第25章 エルガ茸狩り
「それで、ゴールドオーガニゼーションのオーディションを受けているんだな? ここまでは順調か?」
祖父が尋ねた。
二人はボスの兄のカフェで、一緒に食事をしていた。
「今のところは順調かな。」
サイは答えた。
「それならよかった。」
祖父は言った。
「おじいさん、どうして僕のことを覚えているの? ボスの兄のことは忘れていたのに。」
サイは言った。
「私は長い間、孫に会っていなかった。一方で、お前とはつい最近会ったばかりだからな。だから、お前のことのほうをよく覚えているんだ。」
祖父は答えた。
「そういえば、ボスの兄はどこにいるの?」
サイは尋ねた。
「私がお前に会いに行きたいと言ったら、一緒に来たくないと言ったんだ。すぐに機嫌を悪くして、一緒に行くのを断ったよ。」
祖父は答えた。
「そ、そうなんだ……。」
サイは気まずそうに言った。
「ところで、おじいさんはさっきショッピングモールで何をしていたの?」
サイは尋ねた。
「何もしていない。ただ散歩をして、お前に会いたかっただけだ。」
祖父は言った。
「ちょうどよかったね。」
サイは言った。
「どうやら、町の住民たちはお前をひどく扱っているようだな?」
祖父は言った。
「う、うん。そうみたい。」
サイは答えた。
「私には、その理由すら分からない。」
祖父はさらに言った。
「教えてあげられなくて、ごめんな。」
祖父は言った。
「つまり、おじいさんは、どうしてみんなが僕を避けているのか知っているの?」
サイは尋ねた。
「みんなはお前を避けているだけじゃない。サイ、お前を憎んでいるんだ。」
祖父は言った。
「やっぱり、僕の予想は当たっていたんだ……。」
サイは落ち込んだ様子で言った。
「でも、どうして? どうしてみんなは僕を憎んでいるの?」
サイは言った。
「さっき言ったように、それをお前に教えることはできない。」
祖父は答えた。
「私たちは皆、過去に起きたことについて、もう二度と話さないと決めたんだ。」
祖父は言った。
「そうなんだ……。」
サイは落ち込んだ様子で言った。
「もうそんなことを心配するより、早く食事を食べ終えなさい。」
祖父は言った。
サイはうなずいた。
そして、再び食事を続けた。
***
翌日――
「第四の試験は、少し違います。皆さん、あの北にある丘が見えますか?」
監督官1はそう言って指差した。
参加者たちは北の方を見た。
「はい、見えます。」
参加者たちは答えた。
「あの丘のずっと先には、ウィルダネスの森という森があります。今日、皆さんにしてもらうのは、そこにしか生えない珍しいキノコを探すことです。」
監督官1は言った。
「えっ? あそこに入らないといけないんですか?」
一人の参加者が抗議した。
「その通りです! あの森は、100パーセントが原生林というわけではありません。ルールは、森の奥へ100キロメートルを超えて入りすぎてはいけないということです。」
監督官2は言った。
「その境界を越えたら、どうなるんですか?」
一人の参加者が尋ねた。
「そこから先は、人間が一度も足を踏み入れたことのない場所、つまり原生林です。だから、そこにどんな危険が待っているのか、私たちにも分かりません。」
監督官1は答えた。
他の参加者たちは不安そうな様子を見せていたが、サイは普通にしていた。
「それでは、皆さんが探すキノコについて説明します。」
監督官2は言った。
「そのキノコの名前は、エルガ茸です。珍しいキノコですが、とても需要があります。」
監督官2は言った。
「特徴は、薄い茶色をしていて、表面に白い斑点があることです。見つけたら、町の住民に好きな値段で売ることができます。」
監督官1は言った。
「皆さんに与えられる時間は一日だけです。正午を過ぎてから戻ることができますので、その時間をできるだけ有効に使ってください。」
「はい!」
参加者たちは答えた。
「それでは、すぐに出発します。」
監督官2は言った。
