第17章 悪魔の姿
第17章 悪魔の姿
カイは突然、様子がおかしくなった。
その体からは禍々しい黒いオーラが立ち上り、体は赤く染まり、瞳には燃え盛る炎が宿っていた。
二人の男は思わず怯える。
カイはただ黙って立っているだけなのに、この一帯の地面そのものが震えているように感じられた。
「か、カイ兄に何が起きたの?」
サイは驚いて言った。
黒いオーラはさらに強くなり――
次の瞬間、それは大爆発を起こした。
土煙が一面に舞い上がり、男たちは視界を失う。
すると突然――
カイはスタンガンを使っていた男の隣に立っていた。
そして一瞬で男の頭をつかみ、そのまま引きちぎった。
催眠術使いの男は完全に凍りつく。
仲間は一瞬で殺されてしまった。
「何をしている!?」
「早くあいつを攻撃しろ!」
男は残った部下たちへ叫んだ。
大柄な男たちが一斉にカイへ向かう。
「来い!」
「お前はもうすぐ死ぬ!」
男たちは叫ぶ。
カイは動かない。
燃え上がるような瞳で彼らを睨み続けていた。
「攻撃しろ!」
男たちは一斉に走り出した。
そして周囲一帯を煙で包み込み、
カイの姿を完全に隠した。
それでもカイは落ち着いていた。
その場から一歩も動かない。
辺りは静まり返る。
煙の向こうからは何の音もしない。
突然、一人の男が剣を持ってカイの背後へ現れた。
カイは振り向く。
男は剣を振り下ろした。
しかし、
カイの体は突然煙へと変わった。
「なっ!?」
男は驚く。
次の瞬間、
カイはすでに男の背後へ回っていた。
そして頭を殴りつける。
男は即死した。
残りの男たちも次々と現れ、
カイを取り囲む。
「殺せ!」
彼らは叫ぶ。
全員が剣をカイへ投げつけた。
カイは一本の剣をつかむ。
そして高く跳び上がった。
そのまま剣を一人の男へ投げつける。
剣は男の頭へ突き刺さり、
男はその場へ倒れた。
全員が驚愕する。
カイは稲妻のような速さで地面へ降り立ち、
さらに別の男を蹴り飛ばした。
煙のせいで仲間たちには何も見えない。
「気をつけろ!」
「あいつが見えない!」
誰かが叫ぶ。
男たちは左右を警戒した。
「あっ!」
また一人、
煙の中へ消えた。
残った者たちはさらに怯える。
「こうなったら仕方ない!」
一人の男が煙を消し去った。
その瞬間――
カイは彼らの真上へ高く跳び上がっていた。
男たちは大きく目を見開く。
カイは炎の玉を投げ放つ。
炎は彼らへ命中し、
大爆発を起こした。
催眠術使いの男は恐怖で震えた。
「役立たずども!」
「早くあいつを殺せ!」
男は残った兵士たちへ怒鳴る。
兵士たちは再びカイへ突撃した。
カイは静かに振り向く。
すると、
体を包んでいた黒いオーラは、
少しずつ炎へと変わっていく。
そして突然、
その炎が爆発した。
炎は一帯へ広がり、
兵士たちを容赦なく襲う。
あまりの熱さに、
兵士たちは悲鳴を上げた。
炎は途切れることなく噴き出し続ける。
カイの怒りは、
まだ消えていなかった。
やがて炎は静まる。
そこに残っていたのは――
砕け散った白骨だけだった。
催眠術使いの男は完全に恐怖した。
カイは一瞬で男の前へ現れる。
その首をつかみ、
体ごと持ち上げた。
男は必死にもがく。
カイの手を振りほどこうとするが、
まったく動かない。
「こいつに何をした?」
カイは黙って立つソフィア姉を指差した。
「は……離せ……。」
男は息ができない。
「飛行機をぶつけたのもお前か?」
カイは問い詰める。
男は答えられない。
呼吸することすら苦しかった。
「答えろ!!」
カイの怒りとともに、
