユッミルが子供達と遊んでいると夕方前には風呂の湯気が漂う。その頃、扉が空いてユッホとノウォックがやって来る。

「ああ、来たのですね」

「ええ、今日からしばらく休みを貰ったわ」

「えっ?」

「しばらく居るわ。ユッミルが家に行くなら付いて行くし」

「大丈夫なのですか?」

「ええ」

火の術師が料理をしている。しばらくして氷の団の女性術師が風呂の前で服を脱ぎ始める。

 「はっ?イーサさん?」

 「ああ、従業員には風呂を提供していますよ。ミューレさんも素晴らしいですよね」

 「いや、僕もいますが」

 「何か問題でも?口説くのは結構ですが流石に隣の家の寝室に誘ってからにして下さいね」

 「そうではなく私がいると分かって脱ぐのはどういう?」

 「まあユッミル様には男女問わず丸見えですし服の意味は無いですね」

 「だったら男の術師を使えばいいでしょう」

 「ユッミル様、ママを守る気がないのですか?私達としてもパパに余計な疑いをもたれたくないですし。私も含めて常に胸を掴ませてパパに疑う隙を与えたくない位ですし」

 「ママはパパが今脱いでる女性の体に魅力を感じてもいいのですか?」

 「パパはこれ以上側室を増やすのですか?」

 「しませんよ」

 「そういう訳なので今日は皆で入りましょう」

 「さすがに狭いでしょ」

 「大人十人は入れますよ」

 風呂は少し浅めで緩い傾斜が壁面側を除いて付いている壁面側には底面が少し高い排水口があり、その上には大きめの小島の様な方形の柱があり、てすりが付いている。排水口以外の部分は少しきつめの傾斜がある。小島の柱に向かいの人間を気にせず足を延ばせる構造になっている。両側面4人ずつ正面3人に一人ずつ斜めで十数人は入れる構造である。ただ、正面は若干狭い。ユッミルはユンルクを抱いてトキホとファッリーユと手を繋ぎテーファの後ろにくっつく。後方にはネメッカがくっついている。

