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てんやわんやで異世界転生  作者: いんふぃ
第3章 マルガス公国
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てんやわんやな日常回

『肉まん』と少女達の売り込みも終わり、宿屋に帰る。


 マドックはこれから海運業者関連での話し合いがあるらしい…お仕事お疲れ様です。


 自分は宿屋に入ると自室でフォルディルとオモチのブラッシングだ!


 フォルディルの毛は細くきめ細やかで柔らかい。


 指で傅(くしず)くだけで絡みそうなので、柔らかく絡みづらいブラシで撫でるようにブラッシングをしてやる。


 どうやらあまりごみも付いてないようなのでさっとするだけで綺麗になった。


 問題はオモチである…鳥のブラッシング何てした事がないからな。


 まずは指でする為に、手を羽毛の中に入れていく。


 もぞもぞと際限なく手が中に入っていくようで大変だったが、この羽毛かなり肌触りがいい…


 ついつい時間を掛けて毛繕いをしてしまった。




 ピカピカになった二匹は置いておき、今度は装備品を確認していく。


 鎧はこの間のマスタークラスとの戦闘でかなり痛んでしまった【認識阻害】のローブも作ったし、多少良いものでも作ろうかな?


 取り敢えずは【魔導製皮】で痛んだ所を剥がして持っているなめし皮で補強していく。


 ブーツは…完全に作り直した方が早いな。


 こちらも【魔道製皮】で新しい物を作ってしまう。


 弓の方は殆ど使って無いので弦を外して油を塗って補修する。


 さて、問題の黒い長剣なんだが自分の技術で手入れ出来るかな?


 鞘から抜くと、引っかかりも無く刀身に問題ないように思える。


 刃を確認していくがあれだけ激戦を戦い抜いたのに刃こぼれがない ! 再度刀身の曲がりも確認するがこちらも大丈夫のようである、


「うーん…魔法が掛かっていないのは分かっていたけど、それでこの状態を保てるものなのか ? 凄い技術だなぁ」


 マスタークラスの魔剣使いと打ち合って無傷なのだ、正直材質に見当もつかない。







 気がつくと既に日が降りようとしていた。


 オモチとフォルディルもお腹が空いたのか自分に纏わりついてくる。


「分かった分かった、今からご飯を食べにいくから行儀良くしような?」


 自分の言葉に頷く二匹。


 下の食堂に行くと、既に船員の何人かは酒を飲みながら食事をしていた。


「すいません。今日の日替わり五人前と野菜と果物の盛り合わせを一つお願いします。飲み物はエールで」


 来てくれた女給さんに注文すると自分の顔を二度見して奥の厨房に走って行った…何か自分したっけかな?


 注文した料理が来ると、フォルディルとオモチ用に別のお皿まで用意してくれていた。


 さっきの視線はこれだったのか…お礼を言って二匹に渡す。


 相変わらずオモチはよく食べるしフォルディルは上品に野菜から食べている。


 今日の魚料理は…『蒸し魚』だと ⁈


 流石に驚いてしまうが、話は一口食べてからにしよう。


 蒸し魚は火の加減がとても難しく、中心は若干生に近いものが最上とされているが、この蒸し魚は中心がほぼ火が通っている程度なのでかなり上手に出来ている…


 異世界の料理人を舐めてたな…


 お代わりをすべて平らげ、料理長の元に行くと満足気な顔で自分を迎え入れてくれた。


「手作りで蒸し器を作って、何度か魚を蒸して見たんだがどうだったかい?そこそこいい料理になったと思うんだが」


 自信はあるが私の意見も取り入れたいという事だろう…向上心の塊のような料理長に【アイテムボックス】から竹で編んだ蒸し器を出すと渡してあげる。


 この蒸し器こそこの人には相応しいだろうから…


「おぉ?これがあんたの使う蒸し器なのか? …えぇ! 貰っていいのか !済まないな」


「いえ、半日でここまで仕上げられる貴方に感動しての事です。一番上に魔石をつけて『保護』の魔法が掛かるようにしてますので劣化はしないはずです。魔石が完全に黒くなれば保護がかかりませんので申し訳ないですがその時はご自分で魔石を用意してください。後、お酒で蒸す『酒蒸し』というものがありまして魚との相性も良いですよ」


 それだけ言うと満足して二匹を連れて部屋に戻る。


 後ろから料理長の悲鳴が聞こえてきたが無視だ無視。




 部屋に戻ると全員に(クリーン)を掛けてゆったりと時間を過ごす。


 二階からの景色も良い眺めで、二匹を寝かせながら、自作の蜂蜜酒を飲みながら夜空を見る。


「ふぅ…こういう日々の過ごし方が自分らしいな」


 夜空を酒を飲みながら眺める。


 日々の普通の生活がいかに大事か再認識させられる。


 夜のひと時を楽しみながらその日はぐっすりと眠ることが出来た。







「ドン! ドン! ドン ! 」


 …あれだけ良い夜を過ごせたのに、朝から呼び出しのドアの音での起床とは残念すぎる。


 フォルディルとオモチも起きたようなので嫌々ながら扉を開ける。


「貴方がベルという名前の人物かな?私はマルガス公国近衛隊第2小隊隊長のハニカムという者だ。

 済まないが君を王宮へ呼ぶようにとコルカ王国からの大使であるカーター殿から話を受けてな、今ここに来ているのだよ。

 申し訳ないが準備出来次第私と一緒にマルガス王宮に行ってもらう事になる」


 可哀想なものを見る感じで自分を見られ大変不快ではあるが、それ以上にカーターからの呼び出しだというのが気になる。


 どうやら今日も波乱万丈になりそうだ…





読んで頂きありがとうございます。

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