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第34章 ルーシー・アレシア

「またここに来てくれて、お母さんはとても嬉しいわ。」

ミシェルの家で朝食を取っている時、ミシェルの母親が言った。


「僕たちも嬉しいです。」

サイはルイスと一緒に笑顔で答えた。


「前は、あなたたちが気に入ってくれるかどうか分からなかったの。お母さんの料理は、ゴールド・オーガニゼーションの食堂や、ルイスの家の料理ほど美味しくないだろうから。」

母親が言った。


「そんなことないよ。僕はむしろ、ここで食べるほうが好きだよ。」

ルイスが言った。


「そうだね。ここにいるほうが楽しいよ。家族みたいだから。」

サイが言った。


「そうなの? あなたたちがそんなふうに思ってくれているなんて、お母さんは思わなかったわ。」

ミシェルの母親は嬉しそうに言った。


「それで、この後あなたたちはどこへ行くの?」

ミシェルの母親が尋ねた。


「どこへ行こうかな? 僕たちも何も予定はないよ。」

ルイスが言った。


「仕事をしなくなってから、ルイスやミシェルと過ごす時間がたくさんできたんだ。」

サイが言った。


「どうして黙っているの? 何か提案して。」

ミシェルの母親が言った。


「私も何も予定はないよ。」

ミシェルが言った。


「それなら、僕の家に遊びに来ない?」

ルイスが言った。


「僕はあまり行きたくないな。」

サイが言った。


「私も。」

ミシェルが言った。


「ええー、残念だな。」

ルイスが言った。


「でも、あとで僕は一度家に戻るよ。おもちゃの銃を持ってくるのを忘れたから。」

ルイスが言った。


「一緒に行きなさい。友達の家を訪ねるのも悪くないでしょう。」

ミシェルの母親が言った。


「分かりました。僕たちも行きます。」

サイが言った。


***


「あ……何これ?」

サイはミシェルと一緒に驚いた様子で言った。二人はルイスの家を感嘆したように見つめていた。


白を基調とした五階建ての家。


ガレージには一台のリムジンと何台かの車があり、広い庭もあった。それだけでなく、家の裏には個人用の庭まであった。


「これ、家なの? それともお城?」

ミシェルが言った。


「た、建物の階数が本部と同じだ!」

サイは驚いて言った。


「中に入る?」

ルイスが尋ねた。


「いや、入らなくてもいいと思う。」

サイが言った。


「分かった。それじゃあ、ここで待っていてね。」

ルイスはそう言うと、自分の家の中へ走って入っていった。


「やっぱり、来なければよかった。 」

サイは思った。


「ずいぶん驚いているみたいだね。」

ミシェルが言った。


「君も驚いているだろ?」

サイが言った。


「ルイスがリムジンを持っているなんて、今まで知らなかった。学校へ行く時は普通の車に乗っているのに。」

ミシェルが言った。


「でも、僕が初めてルイスと友達になった頃、運転手が来た時はリムジンで迎えに来ていたよ。」

サイが言った。


「もしかしたら、その運転手は君に、ルイスと友達になる資格がないって思わせたかったんじゃない?」

ミシェルが言った。


「そうかもしれない。」

サイが言った。


突然、中から小さな子供の笑い声が聞こえてきた。


サイとミシェルは顔を見合わせた。