 「ユンルクは私が抱きますよ」

 リュッサはユンルクを抱くとユッミルの膝に座る。

 「さ、流石ですね」

 「そ、そうですよ。ここまでくっついてくるのでついつい手が伸びますから近づく時は気を付けて下さい。基本的にはこの方達で満足してますけどね」

 「残念ですね。新たな女の子を抱く余力は無いんですね」

 「無いとは言ってませんから気を付けて下さい」

 「そうですよね。私達では物足りない」

 「えっと、そんな事は無いですけど流石に増えすぎたら他の男性から恨まれます」

 「けど知り合いは夜営しても何も無いとかよく聞きますよ。そうやってお世辞を言ってくれるだけでもユッミル様は優しいですよ」

 「他の男性は女性に興味が無いのですかね?」

 「そこまでではないでしょうけど子供に興味が無さそうですね」

 「ですが生まれたら急に興味を持つのも男性ですよ。ユッミル様に限った事ではないですが」

 「興味を持つも何もネメッカ様を筆頭に否応なく」

 「やはりネメッカ様から手を出したのですね」

 「はい、形式上はユッミルにお願いしましたが誘ったのは私ですね」

 「その話はもう良いでしょう。しかし、息子達はどんな子と付き合うのでしょうね」

 「ユッミルに奪われたくないから教えてくれないかもしれませんね」

 「まさか」

 「それは冗談ですが息子なんて自立したら勝手に暮らしますし最後まで寄り添ってくれるのはユッミルだけですよ」

 「分かりましたからこの話はやめましょう」

 風呂から出ると子供達と話をしてから寝る。両脇にはテーファとフーニャが抱きつく。

 翌朝、フーニャとテーファが両脇に付いて朝食を食べる。

 「ユッミル様、今日は出かけましょう。ユンルク君とリュッサにカノールは置いていきますが」

 「どうしました?」

 「火の女性で出産した方がいる様なので挨拶にですよ」

 「あなたも来るのですか?」

 「はい、大人数で押しかけます。ユッミル様が私をミューレ様と比較するのでミューレ様には勝とうかと」

 「はい?」

 「そういう訳なのでテーファさんも同行します」

 「テーファさん、無理しなくても」

 「ファーちゃんも連れて行くよ」

 「えっと?」

 「というかサテーラまで?」

 「ええ、母親無しで置いていくのは無しらしいので連れて行きます」

 「まあコッテさんの見舞いはいずれは行くので反対はしませんが」

 ユッミルはテーファ母子やネメッカにイーサ等を連れてトキホを抱いて店に向かう。

 「ミューレさん、大人数で失礼します」

 「いえいえ、イーサさん、ユッミル様をお連れ頂きありがとうございます」

 「流石にネメッカ様の次女やテーファ様の次女は置いて来ましたが」

 「えっと」

 「こちらは子供が少ないので賑わいに欠けますけど料理を教えてますよ」

 「というかゼフロも対象内なのでこちらへ来てもらって構いませんよ」

 「ですがユッミル様は大きな風呂と満足行く食事のこちらの方が宜しいのでは?」

 「それは魅力的ですが子供の世話がありますので」

 「ツーヤちゃんは放っておくのですか?」

 「乳児の内は大してできませんよ」

 「その、こちらに泊まって頂けるなら私の事も張り付けで構いません」

 「は?」

 「ユッミル様は私が二人目を狙うのが怖いのでしたらそうしましょう」

 「いえ、そこまでは不要ですが当面は忙しいので」

 「もちろん、大人しくしておけと張り付けておきながら動けない私を激しくしてくれても良いですよ」

 「私は最近されたばかりですね。子供を当面作らない事を約束してなすがままにしてもらいました」

 「私もそれでも構いません」

 「いえ、その。子供を作らない為にですね」

 「私達だけ脱がせるのよね」

 「そうですけどそれはあなた方がそれでも良いと言うから」

 「ええ、そうですよ。そもそも今も何の見返りもなく体を好きに触って良いのですよ」

 「私も良いですよ」

 「遠慮します。テーファさんやネメッカ様で十分です」

 「ですがもちろん、ここにいるのは私と言うよりもエコさんやナーレさんですよ」

 「ユッミル殿」

 「仕方ないですね。ミューレさん、繰り返しますが子供の世話で忙しいだけです」

 「この子も賢いですし。ファーちゃん」

 「パパ、どうしたの?」

 「ファーは良い子だね。もうこの子達で手一杯なのですよ」

 「コッテさん」

 「ミューレさん、この状況で呼ぶのですね」

 「ええ。ユッミル様、と言っても生まれてしまいましたし抱いてくれませんか?今位は良いでしょう」

 「それはそうですがここに泊まる事には繋がりませんよ」

 「ええ、それは構いません」

 「フーニャさん、大丈夫ですよ」

 「そうだな。そもそも私としてはユッミルと一緒に居たいだけだ」

 「私もそうですよ。もちろん、ネメッカ様の方がユッミルさんを寄り付かせているので基本は家に行きますけど」

 「まあ私がユッミルを奪うこの店に泊まる理由は無いですね」

 「ネメッカ様、心配しなくてもシャーユの事が心配なので家はあの家ですよ。ミューレさんも家への介入が行き過ぎたら怒りますよ」

 「分かってますよ。シウさんにすら振り向かれないこの店は厳しいのは分かってますがそれはそれとして居心地は良いですよ?」

 「それはそうなのですよね」

 「ユッミル?」

 「分かってます。イーサさんがエッヒネ様を引き込めたようですし良かったですね」

 「ユッミル様、分かってるとは思いますがエッヒネ様と思惑が一致するのは私ですのでそれは無駄ですよ」

 「分かってますよ。エッヒネ様がこちらの意向を汲んでくれているだけです」

 「エッヒネ様の地位が無くてであれば」

 「ユッミル、そんなに触りたいなら良いですよ」

 「どうしました?」

 「いえ、他の美しい女性の話をしているので摘めない花より手中にある花の魅力を再確認してもらおうと」

 「大丈夫ですよ」

 「嫌と言うなら諦めますけどね」

 「ミューレさん、この子を。服の上からですよ。居間なのですから」

 「ええ」

 「はいはい、ネメッカ様のお体は魅力的ですよ」

 「分かれば良いです」

 「続きがしたいので座ってくれます?」

 「もちろん良いですよ」

 「エッヒネさんの件は口が滑りましたがダメですからね。それにここにもある程度は泊まります。条件としてはミューレさんと従業員の女性が入浴に関して謀略をめぐらせない事です。まあ従業員の女性をこちらが一方的に一緒に入りに行く事は許してもらいますが」

