アリサ救出
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「見えた! あそこです!」
「うむ!」
肩に担がれたグランフォスが15階層への入口となっている場所を指差しネフィラが返事をする。
「揺れが収まったのう」
「ですね! もしかしたら副マスター達が地龍を討伐したのかもしれません!」
度々揺れることがあったが、グランフォスはそれを地龍が壁や階層の破壊をし回っていたからだと結論付けていた。
そしてそれが暫くの間なっていないことからロアク達が討伐出来たのだと信じてやまなかった。
「!? すまん降ろすぞ!」
「へ? ぐぎゃあっ!?」
突然ネフィラがそんなことを言ったかと思った頃には既にグランフォスは離されていて、まともに受け身も取れないまま地面を転がった。
「いってぇ! 急にどうし、あっ!」
地面を転がりきった先ですぐのネフィラが向かった方へ視線を向けると、ネフィラのさらに奥に倒れているアリサと今にも斬りかかろうとしているフード男がいた。
それを見たネフィラはグランフォスを離してさらに加速して疾走する!
そしてネフィラは一瞬だけその男と目があった。
「・・・・・・ぁ、なんだおま」
男が言い切る前にネフィラは男の首を刈った。
ゴトッと鈍い音を立てながら頭が地面に落ち、時間差で体が後ろへと倒れた。
なんとか間に合ったと、ネフィラは内心ほっとする。
「え?」
目の前に落ちてきた男の顔面を眺めながらアリサが困惑の声を出した。
「まだ生きてるな」
「!?」
ネフィラは満身創痍なアリサの生存確認も完了して安堵のため息がある。
「ネフィラぁ」
「うむ。よく頑張ったぞ、アリサよ」
漆黒の大鎌を肩に置いてもう片方の手を腰に当てグランフォスが走ってくるのを待つ。
「ポーションだ! ほら、ゆっくり飲め!」
息を切らしながらグランフォスがやってきてポーチからポーションを取り出しアリサにゆっくりと飲ましていく。
「これでひとまず安心じゃな」
自身の武器以外何も持っていないネフィラはそれを見て、次の行動を考える。
グランフォスに聞いた話だとアレスとフィルドがはぐれたと。
さてどうするかなど思っていると遠くに方から2人の人物が走ってくる。
「地龍は討伐したようじゃな」
「え?」
ネフィラの言葉にグランフォスが顔を上げ周りを見るとロアクとレックスがこちらへ走ってきているのが見えた。
「副マスター! ロアクさん!」
「グランフォス、戻ってきていたのか」
「はい! 案内役としてですが・・・・・・地龍、倒したんですね」
「ああ」
2人と合流したグランフォスはレックスの答えに嬉しそうにして涙を堪えた。
「先生! 来てくれたんですね!」
「お主の魔法使いが色々手を回していたおかげですぐに来れたのじゃ。それが無ければアリサが危なかった、感謝するぞ」
「それは本人に伝えてあげてください」
Sランクという冒険者の最高峰にいるロアクが、少女に対し先生と呼びながら丁寧に接する様子があまりに可笑しく違和感すぎてレックスとグランフォスはそれを見て固まってしまった。
「その本人はどこおるんじゃ?」
「具体的な場所は分かりませんが、21階層より下層だと思います。順調に戻ってきていれば、突破出来ているかもしれませんが、そんなに早くはないと思います」
あの二人が落ちたのは未踏破領域である21階層よりさらに下層の未到達の階層。
まず正規ルートは分からない。
上層への道を見つけるのは完全に運だが、この広いダンジョンでそれはよっぽど豪運じゃなければすぐには見つからない
「とりあえず行きましょう。レックス、お前も上へ戻れ。先生の案内は俺がやる」
「・・・・・・しかし」
「拒否権はない。限界だろ、お前は休め」
「・・・・・・了解した」
レックスがアリサを背負い、グランフォスと共に上層へと戻っていくこととなった。
そして4人は二手に別れてそれぞれ進み出した。




