第37章:トルネード
「AAAAAH!」
突然、上の階から叫び声が聞こえた。
全員が驚いた。四人も含めて。
「今のはボーディさんの声だ!」
ロッキーとメンターたちは階段へ走った。
ラジも上へ走っていった。
「あの部屋だ!」と、カイが廊下にある少し開いた扉の一つを指差した。
彼らは扉の前までたどり着き、レオンがすぐに扉を開けた。
そこにはボーディの死体が床に倒れていた。大きなナイフが心臓に正確に突き刺さっていた。その場には大量の血があった。
彼らは本当に驚いた。
「ドォーン!」
突然、大きな雷が鳴り、部屋を照らすほどの光が差し込んだ。
彼らには、窓のところでしゃがみ込み、そこから飛び降りようとしている少年の姿が見えた。
全員がその少年と目を合わせた。
ラジはその姿を見て驚いた。
何も考えず、彼はすぐに部屋の中へ走り込んだ。
その人物は窓から飛び降りた。
ラジも窓際に立ち、かなり高い下を見た。
そしてすぐに飛び降り、その人物を追いかけた。
***
ラジは、暗い道の中で先ほどの人物を追い続けていた。先ほどの少年は、木々の生い茂る場所へと走って入っていった。
ラジはそのまま彼を追い続けた。二人は深い森の中へ入っていった。
ラジは足を止めた。周囲を見回す。しかし、先ほどの少年はもういなかった。
「どこに行った?」
ラジが言った。
黒い影が再び一本の木の後ろから現れた。ラジに向かってナイフを投げつける。
ラジはすぐに気づき、身をかわしたが、そのまま手でナイフをつかんだ。
さらに何本ものナイフが投げられる。ラジは、つかんだナイフですぐにすべてを弾き返した。
弾かれたナイフはすべて地面へ落ちた。
「そこにいるのは分かっている!」
ラジが言った。
「リアン・ノヴァ!」
ラジがそう言うのと同時に、少年が木の後ろから姿を現した。
その少年は邪悪な笑みを浮かべていた。一方、ラジは真剣な表情で、苛立っていた。
「久しぶりだな、森の子」
リアンが声をかけた。
「まさか、こんなところで会うことになるとはな?」
「お前がここで俺たちに会うことを知っていたのも分かっている」
ラジが言った。
リアンはくすくすと笑った。
「お前に何か違うところがあることに、今気づいたよ」
彼は言った。
「いつからそんなに勇敢になったんだ? 昔、お前の父親が死んだ日に、俺の部下に追われて怯えながら逃げていたくせに」
「お前には関係ない」
ラジが言った。
「もちろん俺には関係ある」
リアンが言った。
「俺は、お前が俺より優れた人間になることを絶対に許さないからな」
「もう長い間会っていなかったのに、俺への憎しみは相変わらずなんだな?」
ラジが言った。
リアンは邪悪な笑みを浮かべた。そして、目元に指を近づけた。
「もう、これは必要ないと思う」
そう言いながら、赤いカラーコンタクトを外した。
「もうお前の真似をする必要もない。ここは俺たちの故郷と同じ場所じゃないからな」
「目立ちたがり屋め」
ラジが言った。
「お前が俺より優れた存在になれないようにしてやる」
リアンは両手に二本のナイフを握った。そして、すぐにラジへ向かって飛び出した。
近づいたところで、彼は高く跳び上がり、上からラジを刺そうとした。
ラジはすぐに、持っていたナイフでそれを受け止めた。
リアンはラジのナイフに押さえられている自分のナイフを、さらに押し込もうとした。しかし、ラジはさらに強く押し返し、リアンを後方へ突き飛ばした。
「全部の力を出せ! 俺はそんなに弱くないぞ!」
リアンが言った。
リアンは再び近づき、ナイフでラジを攻撃した。ラジは素早く、彼の攻撃をすべて受け流した。
二人は非常に速い動きで、互いの攻撃を何度も防ぎ合った。
ラジは相変わらず無表情だったが、リアンは苦戦しているようだった。
その一方で、ラジのはるか後ろにある一本の木の後ろに、黒い影が見えていた。
同時に、ラジとリアンはそれぞれ後ろへ跳び、距離を取った。
ラジは依然として真剣な表情をしていた。一方、リアンの息はすでに乱れていた。
ラジの目が後ろをちらりと見た。
そして素早く、手に持っていたナイフを後ろへ投げた。
ナイフは木の幹に突き刺さると同時に、そこにいた男の服の袖にも突き刺さり、男をその場に留めた。
男は非常に驚いた。
「何を企んでいる?」
ラジが言った。
「この馬鹿! どうして気づかれたんだ?!」
リアンが言った。
「なんで俺のせいにするんだ?!」
その男が怒鳴った。
その瞬間、空で雷鳴が轟いた。
リアンは驚き、ラジは空を見上げた。
「もうどうでもいい!」
リアンの体の周囲から炎が噴き出した。
両手には燃え盛る炎の円盤が現れた。
「来い!」
リアンが言った。
(まずい。こいつの相手をしたら、この森まで巻き込まれる)
ラジが戦闘態勢を取った。
リアンはますます苛立ったように眉をひそめた。
「武器を出せ! 容赦はしない!」とリアンはラジに向かって走り出した。
リアンはラジに向かって円盤を投げつけた。ラジはすぐに両腕を顔の前で交差させ、電気の盾が目の前に現れた。