***
「忘れないでください。制限時間は明日の夕方までです。時間切れになった時にここへ戻ってこなかった場合、または制限時間が終わる前に戻ってきた場合は、失格となります。」
監督官1は言った。
「分かりましたか?」
監督官1は尋ねた。
「分かりました!」
全員が答えた。
「よし、それではもう森に入っていいぞ。頑張れ!」
監督官2は言った。
参加者たちは森の中へ入り始めた。
サイは森へ入ることに少し不安そうな様子を見せていた。
「前みたいなことが、もう起きないといいな。」
サイは言った。
「僕はきっと大丈夫! ラジ兄に勧められた物も持ってきたから!」
そう言って、サイはポケットからナイフを取り出した。
そして、意気揚々と森の中へ歩いていった。
サイは右を見たり、左を見たりしながら歩いた。
「前にあの虎と会ったのは、このくらいの場所だった。危険な動物には会いたくないな。まだそんなに深い場所には入っていないし。」
サイは言った。
「でも、危険なものに出会わないとは限らない。」
サイはさらに言った。
「もういい。あの時見つけた場所の近くで、あのキノコを探さないと。」
そう言うと、サイは木に登り、木の枝から枝へと飛び移った。
彼は地面を注意深く見ながら、木の枝から枝へと飛び続けた。
「もう十分に奥まで来たかな?」
サイは言った。
その時、サイは地面に生えているエルガ茸を見つけた。
「あった!」
サイはすぐに地面へ飛び降りた。
そこには、確かにいくつかのエルガ茸が近くにまとまって生えていた。
「多くはないけど、それでもすごく嬉しい。」
サイはしゃがみ込んで言った。
そして、背負っていたバッグを外し、その中へエルガ茸を入れた。
突然、サイのずっと後ろにある茂みが、何かが動いたように揺れた。
サイは後ろを振り向いたが、そこには何もなかった。
そして、再びエルガ茸をバッグへ入れ続けた。
サイはエルガ茸をすべてバッグへ入れ終えた。
そして、再びバッグを背負い、立ち上がった。
すると、後ろの茂みが再び動いた。
サイはもう一度後ろを振り向いた。
サイは少し苛立った様子だった。
「誰かいるの?」
サイは言った。
それでも、誰も出てこなかった。
「用があるなら出てきてよ!」
サイは言った。
茂みが再び動いた。
サイは、それが危険なものだった場合に備えて身構えた。
すると突然、サイより年上に見える一人の男性参加者が、そこから出てきた。
「ご、ごめん。どうやら邪魔しちゃったみたいだね。」
その参加者は言った。
サイは不機嫌そうな目で彼を見つめた。
「何? どうして僕の近くにいるの?」
サイは言った。
「何でもないよ。ただ、たまたまここを通っただけだ。」
その参加者は答えた。
サイは眉をひそめた。
そして、その男を置いて歩き始めた。
しかし、その男はサイについてきた。
サイは歩き続けたが、その男はそれでもついてきた。
「どうして僕についてくるの?」
サイは言った。
「何でもない。たぶん、俺たちの通る道が同じなんだろ。」
その男は答えた。
サイはさらに歩く速度を上げた。
それでも、その男はずっと近くにいた。
「実はさ、さっきお前が取ったキノコを、俺もずっと狙っていたんだ。」
その男は言った。
サイは何も言わなかった。
そのまま歩き続けた。
「でも、お前が突然来て、取ってしまった。」
その男は言った。
「早い者勝ちだよ。」
サイは答えた。
「確かにそうだけど、そのキノコを俺に渡してくれないか?」
その男は言った。
サイは立ち止まった。
そして、振り返った。
「何のために?」
サイは言った。
「さっき言っただろ。俺が先にあのキノコを見つけたんだ。だから渡せ!」
その男は苛立ち始めながら言った。
「僕が手に入れたんだから、君はまた探せばいいよ。」
サイは言った。
「お前、俺に逆らうのか?! いいから早く渡せ!」
その男は言った。
「嫌だ! 君、何様なの?!」
サイは言った。
「俺を怒らせるな!」
その男は再び言った。
