第36章:夜の出来事
「すみません。市長に皆さんをお会いさせるどころか、私たちはいきなり病人やこの街の建物のことで、皆さんを忙しくさせてしまいましたね」と、アーデン氏は夕方から夜になりかけている頃、レオン氏と一緒に歩きながら言った。
「気にしないでください。私たちも市長に会いたいとは思っていませんでしたから」と、レオン氏は言った。
二人は、いくつかの家を修理している人々の間を通り過ぎた。また、病人をバイクで運んでいる人も何人かいた。
「病気の人は本当にこんなに多いのですか?」と、レオン氏は言った。
「これはまだ、都市三の状況と比べれば大したことはありません」と、アーデン氏は言った。
「ここは、まだ健康状態が都市三より良いと言えることに感謝できます」と、彼は言った。
「あなたたちは、あそこへ行って人々を助ける予定はないのですか?」と、アーデン氏は尋ねた。
「私たちは本当は行きたいのです」と、レオン氏は言った。
「ただ、私たちの身体はあそこの人々ほど丈夫ではないので、私たちが行ったら、人々を治すどころか、私たちまで病気になってしまう可能性があります」と、レオン氏は言った。
「私たちのメンバーの一人も、そう言っていました」と、レオン氏はラジのことを言った。
「では、特別な服を使って、そこへ行けばいいのではありませんか?」と、アーデン氏は尋ねた。
「うーん、どうでしょうね?」と、レオン氏は言った。
「政府が私たちにそれをすることを禁じているのです」と、レオン氏は、そこにある病院のほうを見ながら言った。
***
「お子さんはただの発熱です。心配する必要はありません」と、ラジは子供を連れた一人の母親に言った。二人は病院の中の一室にいた。ラジは机に座り、母親はその向かいに座っていた。
「薬をきちんと飲ませて、十分に休ませれば、また元気になります」と、ラジは言った。
「ありがとうね」と、母親は言った。
「それでは、私たちはこれで失礼します」と、彼は言った。母親は子供を連れて、その部屋から出ていった。
ラジはため息をついた。
「次」と、彼は記録を書きながら言った。
同じく医師の白衣を着たカイが、ドアの向こうから現れた。
「まだ終わっていないのか?」と、彼は言った。ラジは彼のほうを見た。
「残念だったな。俺なんかもう終わったぞ」と、カイは言った。
「何しにここへ来た?」と、ラジは言った。
「ずいぶん冷たいな。せっかく俺はここへ……」
「お前をからかいに来たんだ! ハハハ!」と、カイは言った。
ラジは再び書き始めた。
カイは近くにあったプラスチックのボトルを一つ取り、それを投げた。ボトルはラジの頭に当たった。
「何のつもりだ?!」と、ラジは怒った。
「少しは笑ってみたほうがいいぞ。お前に診察される人たちが怖がるかもしれないからな」と、カイは言った。
「そうでもない」と、ラジは再び書き始めた。
「証拠に、俺の患者のほうがお前より多い」と、ラジは言った。
「チッ! ずいぶん偉そうだな」と、カイは言って、ドアを閉めずに部屋から出ていった。
ラジは先ほどのボトルを拾い、それをドアの外へ投げた。ボトルはちょうどカイの頭に当たった。
「いてっ、あいつは一体何なんだ?」と、彼は言った。そして、そのドアを軽く蹴って閉めた。
カイは病院から出ていった。もう白衣は着ていなかった。彼は空を見上げた。
「やれやれ、もう夜か」と、カイは言った。
「ん? あれはステラか?」と、カイは言った。暗くなった道を、一人で歩いているステラが見えた。
「ステラ!」
ステラは振り返った。
「カイ?」と、彼女は言った。
「こんなところで一人で何をしているんだ?」と、カイは彼女に近づきながら尋ねた。
「今、学校から帰ってきたところ。ここから結構遠い場所にあるの」と、ステラは言った。
「オーロラさんはどこだ? どうして一緒じゃないんだ?」と、カイはステラと歩きながら言った。
「まだ忙しくて、先に帰ってって言われたの。たぶん、戻ってくるのはもっと遅くなると思う」と、ステラは言った。
「そうか」と、カイは言った。
二人はそのまま歩き続けながら、互いに黙っていた。カイは緊張しているようだった。
(俺は次に何を話せばいいんだ?)
