第67章:寮の廊下
「きっとできるよ!頑張って、ルイス!」ララが元気よく言った。十四人は射的場にいた。
ルイスは気まずそうにララをちらりと見た。ルイスは、大きな賞品と書かれたポスターに向けて、おもちゃの長銃を構えていた。
(いつまで僕に付きまとえば気が済むんだ?)彼は気まずそうに思った。
「頑張って!賞品を勝ち取って!」
「成功したら、一緒にご飯を食べよう!」
「乗り物にも一緒に乗るんだよね?」
「頑張って、ルイス!」ララはそう言った。
(お願いだから助けてくれ……)ルイスは諦めたようにミシェルを見つめた。
「そんなに騒いだら、ルイスが集中できないでしょ」とミシェルが言った。
「あっ、ごめん」とララは口を覆った。
「とにかく頑張って!」彼女はもっと小さな声で言った。
「それで、討論大会に出場するチームはもう決めたのか?」とアルロが言った。
「討論チーム?そんなのがあるのか?」とライアンが言った。
「もちろん。知らなかったの?」とユジンが言った。
「知らないよ。昨日の話し合いに出席したのはチームリーダーだけだろ。つまり、ルーカスだけだ」とファッタが言った。
「え、えっと……」ルーカスは慌てた。
「き、昨日、会議のあとすぐに寝ちゃって、伝えるのを忘れてたんだ」と彼は恥ずかしそうに言った。
「うっかりしすぎだろ」とハリーが言った。
「討論チームは三人で構成されるんだ。討論大会に出場できるように、特別に準備しておかなければならない」とコウジが言った。
「一つのチームの十人全員が出場すると思ってたよ」とニコが言った。
「それなら、ルイスを出せばいいじゃないか。うるさくて、よくしゃべるからな」とミシェルが言った。
「おい、さっきから僕はずっと黙ってるだろ」とルイスが言った。
「狙いを定めるのが遅いな。いつもなら命中するのに」とサイが言った。
「お前たちの話を聞きながら撃ってるからだよ」とルイスが言った。
「だから、集中させるために黙っていてくれ」と彼は言った。
ルイスは集中し続けた。そして、弾が飛び、ポスターを撃ち落とした。
「やったー!」全員が嬉しそうに歓声を上げた。
「おめでとうございます。こちらが皆さんへの賞品です」ゲームの係員は彼らに十四枚のチケットを渡した。
「これで何でも無料で遊べるし、何でも買えるぞ」とルイスが言った。
「おやつを買いに行こう」と彼は言った。
彼らは屋台に向かい、たくさんの食べ物を買った。
「次は何をして遊ぶ?」とルーカスが言った。
「お化け屋敷はどう?」とアルロが言った。
「お前、怖くないのか?」とニコが言った。
「お化け屋敷は夜に入ったほうが楽しいよ」とユジンが言った。
「ところで、僕たちが泊まっている寮の噂を知ってる?」とアルロが言った。
「噂?」とほかの者たちが言った。
「どんな噂だ?」とルイスが言った。
「僕たちの部屋が並んでいる廊下で、昔、殺人事件があったらしいんだ」とアルロが言った。
「本当か?」とディオンが言った。
「ああ。毎晩、被害者の幽霊が殺された廊下をさまよい歩くんだ」とアルロが言った。
「顔は青白くて、首や胸、それに腹から血を流している。犯人に刃物で刺されて死んだからね」
「廊下を歩くたびに、あちこちに血が散らばる。でも不思議なことに、翌朝起きると、血は一滴も見当たらないんだ」と彼は言った。
「そんなことがあるのか?」サイは疑わしそうに言った。
「お前たちはそんな話を信じるのか?」ルーカスは興味なさそうに言った。
「お前は信じないのか?」とアルロが言った。
「悪魔は確かにいるけど、さまよい歩く幽霊となると……」サイは困惑した様子だった。
「でも、幽霊がさまよい歩くなんて、いつからそんなことがあるんだ?」と彼は言った。
「もういいだろ。議論を続けるより、今夜、自分たちで確かめてみないか?」とユジンが言った。
「な、何のために?」アルロは不安そうに言った。
「確かにそうだな。誰が一緒に行く?」とルーカスが言った。サイとルイスが手を挙げた。
「ほかには?」とルーカスが言った。
サイはミシェルを肘でつついた。ミシェルもとうとう手を挙げた。
「よし、今夜、廊下に集まろう」とルーカスが言った。
「ま、待って、僕はただ――」
「戻ろう。昼食に遅れるかもしれない」とコウジがアルロの言葉を遮った。
***
「ああ、もう!遅れちゃった」とアルロが言った。彼らは全員、一つのドアの前に立っていた。
「怒られたりしないよね?」とサイが言った。
「そうは見えないけど、料理長のおばさんには怒られるかもしれないな」とルイスはドアを開けながら言った。
食事をしていた参加者全員が、鋭い視線を向けてきた。彼らは皆、緊張した。
「僕たち、何か悪いことをしたのかな?」とサイが言った。
「そんなこと気にしてられるか。早く入ろう」とアルロが言った。
彼らはすぐに中へ入った。アルロ、ユジン、コウジ、ララは、自分たちのチームの六人が座っているテーブルへ向かった。一方、ルーカスのチームは空いているテーブルに座った。
「こんなに遅れて、今までどこに行っていたんだい?!」料理長のおばさんがやって来て、料理の皿を置いた。
「す、すみません」と彼らが言った。
「料理が冷めかけているじゃないか!次も遅れたら承知しないよ」とおばさんは皿を次々と置きながら言った。