 「ユッミル、どういう事ですか?」

 「ミューレさんは風呂に自由に入って良いよと言いつつ自分の思惑の女性との鉢合わせを目指しますが基本的には僕と居合わせても不満が無い人しか使わない方が良いと思っていますし。もちろん、居ない日は別ですけど」

 「ん?ああ、そういう事ですか。まあ塔ではあり得ませんしね」

 「つまり、ユッミル様が入った時点で立ち入り禁止になる訳ですね」

 「そうですか。少し傲慢でしたね。立ち入り禁止はミューレさんだけですね。後はあなたの側近が集団で入るのも禁止ですね」

 「やはり事前に許可を取って一緒に入ればいい訳ですね」

 「それはそうですが」

 「そういう訳で今から一緒に入って良いですか?」

 「えっと、そういう事ですか」

 「もちろん、ネメッカ様達も一緒で良いですよ」

 「ただ、朝ですよ?」

 「そうですね。子供はイーサさんに任せましょうか。それで短時間、交代で行きましょう。家ではそうしていると聞きましたし」

 「ネメッカ様、どうします?」

 「イーサ、任せるけど?」

 「もちろん、任せます」

 「分かったわ。ユッミルは好みの女性にくっついていれば良いわ」

 ユッミル一行は子供も連れて風呂に向かう。テーファとネメッカと触れ合いながら脱いでいく。トキホがくっつくので抱いていく。ファッリーユとネミークがユッミルを急かす。トキホとファッリーユと手を繋いでフーニャを目の前に置く。

 「ユッミル殿、私も女なのは分かっているか?」

 「我慢して下さい。ネメッカ様にこうすると色々な事の口実にされかねません」

 「はあ、ユッミル。仕方ないですね」

 「そこは無視でお願いします」

 「ユッミル、それなら体位は洗って下さいね」

 「あなたの体を触ると疲れます。最近は慣れましたが」

 ユッミルはトキホやネミークをさっさと洗うとネメッカも洗う。

 「はあやっと慣れて来ましたね」

 「ネメッカ様が自分の体を安くしてくれましたし」

 「ええ、それで良いのです」

 ユッミルはテーファとネメッカに洗われる。ユッミルはテーファに寄りつつ湯船に浸かる。膝の先にはフーニャ母子がいる。ファッリーユはユッミルの手を取ってテーファを触らせる。

 「ファーちゃん、優しいね」

 「私達の教育の失敗ですね」

 そうしているとナーレがやって来る。少し強引に入って来ると立ったままユッミルの頭に抱きつく。

 「久しぶりですね。来てくれないと困ります」

 「ナーレさん、近すぎますよ」

 「ユッミルは意外とこちらの方が良いみたいね」

 「ネメッカ様」

 「こっちなら私も強くないしね」

 「ネメッカ様は対抗馬がいないと本気出してくれないのですね。危ないのでナーレ、座って下さい」

 「はあ、どけばいいのだな」

 「ナーレさん、私の膝に座ったら手が全身に届きますよ」

 「好きにして、良いですよ。子供も含めて、ユッミル、さんに任せます。けどあまり長く放って、おかないで、下さいね」

 「ほう、私はいつもこうされてるのだな」

 「嫌になりましたか?」

 「ナーレ君、片膝を譲ってくれるかね?」

 「フーニャさん、気遣いは無用ですよ?」

 「気遣いなら右には座らないよ」

 「はあ、あなたは間抜けですか。失敗して学んでもらいますね」

 「弱いが良い感じだな」

 「何を言ってるんですか?」

 「そろそろ誘う気なのだから当たり前だろう」

 「分かりましたよ」

 「そうですね。ナーレさん、しばらくユッミルさんに同行するのはどうです?人手は問題ありません」

 「私はそうしたいですけど」

 「ユッミル様、ここに来る際は連れて来るという条件でナーレさんを同行させてくれますか?」

 「構いませんよ」

 ユッミルは昼食後、ツーヤを連れて通学用の寮にネメッカ達と向かう。

 「ネメッカ様、人手が増えて良かったですね」

 「不足してませんよ」

 「そうですね」

 ユッミルは昼食が用意されていたので少しだけ食べる。昼過ぎから数人の術師が子供たちと遊ぶ。側室陣は数人が参加する。ユッミルは幼い母同伴宿泊の子と遊ぶ。どうやら母親以外との交流も教育の一環らしい。ユッミルはツーヤとトキホを重点的に世話する。