(このまま住む場所まで、ずっと黙っているのか?)
カイはステラをちらりと見た。二人が街灯の下を通ると、ステラはとても綺麗に見えた。カイはそれを見て、顔を赤くした。
「この街、夜になると結構怖いね」と、ステラは言った。
「どうして? 怖いのか?」と、カイは言った。
「まさか。警察官として、こんなものを怖がるわけにはいかないでしょう」と、ステラは言った。
「もしかして、怖いのはお前のほうじゃないのか?」と、ステラは言った。
「な、なんで俺なんだ?」と、カイは言った。
「あ、そういえば、どうやってメンターになったの?」と、ステラは言った。
「組織に戻ってきたら、お前がもうメンターになっていて驚いたよ。俺と同じように個人隊員になったんだと思っていた」と、ステラは言った。
「お前のほうが先に出ていったから、俺がメンターに立候補したことを知らなかったんだ」と、カイは言った。
「どうして個人隊員にならなかったの? 結構楽しいのに」と、ステラは言った。
「個人隊員になるにはどこへ行けばいいのか、分からなかったんだ」と、カイは言った。
「それに、俺は組織を出なくてもいいように、わざとメンターになったんだ」と、カイは言った。
「私は半年間個人隊員をやって満足したから、また戻ってきて訓練士になることにしたの」と、ステラは言った。
(コミュニケーション能力が出てきたな……)
カイはぎこちなく思った。
ステラは突然、足を止めた。
「誰?」と、彼女は言った。
カイは前を見た。二人の前の道は暗く、そこを何かの影が素早く横切っていった。
(あれは何だ? 動きからして、普通の人間じゃないような……)
「お前も俺と同じことを考えているのか?」と、カイは言った。
「うん」と、ステラは言った。
「追いかけよう」と、カイは言った。
二人は先ほどの影が去っていった方向へ走っていった。
***
一方その頃、ナツとヴィオナは、先ほど街の前に停めた車のところで見張りをしていた。
ナツは腕時計を見た。時刻は夜の八時を示していた。
「もう戻らないのか?」と、ナツはヴィオナを見ずに、素っ気なく言った。
「いい」と、ヴィオナも彼を見ずに素っ気なく答えた。
二人は再び黙り込んだ。
「……」
「……」
誰も何も話さなかった。
突然、一つの影が二人の間を走り抜け、そのまま通り過ぎていった。二人は驚いて顔を見合わせた。
そこへカイとステラが息を切らしながらやって来た。
「兄さん! さっき何かが通ったのを見なかった?」とカイが言った。
「影のことか?」とナツが言った。
「うん、あれはここを通った?」とステラが尋ねた。
「俺たちも見た」とヴィオナが言った。
「でも、どこへ行ったのかは気づかなかった」と彼女は言った。
「調べる必要があるな」とナツが言った。
「でも、どこを探せばいいの?」とステラが言った。
「二手に分かれよう」とナツが言った。
「お前たちはあっちへ行け」と、ナツは右側を指差した。
「俺とヴィオナはあっちへ行く」と、ナツは左側を指差した。
「わかった!」とカイとステラが言った。
そして、それぞれの方向へ分かれていった。
ナツとヴィオナは暗闇の中を走り、しばらくすると木々が生い茂る場所へ入っていった。
「あの人はどこだ?」と、ナツは周囲を見回しながら言った。
突然、先ほどの影が木の陰から再び走り出した。
ナツとヴィオナはすぐに銃を向けた。
「誰だ?!」と、二人は同時に言った。
しかし、木々の間から誰も出てこなかった。
すると突然、一つの石が二人に向かって飛んできて、ヴィオナの銃に当たった。
銃はどこかへ弾き飛ばされた。
「まずい! どこに落ちた?」とヴィオナはしゃがみ込み、暗い地面を手で探った。
