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てんやわんやで異世界転生  作者: いんふぃ
第3章 マルガス公国
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てんやわんやな商売構想

 朝市の観光を終え、案内してくれた少女の家に無理矢理向かう。


 考えてみなくても、はたから見れば事案だな、これ。


 見た感じ、少女は体はガリガリで食事も満足に取れてないようなのに、それでもお金を稼ぐ為に朝市に仕事を探しに来ていたのだと言う。


 そんな子を見てしまったらどうしようもない。


 神様からチートを貰ったこの人生、好きに生きると決めたのだからやれる偽善ならやっていこう…相手によるけどね。




「こちらが私達の住んである所なんです…もぅこれ以上迷惑は掛けたく無いので申し訳ありませんがここまでにしてくれませんか?」


 知らない男をここまで連れて来た少女は今になって不安が大きくなったのだろう。


 俺はその言葉に構わず、家の暖簾のような布を潜り挨拶をする。


「こんにちは。こちらにお腹を空かせた子がいると聞いて来たんだけど何処にいるかな?」


 怪しさ爆発の言葉に中にいた二人の少年と一人の女の子がびっくりしてこちらを見ている。


 唖然とする少女を放っておいて、自分は子供達にリンを取り出し、更にコップやすりおろし用の鉢などを背中の袋から取り出す振りをして【アイテムボックス】から出していく。


「ちょっと待ってね。すぐに美味しいジュースを作ってあげるから。それまでこれでも舐めていてね」


 ポカンとする子供達の口に飴玉を一つずつ入れていく。


 驚いた子供達だが、唾液と混じった飴の甘さに驚いてそのまま飴を無言で舐め続ける…


 少女の口にも飴を入れると、自分はリンの皮を剥き、ある程度細かく切るとすり鉢でリンをすり潰していく。


 リンの甘い匂いが小屋の中に広がり、俺を止めようとしていた少女も幸せそうな顔になってくる。


 朝市で仕入れたミルクも使い少しだけ砂糖を入れる。


 これで擦り下ろしリンのミルク割りの出来上がりだ。




「ゆっくり飲んでいくんだよ。後はこのパンを、浸しながら食べると美味しいよ」


 自分の説明を聞いた子供達は本当に少しずつパンを浸したり、ゆっくり味わうように飲んでいる。


「「「おいしい ! 」」」


 三人の子供の笑顔がとても眩しい。


 もじもじと自分の作ったジュースを手に持ったままこちらをちらりちらりと見ている少女に自分はニッコリと微笑んで質問をしてみる。


「ご家族の方は他にいらっしゃらないのかな?ジュースならまだお代わりを作れるけど?」


 自分の不躾な質問に少女は俯いたまま説明してくれる。


 彼女達の親は流行り病で両親とも亡くなったらしい。


 最近までは少女が働いていたり、両親の遺産で何とか食いつないでいたようだ。


 最近は食べる物を周りの人達が分けてくれる物で何とかしていたようだが、もうすぐ人頭税を払わないといけなくなり、そのお金を貯める為に食事を減らしていたそうだ。


「親戚や知り合いにも頼れないんだね?」


 自分の確認に涙を浮かべながら頷く少女。


「なら、仕方がないね。ウチで働いて貰おうか」


 自分の言葉に目を見開き、唖然とする少女を見ながらこの子はこんな表情も出来るんだなと彼女を見ながら感心していた。







「…で、何で俺の所に来るのかな?今の話でどこに俺が関わる所があるのか教えて欲しいんだが?」


 マドック船長がご機嫌斜めのようです。


 自分はまぁまぁと言いながら、マドックにこれからする事を話していく。


 この場には先程の兄弟が全員来ており、フォルディルとオモチを渡している為、ご機嫌だ。


 少女だけはこんな場所に連れてこられてプルプル震える小動物のようになっている。


「正直、雇うだけならどうにでもなるがそれじゃお前が駄目すぎるだろう。そんな考えを俺に言うはずもないしな。一体俺に何をやらせたいんだ?」


 マドックが胡散臭そうに自分を見ながら言ってくる。


「ちょっとデオドラ商会の人に取り次いで欲しい事があってね。この子達に『ある料理』を教えるからその受け皿になって貰えないかなぁ…って」


 自分の言葉に頭を抱えるマドック、解せぬ。


「お前の料理って…大丈夫なんだろうな?大騒ぎになるような物は勘弁だぞ?」


 心配そうなマドックに自分は胸を軽く拳で叩いて宣言する。


「この子達をこの首都で一番の屋台の名物にするだけだよ!」


「…駄目じゃねぇか」


 マドックが机に倒れこんだけどしょうがないね。






 今日の所はこの子達に宿の部屋をとりここで過ごしてもらう。


 サルサ爺が意外と面倒を見ることが好きなようで子供達の面倒を見てくれている。


 その間に自分はちょっと【神の箱庭】に行き、生産室である物を作る予定だ。







「母は悲しいです。何故我が子は挨拶もせずにこのような場所で嬉々として物を作っているのでしょうか?」


 識天使が絡んでくるが相手にしている余裕はない。


鉄と魔石、後はスライムの乾燥させた物とケイシャかな?


「中々変わった物を作りそうですね。あの子達が幸せになるのなら多少は技術革新も良いでしょう」


 やっぱり見ていたのか…まぁいいや。


【魔導鍛治】【魔導錬金】を使い、箱型の基板を作りそこにケイシャで作った石英ガラスをはめ込み、縁をスライムで作り出したゴムの代わりの品で密閉する。


 中の様式は網のような形をした板状の物を何枚か掛けれるようにして、水蒸気の周りを損ねないようにする。


 天井にはファンのような物を用意して魔石で回転させるようにする。手を傷つけないように網の目の蓋も付けておく。


 下には水を熱する回路を作り、ある程度の温度で固定出来るようにしておく。


 このくらいなら魔具としても普通だろう。


 何個か作り上げながら稼働させ問題ないか確かめる。



 蒸し器が出来たから今度は使える食材を吟味していかないとな。



















読んで頂きありがとうございます。

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