 「ここではサーナちゃんがいますが学校組だと女の子はファーちゃん一人ですね」

 「ユッミルも私もいない状況に比べれば大した事は無いと思うけど」

 「サーナは次女、ファーちゃんが三女、四女は誰でしたっけ?」

 「ムヒューエさんの娘、セーキュ様が四女になるかと思います」

 「次はカッサ、いえ、トキホ?どちらでしたっけ?」

 「トキホ様が少し早いですね」

 「やはりトキホやカッサは難しいですね」

 「ユッミル様が急ぐなら別ですが」

 「私は良いけどラーハ様の方針があるのよ、分からなくは無いけどね」

 「しかし、水にばかり最初に女の子ってのは困りましたね。せめてユッホさんと女の子を産んでいれば」

 「こればかりは偶然ですからね」

 「最悪の場合、シャーネお姉ちゃんを投入ですね」

 「うん、でも大丈夫だと思うよ」

 「分かってますよ」

 その日の夕方、イーサだけは一度塔へ帰る。

 「ネメッカ様は大丈夫なのですか?」

 「その為のイーサよ。帰って欲しいなら何かお願いを聞いてもらおうかしら?」

 「そんな気はありません」

 ユッミルはリュッサとナーレにムヒューエで子供達を風呂に入れる。ミーハとフーニャを両脇にして寝る。翌日は休日らしく二班に分かれて出かける事になった。二班といっても大人は半固定でユッミルやテーファにフーニャ、ナーレは二回出かける。二回とも散歩である。今回は姿を変える訳にもいかずにユッミルが側室を連れて何人かの子供と散歩していたというのは微妙に噂になる。二回ともネメッカは行っていないのでユッミルと確信されていない程度の噂である。昼過ぎに二回目の散歩から帰るとカッサを連れたレヒーハとシャーネがやって来る。

 「リュッサさん、交代します?」

 「そうですね、ユッミルさんがいれば大丈夫そうですし」

 「そうですね、優しい他のママがいれば私すらいりませんしね」

 「ではまた戻ってきます」

 レヒーハはもちろん、シャーネもファッリーユやヌーグを中心に話し相手になっている。

 翌日は昼食の食事指導を木の術師から受ける。これに関しては木の団の厚意という理由でカッサとトキホにセーキュも参加する。ユッミルは食事指導が少し長引くと昼寝に向かう。テーファとフーニャにシャーネとナーレが付いてきたので一緒に寝る。ユッミルが起きるとシャーネとフーニャは足に抱き付いている。

 翌日は朝食後にウッダが数の指導をする。ユッミルは幼児達の昼食を見ていく。ファッリーユとユンルクの行儀が少し良くなっているらしい。ヌーグとサーナにセーキュは最初から悪くない。

 「思ったよりここに慣れて問題無さそうなので家に帰ります」

 「では私も一緒に戻るぞ」

 「私も行きます」

 フーニャとシャーネにナーレとテーファにユッホも同行すると言われてしまう。

 「帰るのは明日にします」

 「では明日は狩りに向かおう。誰か家側に伝えに行ってくれないか?」

 「私が行ってくるわ」

 「ミーハ、ありがとう」

 「うん、行ってくる」

 「ミーハさん、今回は私が行きますよ」

 「はあ、ネメッカ様がそうしたいならお任せします」

 「扱いが酷いですけどそれは私を手中に収めた自信の表れですから仕方ないですね」

 「そんな…言い逃げ…」

 ネメッカはさっさと行ってしまう。ネメッカはシウとミリットを連れて来る。

 「いずれは住みますし見学ですね」

 「ええ、でもユッミルと一緒に帰るけどね」

 「何を考えているのかは知りませんが明日は一旦帰りますよ」

 「ん?」

 「いえ、ネメッカ様ですよ」

 「私はここに残るけどね」

 「お任せします」

 その日の夕方、ネメッカに探りを入れると夜に離れに呼び出される。フーニャとシャーネにユッホとナーレを連れていく。しばらく子供の話をするが結局、ネメッカがユッミルを抱きながら脱ぎ始めてしまい、残りの女性陣も脱いでしまい、ユッミルもネメッカを拒めず服は体に巻き付いて意味をなさない状況でネメッカを中心とした女性陣と抱き合って夜は過ぎていく。

 


読了ありがとうございました。次回は8月末以降となります。スタンドアロンの少し古めの執筆環境が吹き飛びまして一部データ喪失に互換オフィスになって予測変換リセットになって若干執筆ペースが低下しています。そうした事情から次々回は10月後半もあり得ます。

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