その間もナツは警戒を続けていた。
するとヴィオナは一本の木の方を見た。
そこには黒い姿をした何者かがいて、二人に向かって不気味に笑っていた。
ヴィオナはそれを見て驚いた。
その人物は二人に向かってナイフを投げた。
「危ない!」
ヴィオナはすぐにナツの手を引いて後ろへ下がった。
しかし、二人の後ろには下り坂があった。
二人はそのまま下へ落ちていった。
幸い、そこまで深くはなく、二人は転がり落ちた後、痛がりながらすぐに立ち上がった。
「あのナイフはどこから飛んできた?」とナツが言った。
するとヴィオナはすぐにナツの後ろへ隠れ、ナツの肩を掴んだ。
「私、さっき幽霊を見た!」とヴィオナは怖がりながら言った。
「幽霊?」とナツが言った。
「うん! あいつがさっきナイフを投げたの!」とヴィオナが言った。
「冗談を言うな! 幽霊なんているわけないだろ!」とナツが言った。
「本当のことを言ってるの! 早くここから出よう!」とヴィオナは慌てながらナツの体を揺さぶった。
「お前、本当に警察なのか?」とナツが言った。
突然、ヴィオナの肩に手が触れた。
「きゃああ! 幽霊!」
ヴィオナはすぐに目を閉じた。
ナツは、ヴィオナがまだ後ろにいる状態で、すぐに振り返った。
「誰だ?!」とナツは再び銃を向けた。
ヴィオナはすぐに懐中電灯をつけ、その人物に向けた。
そこにいたのは、体の大きな太った男性だった。
「お前は誰だ?」とナツは銃を下ろしながら言った。
「す、すまない、どうやら君たちを怖がらせてしまったようだ」と男性が言った。
「こんなところで何をしている?」とナツが言った。
「私はただ、誰かと会う約束があるだけだ」と男性が答えた。
「こんな場所で?」とナツが言った。
「それはいい! それより、君たちはここで何をしている?」と男性は真剣な表情で言った。
ナツとヴィオナは顔を見合わせた。
「私は自分の街で悪いことをする者を許すつもりはない」と男性が言った。
「ち、違う」とナツが言った。
「俺たちは夫婦なんだ」とナツが言った。
「おお、夫婦なのか?」と男性が言った。
「なるほど、それで二人ともずいぶん仲が良さそうに見えたのか」と言った。
ナツとヴィオナは顔を見合わせた。
ヴィオナはすぐにナツの肩から手を離し、彼の隣に立った。
二人は気まずそうにしていた。
「ちょっと待て。さっき、お前はここが自分の街だと言ったのか?」とナツが言った。
「すまない、自己紹介を忘れていた」と男性が言った。
「私の名前はボーディ。第六都市の市長だ」と男性が言った。
「市長?」とナツとヴィオナが言った。
「君たちは今日の昼に来たゴールド・オーガニゼーションのメンバーなのか?」とボーディが尋ねた。
「そうです」とナツが答えた。
「おお、これは偶然だ」とボーディが言った。
「君たちのメンバー全員を呼んでくれないか? 君たちのような善良な人たちと話し合いをしたい」とボーディが言った。
***
ゴールド・オーガニゼーションのメンバーたちは、豪華な部屋に集まっていた。大きなシャンデリア、美しいソファがいたるところにあり、床は輝いていて、部屋は広く、食べ物もとても豪華に用意されていた。
「ここは家なのか、それとも城なのか?」と、あるメンバーが言った。
「これほど金持ちなら、どうして俺たちが彼の住民を助けるために動かなければならないんだ?」
「しーっ! 俺たちは任務を続けなければならない」
「ようこそ、尊敬すべきゴールド・オーガニゼーションの皆さん!」と、ボーディが全員の前で言った。
全員が彼の方を向いた。そこには、あの場所にあるバルコニーに立っているラジもいた。
「急な集まりだったにもかかわらず、私が開いたこの会合に時間を作って参加してくれたことに感謝する」と、ボーディが言った。