すると、一人の男性が、肩まである長い髪の女の子を背中におぶりながら、彼女と一緒に笑って出てきた。


「え?」

二人は、サイとミシェルの存在に気づいた。


「君たちは誰だ?」

男性が尋ねた。


「か、僕たちは……」

ミシェルは気まずそうに言った。


「すみません。お邪魔するつもりはなかったんです……。」

サイが言った。


「おお、君たちはきっとルイスの友達だね?」

男性は親しげに言った。


「は、はい。」

二人が答えた。


「おお、ようやくルイスの友達に会えたよ。どうして中に入らないんだ?」

男性はそう尋ねながら、女の子を背中から下ろした。


「いいえ、ここにいます。」

サイが言った。


先ほどの女の子は父親の体の後ろに隠れた。


彼女はサイとミシェルを見て、怖がっているようだった。


サイとミシェルは困惑し、お互いに顔を見合わせた。


「ああ、そうだ。自己紹介をするのを忘れていたよ。」

男性が言った。


「私はルイスの父親だ。よろしくな。」

男性が言った。


「よろしくお願いします。」

サイとミシェルが言った。


「そして、この子はルイスの妹だ。名前はルーシー。」

男性はそう言いながら、ルーシーの頭を撫でた。


ルーシーはそれでも父親の後ろに隠れていた。


「こんにちは。君がルイスから聞いていたルーシーだね?」

ミシェルが言った。


ルーシーはそれでも答えなかった。


「ルイスから聞いた話では、友達の名前はサイとミシェルだった。最初は、そのうちの一人が女の子だと思っていたが、二人とも男の子だったんだね?」

ルイスの父親が言った。


「え?」

サイはミシェルをちらりと見た。


ミシェルは小さく笑った。


「お父さん、この人がきっとミシェルお姉ちゃんだよ。」

ルーシーは驚いているミシェルを指差した。


「この人、女の人だよ、お父さん。」

ルーシーが言った。


「え? 本当か?」

ルイスの父親は驚いた。


「どうして分かったの?」

ミシェルは感心して尋ねた。


ルーシーは微笑み、それから父親の体の後ろに顔を隠した。


「ルイスの妹、可愛いね?」

サイが言った。


「君がミシェルなら、君がサイか?」

ルイスの父親が言った。


「は、はい。」

サイが答えた。


「ここでは心配しなくていい。私は君たちを町の他の住民たちのようには扱わないから。」

ルイスの父親が言った。


「でも、本当に君が女の子だったとは思わなかったよ、ミシェル。」

ルイスの父親が言った。


「それはよくあることです、おじさん。」

ミシェルが言った。


「サイ! ミシェル! 行こう」と、ルイスが家から出てきた。


「え?」


ルイスはそこにいる全員を見つめた。


「もうみんな会ったんだね?」と、ルイスが言った。


「どうして二人を中に入れなかったんだ、ルイス?」と、父親が尋ねた。


「二人が入りたくないって言ったんだ。僕は誘ったよ」と、ルイスが言った。


「それじゃあ、みんなで遊びに行くのか?」と、ルイスの父親が言った。


「もちろん」と、ルイスが答えた。


「それなら、ルーシーも一緒に連れて行ってくれないか?」と、ルイスの父親はルーシーの肩に手を置きながら言った。


「仕事に行く前にルーシーをどこかへ連れて行ってやるべきだったんだが、どうやら時間がないようだ」と、ルイスの父親が言った。


「もちろんいいよ」と、ミシェルは嬉しそうに答えた。


ルーシーは父親の後ろから彼を抱きしめた。