「こ、こんなに多いのではありませんか?」とハリーが言った。
「それがどうしたんだい?!あたしの料理をありがたく思わないのかい?!」とおばさんが言った。
「そ、そういうわけではありません!」彼らは慌てて言った。
「早く全部食べな!そうしないと、ここから出してあげないよ!」おばさんはそう言って立ち去った。
彼らは皆、疲れたようにため息をついた。
「今朝と同じだね。こんなに多い料理を全部食べろって言われるんだ」とファッタが言った。
「さっき遊園地でおやつを食べたから、まだお腹いっぱいだよ」とディオンが言った。
「もういいから、騒ぐなよ。他の参加者たちに睨まれるだけだ」とルーカスが言った。
「でも、どうしてみんなあんな目で見てくるんだろう?」とファッタが言った。
「ライバルを見る目なんだと思う」とサイが言った。
「ライバル?」と彼らが言った。
「ここでは大規模な競争が行われているし、みんな勝つために必死なんだ」とサイが言った。
「まるで全員を敵だと思っているみたいだね」と彼は言った。
「まあ、敵というよりライバルと呼ぶほうが正確だけどな」とルイスが言った。
「みんなあんな感じなんだよ。それに、競争ではこういうことがよくあるんじゃないか?」とルーカスが言った。
「変なのに。みんな友達になればいいのに」とサイが言った。
「そんなに簡単だと思うか?」とライアンが言った。
(みんなが仲良くできたら、それも楽しいのにな)とサイは心の中で思った。
「それより、討論大会に出場するチームを決めたほうがいいんじゃないか?」とイワンが言った。
「そうだな。誰がやりたい?」とルーカスが言った。全員、黙ったままだった。
「誰もいないのか?」とルーカスが言った。
「ミシェルを推薦するよ」とルイスが言った。
「え?どうして私なの?」ミシェルは驚いた。
「確かに。議論になったら、たいてい女の子が勝つだろ?」とニコが言った。
「そ、それは必ずしも正しいわけじゃないよ!」とミシェルが言った。
「サイの言うとおりだよ。僕たちの中で、ミシェルは特に口数が少ないほうだからね」とサイが言った。
「じゃあ、誰にする?」とイワンが言った。
「その日になってから決めるのはどう?」とハリーが言った。
「知力テストの点数が一番高かった人が出場するんだ」と彼は言った。
「そもそも、そのテストの点数は発表されるのか?」とライアンが言った。
「それに、準備をしないのは危険だ。僕たちは学校と街の代表なんだぞ」とイワンが言った。
「その話はあとにしよう。まずは食事を全部食べないと」とライアンが言った。
「そうだな。そうしないと、また怒られるぞ」とニコが言った。
***
「本当にその幽霊を調べに行くのか?」アルロは怖そうに言った。
「自分で僕たちにその話をしたんじゃないか。どうして怖がっているんだ?」とサイが言った。
夜、サイ、ルイス、ミシェル、ルーカス、アルロはサイのチームの部屋のドアの近くに座っていた。一方、ほかの者たちはそれぞれのベッドで眠っていた。
「ほ、本当のことを言うよ」とアルロが言った。
「あの噂は僕が作った作り話なんだ。さっき、みんなで話せるように、わざとあんな話をしたんだ」と彼は言った。
「僕たちがお前の嘘に気づいていないとでも思ったのか?」とルイスが言った。
「どうやら、早く自分の部屋に戻りたいみたいだね」とミシェルが言った。
「もちろんだよ!ここまで僕を連れてきたのは君たちなんだから、僕の部屋まで廊下を通って送っていくのも君たちの役目だよ」とアルロが言った。
「残念だけど、それはできないな。お前も一緒に、その廊下の噂を確かめるんだ」とルーカスが言った。
「だから、ただの嘘だって言っただろ!」とアルロが言った。
「それに、イルバートさんは毎晩見回りをしているんだ。ここで僕たちが集まっているのを見られたら、罰を受けるよ」と彼は言った。
「イルバートさんは、全員が寝ているか確かめるために、わざわざ部屋のドアを開けたりしない。だから大丈夫だよ」とサイが言った。
「そうだ。あの人は、ドアの下の隙間から部屋の明かりが漏れているかどうかを見るだけだ。もう明かりを消してあるから、イルバートさんは部屋の人たちが寝ていると思うよ」とルイスが言った。
「しっ!外から足音が聞こえないか?」ルーカスが小声で言った。
「イルバートさんかな?」とサイが言った。
彼らはドアを少しだけ開け、外をのぞいた。イルバートさんが彼らのドアの前を通り過ぎていった。
「こんな暗い廊下で、あの人は見えるのかな?」アルロが小声で言った。
「お前みたいに目が悪い人ばかりじゃないんだよ」とルーカスが言った。
「ひどいな!」アルロは気を悪くした。
「やっぱり、さまよい歩く幽霊なんていないみたいだね。毎晩見回りをしているイルバートさんに何も起きていないのが、その証拠だ」とルイスが言った。
「だから言っただろ?僕が作った話だって」とアルロが言った。
「こんな場所で殺人事件が起きるわけが――」
「ガシャーン!」
廊下の窓が割れた。ナイフを持った人物が突然窓を蹴破り、どこからともなく中へ入ってきたのだ。サイたちは驚き、イルバートさんも驚いてその人物を振り返った。
その人物はイルバートさんにナイフを向けた。
「うわああああ!」