炎が再び燃え上がる。
「……ああ。」
男は苦しそうに答えた。
「今すぐ飛行機をどかせ。」
カイは命じた。
「で……できない……。」
「なぜだ!!」
カイの怒りはさらに燃え上がる。
「お……俺は……。」
男は苦しそうに言葉を絞り出す。
「俺は弱い人間なんだ……。」
「この女の力に頼っていただけなんだ……。」
男はソフィア姉を指差した。
「外道め!!」
カイは男を地面へ叩きつけた。
土煙が再び舞い上がる。
男は激しく地面へ叩きつけられ、
原形も残らないほど無残に死んだ。
カイは飛行機へ向かって歩き出す。
しかし突然、
ケンがその前へ立ちはだかった。
「全部がそんな簡単に終わると思ったか?」
顔を腫らしたケンが言う。
「どけ。」
カイは低く、
だが恐ろしい声で言った。
「その前に俺を倒してみろ。」
ケンは一本の注射器を取り出した。
ためらうことなく、
その中身を自分の腕へ打ち込む。
サイたちは思わず驚いた。
ケンは邪悪に笑う。
「見せてやる。」
「これが俺たちのプロジェクトの力だ。」
突然、
ケンの体は漆黒へと染まった。
カイはまったく怯まない。
今度はカイの体から黒い煙が立ち上る。
そして、
その姿はゆっくりと変化していく。
巨大なゴリラのような姿へ変わり、
その変貌はあまりにも恐ろしかった。
カイは数歩後ろへ下がる。
ケンの体はどんどん巨大化し、
近づいて来る。
その体は、
元の三倍もの大きさになっていた。
瞳は赤く、
鋭い牙を持ち、
その声は身の毛がよだつほど恐ろしい。
「そ、そんな……。」
サイは驚きの声を漏らした。
「どうした?」
ルイスが尋ねる。
「僕……。」
「前にもあんな化け物を見たことがある。」
サイは言った。
「ウィルダネスの森で!」
怪物は大きく咆哮すると、
カイへ飛びかかった。
カイはすぐにかわす。
怪物は再び追いかける。
カイは炎の玉で攻撃した。
しかし効かない。
逆に、
怪物の爪がカイを切り裂いた。
カイは大きく吹き飛ばされる。
怪物はさらに追撃する。
カイは立ち上がり、
殴られる寸前で身をかわした。
「すごく危険だ……。」
「カイは死んじゃうんじゃないか?」
ルイスは不安そうに言った。
「そんなことない!」
「きっと倒す方法がある!」
サイは言う。
「前にラジ兄は、
ウィルダネスの森で同じ怪物をあっという間に倒したんだ!」
「だからカイ兄だって勝てる!」
サイは力強く言った。
「だったら、どうしてわざわざこんな姿になる必要があるの?」
ミシェルは尋ねる。
「きっとカイ兄を怖がらせたかっただけだよ!」
サイは答えた。
「あの時の怪物は、
最初はただの虎だった。」
「だから動物を使ったんだと思う。」
「でも今回は違う。」
「自分自身を怪物へ変えたんだ!」
サイは言った。
カイは攻撃を避け続ける。
怪物は執拗に追いかける。
体の傷のせいで、
カイの動きは少しずつ鈍くなっていた。
「それに。」
「注射で力も強くしたかったんだ。」
「人間の姿のままだったら、
すぐに倒されちゃうから。」
サイは続けた。
「そうなんだ……。」
「でも、本当に勝てるのかな?」
ルイスは不安そうにつぶやいた。
カイは大きな岩の上へ跳び乗る。
怪物も飛び上がり、
拳を振り下ろそうとする。
カイはすぐにかわした。
怪物の拳は岩だけを叩く。
岩は一瞬で爆砕し、
粉々になった。
カイは怪物の後方へ大きく跳ぶ。
しゃがみ込み、
怪物の動きをじっと見つめる。
息は荒く、
その姿は明らかに疲れ切っていた。
果たして、
カイはこの戦いを生き延びることができるのだろうか。