彼女は迷っているようだった。


「怖がらなくていいよ。お兄ちゃんが一緒にいるから」と、ルイスが言った。


「それに、二人は悪い人じゃないよ」と、ルイスが言った。


ゆっくりと、ルーシーは父親から手を離し始めた。


「一緒に遊ぼう」と、サイが言った。


「ルーシー、二人と一緒に行っておいで。お父さんは仕事に行かなきゃならない」と、ルイスの父親が言った。


ルーシーは微笑んで、それから頷いた。


父親も笑顔になった。


「それじゃあ、先に行くよ」と、そう言って、父親は再び家の敷地内へ入り、ガレージへ向かった。


「分かったよ、お父さん」と、ルイスが言った。


「それで、どこへ行く?」と、ルイスが言った。


「どこへ行こうか?」と、ミシェルが言った。


「そもそも、どこで遊ぶんだ? いつも通り、ミシェルの草原で遊べばいいんじゃないか?」と、サイが言った。


「またそこへ行くなら、それでもいいよ」と、ミシェルが言った。


「ルーシーもそこへ行く?」と、サイがルーシーに尋ねた。


「行きたい」と、ルーシーが言った。


「よし! 僕についてきて!」と、ミシェルはすぐにルーシーの手を引いた。


二人はサイとルイスを残して、一緒に走っていった。


「ミシェル、ルーシーのことすごく気に入ったみたいだね?」と、サイが言った。


「ルーシーと一緒にいると、女の子らしいところがすぐに出てくるんだ」と、ルイスが言った。


***


「どうして僕たち、ここに来たの?」と、サイは遊園地にいるときに言った。


「君たちは遊びたくないの?」と、ルイスが言った。


「僕たち、お金を持ってきてないよ」と、ミシェルが言った。


「問題ないよ。僕がいるから」と、ルイスが言った。


「君、やりすぎだよ! 君のせいで、僕たちがもっと自分たちを惨めに感じるじゃないか」と、サイが言った。


「え? そうなの?」と、ルイスは申し訳なさそうに言った。


「それに、僕たちの社会での評判を知ってるだろ?」と、ミシェルが言った。


「大丈夫だよ。僕がいれば、君たちは何もされない」と、ルイスが言った。


「もし誰かが君たちに手を出したら、父さんがすぐにそいつらを罰してくれる」と、ルイスが言った。


サイとミシェルは、うんざりしたようにルイスを見つめた。


「もういいよ。今回だけだから」と、ルイスが言った。


「分かった。君に任せるよ」と、ミシェルが言った。


***


まず、四人は観覧車に乗った。


四人は一番高いところにいて、遊園地全体を見渡すことができた。


「お兄ちゃん、怖いよ」と、ルーシーは兄に抱きついた。


「落ちたらどうするの?」と、ルーシーが言った。


「落ちないよ。ここは安全だから」と、ルイスが言った。


サイとミシェルは顔を見合わせた。


二人はルイスを見て、くすくすと笑った。


「ほら、あっちを見て。綺麗だろ?」と、ルイスは外を指差した。


ルーシーは外を見た。


遊園地の景色がはっきりと見え、とても綺麗だった。


「わあ……」と、ルーシーは感心した様子を見せた。


「次は何で遊びたい?」と、ルイスがルーシーに尋ねた。


「分からないから、みんなについていく」と、ルーシーが言った。


***


三人は回転するカップにも乗った。


カップが勢いよく回ると、みんな楽しそうに叫んだ。


次はジェットコースターだった。


ジェットコースターはどんどん上へ登っていき、急な下り坂を一気に下った!