「僕は気にしない!」
サイはそう言って、再び歩き始めた。
「このクソガキ! そんな生意気な態度じゃ、合格できないぞ!」
その男は言った。
「どうして町の住民がお前を嫌っているのか、これで分かるな!」
その男は言った。
サイは足を止めた。
そして、怒った目でその男を振り返った。
「僕の前でそのことを口にするな!」
サイは怒って言った。
「何だよ?! 本当のことだろ!」
その男は言った。
「君には関係ない!」
サイは言った。
「お前がどう思おうと、俺は気にしない! そのキノコを渡さないなら、俺はずっとお前の邪魔をしてやる!」
その男は言った。
「僕だって気にしない!」
サイはそう言うと、すぐに木の枝へ飛び移った。
「おい! 逃げるな!」
その男も木の枝へ飛び移った。
サイは勢いよく走りながら、枝から枝へと飛び移っていった。
「あいつ、さっきからずっと僕を追いかけてくる!」
サイは苛立ちながら後ろをちらっと見た。
「止まれ! 俺に関わったら、痛い目を見るぞ!」
その男は言った。
サイはそのまま走り続け、彼から逃げた。
「止まれ、このクソガキ!」
その男は木の枝を一本へし折った。
「止まれって言ってるだろ!」
その男は木の棒をサイへ向かって振った。
ちょうどサイは後ろを振り向いていた。
そして、その棒がサイの頭に直撃し、折れた。
サイは痛そうな様子を見せたが、それでも気を抜かなかった。
その男は、サイが何の反応もしなかったことに驚いた。
サイはすぐにその男を蹴り飛ばした。
男は遠くへ吹き飛ばされた。
しかし、サイは木の枝へ足を着地させることができなかった。
サイは落下した!
しかし、すぐに木の枝につかまった。
その時、突然、サイのバッグに入っていたキノコが次々と落ち始めた。
サイは驚いた。
「あっ、バッグを閉めるのを忘れてた!」
サイは言った。
キノコは次々と落ち続けた。
「ははは! どうやら、そのキノコは俺のものになりそうだな!」
先ほどの男が戻ってきて言った。
しかし、突然、男は驚いた。
「や、やばい!」
男は言った。
なんと、落ちたキノコは、地面で眠っていた一頭の熊の近くに落ちていた。
「どうしよう?」
サイは熊の真上にぶら下がりながら言った。
「幸運を祈るよ。俺はもう行くからな。」
その男はすぐにその場から立ち去った。
「く、くそ! あれを取り戻さないと。」
サイは心の中で思った。
サイはその枝で体を振り、熊から離れた場所へ飛び降りた。
サイはゆっくりと近づき、バッグを外した。
「早くしないと。」
サイは心の中で思いながら、バッグへ再びキノコを入れた。
やがて、バッグはいっぱいになった。
「よし、これで行ける。」
サイは心の中で思い、バッグを閉じた。
「え? もう行くのか?」
誰かの声が聞こえた。
サイは一本の木の枝を見上げた。
そこには、先ほどの男がいた。
「もう少し遊んでいかないか?」
男はそう言うと、熊へ向かって石を投げた。
そして、その石は熊の頭に直撃した。
「まずい!」
サイは心の中で思い、すぐに慌てた。
熊はゆっくりと目を覚ました。
そして、サイを見るとすぐに唸り声を上げた。
「僕、逃げられないかも……。」
サイはバッグの中から吹き矢を取り出そうとした。
しかし、すぐに熊に押し倒され、顔を少し引っかかれてしまった。
「まずい……。」
サイは心の中で思いながら、なんとか耐えていた。
熊に足を押さえつけられていたが、サイは一本の枝で熊の口を押さえていた。
サイはなんとか逃れようとした。
しかし、熊は本当に凶暴で、ものすごく恐ろしい声で唸っていた。
熊の口を押さえていた枝が、ついに折れた。
熊はサイに襲いかかろうとした。
「ごめん!」
サイは心の中で思い、すぐに吹き矢を使った。
そこから一つの石が飛び出し、熊の目へ向かって正確に飛んでいった。
熊は激しく苦しみ、何歩も後ろへ下がった。
サイはすぐに立ち上がり、バッグをつかむと、その場から一気に走り去った。




