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てんやわんやで異世界転生  作者: いんふぃ
第3章 マルガス公国
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てんやわんやな神の箱庭10

 明け方が近くなる頃、ようやく全ての武具が出来上がる。


 一級品とは言いがたいが、かなりの魔力を持つ品となった。


「流石に久しぶりの徹夜は辛いな」


 元の世界では何かと徹夜をして事を覚えているので忙しい仕事をしていたのだろう。


「まぁ、昔は昔、今を楽しまないとな」


 こういった製品を創り出すというのは自分にとって中々楽しみでもあるため、最初に来た頃は自重せず作り続けたものだ。


「ご主人様、朝の朝食の用意が出来ました。皆様のご起床もそろそろかと思われます」


「分かったよ。もう少ししたら食堂に行くから皆には少し待ってもらおう」


 自分は材料の片付けをしながらアリスにお願いをする。


「かしこまりました。ですが識天使様だけは私達の手に負えませんのでお早めに」


 そう言うと、すっと消えるようにいなくなるアリス。


「さて、出来るだけ早く終わらせますか」


 俺は怒られないように手早く片付けを続けるのであった。




「遅かったですね。何をしていたかは知っていますのでこれ以上は言いませんが良い物が出来た事を喜びましょう」


 他の皆には分からない話し方で俺の製作した品を褒めてくれる。


 少し照れくさい所はあるが、製品を褒めてもらうことに関しては正直嬉しい。




 皆での朝食が終わると自分はアイテムボックスから今日の朝まで掛けて作った品々を出していく。


「何だ何だ、その逸品揃いの品々は見せつける為に持ち出して来たのか?」


 バフマンさんが笑いながらこちらに来て品物を持ったり抜いたりして見ている。


「いえ、皆さんの為に自分が作った物です。お気に召すかどうかは分かりませんがメインよりもサブの武器や補助装備として使ってもらおうかと…」


 そこまで言って誰も喋らなくなった事に気付く。


 どうやら真剣に見定めに入ったようだ。

 流石武人だらけなことはあるな。


「それぞれに渡していきますから説明を聞いておいてくださいね」


 俺はまず大剣をバフマンに渡す。


「これは通常の鉄を使っていますが精製に魔力を用いている為、かなりの鋼になっています。中心の芯には硬めの鉄を、外周の刃の部分には軟鉄に近いものを使っています。

 叩き切るより、切り落とす使い方をするバフマンさんに合わせてますね。付与魔法の効果は硬化と修復です。魔力を流せばある程度は直ります」


 バフマンさんは、早速抜き放ち振り抜いている。


 時空魔法で重力配分などを調べ、使っていた大剣を元に作り出したのだがどうやら合格みたいだ。


「これは…いいな。本当に貰ってもいいのか?」


 ためらいがちのバフマンに頷く。




 次はセラさんだ。


 取り出したのはショートソード。


「こちらも鋼に近くしており、切る事に重点を置いた物になります。こいつには大剣のような強化重視では無く、軽量化と鋭利の付与魔法を掛けてます。手数重視のセラさんに合わせた形ですね」


 セラさんは鞘から抜いただけで腰にしまう。


 ただ、抱きつくのはやめてください。


 バフマンさんとギルツが大笑いしてますから。




「ギルツにはこれ、首飾りだね。銀とターコイズを使って創り出した物で主に魔力回復を多少だけど強くしてくれる。魔法を多用するギルツにはお似合いかなって」


 ギルツは首に首飾りを掛け魔力を流しているようだ。


 驚きの顔のまま、こちらを見てくるギルツ。


 何か問題があったかな?


「素晴らしい魔力伝導率だな。これだけでも杖の代わりになりそうだ。魔力の回復も確かに強くなっているし…ありがたい」


 ギルツからもお礼を言われ、次に13隊全員に短剣を渡す。


「この短剣は同じ短剣があるところが分かるようにしている。短剣としては多少性能がいいくらいだが、迷宮や森などで離れ離れになっても分かるようにした。隊全員で揃えた方がいいかなと思ってね。どうだろう?魔力を流せば反応が分かるはずだ」


 自分の言葉にリデルが早速試している。


離れ離れになり魔力を通して反応を確かめているようだ。


 13隊皆が笑顔なので問題ないかな?


「これは凄いな。本来なら国宝級だぞ。五本皆反応が違うから探索などでは役に立ちそうだ」


 リデルの笑顔も見れたし次に行こう。


 公爵とクリステラ、ついでにメリナも呼んでくる。


 メリナは恐縮していたがクリステラには彼女が必要だろう。


「こちらの三人にはこの銀の腕輪だね。これには魔力を貯め、危機になると自動的に魔法障壁が発生するようにしてある。三分間と余り時間は持たないけど防御力はかなりのものだ。一日で回復するようになっているから一日一回と覚えておいて」


 俺が三人に手渡し、予備で作った腕輪で試してみる。


 クリステラの一撃すら防ぐ魔法障壁には皆驚いていた。


「こんなに凄い物を頂いて良いのでしょうか?」


 メリナは既に顔が青くなっている。


 自分はメリナの手を取り本音を言う。


「クリステラは結構抜けている所があるからね。メリナさんの行動を見て、これならメリナさんに役に立ちそうだと思ったから作ったのさ。貰ってくれるね?」


 メリナは涙を流し受け取ってくれた。


 クリステラが頰を膨らませているが成人女性がする行動ではありません。


 公爵は普通に受け取ってくれた。







「さて…父と母にも勿論あるのでしょうね?」


 ラシャンが激しくプレッシャーを掛けてくる。


 自分は金の指輪を二つ取り出す。


 宝石は菫色のアメジストだ。


「マドック、嫌がらせじゃ無いからそんな顔しないで。これは通信の指輪。一日一回1十分間使えるようにしてある。これで文句は無いよね?お母さん」


「完璧ですね。後はアーデルにつけて貰えば問題ありません。良くやりました。ベル」


「完全に嫌がらせじゃねーか!俺は元勇者なの!今は違うの!」


 マドックは怒っているが、自分にはお似合いの二人だといつも思っている。




 いつもありがとう…お父さん、お母さん。
















読んで頂きありがとうございます。

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