サイ、ルイス、ミシェル、そしてルーシーを含め、乗っていた人たちはみんな楽しそうに叫んだ。


***


「あそこには何があるの?」と、ルーシーは子供たちが集まっている場所を見るために、ぴょんぴょん跳びながら言った。


「見えないのか? お兄ちゃんの背中に乗れ」と、ルイスはルーシーを背負った。


「わあ!」と、ルーシーは誰かが風船をいろいろな形にしているのを見て、嬉しそうにした。


***


ルーシーは、馬の形をした紫色の風船を一つもらった。


彼らはアイスクリームを食べながら歩き回った。


「これをやってみよう!」と、ルイスはそれを指差した。


彼らはフォトボックスへ走り、中へ入った。


彼らはめちゃくちゃなポーズで写真を撮った。


カメラにとても近づいている者もいれば、変な顔をしている者もいた。


「結果はすごくひどいね」と、ミシェルは外へ出ながら写真を見て言った。


「ほら、そこに写っている君の顔を見てよ」と、ルイスは笑いながら言った。


「君たちも自分たちの顔を見たほうがいいよ」と、ミシェルが言った。


「パシャ!」


一人の写真家が周囲の写真を撮り続けていた。


そのため、サイ、ルイス、ミシェル、そしてルーシーの四人は、彼のほうを見た。


四人は顔を見合わせた。


***


「準備はいい?」と、その写真家が言った。


「準備できた!」と、彼らが言った。


「1、2、3!」


「パシャ!」


彼らは撮った写真の出来上がりを見た。


サイは一番右にいて、両手の親指をカメラに向けてポーズを取っていた。


ミシェルはその左隣で、二本の指を立ててポーズを取っていた。


ルイスはミシェルの左隣で、二本の指を顎に当ててポーズを取っていた。


そして、ルイスの左隣にいるルーシーは、カメラに向かって手を振っていた。


背景には観覧車があり、写真はとても綺麗に仕上がっていた。


彼らは遊びながら、お菓子もたくさん食べた。


ボールを積み重ねた缶に投げるゲーム、池で魚を捕まえるゲーム、そして輪を瓶に投げ入れるゲームなど、小さなゲームでも遊んだ。


ルイスは射撃ゲームに挑戦し、三発とも的に命中させた。


「これが君への賞品だ」と、ゲームの店主はルイスに中くらいの大きさの白いクマのぬいぐるみを渡した。


「君にあげる」と、ルイスはそのぬいぐるみをルーシーに渡した。


「わーい! ありがとう、お兄ちゃん!」と、ルーシーは嬉しそうに言った。


サイとミシェルは、その兄妹を見て微笑んだ。


***


ルーシーはミシェルの草原を走り回りながら、通り過ぎるウサギたちを追いかけていた。


サイ、ルイス、そしてミシェルは、草原から道へ続く坂の近くに座っていた。


三人は遠くからルーシーを眺めていた。


ルイスは微笑んだ。


「こんなに元気で明るいルーシーを見るのは久しぶりだ」と、ルイスが言った。


「君、両親がルーシーを大切にしていないって言ってなかった?」と、サイが言った。


「でも、彼女は父親とすごく仲が良いみたいだね」と、ミシェルが言った。


「ルーシーは父さんと仲が良いし、父さんもルーシーをとても大切にしている」と、ルイスが言った。


「でも、母さんがルーシーに酷いことをしても、父さんはいつも黙っている。だから、ルーシーを助けるために、僕も自分で手を出さなきゃいけないんだ。」


「時々、父さんにすごく腹が立つんだ。まるで母さんに逆らう力がないみたいで」と、ルイスは悲しそうな様子で言った。


サイとミシェルは、悲しそうにルイスを見つめた。


「ところで、僕が女の子だってルーシーに言ったことある?」と、ミシェルは話題を変えるように言った。


「え? 言ってないよ」と、ルイスが言った。


「そうなの? じゃあ、どうして私が女の子だって分かったんだろう?」と、ミシェルが言った。


「ルーシーは観察力があるんだよ」と、ルイスが言った。


「最初に僕がミシェルって名前を言った時点で、きっと女の子だって分かったんだ。」


「でも、さっき君の父さんは分からなかったよ」と、サイが言った。


「最初は父さんもミシェルを女の子だと思っていた。でも、男の子みたいなミシェルを見て、そう思わなくなったみたいだ」と、ルイスが言った。


「ルーシーはすごいね。すぐに分かったなんて」と、サイはまだ遊んでいるルーシーを見ながら言った。


「君だって、あの時初めて僕に会った時、すぐに分かったじゃないか」と、ミシェルが言った。


「そうでもないよ」と、サイが言った。


「あの時は、君の髪型が違っていたから、僕は君を男の子だと思っていた。それなら仕方ないよ」と、ミシェルが言った。


「でも、母さんが私の髪留めを引っ張った時、今みたいな髪型を見て、すぐに私が女の子だって気づいたじゃない」と、ミシェルが言った。


「もちろん! 僕だって観察力があるんだから!」と、サイは得意そうに言った。


「自信過剰だよ」と、ルイスが言った。


「お兄ちゃん!」と、ルーシーがウサギを一匹抱えて、三人のほうへ走ってきた。


「見て! 捕まえられたよ!」と、ルーシーは三人の近くに座って言った。


「よくやったな」と、ルイスはルーシーの頭を撫でた。


「ウサギを捕まえられるなんて、すごいね」と、ミシェルが言った。


ルーシーは嬉しそうに微笑みながら、そのウサギを撫で続けた。

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