表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
てんやわんやで異世界転生  作者: いんふぃ
第3章 マルガス公国
83/107

てんやわんな神の箱庭9

 夕食を食べた後、言葉通りに追加の補習を受ける13隊の面々と自分。


 切られるは殴られるは、いいようにやられていく。


「側から見たらこうも理不尽だとはな。しかし、やる度に練度が上がっているから恐ろしい」


「練度が上がってももう一度やりたいとは二度と思いませんよ」


 バフマンとギルツの声が遠くに聞こえる。


「これでも手加減と隙は充分にあるのですよ」


 平然と鬼畜な事を言う先生が恐ろしい。

 そんな事を考えていた所為か、後ろ回し蹴りで吹き飛ばされる。







「では、今日はここまでです。ベルは明日も補習ですね。では女性人の皆さんは私と入浴に行きましょう。男性陣はベルが案内しなさい」


 やるだけやった後はすぐに入浴だ。


 自分はこの家の風呂のマナーを話しながら皆を連れて行く。


「親子の風呂か…感慨深いな」


 マドックはそんな事を言いながら自分の肩に手を回してくる。


「風呂かーこの家の風呂だから変わっているんだろうな」


 リデルは何故かウキウキだ。


 あんなに叩き伏せられたのに元気な奴め。


「儂公務をほっぽりだしておるんだが大丈夫かの?」


 ここでは時間は経ちませんから大丈夫ですよ公爵様。


「うーむ。冒険者を辞めたらこう言う所に住みたいな」


 バフマンさんは貴族なんだからいい老後を迎えれるでしょ。


「本が、本が見たいのに…」


 ギルツは見たこともない本の数々に心を奪われていたようだ。


「ちきしょー良いようにやられちまった。あそこまでやられたのは新兵で入った時以来だぜ」


 バーディはかなり熱くなっているな。


 リデルの指示には従っているがどうなることやら。


「へこむ〜集中砲火はへこむ〜」


 ゾハンは補習で一番狙われていたからな。


「………」


 サルジさんは本当は受けなくても良かったんだが自ら志願して受けていた。


 …良い人過ぎる…


「魔法を使おうとする度狙われます。気が抜けません」


 ギルベルトさんは回復やら剣の補助やら忙しそうだった。


 マルチな人はパーティでは大変だな。




 風呂場に着くと暖簾を潜り入ることになる。


 暖簾は「ゆ」の字、自分が用意したわけではない。


 天使ちゃんでお風呂が好きな2番こと、ふーちゃんがお風呂場に関しては勝手に改築していた。


 自分がいない間にどうなったのか正直不安だ。




「「「「……………⁈ 」」」」


 開けた瞬間、着替え場があるわけなんだが広い…なんだこりゃ?100人でも入れそうな大きさになっている。


 自分がいた時は小部屋だったのに何があった⁈ 取り敢えず使い方は変わってないので教えながら周りを見るが大型銭湯よりも大きいんじゃないかな?


 着替えが終わり、いよいよ風呂場に入るわけだがすごい湯けむりだ。


 湯けむりを越え、自分達が見たものは見ただけで30を越える湯船やサウナの数だった。


 砂風呂まであるじゃないか…ふーちゃんどこまでやっちゃったの⁈


 流石に説明しきれないのでアリスを呼ぶ。


 前にアリスには男風呂に入る時は水着を着るように言っておいたのだが、出て来たアリスはスク水だった…


「アリス⁈ その水着誰にもらったの?」


 自分の性癖にされたくないので調べる。


 多分あの人だろうが確認しておく。


「これは2番さんからの指示です。水着はこれと決まっているそうなので」


 …ふーちゃん、君は何処へ向かおうとしているんだ。


 アリス達の説明により風呂の説明を受ける。


 基本的な岩風呂から始まり、泡風呂や泥風呂、薬草湯の入った風呂や温泉の多種類な物があり皆、興味津々である。


「ふぅ…これは良いな」


 公爵なんか既に薬用湯に入ってるし、バフマンさんは泡風呂に挑戦してる。


 ギルベルトさんはサウナに向かっているようだし、バーディとサルジは温泉プールで泳いでる…


「ベル。お前どんだけ風呂好きなんだよ」


 マドックとリデルが白い目で自分を見ているが冤罪だ!


「ここ、自分の世界のはずなんですけど天使ちゃんや母さんに好き勝手されてますから…」


 遠い目をする自分に何か感じるものがあったのか二人は慰めてくれた。






 存分に楽しんだのか男達の表情は爽やかだ。


 女性陣に至っては自分に今後も連れてきて欲しいとまで言われている。


 ここ自分の避難所なんだけどな…


「それじゃアリス達が2Fの客室にご案内しますのでそれぞれの部屋にどうぞ。お客同士の部屋の出入りは自由ですがそれ以外は入れなくなっていますからね」


 自分はそう言うとアリス達に先導されていく皆を見届けた後、鍛治の出来る1Fの生産部屋に入る。


 ここまで来てもらったお詫びにそれぞれの人に武具を作るつもりだ。


【魔道鍛治】を使い、ある程度の武具を作ろうかと考えている。


 魔導鍛治は魔力により製鉄並びに鍛錬をするスキルで上位鍛治の職人でも魔力操作に長けたものしか使えないエクストラスキルだ。


 基本は鉄を使い作るつもりだが、それでも魔力を付与した武具となるのでそれなりに重宝されるだろう。


 スキルを発動すると魔力により魔術文字が浮かび上がり、宙を漂いながら図式となり最後には魔法陣となる。


 魔法陣に吸い寄せられた材料は溶解し、精錬され鍛造され自分が思い描いた武具をなる。


 一つ作るのにそれなりの魔力がいるため今は廃れたスキルだが自分の百花繚乱は今は失伝されたスキルさえ使う事が出来る。


 夜の闇の中、生産室で自分は光を操り武具を作るのであった。





















読んで頂きありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