「問題ありません。あなたからの招待を受けられて、私たちも光栄です」と、ロッキーが言った。
「おお、あなたが組織のリーダーなのですか?」と、ボーディはロッキーと握手をしながら言った。
「いいえ、私はここで代理を務めているだけです」と、ロッキーが言った。
「私たちのリーダーは公の場で活動していません。簡単には公表できない仕事をしています」と、ロッキーが言った。
「残念だな。会えたら嬉しかったのだが」と、ボーディが言った。
「ところで、私たちの貧しい街を助けるために来てくれた皆さんの親切には、本当に感謝している」と、ボーディが言った。
「これは私たちの任務です」と、ロッキーが言った。
「私はいつも忙しくて、先ほど君たちに会うことができなかった」と、ボーディが言った。
「そうですね。あなたの代理の方も、先ほどはとてもお忙しそうでした」と、ロッキーは嫌味を込めた表情で言った。
「ははは! 彼はとても優秀な代理だ」と、ボーディが言った。
「君たちは知っているか? この貧しい街に滞在してもらうのは申し訳ないと思っている。だから、他とは違う私の家を訪れてもらえば、君たちも少しは気分が良くなるだろう」と、ボーディが言った。
「その必要はありません。私たちの基地の方が、ここよりもよほど良く見えますから」と、ロッキーは再び嫌味を言った。
「当然だ。私の国民には、私ほど努力する者が一人もいないから、自分のようにはなれないのだ」と、ボーディが言った。
「これはすべて私自身の努力の結果だ。だから、他人のために金を使わなければならないのは嫌なのだ」と、彼は言った。
「まさに窃盗政治だ」と、バルコニーにいたラジが言った。
「窃盗政治って何?」と、誰かが言った。
ラジが下を見ると、そこにはサイ、ルイス、ミシェルがいた。
「お前たち、いつからここにいた?」と、ラジは驚いて言った。
「どうして兄さんがここにいるの?」と、サイが言った。
「俺はただ、こういう堅苦しい社交的な集まりが好きじゃないだけだ」と、ラジが言った。
「ねえ、ねえ、この市長はどうしてさっきの人たちと違う生活をしているの?」と、サイが言った。
「どう違う?」と、ラジが言った。
「つまり、経済的な面」と、ルイスが言った。
(どうして今の年齢のこいつらが、こんなことを話しているんだ?)と、ラジは髪をかきながら思った。
「彼は街の住民の面倒を見たくないと思っている、とでも考えておけ」と、ラジが言った。
「そんな街が他にもあるの?」と、ミシェルはまだ帽子をかぶったまま尋ねた。
「第一都市」と、ラジが答えた。
「え? それって僕の街じゃん」と、サイが言った。
「なるほど。僕たちの街が喜びも苦しみもしないのは、市長に何の役割もないからなんだ」と、サイは面白そうに笑いながら言った。
「お前の言い方は、少し合っていないというか、何というか」と、ルイスが言った。
「第五都市以外に、まともな政府がある街ってあるの?」と、ミシェルが言った。
「ある。例えば第二都市だ」と、ラジが言った。
「第二都市は第七都市と同じように王政という形の統治制度を使っていて、今のところ政府はうまくいっている」と、ラジが言った。
「兄さん、第一都市にはそれぞれ長所があるって聞いたけど、第一都市の長所は何?」と、サイが尋ねた。
「それをどこで聞いた?」と、ラジが言った。
「アーデンさんから。僕たちが、こんな状態の街で悲しくないのかって聞いたら、彼は『それぞれの街にはそれぞれの長所と独自性があるから、今でも感謝している』って言ってた」と、サイが言った。
「この国には十の都市がある。話すとなると長くなる……」