リアンは驚いた。円盤の一つが跳ね返って自分の方へ飛んできたので、彼はすぐに身をかわした。
もう一つの円盤はラジの後ろへ飛んでいった。リアンは邪悪な笑みを浮かべ、ラジは自分の後ろをちらりと見た。
突然、円盤がかなり大きな爆発を起こした。ラジは驚き、その勢いで吹き飛ばされて木に激突した。彼は苦しそうな様子を見せた。
リアンは彼に近づいた。
「この程度がお前の実力か?」と言いながら、両手に再び円盤を出した。
「ここで終わりだ」と言い、ラジを攻撃しようとした。
突然、小さな石がリアンに向かって素早く飛んできた。その石はリアンの右目の端に当たった。
「痛っ!」
彼は痛がりながら目を押さえた。円盤はすぐに消えた。
ラジは驚き、その石が飛んできた方向を見た。
そこには、投石器を持ったサイと、長銃身の拳銃を持ったルイス、そしてロープダートを持ったミシェルがいた。
「お、お前たちはここで何をしているんだ?!」とラジは驚いて言った。
「おい! お前、ラジ兄ちゃんが話していた市長の息子だろ?!」とサイはリアンを指差して言った。
リアンは左目だけでサイたちの方を見ようとした。
「失礼なやつだな! お前はラジ兄ちゃんより一歳年下なんだろ?!」とサイは言った。
「なのに、ラジ兄ちゃんに対してそんな無礼な態度を取るなんて!」とサイは続けた。
「これは礼儀作法の問題じゃないよ」とミシェルは言った。
「この生意気なガキどもが!」
リアンは再び二本のナイフを手に取った。そして、サイたちに向かって一気に走り出した。
ルイスはすぐに右側へ飛び退き、ミシェルは左側へ飛び退いた。一方、真ん中にいたサイはその場から動かなかった。
リアンはサイの頭上からナイフを振り下ろした。サイは投石器でそのナイフを受け止めた。
リアンはそのまま力を込めて押し続けた。サイは少し苦しそうな様子を見せた。
「今だ!」とサイは言った。
ルイスは長銃身の拳銃から、石の弾丸を何発もリアンの顔に向かって撃ち込んだ。
「あああっ!」
リアンは激しく痛がった。
ミシェルはすぐにロープダートをリアンに向かって投げつけた。ロープダートはリアンの体に巻き付き、彼は動けなくなった。
「やった!」と三人は再び集まった。
「こ、この生意気なガキどもが!」とリアンは言った。
そして、先ほどの男の方を振り向いた。
「何をぼーっとしている! 早くやれ!」とリアンはその男に言った。
「無茶をしやがって!」
男は手を上げた。
その瞬間、空から突然、大きな雷鳴が轟き、そこにいた全員を驚かせた。
突然、男が立っていた場所の地面が爆発した。
その衝撃によって、サイたちも、ラジも、リアンも、遠くまで吹き飛ばされた。
サイ、ルイ、ミシェル、そしてラジ兄さんは、同じ場所に倒れた。
その後、ミシェルのロープダートがまだ壊れていない状態で、彼女の目の前に落ちてきた。
「逃げられた」とミシェルが言った。
その直後、風がものすごい勢いで吹き始めた。
あまりにも強い風だったため、彼らは目を開けていることさえ難しかった。
「いったい何が起きているんだ?」
ラジ兄さんは立ち上がった。
そして、目の前に広がる光景を見て、すぐに驚いた。
巨大な竜巻が、街へ向かって進んでいた。
「まずい」
街の外にいた何人かの住民も、その竜巻に気づいた。
「あっちを見ろ!」
住民たちは、目の前に迫ってくる巨大な竜巻を見て、本当に驚いていた。
「早く逃げろ!」
「家の中にも誰も残るな!」
「もう寝ている人たちを早く起こせ!」
人々は大声で叫びながら、街の安全な場所へ逃げ始めた。
一方、ゴールド・オーガナイゼーションのメンバーたちも、ボーディ市長の大きな屋敷から次々と外へ出てきた。
彼らも竜巻を見て驚いた。
「早く住民を避難させろ! 安全な場所へ連れていくんだ!」
ロッキーが大声で指示した。
「はい!」
メンバーたちは一斉に走り出し、住民たちを助けるために、それぞれの場所へ向かった。
「こ、こんなに突然、どうして竜巻が現れたんだ?」
サイは、迫ってくる巨大な竜巻を見ながら言った。
その場にいたリアンは、男の服の袖を木に留めていたナイフを抜いた。
ナイフを抜かれた男は、そのまま逃げていった。
ラジ兄さんはリアンのほうを見る。
リアンも一瞬だけラジ兄さんを見た。
しかし何も言わず、男が逃げていった方向とは別の方向へ走り去っていった。
「お前たちは早く街の住民を助けろ!」
ラジ兄さんが言った。
サイ、ルイ、ミシェルは一斉にラジ兄さんのほうを見る。
「俺はさっきの男を追う」
ラジ兄さんはそう言った。
「兄さん、本当に大丈夫なの?」
サイが心配そうに尋ねた。
「俺なら大丈夫だ」
ラジ兄さんは落ち着いた声で答えた。
「サイ、お前はゴールド・オーガナイゼーションのメンバーとして、自分の任務を果たせ!」
「わ、分かった!」
サイはすぐに返事をした。
「僕はまだ正式なボランティアじゃないけど、ボランティア候補として任務を果たす! みんな、僕を手伝ってくれ!」
「分かった!」
ルイとミシェルも、サイと一緒に街の住民を助けるために走り出した。