「いいよ! 話して!」と、三人がラジの言葉を遮った。
ラジはため息をついた。
「まず第一都市は、この国で最も平和な街と呼ばれている」と、ラジが言った。
「侵略もなく、男女不平等もなく、人権侵害もなく、汚職やその他の犯罪もない」
「僕は第五都市が一番平和だと思ってた」と、サイが言った。
「僕たちの街が、戦争が頻繁に起こる場所だって忘れたのか?」と、ラジが言った。
「それに、男女不平等も第五都市ではよくある」と、ミシェルが言った。
「ああ、そうだった」と、サイが言った。
「そして一番大きな利点は、第一都市では自然災害がほとんど起こらないことだ」と、ラジが言った。
「ほとんど起こらないどころか、ほぼ一度もない」と、彼は言った。
「確かに!」と、サイが言った。
「でも、一度災害が起きたら、一つの街が一気に壊滅する」と、サイはあの時の大きな地震を思い出して言った。
「それは予測外だった」と、ラジが言った。
「じゃあ、第二都市には何があるの?」と、ルイスが尋ねた。
「第二都市には、先住民に二つのカテゴリーがある」と、ラジが言った。
「それは何?」と、ルイスが尋ねた。
「第一のカテゴリーは、白金色の髪を持つ人々だ」と、ラジが言った。
「このカテゴリーに属する人は、より尊敬され、より高い身分だと考えられていて、貴族の血を引いている」
「貴族の血を引いているからといって、このカテゴリーの人々全員が裕福というわけではない。いくつかの事情によって、社会でそれほど目立たない者も必ずいる」
「第二のカテゴリーは、普通の黒い髪を持つ人々だ」
「彼らは普通の人々とみなされ、特別な優遇はない」
「しかし、だからといって彼らに何もないというわけではない。その証拠に、その街の王族は黒い髪をしている」
「じゃあ、僕はそのカテゴリーに入るの?」と、サイが言った。
「お前は第二都市の人間じゃないだろ」と、ラジが言った。
「でも時々、そこの住民たちはその違いを気にしないこともある。ただ、その違いがとても重要なことだということからは逃れられない」と、ラジが言った。
「どうしてそうなるの?」と、ルイスが尋ねた。
「カーストや社会的地位のせいかもしれない」と、ラジが言った。
「兄さんはそこへ行きたくないの?」と、ルイスが言った。
「何のために?」と、ラジが言った。
「もしかしたら、白金色の髪をした女性に出会えて、幸運になるかもしれないよ」と、ルイスが冗談を言った。
「くだらない」と、ラジが言った。
「じゃあ第三都市は?」と、ミシェルが言った。
「第三都市の長所は、ヒドゥン・ソウルだけだ。それだけだ」と、ラジが言った。
「ヒドゥン・ソウル?」と、ルイスとミシェルが言った。
「でも、それって存在するかどうかも分からないんじゃない?」と、サイが言った。
「だが、存在すると考えられている。だから第三都市の長所になっている」と、ラジが答えた。
「ヒドゥン・ソウルって何?」と、ミシェルが言った。
「後で説明してやる」と、サイが言った。
「じゃあ第四都市は?」と、サイが言った。
「第四都市は……少し違う」と、ラジが言った。
「彼らは黒魔術の知識に長けていて、それを国のために利用することにも長けていた」
「だが、今ではその街は滅びている。だから、それらはすべてもう存在しない」
「そして第五都市」と、ラジが言った。
「私たちのような政府を持っているため、最も幸運な街と呼ばれていて、二番目に平和な街とも呼ばれている」
「じゃあ第六都市は? ここから見える?」と、サイはバルコニーの外を見ながら言った。
「お前たちも気づいているだろう。この街は農業がとても盛んで、その地域も非常に広い」と、ラジが言った。
「確かに」と、ルイスが言った。
「ここにある田んぼや畑はとても広い」と、ルイスが言った。
「第六都市は、この国で最大の農業生産量を誇る街と呼ばれている」と、ラジが言った。
「だが残念ながら、彼らはその長所を活用できていない」と、ラジが言った。
「そして第七都市は、最も強く、最も優れた軍事力を持っている。何度も戦争をしているが、一度も敗北というものを受け入れたことがない」と、ラジが言った。
「どうして組織は、戦争の時に彼らに助けを求めないの?」と、ルイスが尋ねた。
「彼らに迷惑をかけることになるのもあるが、これは政府によって定められた一対一の戦いだからだ」と、ラジが言った。
「それに、彼らが政府の力に対抗できるとは思えない」と、ラジが言った。
「次に、第八都市は他の都市よりも教育が非常に優れている」と、ラジが言った。
「多くの優秀な人々がいて、彼らの生まれた街に大きな可能性と希望を持っている」
「でも、あまり目立っていないようだし、街のために何もしていないみたいだけど」と、ルイスが言った。
「それはあそこの市長のせいだ」と、ラジが言った。
「そこの政府は、誰にも自分の地位を奪わせないの?」と、ミシェルが言った。
「その通りだ。だから、そこの住民は自分たちの街を救うことに成功したことがない」と、ラジが言った。
「第九都市はどうなの?」と、サイが尋ねた。
「第九都市は、名の知れた街ではない」と、ラジが言った。
「だが、そこには人々を非常に強くするための訓練施設がいくつかある」
「そこでは優れた武術家たちが育てられている」と、ラジが言った。
「じゃあ第十都市は?」と、ルイスが言った。
「ない」と、ラジが言った。
「え?」と、三人は困惑した。
「でも、さっき兄さんは十あるって言ったよ」と、サイが言った。
「第十都市というものは存在しない。ただし、首都が十番目を完成させる都市になっている」と、ラジが言った。
「ああ! 僕たちは長所を知ってる!」と、ルイスが言った。
「そこにはものすごく優れた技術と発展がある!」と、三人が言った。
「まあ、おおむねその通りだ」と、ラジが言った。
「すみません、私は部屋で休ませてもらいます」と、ボーディが言った。
「ここでは自由に楽しんでくれ。食べ物もたくさん用意してある」
「ありがとうございます。どうぞお休みください」と、ロッキーが言った。
ボーディはその場の近くにある階段を上っていった。
「そういえば、さっきから誰も食べてないみたいだね?」と、サイが言った。
「たぶん、これが全部汚い金で買われたものだって分かってるんだろ」と、ルイスが言った。
「声を小さくして」と、ミシェルが言った。
ラジはため息をついた。
「この集まりはいつ終わるんだ?」
「AAAAAH!」
突然、上の階から叫び声が聞こえた。
全員が驚いた。四人も含めて。
「今のはボーディさんの声だ!」
ロッキーとメンターたちは階段へ走った。
ラジも上へ走っていった。
「あの部屋だ!」と、カイが廊下にある少し開いた扉の一つを指差した。
彼らは扉の前までたどり着き、レオンがすぐに扉を開けた。
そこにはボーディの死体が床に倒れていた。大きなナイフが心臓に正確に突き刺さっていた。その場には大量の血があった。
彼らは本当に驚いた。
「ドォーン!」
突然、大きな雷が鳴り、部屋を照らすほどの光が差し込んだ。
彼らには、窓のところでしゃがみ込み、そこから飛び降りようとしている少年の姿が見えた。
全員がその少年と目を合わせた。
ラジはその姿を見て驚いた。
何も考えず、彼はすぐに部屋の中へ走り込んだ。
その人物は窓から飛び降りた。
ラジも窓際に立ち、かなり高い下を見た。
そしてすぐに飛び降り、その人物を追いかけた。




